■「公開から1ヵ月が経とうとしているなか、こういう機会を作っていただけて幸せです」(松たか子)
松たか子とSixTONESの松村北斗が初共演で夫婦役を演じる映画『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)の大ヒットを記念して、3月3日に福岡での舞台挨拶が急きょ決定。観客に直接感謝を伝えるべく、主演の松たか子が登壇した。
映画は、2024年の現在から“15年前”の2009年にタイムトラベルし、亡き夫に再び恋をする物語。奇しくも、映画としては『告白』以来 “15年ぶり”の地方キャンペーンとなる松たか子が、T・ジョイ博多での舞台挨拶に臨んだ。
松が「みんなに会いたかったけん。今日は福岡来たとよ~!」と博多弁を披露すると、会場からは「きゃー!」と歓声と拍手が。映画のキャンペーンは15年ぶりということで、「キャンペーンで実際に各地に伺うのはなかなかできなかったので、今回思いかけず実現できてとてもうれしいです」と挨拶。
福岡に来るのは2023年に博多座で行われた舞台以来だという松は、「私の母が博多出身で、自分にもどこかに博多の血が流れているなとずっと感じながら育ってきました。一昨年の博多座公演の休演日に、博多座から電車に乗って、母が生まれ育った西公園の近くをぶらぶらしました。大濠公園や美術館がすごく素敵で、とってもいい休演日をひとりで過ごした思い出があります」と語り、「福岡は道も解放感があって気持ちがいいし、母が育ったんだという安心感があります。たまにお邪魔すると、すごくホッとする感覚があります」と福岡愛を語った。
また、公開から24日間で観客動員数117万人、興行収入16.7億円を突破し、公開4週目にして再び週末観客動員数No.1に返り咲いた(※2月28日〜3月2日 興行通信社調べ)ということに対して、「劇場に足を運んでくださるお客様やスタッフの皆様の情熱のおかげです。演じた側としては、これ以上の幸せはないです」とコメント。「私より年上のご夫婦で観に行ってくれた知人が、旦那さんがご病気を乗り越えられるなど、日々戦っていらっしゃる仲良しなご夫婦なのですが、『帰りに手をつないで帰りました』というメッセージを送っていただきました。そういう風に受け取ってくださった方が、映画を観て豊かに感じていただいた感想なので、素直にうれしかったし、そんなお話に関われたんだと、私も幸せな気持ちになりました」と周囲からも素敵な感想が来たことを報告した。
現在、公式SNSで開催されている「#解像度があがる映画ファーストキスのはなし」では、劇中の考察や気づいたことの投稿で盛り上がっていることに対して、松は「私自身が演じていて面白かったのは、劇中で演じたカンナがあの手この手でおしゃれをしたり、お化粧をしたりするのですが、最後にチャペルのシーンでは、いちばん何でもない格好をしていることです。ヨレヨレのシャツとジーパンで、ここぞというときに彼女の努力は報われない、というのが愉快な女性だなと思いました。カンナの努力と現実の報われ度のズレも、またご覧になる機会がありましたら、楽しんでいただけたらと思います」と語った。
その後、観客からの質問に答えるティーチインを開催。松はティーチインへの参加は初めてとのこと。会場には2回以上リピートした人が半分以上いて、中には5回以上観たという人も。司会の「質問のある方!」の呼びかけには、数十人が一斉に挙手。松が大好きという女性の「松さんご自身とカンナの共通点は?」という質問には、「落ち着いているようで落ち着きがないところかもしれないですね。それが似てるって言うと、カンナさんに失礼かもしれないですけど(笑)。私は理解できないという役はあまりないです。この人がこういう行動をするのはどんな理由かなと考えたり、なるべく役に寄り添いたいと思って演じています」と演技についても真摯に回答。
2回観て2回とも号泣したという女性の「私は『もう一回!』のシーンが好きですが、松さんが演じていて心に残ったシーンがあれば教えてほしい」という質問には、「『もう一回!』のシーンは、正直こんなに盛り上がってくださると思っていなかったです(笑)。私自身はカンナと駈がふたりでホテルのロビーで話しているところ、『15年後の世界はどうなってる?』という問いかけから、『人は何を観ても聞いてもやばいしか言わなくなってる、やばいやばい』と言いながらふたりで歩いていくシーンが好きです。もうお別れがわかっているふたりが、無邪気にやばいと言い合える時間がすごく楽しくて、ふたりが何かを受け止めたんだということを感じられるのが印象に残っています」と回答。
松と坂元裕二(脚本)のタッグが大好きという男性は、「劇中ではかき氷が食べられなかったと思いますが、パンフレットにはかき氷を食べてるシーンがあって、もしかするとそういう世界線がタイムトラベルした先にあったのかなと思って、舞台裏が聞きたいです」と質問。「素敵ですね。それで行きたいですが、あれはある意味別の世界線ですね。撮影が終わって『松たか子と松村北斗がかき氷を食べた』という写真でございます。別の世界線ということになるかと思います(笑)」と回答すると、会場からは爆笑が。「でも、そう思っていただけるような方が映画をご覧くださっていることが、こうやって福岡キャンペーンも決まった理由なんだなと思いました。全部知るとがっかりしないか心配ですが、そういう風に想像力を使うといくらでも楽しめる作品ですし、パンフレットもとても素敵なので、お買い求めいただけたらうれしいです。写っているものがすべてじゃない何かを想像してもらえているなら、すごくうれしい感想です」と答えた。
最後は会場に集まった人たちに、「公開から1ヵ月が経とうとしているなか、こういう機会を作っていただけて幸せです。切ない話かもしれませんが、私は幸福な話だと受け止めています。夫婦ふたりの話のようで、周りを取り囲む人たちにもそれぞれ別次元の世界線があって、そうやって広げていくと観た方それぞれのお話になっていくんじゃないかなと思うようなお話です。お時間が許せば、また足を運んでいただけるとうれしいですし、この人に観てほしいという方がいたら、その人に声をかけてみてください」というメッセージで締め括った。
舞台挨拶後に松は、「実際に足を運んで皆さんの声を聞くと、すごく実感が湧きました。皆さん温かく、楽しんでくださったのかなと思います。素敵な質問や感想を持ってくださっていて、こちらも勉強になった時間でした」と感想を述べた。
映画情報
『ファーストキス 1ST KISS』
公開中
脚本:坂元裕二
監督:塚原あゆ子
出演:松たか子 松村北斗
吉岡里帆 森七菜
YOU 竹原ピストル 松田大輔 和田雅成 鈴木慶一 神野三鈴
リリー・フランキー
配給:東宝
(C)2025「1ST KISS」製作委員会
映画『ファーストキス 1ST KISS』作品サイト
https://1stkiss-movie.toho.co.jp/




