デビュー10周年イヤー“MGA MAGICAL 10 YEARS”真っ只中のMrs. GREEN APPLE。デビュー日・7月8日にはベストアルバム『10』のリリース、今秋には5大ドームツアー『DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”』の開催を発表するなど、JAM’S(Mrs. GREEN APPLEのファンネーム)とともに存分に楽しむための計画が練り上げられている。
そんなMrs. GREEN APPLEの軌跡をたどるべく、聴衆の心に残る数々の名曲や新曲「クスシキ」「天国」を紐解くとともに、大森元貴(Vo、Gu)、若井滉斗(Gu)、藤澤涼架(Key)、メンバー3人のプロフィールやバンドとしての魅力に迫る。
■キャリアハイを更新し続ける、Mrs. GREEN APPLE
Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)
・結成:2013年
・デビュー:2015年7月8日発売のミニアルバム『Variety』
・メンバー:大森元貴(Vo、Gu)、若井滉斗(Gu)、藤澤涼架(Key)
・ファンクラブ:Ringo Jam
・ファンネーム:JAM’S(ジャムズ)
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◎Mrs. GREEN APPLEとは?バンド名の由来や活動への想い
Mrs. GREEN APPLEといえば、“今、日本でいちばん売れているバンド”だと言って差し支えないほど、名実ともに音楽シーンを牽引する存在だ。作詞作曲を手がける大森元貴が、「僕と一緒にバンドをやれば99%メジャーデビューできる」とメンバーを誘い、Mrs. GREEN APPLEを結成したのが2013年。
バンド名の決め手は言葉の響きであり、「赤く熟さず、初心を忘れずにいよう」という意味は後づけだったそうだが、結成当初から万人に響く音楽を志向していた彼らを体現している。
◎フェーズ1完結。約2年の休止期間を経てフェーズ2へ
結成からわずか2年、2015年7月8日にミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。
▼Mrs. GREEN APPLE – 『Variety』ダイジェスト
以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー『エデンの園』は東名阪公演を即日ソールドアウト。メジャーデビュー5周年となる2020年7月8日に初のベストアルバム『5』をリリースし、オリコン週間合算アルバムランキング、Billboard 総合アルバム・チャートにて1位を獲得するなど、異例のスピードでシーンを駆け上がるも、2020年7月8日に“フェーズ1 完結”を宣言し、活動休止へと入った。
その後、2022年3月18日に配信シングル「ニュー・マイ・ノーマル」を発表し、“フェーズ2”を開幕。大森元貴、若井滉斗、藤澤涼架の3名体制であらたな歩みを刻んでいくことに。
▼Mrs. GREEN APPLE「ニュー・マイ・ノーマル」Official Music Video
◎自由度を高めるため、固定概念を取り払う
休止期間中、Mrs. GREEN APPLEの可能性をさらに広げるためにダンスを習うなど、“バンド”という固定概念を取り払ったことで、楽曲やビジュアルなど、より自由度が増したフェーズ2。
老若男女、国境すらこえて響く、音楽を突き詰め、普段音楽を聴かないような人たちにも想いを届けたい──。この“変化”には、彼らの確固とした強い想いが感じられるとともに、活躍ぶりからもわかるように、自らのビジョンを実現させ、音楽で様々な人を虜にしている。
◎2年連続!紅白出場&レコード大賞受賞
バンド結成10周年を迎えた、2023年。当時のミセスにとって最大規模となるアリーナツアー『Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR 2023 “NOAH no HAKOBUNE”』、初のドームライブ『Mrs. GREEN APPLE DOME LIVE 2023 “Atlantis”』を開催。
2024年には日本のバンド史上最年少で実現させたスタジアムツアー『ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~』と、ライブのチケットは瞬く間にソールドアウト。
さらに、『第65回日本レコード大賞』では「ケセラセラ」が、『第66回日本レコード大賞』では「ライラック」で2年連続レコード大賞を受賞。加えて、第74回・第75回の『NHK紅白歌合戦』にも2年連続出場を果たしている(※第74回で紅白初出場)。
◎2025年は“MGA MAGICAL 10 YEARS”
2025年5月、初開催となった国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』では、「最優秀アーティスト賞」「カラオケ特別賞 カラオケ・オブ・ザ・イヤー: J-Pop powered by DAM & JOYSOUND」「最優秀ジャパニーズソングアーティスト賞」の3部門を受賞。
いっそう勢いづく彼らだが、2025年はデビュー10周年を迎える節目の一年でもあり、“MGA MAGICAL 10 YEARS”と称し、様々なプロジェクトを発表し、推進中だ。
2月15日・16日に韓国での初単独公演『MGA LIVE in SEOUL, KOREA 2025』をはじめ、7月8日にはベストアルバム『10』のリリース、7月26日・27日には神奈川県横浜市山下ふ頭での10万人動員ライブ『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD〜』、今秋には史上最大規模となる合計55万人動員予定の5大ドームツアー『DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”』と話題に事欠かさない。
■豊かな音楽を紡ぐ、3人のメンバー
大森元貴(おおもり もとき)
・生年月日:1996年9月14日
・パート:ボーカル、ギター
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Mrs. GREEN APPLEのフロントマンであり、頭脳。Mrs. GREEN APPLEの全楽曲の作詞、作曲、編曲、 さらに作品のアートワークおよびミュージックビデオのアイデアまで、楽曲に関するすべての要素を担当している。
Ado、NiziU、TOMORROW X TOGETHERら他アーティストにも楽曲を提供しており、2024年には、Billboard JAPAN年間チャートの作詞家・作曲家両部門で2年連続の1位を獲得。最近では、NHK Eテレ『天才てれびくん』の音楽コーナー「MTK(Music Terebi Kun)」へ「こたえあわせ」を楽曲提供したり、4年ぶりとなるソロ楽曲「絵画」(2025年5月28日配信の3rdデジタルシングル)をリリース。
音楽活動のほか、俳優としても活動。映画『#真相をお話しします』では映画初出演にして主演(timelesz菊池風磨とのダブル主演)をつとめており、NHK連続テレビ小説『あんぱん』出演も発表されている。
若井滉斗(わかい ひろと)
・生年月日:1996年10月8日
・パート:ギター
Instagram @hiloto_wakai_mga
大森とは中学時代の同級生で、Mrs. GREEN APPLE結成以前からの付き合い。ライブではロックなギタープレイでファンを沸かせている。YouTubeでは「【本家】若井滉斗ライラック弾いてみた」など、そのギタープレイを堪能できるコンテンツも公開中だ。
また、活動休止期間中に勉強を始めたという韓国語は、今では通訳を介さずにコミュニケーションがとれるレベルに。
2024年12月に単独で渡韓した際には、韓国の人気YouTubeチャンネル『동네친구 강나미』に出演し、自身が進行役を務める音楽番組『M:ZINE』の取材でHYBE本社を訪れるなど、語学力やカルチャーへのアンテナを生かした活動を行っている。
🎵 #MZINE エンジン📕
1・2月のM:ZINEは…
初の韓国ロケを決行✈️最新K-POPのヒミツ 弾丸取材ツアー
〜超人気K-POPアーティストに会いまくりSP〜
をお送りします🙌🎉第1弾豪華出演アーティスト解禁🎉
JAY・SUNGHOON・NI-KI(#ENHYPEN)
KEY(#SHINee)続報もお楽しみに…💖… pic.twitter.com/2xv3j0OH1l
— M:ZINE【エンジン】 (@MZINE_tvasahi) December 21, 2024
藤澤涼架(ふじさわ りょうか)
・生年月日:1993年5月19日
・パート:キーボード
Instagram @ryoka_fujisawa_mga
ピアノやキーボードだけではなく、フルートやピッコロも演奏。クラシックピアノを習っていた幼少期から長年クラシック音楽に向き合ってきた経験が反映された、繊細かつテクニカルなプレイが持ち味だ。
個人ではバラエティ番組に出演したり、『天才てれびくん』にて演技に初挑戦したりと活動の幅を拡げている。
さらに、ファンクラブ連動企画「ドン!ドン!りょっピー!」では、Mrs. GREEN APPLEが単独公演を行ったことのない土地へ赴き、観光名所やご当地グルメを堪能したり、地元メディアに出演するなど、ロケスキルを磨きながらその土地の魅力に触れている。
【「Welcome Back! Jam Land」Vol.57 公開🎥】
FAN CLUB MOVIE「Welcome Back! Jam Land」Vol.57 公開!
今回は「ドン!ドン!りょっピー!」島根編🏯
山陰グルメを堪能しつつ、ドン!ドン!PRしていきます🤭
🍏: https://t.co/PFpAcJDFha
#MrsGREENAPPLE#ドンドンりょっピー#JamLand pic.twitter.com/81akYaqRTZ— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) November 20, 2024
■ミセスは心の栄養源!彼らが愛される理由
◎イマジネーション豊かな楽曲と圧倒的な演奏スキル
フェスシーンの隆盛とともに4つ打ちの音楽が流行った2010年代半ばに、「StaRt」などの突き抜けてポップな楽曲を提示したMrs. GREEN APPLEは、その後もバンドであることや特定のジャンルに縛られず、幅広い楽曲を制作してきた。
どのくらい幅広いかというと、ライブを行えば「セトリがジェットコースター」と言われるほどだ。ジェットコースターどころか、メリーゴーランドも観覧車もバイキングも揃えているのがMrs. GREEN APPLEであり、彼らの楽曲からは、世の中のあらゆる娯楽のなかで最も魅力的なエンターテインメントを音楽で作ろうという熱意を感じる。
また、大森がDTMで作った楽曲を若井と藤澤が耳コピする制作スタイルも特徴的である。大森は演奏上の便宜に囚われずにイメージを描いているため、ミセスの曲にはプレイヤー泣かせのフレーズも多いが、それがリスナーのワクワクにも繋がっているのだろう。そんな大森のイメージを見事に体現し、時に超越する若井と藤澤は唯一無二のプレイヤーだ。
◎同じ時代を生きるリスナーの人生に寄り添う歌詞
3人の華やかなビジュアルから「Mrs. GREEN APPLEには明るくて爽やかな曲が多いのでは?」というイメージを持っている人もいるようだが、どこか寂しさを感じさせる曲のほうが実は多い。
なぜかというと、大森の哲学的思考「人生とは」という思惟や死生観が歌詞に綴られているからだ。
神話の中には人間の愚かさに怒り世界を崩壊させる神もいたが、Mrs. GREEN APPLEは人間性を見限らず、等身大でややこしい内省も含めて、素直に音楽に投影させている。
大森の伸びやかな歌声とともに届けられる歌詞は、普遍的なメッセージとなり、世代を問わず様々な人の心を揺さぶっている。
◎多彩なスタイルによるライブパフォーマンス
Mrs. GREEN APPLEは様々なスタイルでライブを行っており、その多彩なアウトプットも彼らの魅力のひとつ。
例えば、“ノアの方舟”や“アトランティス”などをモチーフとした“ストーリーライン”と語られるシリーズや、アマチュア時代から続く“バンドらしさ”に軸足を置いた“ゼンジン未到”シリーズ、音楽劇の表現方法を取り入れた『The White Lounge』、Kアリーナ横浜で計10日間行われた定期公演『Mrs. GREEN APPLE on “Harmony”』など、新しいライブエンターテインメントの形を常に追い求めている。
時には楽曲が大胆にリアレンジされることも。過去のライブ映像作品は多数リリースされているため、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
■【歌詞あり】「クスシキ」「天国」新曲も続々リリース
ここからは、発表されて間もない「クスシキ」「天国」の新曲2曲について触れていきたい。
「クスシキ」
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期第2クールオープニングテーマの「クスシキ」。
タイトルは薬の語源である古語“奇し(くすし)”からきており、“神秘的な”“摩訶不思議な”という意味を持つこの語から楽曲の世界観を広げていったという。
命の限りを超えた愛がテーマということで、楽曲は目まぐるしく展開していくほか、各楽器のフレージングはフック満載でそれこそ摩訶不思議。フレーズ同士が絡み合うアンサンブルの面白さ、バンドのグルーヴやメンバーのテクニックを存分に堪能できるマスロック楽曲だ。MVは、メンバー3人がバトルを繰り広げる大スペクタクルムービーとなっている。
「クスシキ」
摩訶不思議だ
言霊は誠か
偽ってる彼奴は
天に堕ちていった
って聞いたんだけども
彼奴はどうも
皆に愛されてたらしい感じたい思いは
故に自由自在だ
奇しき術から転じた
まほろば
「あなたが居る」
それだけで今日も
生きる傷みを思い知らされる愛してるとごめんねの差って
まるで月と太陽ね
また明日会えるからいいやって
何一つ学びやしない魂も貴方をまた想う
今世も奉仕だ
こうしたいとかより
こうして欲しいが聞きたい
思いの外 自分軸の世界
一周半廻った愛を喰らいたい
私に効く薬は何処だ馬鹿に言わせりゃ
この世は極楽だ
正直になれない
私はいつか
素直になれるあの子にきっと
色々と遅れては奪われる愛してると大好きの差って
まるで月と月面ね
また呑んだ言葉が芽を出して
身体の中にずっと残れば気づけば拗れる恋模様
めくれば次の章
石になった貴方の歌を
口ずさんで歩こう
ひとりじゃないって笑おう
分厚めの次の本
病になった私の歌を
口ずさんで歩こう
ひとりの夜を歩こう愛してるよ
ごめんね
じゃあね
まるで夜の太陽ね
クスシキ時間の流れで
大切を見つけた魂も貴方をまた想う
来世も作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
編曲:久保田真悟(Jazzin’park)、大森元貴
「天国」
大森が菊池風磨とダブル主演をつとめる映画『#真相をお話しします』の主題歌として制作された「天国」。
自分や他者を愛したり憎んだりするサイクルから抜けられない人間の性、愚かさを“それすらも愛おしい”と歌っていたのがこれまでの大森だとすれば、「天国」では愚かさと罪の意識だけをひたすらに歌った、重々しいバラードである。
繊細に構築されたサウンドはあまりに不穏だ。セクションごとに歌い方を変え、混沌とした感情を表現する大森のボーカリゼーションも見事。見事すぎて恐怖を覚えるほどだ。
楽曲は後半で一気に感情を溢れさせるような作りになっていて、終盤は転調の連続。半音ずつキーが上がるため、聴いていると天国への階段を上っているようなイメージが湧くだろう。しかし、ラストのピアノフレーズは唐突に終わるため、足場が突如なくなったような感覚に。
MVは無表情の大森のカットと記憶の断片と思われる映像のインサートによって構成されており、この映像もラストに衝撃の展開が待っている。
「天国」
もしも
僕だけの世界ならば そう
誰かを恨むことなんて
知らないで済んだのに どうしても
どうしても
貴方の事が許せない夜は ただ永い
人は 捨てきれない
見苦しいね
この期に及んで尚
朝日に心動いている抱きしめてしまったら
もう最期
信じてしまった私の白さを憎むの
あなたを好きでいたあの日々が何よりも
大切で愛しくて痛くて惨めもしも
あの頃、お日様を浴びた布団に
包まる健気な君が
そのままで居てくれれば
どれほど
どれほど良かったのか
もう知る由もないあぁ またお花を摘んで
手と手を合わせて
もうすぐ其方に往くからね
心に蛆が湧いても
まだ香りはしている
あの日の温もりを
醜く愛してるどうすればいい?
ただ、ともすれば もう
醜悪な汚染の一部
なら、どうすればいい?
いっそ忘れちゃえばいい?
そうだ 家に帰ってキスしようどうすればいい?を
どうすればいい?
腐ってしまうこの身を
飾ってください
私のことだけは忘れないで抱きしめてしまったら
もう最期
信じてしまった私の白さを憎むの
あなたを好きでいたあの日々が何よりも
大切で愛しくて痛くて惨めあぁ またお花を摘んで
手と手を合わせて
もうすぐ其方に往くからね
心に蛆が湧いても
まだ香りはしている
あの日の温もりを
醜く愛してるあぁ 天使の笑い声で
今日も生かされている
もうすぐ此方に来る頃ね
あの頃のままの君に
また出会えたとして
今度はちゃんと手を握るからね作詞:大森元貴
作曲:大森元貴
編曲:大森元貴、伊藤賢
■もっと聴きたい!名曲&人気曲ぞろいなミセス曲
「ライラック」
TVアニメ『忘却バッテリー』オープニング・テーマ。ライラックの花言葉のひとつは“青春の思い出”であり、代表曲のひとつ「青と夏」を思い起こさせる歌詞の一節もある。ミセス史上最高難度と言われるイントロのギターフレーズはインパクト大。若井による「弾いてみた」動画がYouTubeで公開されると、一般ユーザーによる動画投稿も相次ぎブームとなった。2020年以降、バラードのヒットが続いていた邦楽バンドシーンに新風を吹き込んだ曲と言える。
「Soranji」
映画『ラーゲリより愛を込めて』主題歌。ストリングスや聖歌隊を従えた壮大なサウンドに、グローバル仕様のビートが合わせられているのがポイントだ。バラードだが重すぎず、曲が進むにつれて祝福の光が差し込むような作りになっている。生死や喪失感、愛を語り継ぐことといった楽曲のテーマは、Mrs. GREEN APPLEが歌い続けてきた、起源にして終着点と言えるテーマでもある。大森は集中力を保つため、飲食行為を絶ち、部屋を真っ暗にして曲作りを行ったという。
「ケセラセラ」
2023年『第65回日本レコード大賞』「レコード大賞」受賞曲。今を生きるすべての人に寄り添う応援歌で、スペイン語で“なんとかなるさ”という意味の“ケセラセラ”という言葉を、日々のお守り代わりに口ずさんでいたリスナーも少なくないだろう。バンドのダイナミクスは人の情緒のように上下し、拍子が変わったり転調したりと全体的に展開に富んでいる。エンディングはミュージカルさながらの祝祭感だ。
「ビターバカンス」
映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』主題歌。ロカビリーなギターにアイリッシュなバイオリン、その他にも様々な国を連想させる音が、性急なビートとともに鳴っている。ピアノのフレージングもスキルフルで聴き応え抜群だ。おもちゃ箱をひっくり返したようなサウンド、“休んじゃえばいい”というシンプルなメッセージが、眉間の筋肉や凝り固まった思考をほぐしてくれる。
「青と夏」
夏や青春を思いっきり楽しめない人の背中を押すアッパーチューン。ストリーミング再生数は8億回超。Mrs. GREEN APPLEの中で最も多く聴かれている楽曲で、夏の風物詩として愛されている。ギターリフを主体とした爽快なサウンド、ドレミファソと上昇するメロディを聴けば、「夏がやってきた!」という高揚感が自然と湧いてくるだろう。風鈴や花火の音も取り入れられているため、ぜひ耳を澄ましてほしい。
■デビュー10周年イヤーを駆けるミセスへの期待
2025年7月8日発売のアニバーサリーベストアルバム『10』全曲ハイライト映像が公開され、ミセスの楽曲のレンジの広さをまざまざと感じた。トラックリストの中には初期の幻の楽曲もあり、そちらも注目したいところである。
変化を恐れず、自分たちが考える“最高の表現”を貪欲に突き詰めてきたMrs. GREEN APPLEの歩みが刻まれた『10』。我々の心を豊かに彩る、大切な一曲一曲を噛み締めながら、ここからさらなる盛り上がりを見せるであろう“MGA MAGICAL 10 YEARS”に興じていきたい。
TEXT BY 蜂須賀ちなみ
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▼Mrs. GREEN APPLE 楽曲リンク
https://tftimes.lnk.to/MGAT1


















