■TM NETWORKの3人が40年経っても色褪せない想いを伝えたステージの模様が、5月31日21時よりWOWOWにて独占放送&配信!
WOWOWでは、デビュー40周年迎えたTM NETWORKの大型アニバーサリー企画として、2024年6月から2025年4月までの11ヵ月間にわたり彼らを特集。
そして、そのグランドフィナーレとして『TM NETWORK YONMARU+01 at YOKOHAMA ARENA』が、5月31日21時より独占放送&配信される。
TM NETWORKは、40周年の集大成ライブとして、大阪・名古屋・横浜にて3ヵ所6公演を開催。その中から、4月8日・9日に行われた、最終地の横浜アリーナ公演の模様が届けられる。
放送・配信に先駆け、ライブレポートが到着した。
【ライブレポート】
2021年に「再起動」を掲げて活動を再開して以来、2024年のデビュー40周年に向けて多角的なアクションを展開したTM NETWORK。“FANKS intelligence Days”と銘打ったトータルコンセプトのもとで複数のツアーも行い、足掛け3年トータル40本のロングランを開催。さらに、大晦日には一夜限りのライブでファンへの感謝を表した。
明けて2025年、彼らは休むことなく『YONMARU+01』と題した最新ツアーに出た。その終着地となったのは、4月8日・9日の横浜アリーナ2days。日本記念日協会に正式に認定されている「Get Wildの日」当日とその翌日のことだった。
定刻が過ぎ壮大なインストゥルメンタル「+01」が流れると、ステージ後方の巨大LEDスクリーンに海の彼方に昇る太陽が映し出される。場面は艦内に切り替わり、映像の中の3人が前方に歩き出す。順番にエレベーターに乗り舞台に降りると扉が開き、生身の彼らが登場する。仮想空間と現実の融合による見事な演出だ。
1曲目は新曲「We Can’t Stop That Way」。ミディアムビートに乗せ、不確かな未来に向けて進んでいくことを誓う。続けて、木根のスパニッシュなギタープレイをフィーチャーしたデビュー曲「金曜日のライオン」、2ndアルバム収録曲「永遠のパスポート」へ。新曲から初期の楽曲を重ねて、彼らの足跡がスタート地点から今日まで一本に繋がっていることを示す。
2002年発表のシングル「Castle In The Clouds」は、暗く悲しみに満ちた世界を生きる者への賛歌。コロナ禍以降の世界が見えていたかのような楽曲だ。“予言者”たる彼らの作品は歳月を経てその本質がより明らかになる。
2014年のアルバム『QUIT30』を取り上げたブロックは圧巻だった。多発する紛争、自然災害。漠然とした不安が凄惨な現実と化す時代への警告がビジュアルで提示されるなか、「Alive」では亀裂や分断を乗り越えようと叫ぶ。「Birth」からプログレッシブな組曲「The Beginning Of The End」の連なりでは歌詞も投影され、世界観を丁寧かつ繊細に描いていく。大いなる示唆に富んだ小室のシンセサイザーの音色が、誰もの胸の中で鳴り響いた。
一転して、フォーキーなメロディが聴衆の心に染み込んでいく。「Show My Music Beat」では、3人の地元である三多摩地区で撮影された映像をバックに“あの頃”を振り返る。間奏では、ギターを爪弾く宇都宮と木根が小室のそばまで近づき、3人で寄り添うように音を重ね合う。その様子を感慨深く見守るオーディエンスの姿もとても印象的だった。
「Good Morning Mr.Roadie」ではスタッフの名前を次々に浮かび上がらせ、感謝の気持ちを歌で贈る。ソリッドな切れ味を魅せてきた宇都宮のボーカルは、ここではどこまでも優しい。クールなイメージの強いTMのハートウォーミングなぬくもり。常に世界を俯瞰し時に観念的な思考に潜る彼らだが、根底にあるあたたかい人間性が周囲を惹きつけてやまない。最後に映し出されたスタッフとの集合写真は、ミュージカルの大団円のような感動を与えてくれた。

シンフォニックなイントロダクションが加えられた「LOUD」、ハウスミュージックのライブアレンジが施された「Dive Into Your Body」は、変化と進化を繰り返すTMの真骨頂とも言える演奏。歌詞に「です・ます」調を用い、あえて丁寧な言葉遣いを束ねた「Screen Of Life」では、三人のアカペラから始めてステイトメントを鮮明に浮かび上がらせる。
今回のツアーでは、歌詞=言の葉に重きを置いたセットリストが構成されていた。総合演出の小室哲哉による今日の世界情勢を踏まえた判断なのだろう。彼の祈りにも似た願いが結晶となったのが、2024年に公開された40周年記念映画『TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-』のエンディング曲でもある「EVOLUTION」だ。教会音楽の厳かな旋律から始まり「EVOLUTION」へと昇華していく見事なパフォーマンスだった。
終盤に入り、国民的アンセムとして名高い「Resistance」「Get Wild Continual」「Self Control」が続けざまに披露される。ただし、単なるヒットメドレーではない。あらたな導入やブリッジ、AI生成による荘厳な映像やステージ上の炎が多層的なイメージを想起させていく。最新シングル「Carry on the Memories」では、共に歩んできた人生を噛み締める。サビでは3人声と心を合わせて“続けていく“ことを宣言する。40年経っても色褪せない想い。より深まり強くなった絆が誇らしかった。
脳髄を刺激するかのようなインスト曲「Last Encount」が木魂するなか、スクリーンに描き出された三人の姿が粒子となって消えて行く。映像は再び“海の彼方”の風景へと戻る。オープニングでは昇っていた太陽が、エンディングでは静かに沈んでいくようだ。平穏な日常がいかに脆く、危ういものなのか。だからこそ、何気ない一日がいかにかけがえなく尊いものか。厳しい現実認識と表裏一体の未来への希望が最後の言葉に刻まれていた。
クラシックやプログレッシブロック、エレクトロからハウスミュージック、さらにはフォークソングまで。幅広い音楽性を豊潤かつ骨太なサウンドに散りばめながら、映像や彩光の演出、特殊効果に奥深い考察を交えて繰り広げられた最先端のライブエンターテインメント。長きにわたったアニバーサリープロジェクトを締めくくるにふさわしいステージだった。40周年の先に、彼らがどのような軌跡を描くのか。次はどんなコンセプトを提示するのか。それはまだ誰にもわからない。しかし、これだけは間違いない。TM NETWORKはこれからも時代を鳴らす音楽を世界に向けて発信し続けていく。
PHOTO BY 関口かよ、高田真希子
<セットリスト>
+01
We Can’t Stop That Way
金曜日のライオン
永遠のパスポート
Castle In The Clouds
Alive
Birth
The Beginning Of The End
The Beginning Of The End II
The Beginning Of The End III
Show My Music Beat
Good Morning Mr.Roadie
LOUD
Dive Into Your Body
Screen Of Life
TK Solo
EVOLUTION
Resistance
Get Wild Continual
Prologue
Self Control
Carry on the Memories
Last Encount
番組情報
WOWOW『TM NETWORK YONMARU+01 at YOKOHAMA ARENA』
05/31(土)21:00〜
※WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~1ヵ月間アーカイブ配信あり
WOWOW番組サイト
https://www.wowow.co.jp/music/tmnetwork/
TM NETWORK OFFICIAL SITE
https://fanksintelligence.com/








