今年で20回目を迎える、世界最大級のアニソンライブイベント『Animelo Summer Live』(アニサマ)より、angelaのボーカル・atsuko、オーイシマサヨシ、奥井雅美、TrySail、FLOWのボーカルKOHSHIとKEIGOが集結し“ANISAMA FRIENDS”として『THE FIRST TAKE』に登場。
アニソンのアンセム「Butter-Fly」と、アニサマを象徴するテーマソング「ONENESS」をここでしか観ることのできないメンバーとアレンジで披露。本稿では、アニサマ統括プロデューサー・“齋藤P”こと齋藤光二に出演の経緯や選曲理由を聞くとともに、彼の言葉を借りながら『THE FIRST TAKE』の舞台裏を紐解いていく。
■祝20回目を迎える“アニサマ”とは?
◎Animelo Summer Live(アニサマ)とは?
「ONENESS~全てはひとつのために~」というテーマを掲げて2005年夏にスタートした世界最大規模のアニソンライブイベント。毎年その年を象徴するテーマを掲げ、進化と挑戦を続けてきた。
レーベルや事務所の垣根を越え、アニソンシンガーや声優アーティストはもちろん、J-POPやロックシーンで活躍するアーティストなど、これまでに延べ900組以上のアーティストが出演し、披露された楽曲は2,000曲を超える。通算来場者数は100万人を突破。
アニサマならではの豪華コラボやサプライズ演出、練り込まれたステージ構成は、国内外の音楽ファンを魅了し続け、2025年は開催20回目のアニバーサリーイヤー! すべての仲間への感謝を込め“ThanXX!”(サンクス!)をテーマに据えた。
◎公演情報
『Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”』
(読み:アニメロサマーライブ ニセンニジュウゴ サンクス)
開催日:8/29(金)・30(土)・31(日)
会場:埼玉・さいたまスーパーアリーナ
出演者:
【8月29日】
i☆Ris / 藍井エイル / オーイシマサヨシ / 奥井雅美 / 小倉唯 / KOTOKO / TRUE / 西川貴教 / 氷川きよし+KIINA. / fripSide / MyGO!!!!! / 三森すずこ / May’n / ReoNa / Roselia 他
【8月30日】
アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ / Ave Mujica / angela / Guilty Kiss / Saint Snow / GRANRODEO / ZAQ / JAM Project / スフィア / TrySail / FLOW / 宮野真守 / ミルキィホームズ / 森口博子 / Lia 他
【8月31日】
アイドルマスター SideM / 蒼井翔太 / ALI PROJECT / 石田燿子 / 内田真礼 / 栗林みな実 / 鈴木このみ / SPYAIR / 茅原実里 / fhána / Poppin’Party / 水樹奈々 / 米倉千尋 / LiSA 他
OFFICIAL SITE https://anisama.tv/
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YouTube @AnimeloSummerLive(https://www.youtube.com/@AnimeloSummerLive)
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◎『THE FIRST TAKE』に登場!ANISAMA FRIENDSとは?
『THE FIRST TAKE』に出演するのは、angelaのボーカル・atsuko、オーイシマサヨシ、奥井雅美、TrySailの麻倉もも・雨宮天・夏川椎菜、FLOWのボーカル・KOHSHIとKEIGOの全8名。
全員がアニサマのトリをつとめた経験を持ち、「Butter-Fly」「ONENESS」をもって今夏『THE FIRST TAKE』出演というあらたな“冒険”を繰り広げたことからも、まさに“選ばれし子どもたち”とも言える8人だ。
下記より、各メンバーについても触れていきたい。
◎angela(アンジェラ)
atsuko(Vo)とKATSU(Gu、Arrange)からなる岡山県出身の音楽ユニット。2003年にTVアニメ『宇宙のステルヴィア』オープニングテーマ「明日へのbrilliant road」でメジャーデビューし、以降『蒼穹のファフナー』や『K』などの主題歌を担当。国内のみならず海外イベントへも多数出演しており、世界中のアニソンファンの支持を得ている実力派アーティスト。『THE FIRST TAKE』にはボーカルのatsukoが参加し、伸びやかな高音で楽曲にエネルギーを注いでいる。
OFFICIAL SITE
https://angela-official.com/
◎オーイシマサヨシ
シンガーソングライターとして数々のアニソンヒットを生み出す、アニソン界の唯一無二のエンターテイナー。Sound Scheduleのボーカル&ギターとしてメジャーデビュー後、その透明感ある歌声と卓越したメロディセンスで注目を集め、2008年に大石昌良としてソロ活動を開始。2014年からはアニソンシンガー・オーイシマサヨシ名義でも活躍。『ダイヤのA』『月刊少女野崎くん』『SSSS.DYNAZENON』など数々の人気アニメや特撮の主題歌を担当し、Tom-H@ck とともにOxT(オクト)としても活動中。
OFFICIAL SITE(大石昌良/オーイシマサヨシ)
https://www.014014.jp/
OFFICIAL SITE(Sound Schedule)
https://soundschedule.net/
OFFICIAL SITE(OxT)
http://www.oxt-music.com/
◎奥井雅美(おくい まさみ)
松任谷由実をはじめとする数々のアーティストのバックコーラスを経て、1993年「誰よりもずっと…」でデビュー。『スレイヤーズ』『少女革命ウテナ』などの主題歌を数多く手がけ、アニメ作品などへの楽曲提供も行う。2003年にJAM Projectへ加入。国内外を含め、精力的に活動し、さらに楽曲制作にも関わる。アニサマの創設者のひとりであり、歴代のテーマソング制作にも携わる。力強い歌声と緻密なコーラスワークでステージ全体を支えるアニソン界のキーパーソン。
OFFICIAL SITE(奥井雅美)
http://makusonia.com/
OFFICIAL SITE(JAM Project)
https://jamjamsite.com/
◎TrySail(トライセイル)
2025年5月にデビュー10周年を迎えた麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜による女性声優ユニットのトップランナー。声優・アーティストならではの豊かな表現力と息の合ったハーモニーが強みのひとつで、『エロマンガ先生』や『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』など、様々なアニメの主題歌を担当。積極的にライブ活動も展開し、横浜アリーナ、代々木第一体育館での単独公演のほか、2025年3月には初の日本武道館公演も行っている。アニサマにも連続出場中だ。
OFFICIAL SITE(TrySail)
https://trysail.jp/
OFFICIAL SITE(麻倉もも)
https://www.sonymusic.co.jp/artist/asakuramomo/
OFFICIAL SITE(雨宮天)
https://www.amamiyasora.jp/
OFFICIAL SITE(夏川椎菜)
https://www.natsukawashiina.jp/
◎FLOW(フロウ)
KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年「ブラスター」でメジャーデビュー以来、『NARUTO -ナルト-』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』など、数多くのアニソンを生み出している。また、ロックバンドが創る、アニソンロックフェス『FLOW THE FESTIVAL』を主催。ツインボーカルによる厚みと迫力、会場を一瞬で沸かせる爆発的なパフォーマンス力が魅力のひとつで、今回の『THE FIRST TAKE』でもその魅力が炸裂している。
OFFICIAL SITE
https://www.flow-official.jp/
■アニサマ統括プロデューサーが語る、出演&選曲への想い
ここからは『THE FIRST TAKE』出演に寄せて、『Animelo Summer Live』統括プロデューサーであり総合演出も手がける齋藤光二からのコメントを紹介する。
◎“美学のもとに音楽を届ける”という共通点からアニサマ×THE FIRST TAKEが実現
齋藤:アニサマはおかげさまで今年20回目の開催を迎えます。ここまで来るのに、本当にいろんなことがありました…2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け直前で延期、2021年は観客数を5分の1以下に制限し、声出し禁止・マスク必須とライブに携わる人間としては、翼をもがれたような思いも経験しました。そんな状況を乗り越え、節目を迎えたタイミングで、コロナ禍に生まれた『THE FIRST TAKE』さんとご一緒できることを光栄に思っています。あの頃、音楽業界全体が止まりかけていたなかで、“一発撮り”という新しいかたちで音楽を届ける姿に希望を感じまして。リアルを届けるための映像の質感だったり、アートワークへのこだわりなど、美学を持って見せ方にこだわるところにもアニサマと通じるものを感じて、勝手に“同志”のように思っていました。
◎アニサマにとっても思い入れ深い「Butter-Fly」
齋藤:選曲については、『THE FIRST TAKE』チームの皆さんとも意見を交わしながら決めたのですが、まず「Butter-Fly」は、2016年に急逝したシンガーソングライター・和田光司さんが歌った名曲です。『デジモンアドベンチャー』の主題歌として広まっていき、アニサマでも特別な一曲です。『Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-』で闘病から復活した和田さんが「Butter-Fly」を歌った映像は、世界中からコメントが寄せられ愛されています。歌声もね、すごく柔らかくて彼の人柄が滲んだように優しくて…アニソンとして多くの人に愛され、自分たちにとっても思い入れ深い一曲を選曲しました。
▼Butter-Fly / 和田光司【Animelo Summer Live 2014 -ONENESS- Day1】
◎大団円を飾ってきたアニサマを象徴する「ONENESS」
齋藤:2曲目の「ONENESS」は、2005年の初披露以来、アニサマの大団円を飾ってきた曲です。レーベルや事務所を超えて集まりひとつになるという、当時としては難しいことを実現した原点の曲。平和への願いを込めた曲でもあります。
▼ONENESS -20th Anniversary-【Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!” 】
僕がプロデューサーとして大事にしているのは、まずステージに立つアーティストが本気で楽しめる場を作ることです。そうすれば客席にもその喜びが伝わります。今回の2曲はまさにその象徴。歌っている本人たちが笑顔になっていて、それがそのまま映像にも刻まれています。『THE FIRST TAKE』を通して、アニサマの空気感や楽しさが、これまでアニサマを知らなかった人にも届けばうれしいです。
■狙わずして生まれる瞬間や化学反応を楽しむ「Butter-Fly」
◎ANISAMA FRIENDS – Butter-Fly feat. angela × オーイシマサヨシ × 奥井雅美 × TrySail × FLOW / THE FIRST TAKE
それぞれが呼吸を整えて「じゃあ、あのアンセム曲をやりますかね」とオーイシが呼びかけると、「楽しみだな~!」とatsuko。ANISAMA FRIENDSの面々が視線を交わしながら、アカペラで幕を開けていく。
この構成は、テレビアニメ『デジモンアドベンチャー』のクライマックス、細田守監督による劇場版『デジモンアドベンチャー』のオマージュ。そして、頭サビを歌い終えた後に鳴り響くバンドサウンドは、実は前述の齋藤プロデューサーの言葉にもあった『Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-』で和田光司のステージで一緒に演奏した“アニサマバンド”の当時の音源である。
天国へ旅立ったドラマー・山内“masshoi”優による力強いビート、ギタリスト・松尾洋一らが刻む生々しく熱いサウンドが加わった弾けるような高揚感はライブで味わうそのもの。サビは三声の厚みあるハーモニーが印象的で、上ハモをatsuko、下ハモを奥井雅美が支え、かけ合いやコーラスが楽曲に躍動感を与えている。
特にTrySailの麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜は、全員が『デジモン』世代。“ゴキゲンな蝶になって”“ウカレタ蝶になって”の歌詞が示すはしゃぎ感や開放感を息の合った声で表現し、ステージを一気に華やかにしている。
そして、パフォーマンス中盤では、FLOWのKEIGOが「観てるあなたも、もっともっと盛り上がっていこうぜ!」と煽る。まるでライブ会場さながらの一体感だ。こうした構成には、齋藤ならではのこだわりや狙いが随所に光るいっぽう、すべてが計算されたものではないことは記しておきたい。時に狙わずして生まれる瞬間や化学反応もあり、それも含めてライブであり、一発撮りの魅力なのである。
例えば、ギターソロのパートではオーイシがエアギターを始め、雨宮がエアキーボードで応戦、互いに張り合うという遊び心も、その場で生まれたものだそうだ。こうした場面にも象徴されるように、“選ばれし子どもたち”8人は終始笑顔で「楽しい!」という感情に満ち溢れている。それこそが“きっと飛べるさ”という前向きなメッセージを届ける、この曲そのものへの最大のリスペクトなのではないだろうか。そして、その想いは聴く者の心を真っすぐに励まし、不死蝶と称された和田光司への追慕とも重なり合う。
■「ONENESS」これまでの軌跡、そして未来へ──
◎ANISAMA FRIENDS – ONENESS feat. angela × オーイシマサヨシ × 奥井雅美 × TrySail × FLOW / THE FIRST TAKE
アニサマの根底を支え続けてきたのが、花をモチーフに、大きな愛を歌うバラード「ONENESS」だ。2005年、2014年という節目、そして20回目を迎える今年もテーマソングとして選ばれている。
奥井雅美が作詞・作曲、鈴木Daichi秀行が編曲を担当。同曲の誕生は「USAフォー・アフリカの『We Are The World」をアニサマでもできないか?』という着想をきっかけに、声質も個性も異なるアーティストたちがひとつになって歌い上げていく。
前述の通り、平和への願いを詩的に込めた楽曲だ。齋藤Pいわく「ボブ・ディランが『Blowin’ in the Wind』を作ったときも、直接的に平和になろうとは歌わず、詩的な表現で願いを託していた。『ONENESS』も同じく、そういう想いを込められている」とのこと。
今回、『THE FIRST TAKE』では、2005年のオリジナルや奥井雅美のセルフカバーを踏まえ、一部、二声コーラスを三声へと変更。特に2Bパートでは、奥井のパートである3度上ハモをTrySailの麻倉ももが優しくファルセットで重ね、その柔らかな響きが楽曲に新しい表情を加えている(齋藤Pは“もちょハモ”と呼ぶほど、お気に入りのパートだそうだ)。
また終盤の“ずっと ずっと 歩いていけるように”では、麻倉の“ずっと ずっと”に続いて雨宮と夏川が “歩いていけるように”に加わり、TrySailの3人の絆と10年の歩みが重なる。
楽曲自体はバラードでありながら、分数コードやメロディの変化が緻密に設計されており、齋藤Pも「とても難易度が高い曲」と言う。特に終盤には三声の主旋律に、カウンターパート(対旋律的な別メロディ)が重なるため、わずか8人で多人数コーラスの厚みを再現するには高い集中力が求められるが、今回の参加メンバーは全員がアニサマのトリ経験者であり実力者。だからこそ一人ひとりの声や想いが溶け合い、際立つ。全員の静かな熱と大きな愛が共存するこのパフォーマンスは、20回目を迎えたアニサマがこれまで築いてきた歴史と、その先にある未来を感じさせた。
■見逃し厳禁!『Animelo Summer Live 2025“ThanXX!”』
蝶がモチーフとなった「Butter-Fly」と、花をモチーフにした「ONENESS」。互いがあってこそ輝く存在のような、響き合う2曲が今回選ばれたのは偶然だそうだが、結果として、まるで必然のような美しい組み合わせとなった『THE FIRST TAKE』。
アニサマは毎年、本編はもちろんながら、開幕を告げるオープニングでのサプライズ的なコラボレーション、そしてテーマ曲を全員で歌うエンディングにも趣向を凝らしており、今回の「Butter-Fly」と「ONENESS」は、まさにそのワクワク感を思い出すような2曲だ。
このスペシャルな『THE FIRST TAKE』を経て、8月29日からはいよいよ『Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”』を迎える。20回目のテーマ“ThanXX!”が示す通り、これまで支えてきたファンや関係者、そしてこれから出会う未来の参加者への感謝が込められている。すべての観客と出演者が音楽で心をひとつにする瞬間が、今年もこの会場で何度も生まれるはずだ。
齋藤Pは最後にこう呼びかける。
「行くかどうか迷っている方は、ぜひ3日間のどこかに足を運んでください。終わったあとで“行けばよかった!”と後悔してほしくないですから。チケットがあるかはこの記事が出るタイミング次第ですが、当日券でもいいので観に来てほしい。アニサマ20th Anniversaryは、絶対に生で体感すべきお祭りになります」
TEXT BY 逆井マリ








