BE:FIRST、MAZZEL、HANA、Novel Coreなど人気アーティストが多数在籍するBMSGの代表取締役CEOであり、ラッパー、トラックメイカーなど幅広く活躍しているSKY-HI。今の音楽シーンの顔とも言える彼のアーティスト性やプロデューサーとしての魅力を紹介していく。
■挑戦し続けるエンターテイナー
◎SKY-HI(読み:スカイハイ)
・メジャーデビュー:2005年
・メジャーデビュー作品:シングル「BLOOD on FIRE」(AAA)
・OFFICIAL SITE https://skyhi.tokyo/
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2005年にAAA(トリプルエー)のメンバーとしてデビューし、同時期にソロ名義SKY-HIとしても都内クラブなどで活動を開始。2022年に発売された初めてのエッセイ本『晴れるまで踊ろう』(扶桑社)で、AAAとして『NHK紅白歌合戦』に出場した後、その足でNHKホール近くにある渋谷のクラブでSKY-HIとしてラップしていた、という驚きのエピソードが紹介されている。メジャーとアンダーグラウンドの対照的な世界を行き来する存在は稀有であり、その時期の経験が大衆を魅了するエンタテインメント力と、独自のアーティスト性を磨くことになったように思う。
2013年にはAAAとして「恋音と雨空」で『第55回 輝く!日本レコード大賞』の優秀作品賞を受賞。いっぽうでソロとしてシングル『愛ブルーム / RULE』でメジャーデビューを果たし、SKY-HIの活動が本格化していく。
同年メンズファッション雑誌『WOOFIN’』の『WOOFIN’ AWARDS 2012』で『BEST OF RAPPER』を受賞。2014年にはミュージックビデオの国際的授賞式『MTV VMAJ 2014』で「愛ブルーム」がBEST HIP HOP VIDEO賞に選ばれた。
▼SKY-HI / 愛ブルーム
2017年にはSKY-HIとして初めて東京・日本武道館公演『SKY-HI Tour 2017 Final “WELIVE” in BUDOKAN』を2日間おこない、どちらもチケットがソールドアウト。また、同年はアメリカ、フランス、UK公演を含む初めてのワールドツアー『SKY-HI Round A Ground 2017』を成功させており、トップアーティストとしての地位を確立させた。
▼SKY-HI / SKY-HI Round A Ground 2017 -2017.11.12 at Los Angels Troubadour- Teaser Movie
2020年には株式会社BMSG を設立し、代表取締役CEOに就任。2021年にオーディション『THE FIRST』を経てBE:FIRSTが誕生。デビュー1年目でSpotify月間リスナー150万人超を達成し、驚異的なスピードでトップアーティストへと育て上げる。
2023年には『MISSION×2』から生まれたMAZZELがデビューし、その年の『TOWER RECORDS MUSIC 2023 年間再生ランキング』新人アーティスト部門で1位を獲得。
2024年はBMSG×ちゃんみながタッグを組んだガールズグループオーディション『No No Girls』を開催。そこからHANAが誕生し、デビューシングル「ROSE」が多くの配信チャートで1位を獲得。2025年の上半期において、売上額・配信・CD含めた『新人アーティストランキング』で1位となり、期間内売上が約 5.1 億円を記録した。
今年は3組目のボーイズグループ結成へ向けたオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』を開催し、STARGLOWが結成されたばかりだ。
SKY-HIの新しい才能の発掘と育成に力を入れていることが評価され、『NexTone Award 2025』でBMSGが特別賞を受賞した。9月18日にはBMSG5周年を記念する形でレコードのパッケージでもあるカバーアートの情報を一切排除し、視覚情報のない状態で音楽と出会える世界初のレコードショップ『BLACK RECORDS』を期間限定オープン。BMSGは設立からわずか5年で、日本を代表するマネジメント /レーベルとなった。
■SKY-HIの魅力とは?
◎観た人を圧倒させるパフォーマンス力
SKY-HIのパフォーマンス力を紹介する上で、筆者が真っ先に思い浮かぶのは、聴くものを圧倒する目まぐるしい言葉数の高速ラップだ。メジャーデビュー曲「愛ブルーム」をはじめ、今年2月にリリースされた「It’s OK」もチェックいただきたい。
▼SKY-HI / It’s OK (Prod. Chaki Zulu) -Music Video-
彼がすごいのは高速ラップだけではない。シンガーとしても大衆を魅了する類まれな才能の持ち主なのだ。R&Bやポップ、ロック、レゲエなど多彩なジャンルの楽曲を歌いこなす引き出しの多さも魅力だ。また、ライブではダンサーとして高い身体能力で楽曲の表情を拡張させている。それ以上に驚きなのは照明・映像・舞台構成まですべて本人が手がけており、細部まで計算された緻密な世界観も高い評価を得ている。
◎人を動かす言葉
SKY-HIの音楽はスキルフルな歌唱力だけでなく、1曲1曲に人の心を動かす強固なメッセージがこもっている。彼が紡ぐリリックの多くは“夢を追うこと”“自分らしさを貫く姿勢”“逆境に負けない信念”など、これまでの活動で培った自身の人生観や覚悟が色濃く投影されているのが大きな要因だろう。
「Persona」では《お前が着てるハイブランドすら俺には一切必要ない/それより価値のある存在として生きる》と“自分自身がブランド”になることを示している。「Sky’s The Limit」では《お前如きが俺を語れる?/笑わせるなよ遠くに下がれ/俺は俺であるただそれだけ》《お前の不可能が俺のベーシック/Sky’s The Limit》と他人の物差しで測れるような自分ではないと歌う強い姿勢は、SNSで気軽に誰かを評価したり・されたりする今の社会において、現代人が見習うべき価値観だろう。そういった意味でもSKY-HIの音楽の根幹には“よりよい人生を歩むための願い”が込められているように思う。
▼Persona
2022年に開催された『Rolling Stone Japan LIVE 5th ANNIVERSARY SPECIAL』のMCで、こんなことを話している。「音楽やエンターテインメントは愛してもらうためだけにあるんじゃなくて、あなたが自分のことを愛せるきっかけを作ってるだけだ」と。
◎挑戦と革新
SKY-HIがBMSGを設立したのは2020年のこと。「才能を殺さないために」というスローガンを掲げ、アーティストが自分らしく才能を開花させることのできる環境を作り、日本の音楽の新しい可能性を守ることを目的として発足された。先述した通り、2021年には1億円の私財を投じてオーディション『THE FIRST』を開催しBE:FIRSTが誕生。
2023年にはオーディション『MISSIONx2』によってMAZZELが誕生した。2024年にはちゃんみなをプロデューサーに迎えガールズグループオーディション『No No Girls』からHANAが生まれた。
2024年には自社ビルを購入、同年6月期の純利益は20億円と急成長を遂げている。次々に新しい才能を世に送り出すだけでなく、King & Princeの髙橋海人などの楽曲プロデュースや、SKY-HI本人も三浦大知をはじめ、三代目 J SOUL BROTHERSのØMIなどジャンルレスなコラボを行なっている。第一線のプロデューサーであり、CEOであり、プレイヤーでもあるのだ。
▼King & Prince 「POPSTAR in the KINGDOM」 Behind the scenes Teaser
▼ØMI – Purple Pill feat. SKY-HI (Official Music Video)
■BMSG最新オーディション『THE LAST PIECE(ラストピース)』
BMSGがBE:FIRSTとMAZZELに次ぐ3組目のボーイズグループ結成へ向けて開催したオーディション『THE LAST PIECE(ラストピース)』、通称・ラスピ。
本オーデイションを開催する発端となったのは、SKY-HIの「10代に夢の見方を教えられるプロジェクトを作りたい」という思いからだった。こうしたオーディションの多くは、応募者にあえて厳しい言葉を浴びせる場面が多いように思うが、SKY-HIは常に彼らの味方となって、1人ひとりのいいところを見つけながら“プロになるとはなんたるか”を温かく伝えている印象が強い。パフォーマンスとしての学びだけでなく、参加者に対して「最近表情が明るくなったように感じていて。日常として表情が増えるとか、感情が増えるって、アーティストとして糧になると思う」と自信となる言葉を送っている。『ラスピ』開催にあたって「あなたの夢を叶える事が今の俺の夢だ」とコメントしていることからも、彼の参加者への真摯な向き合い方が見てとれる。
また、参加者が悩んでいるときには「他の人がうまくいったから自分がうまくいかなくなる、というのは存在しない。誰かの夢が叶ったりうまくいったりすると、自分の夢が叶いませんってことでもない」「他の人の夢が育っていくのも喜んであげてもらえると、一緒に加速していける」と夢に向かって焦りや不安を抱く彼らの励みとなる言葉を送っている。そうしたSKY-HIの言動からは、彼が優れた人格者であることがわかる。
■『THE FIRST TAKE』で披露した「To The First 」「At The Last」
◎「To The First」
▼SKY-HI / To The First (Prod. Ryosuke “Dr.R” Sakai) -Music Video-
『THE FIRST』のテーマソングとして書き下ろされた楽曲。SKY-HI自身の人生とオーディション参加者たちの想いが込められている。《その炎を燃やせ》《怖くても進め》のフレーズをはじめ、夢や目標に向かって進む人や、思い通りにいかない状況に立ち向かおうとするすべての人に向けた応援歌になっている。
リリックはもちろん、サウンドも非常に魅力的で、雄大なオルタナティブを感じる音が歌詞のドラマチックさを増幅させている。個人的にはBメロで曲の表情が変わり、儚さと美しさが同居したようなアレンジに心奪われた。
▼SKY-HI – To The First / THE FIRST TAKE
『THE FIRST TAKE』でSKY-HIは「前回出させていただいたのは5年前。(BMSGを)起業したのもそのときで『全財産をぶっ込んで会社を作るぞ』『音楽業界を変えるぞ』と言ったものの、1日で6000万円消える日もあって。これは怖いなと思ったんだけど、怖いから辞めるというのは選択肢に入れたくないと思った。怖くても進もうと思ったのが4年前で、このタイトルで帰って来れたことがすごく嬉しいです」と話して、「To The First」を披露した。今回はピアノをメインにしたバラード調のアレンジになっており、よりフレーズの一言一言が心に響いた。そこにコーラス、トランペットやサックスが重なり、壮大な世界を創出した豪華な映像になっている。
◎「At The Last」
▼SKY-HI / At The Last (Prod. Ryosuke “Dr.R” Sakai) -Music Video-
6月27日にリリースされたSKY-HIのデジタル・シングル曲であり、BMSGが主催するボーイズグループオーディション『THE LAST PIECE』のテーマソング。今作のプロデュースにはBE:FIRST、ちゃんみな、中島美嘉など有名アーティストを手掛けているRyosuke “Dr.R” Sakaiを迎え、作曲はBE:FIRST、King & Prince、SixTONESなどに楽曲提供をしている中村泰輔、作詞はSKY-HI本人が担当している。
筆者はこの曲から“夢を追う者たちへのエール”を感じた。ただ背中を押すだけでなく、夢を追いかけるその道が決して華やかではないことも描いている。だからこそ《どうせハッタリだろ?口ばっかりだろ?/叶わないのが夢物語だろ?/野次馬ども皆Hello/全てひっくり返したこの足跡を見ろ》などすべてのフレーズに説得力がある。
▼SKY-HI – At The Last feat. STARGLOW / THE FIRST TAKE
『THE FIRST TAKE』ではSKY-HIが「命懸けで書いた曲なんですけど、命懸けで応援したいと命懸けで愛した、そういう人に向けて書いた曲でもあって。今日はその対象が目の前に来てくれています」と言って、『THE LAST PIECE』から誕生した新グループ・STARGLOWのメンバーを呼び込んで、6人でパフォーマンスをした。1人ひとりの鬼気迫る歌声や表情が光っており、流麗なピアノとノイジーなサウンドの中で、SKY-HIと5人が対峙して歌うシーンは圧巻という表現がしっくりくる。
■SKY-HIの世界観に飛び込む!人気曲5選
「スマイルドロップ」
2014年12月12日にリリースされた2ndシングル。好きな人と別れた男性の喪失感を歌った失恋ソング。心の傷をごまかさず、そのまま受け入れる描写はSKY-HIの生き様とも通じるように思う。彼はこの曲を作ったことで痛みを抱きしめたまま、次の歩みを進められることに幸せを感じるようになったという。ちなみに、この歌詞を完成させるまでに23回も書き直したそうだ。彼のリリック一文字一文字に対する緻密さや、こだわりを堪能できる一曲だ。
「ナナイロホリデー」
2016年7月27日にリリースされた7thシングル。「愛ブルーム」「スマイルドロップ」でもタッグを組んだ盟友UTAをアレンジャーに迎えて制作された、夏にピッタリなディスコチューン。開放感ときらびやかなサウンドの上で、SKY-HIの爽快な歌声が見事にマッチしている。ラッパーとしての印象が強い彼だが、この曲ではシンガーとしての才能を味わうことができる。誰もが明るい気持ちになれるような、幸福感に溢れた世界観の楽曲になっている。
「Double Down」
2016年12月14日にリリースされた8thシングル。ギター、ベース、ドラム、ホーン隊、マニピュレーターというダイナミックなバンドサウンドにした背景には「ロックフェスで勝つため」という考えがあったそうだ。楽曲の勢いや逞しさが歌声にも表れている。特に筆者が好きなのは《一番高いオッズからいつだってひっくり返してきた》のフレーズだ。華やかなイメージを持たれていた彼が、マイク1本でHIPHOPシーンの偏見を覆してきた。その自信と覚悟を感じて胸が熱くなる。
「何様 feat. ぼくのりりっくのぼうよみ (Prod.SKY-HI)」
2018年3月21日リリースのコラボレーションベストアルバム『ベストカタリスト -Collaboration Best Album-』収録曲。SKY-HIがトラックプロデュースを担当し、橘慶太(w-inds.)がアレンジとミックスを手がけた。世間が決めた基準、同調圧力、しがらみから抜け出すことを歌ったSKY-HIのラップと、ぼくりりの全体を包み込むようなムードのある歌声が抜群のコントラストを生んでいる。ふたりはSKY-HI × たなかとして『THE FIRST TAKE』第57回で同曲を披露しており、特別なピアノアレンジで原曲とは違ったウェットな雰囲気が話題になった。
▼SKY-HI × たなか – 何様 feat. ぼくのりりっくのぼうよみ / THE FIRST TAKE
「D.U.N.K.」
2023年2月3日にリリースされた配信シングル。SKY-HIが自身の主催するプロジェクト『D.U.N.K. -DANCE UNIVERSE NEVER KILLED-』のために書き下ろしたテーマソングだ。w-inds.が2001年にリリースした楽曲「Paradox」をサンプリングし、☆Taku Takahashi(m-flo)がビートメイクを手がけた。《心底シーン底上げしたいし》《愛 夢 何だって手に入る》など夢や希望を形に変える強い意志がほとばしっているのと同時に、《友達のダチとダチになる毎日》と仲間と共に音楽シーンを塗り替えていこうとする気概が感じられる。
■SKY-HIの最新情報をチェック!
年内リリース予定のアルバム『Success Is The Best Revenge』をはじめ、引き続き大きなトピックが控えているSKY-HIならびにBMSG。今後も最新情報を見逃さずにチェックしてほしい。
TEXT BY 真貝 聡
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