TikTokを中心としたSNSで「犬とバカ猫」が注目を集めている新進気鋭の2人組バンド・セカンドバッカー。ここでは、本楽曲がバズを起こした経緯や歌詞の解説はもちろん、バンドやメンバーのプロフィールについて、さらに他の人気曲も紹介する。
■各種チャートでランクイン!「犬とバカ猫」とは?
・作詞・作曲:こうへい
・発売日:2025年7月9日配信リリース
・Streaming/DL https://lnk.to/secondbacker
◎突き抜けるサビに癖になる曲調
小気味いいビートにのって、グッと歌詞を詰めながら、しっかり韻も踏みながら、軽快に歌う曲調は、癖が強すぎないのに癖になる。優しいメロディも、どんなジャンルが好きなリスナーも飛び込める間口の広さがある。突き抜けるサビが印象的なのはもちろん、歌詞を引き立てるシンプルな演奏のなかに、キラッと光るフックもたっぷり盛り込まれている。
◎肘打ち動画でSNSでのバズが加速!
まさみが個人TikTokで、「犬とバカ猫」のサビにのせて、日常の鬱憤を吐き出すようなひと言に“今コレ”というワードを付け加えて、スマートフォンを床に置き画面に向かって肘を打つ動画を連投。これが“肘打ち界隈”と言われて広まっていく。
@masamidrums 一生夏休みだもん俺。
あわせて楽曲も2025年8月末くらいからじわじわバズり始め、Spotifyの『Spotify Japan 急上昇チャート』にランクイン。9月に入ると『TikTok音楽チャート トップ50』、『TikTokチャート 人気曲ランキング50』で、共に1位となった。また、バンドがコード譜面を公開することで弾き語りの動画も急増。さらに歌詞を表示した動画も数多く生まれている。
◎不器用な恋愛模様したMV
MVにはインフルエンサーのひかるとぎるが出演。男女の絶妙な距離感を演じることで、楽曲のテーマを表現している。オレンジ色の背景の前で、演奏するバンドと、演技をするふたり。さらに置いてあるブラウン管テレビには、モノクロ映像で過去の、今とは変わったふたりが、変わらないバンドの演奏と共に映し出されている。ずっと舞台のようにほぼひとつの画角を切り取ることで、状況や心境の移り変わりが鮮やかに伝わってくる。
◎Web CMソングにも決定!
サンスター『Ora²(オーラツー)』とABEMAで人気のリアリティショー『今日、好きになりました。』とタイアップした新WEBCM『ハニーレモンは恋の味』のCMソングに決定。CMには、『今日好き』に出演した國本陽斗と田仲埜愛が出演。新発売の『オーラツーミー ステインクリアペースト ハニーレモンミント』が、高校生の恋のはじまりを象徴するアイテムとして描かれる、爽やかなCMになっている。
■【歌詞あり】「犬とバカ猫」歌詞考察
「犬とバカ猫」
作詞・作曲:こうへい
私やっぱ好きだわ
君がいちいち律儀に
話してくれたこと
分かんなくなっちゃうわ
そんなんもうどうでもいいから
とりあえずは乾杯
完敗、私ガキだったわ時間の流れが違うから
見たいなら痛いからウザいから
愛するということ
認め合うこと許しあうこと
君が伝えたかったことはきっと
もっとダメな自分も知ってほしいということもっとちゃんと考えてればよかった
いなくなってから気づいたのは不意に目配せ今はねダメだね
2人になった途端君は本当子犬みたいだね
不意に目配せ今はねダメだね
家族みたいにずっと笑い合っていたね
2人の特別な時間に
騙されて
私だけ愛せなくなっていた愛とか恋とか分からない
ただ、貴方が好きだった
今思えばそうきっと
寂しかったんだな
ずっと話したこともまともに
耳に入らない変わらない
こんな私本当都合よくて
嫌になっちゃうわもっとちゃんと考えてあげたかった
押し付けたのは私だった不意に目配せ今はねダメだね
2人になった途端君は本当子犬みたいだね
不意に目配せ今はねダメだね
家族みたいにずっと笑い合っていたね
2人の特別な時間に
騙されて
私だけ愛せなくなっていた君は将来そうきっと
幸せに結婚するんだろうな
私はひとりで泣く不意に目配せ今はねダメだね
2人になった途端君は本当子犬みたいだね
不意に目配せ今はねダメだね不意に目配せ今はねダメだね
2人になった途端君は本当子犬みたいだね
不意に目配せ今はねダメだね
家族みたいにずっと笑い合っていたねいつも以上に情に熱い
君が側にいた熱い夏
いつも以上に情に熱い
君が側にいた熱い夏
いつも以上に情に熱い
君が側にいた熱い夏
いつも以上に情に熱い
君を見れなかったあの夏
2人の特別な時間に
騙されて
私だけ愛せなくなっていた恋に焦がれて
貴方を逃したバカな
私だけの話
《いなくなってから気づいた》“君”の大切さ。《家族みたいにずっと笑い合っていた》思い出を振り返りながら、《私だけ愛せなくなっていた》のはなぜなのかを振り返る歌詞になっている。冒頭から《私やっぱ好きだわ》と、いきなり出てくる結論。軽快な曲調なのでハッピーなラブソングにも聴こえるけれど、《完敗 私ガキだったわ》というフレーズに表れた後悔から、失った恋愛を歌っていることがわかる。
続いて《君が伝えたかったことはきっと もっとダメな自分も知ってほしいということ》《もっとちゃんと考えてればよかった》と、一歩踏み込んだ関係性を望んでいた相手に応えることができなかった状況が見えてくる。
《愛とか恋とかわからない ただ貴方が好きだった》というピュアな想いで相手と対峙していた主人公は、《今思えばそうきっと ずっと寂しかったんだな》《すっと話したこともまともに 耳に入らない》状態だった、自己中心的だった幼い自分に気づく。《2人になった途端君は本当子犬みたいだね》と言いたくなるほど相手もピュアに見えていた、その《2人の特別な時間に 騙されて》いた主人公。そんな自分を“バカ猫”と例えてしてしまう自虐的なところに、深い後悔が滲んでいる。
終盤には 《いつも以上に情に熱い 君が側にいた熱い夏》のリフレインで、ひと夏しか続かなかった相手との思い出が、主人公の頭のなかでグルグルまわり続けていることを表現。情に厚いでも、暑い夏でもなく、どちらにも“熱い”を使っていることに、主人公の感情が未だに熱を持っていることが伝わってくるかのよう。まさに“恋に焦がれて”いる若い世代の心のうちに共鳴したからこそ、これだけ広まっていったのだと思う。
■TikTokで「犬とバカ猫」が爆伸び! ロックバンド・セカンドバッカーとは?
セカンドバッカー
・結成:2023年3月
・メンバー:こうへい(Vo/Gu)、まさみ(Dr)
【セカンドバッカー OFFICIAL SNS】
YouTube @SecondBacker
X @sekandobakka
Instagram @sekandobakka
TikTok @secondbacker_
◎公式Xでのバンド結成宣言
セカンドバッカーが始動したのは、2023年3月9日。バンド公式Xでこうへいとまさみのアカウントのリンクを掲載し「ベースはサポートメンバーを迎えSNS発『セカンドバッカー』を結成します!!」と宣言したのだ。
@sasimisouseizi Gt.Vo.@DrumMasami Dr.
ベースはサポートメンバーを迎え
SNS発3ピースバンド
「セカンドバッカー」を結成します!!— セカンドバッカー (@sekandobakka) March 9, 2023
結成の経緯は、バンドをやりたいと思っていたこうへいが、共通の知人であるイベント会社の社長にまさみを紹介してもらったことが発端。
◎グループ名“セカンドバッカー”の意味
バンド名には「あなたが“好きだよ”と言ってくれるのであれば、僕らがあなたにとって2番目の存在であっても全力であなたを大切に思うよ。それこそが愛なんじゃないか」という意味が込められている。
◎結成3ヵ月初デジタルシングルリリース!1年後には『JAPAN JAM』に出演
2023年5月に初のデジタルシングル「どうせ枯れるなら」をリリース。初ライブとなった同月の下北沢LIVEHOLIC主催のサーキット・イベント『革命ロジック』は満員となる。それから、EP『おかえりって言える私でいるよ。』(2024年2月)などリリースを重ね、SNSでもライブ映像を配信。
▼セカンドバッカー「どうせ枯れるなら」
さらに2024年5月には大型野外音楽フェス『JAPAN JAM 2024』に出演し、7月の渋谷WWWでの1stワンマンライブはソールドアウトし、ライブシーンにおいても注目を集める。
@secondbacker_ JAPAN JAM2024‼︎
2025年7月9日にリリースされた「犬とバカ猫」がTikTokでバズりだすと、その状況に追い風を吹かせるように同年8月6日はEP『言えなかったことばっかりだった。』をリリースし、初の全国ツアーを開催。10月21日に恵比寿LIQUIDROOMのワンマン公演でファイナルを飾る。現在(2025年10月)、TikTokの総フォロワー数は約138万人。怒濤の快進撃は、まだ始まったばかりだ。
▼セカンドバッカー「犬とバカ猫」Official Music Video
■創造性の化学反応!メンバープロフィール
こうへい(Vo/Gu)

・X @sasimisouseizi
・Instagram @sasimisouseizi
・TikTok @sasimisouseizi
音楽に目覚めたきっかけは、小学校で習ったリコーダー。その後は母の影響でaiko、槇原敬之、西野カナなどJ-POPを愛聴する。中学生になってからは、姉の影響で「バンドだけど聴きやすくて、歌詞がすごく刺さった」back numberを皮切りにバンドを聴くようになる。そして自らも“ロックバンドでありたい”という気持ちが強くなり、セカンドバッカーを結成。Instagramでは各地で食べたラーメンをポストするラーメン好きの一面も。
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まさみ(Dr)

・X @DrumMasami
・Instagram @masamidrums
・TikTok @masamidrums
両親と一緒にゲームセンターに行った小学校4年生のとき、太鼓の達人にチャレンジ。その技術を絶賛した両親からX JAPANのYOSHIKIの映像を見せられて「あなたはこうなれる」と背中を押され、ドラムを始める。セカンドバッカー以前からドラムの演奏動画をSNSで公開していた。「こうへいくんみたいにものすごく悩む人とバンドをやったら面白そう。俺はポジティブすぎるから」と語ったことがあるほど、こうへいとは正反対な性格。
■ここに注目!セカンドバッカーの魅力
◎歌詞のリアルさと共感性
セカンドバッカーの歌詞は細やかな情景描写のなかに“あるある”が盛り込まれており、TikTokやYouTubeのコメント欄には「刺さった」という声も続々と届いている。
ストーリー性のあるMVにもマッチした歌詞が多く、映像から音楽に入ることも多い今の時代にもぴったり。 《喉仏》(「嵐の夜に」)のような、そこまで見る!?という視点や、《ちょっとキモイか》(「告白」)と書いてしまうほど広がる妄想など、“好き”な気持ちに寄り添うためにはエグい表現をいとわない姿勢も、リアルを求めるSNS世代に響いている。
▼セカンドバッカー「嵐の夜に」
▼セカンドバッカー「告白」Official Music Video
◎SNSとの親和性がバッチリ!
遡れば、公式Xでバンドの始動を宣言したセカンドバッカー。その一歩目から象徴的だけれど、彼らの活動や楽曲はSNSとの親和性が抜群なのだ。歌詞にキラーフレーズが多い彼らは、TikTokで切り取った15秒の楽曲でもリスナーの耳を掴む。さらにライブの演奏やMC、ステージからフロアを写した集合写真もコンスタントに投稿し、“ライブハウスに行ってみたい”気持ちにさせるのだ。さらに、渋谷のビジョンで流れる「犬とバカ猫」を目撃し、大はしゃぎする様子なども発信。発展途上のバンドの物語をリアルタイムで共有できる。
@secondbacker_ 普通にすごくてワロタ
◎ライブでの熱量高いパフォーマンスと親近感
SNSでも見られるライブは、とにかく“熱い”。エモーショナルな表情を露わにして歌うこうへいに、拳を突き上げるオーディエンスが続出。まさみの力強いビートが支える演奏も聴き応えがある。その空気をいい意味で緩めるのがMC。こうへいにまさみがツッコミを入れたり、お酒を飲みながら話したり、ご当地ネタを取り入れたり。近所のお兄ちゃんのような距離の近さを感じるのだ。一見ギャップに感じられるけれど、実はこういったキャラクターが“私たちの歌”と言いたくなる音楽性のリアリティを高めていると思う。
@secondbacker_
■おすすめしたい!セカンドバッカー人気5曲
「嵐の夜に」
2025年8月にリリースされたEP『言えなかったことばっかりだった。』に収録されている、2025年秋ドラマ MBSドラマフィル『恋フレ ~恋人未満がちょうどいい~』の主題歌。ミドルテンポのラブソングで、温かなギターの音色などバンドサウンドならではの人間味が印象的。《貴方は私を見つめて 飲んでもいないのに喉仏を 動かしていた》など、細かい仕草や表情を描写することで《全部貴方で全部好きなの》という気持ちが伝わってくる。
「告白」
「嵐の夜に」と同じくEP『言えなかったことばっかりだった。』に収録。バッキバキのベースにのせて《校舎の中庭 君を呼び出して いつも通りの態度 これはフラれてしまう予感》と歌うイントロが、心臓のバクバクを伝えているようでリアル。妄想を膨らませすぎて《ちょっとキモイか》などとグルグル想いを巡らせながら、最後の最後は《好きです 明日こそはちゃんと伝えよう》と決意する。そのストーリーも“あるある”で共感を呼ぶ。
「両思い」
2024年10月にリリースし、11月にリリースされたアルバム(ライブ会場限定販売CD)『疲れたら帰っておいで』にも収録。すうっと息を吸って《私貴方に恋焦がれてる子供みたい ねぇ好き嫌いなんでも合わせるから そばにいて》と、まさに“好きが止まらない!”とばかりに性急に歌い出す。サビではハンドクラップしたくなるフレーズも盛り込まれており、ライブバンドらしさも表れている。心の揺れを繊細に表現する歌唱法も聴きどころ。
「君とのこと」
こちらも『疲れたら帰っておいで』に収録されている、2023年11月にリリースされたナンバー。《汗ばんだスマホポッケにいれて 振動が伝わるのを待ってた》という歌い出しは、“早く連絡が来てほしい”という心境が表れているかのよう。《またこれから公園で飲み直そ》という軽い歌詞は話し言葉のようにフワッと、《いつもごめんねありがとう》というまっすぐな想いはグッと感情を入れて歌っており、弾むような演奏も含めて寄り添ってくれる。
「なんだっていいわ。」
2023年8月リリース。“別れるかどうか1歩手前”のストーリーを、ほんのり切ないメロディながら、あくまで軽快に歌い鳴らしている。《最近私の歯ブラシがたまに寂しそうで トイストーリーみたいに1人で歩いて きみのと離れちゃったのかな?》というキュートなフレーズが光っている。ちょっぴりやけっぱちな曲名が、《もう少し長くいれるように私 それなら私なんだっていいわ》という締め括りで伏線回収される流れも興味深い。
■これからも目が離せないセカンドバッカーをチェック!
まだまだ駆け出したばかりの新世代バンド・セカンドバッカー。追いかけるなら今!SNSの動向やライブハウスの盛り上がり、様々なイベントへの抜擢から目を離さないでほしい。
TEXT BY 高橋美穂
▼セカンドバッカーの最新記事はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/13685/
▼セカンドバッカーの楽曲リンクはこちら
https://lnk.to/secondbacker
