Snow Manの5大ドームツアー『Snow Man Dome Tour 2025-2026 ON』東京公演が、12月23~26日の4日間、東京ドームにて開催。本ツアーは、Snow Manの5枚目のオリジナルアルバム『音故知新』を引っ提げた5大ドームツアーで、全国5都市17公演、Snow Manのツアーとしては最多となる78万人の動員を予定している。本稿では、12月23日の東京公演初日の模様をレポートする。
■Snow Man9人の輝く笑顔とトキメキをもたらすステージ
この日の東京は、12月下旬にしては温かく、夜空には細い三日月が輝いていた。
東京ドームシティ恒例のイルミネーション「TOKYO SNOW DOME CITY」では、“Snow Man × WONDER SNOW TREE”と題したコラボレーションも実施中で、Snow Manの楽曲がセントラルパーク「WONDER SNOW TREE」で響くなど、エリア一帯がSnow Man一色となり、ライブへの期待を高めた。
会場では、色とりどりのペンライトが光り、Snow Manの登場を今か今かと待ちわびるオーディエンス。Overtureからペンライトが揺れ、9人の姿が見えると、その光の波は歓声とともに一層激しさを増した。
そんなファンの熱い気持ちに応えるように、にこやかな表情で登場した、岩本照・深澤辰哉・ラウール・渡辺翔太・向井康二・阿部亮平・目黒蓮・宮舘涼太・佐久間大介のSnow Man 9人。「東京ー! 騒いで行こうぜー!」「よろしくー!」相次ぐメンバーの煽りに呼応するペンライトと歓声。
5thアルバム『音故知新』 のリード曲で、キラキラとしたイントロから胸が高鳴る「TRUE LOVE」では、渡辺の伸びやかな歌声でトキメキを誘う。メンバーは高さ5.5m・幅26.5mの巨大ムービングステージに乗って登場し、アリーナ席から上階のファンまで、全員に手を振る勢いでパフォーマンスを続けた。
サビからはペンライトの揺れが一層激しさを増し、その熱量を浴びた目黒蓮が「盛り上がってますかー?」と声を張り、さらに「ラウール盛り上がってますかー?」と、ラウールに向けて叫ぶ一幕も。他にも、阿部亮平と向井康二がぐっと距離を縮めたり、ラウールが目黒をバックハグして笑いあったり。さらにはメンバー9人でハートを作るラブリーなエッセンスを盛り込むなど、幸せな空気で会場を包み込んだ。
「SERIOUS」も同様に、ダイナミックな演出によってミステリアスさが増し、イントロからオーディエンスを引き付けていた。ストーリー性の高いミュージックビデオの世界観を踏襲しつつ、ライブならではのスケール感で、歌詞の一節にあるように《ゾクゾク》とさせるステージだった。
目黒は「皆さん、盛り上がっていますか? 東京ドーム、始まりました。最後まで僕たちとたくさん声を出して、良い時間を作りたいですか?」と聞くと、大きな歓声がわき、目黒は「わかりました!」と、笑顔を見せた。「俺も声聞きたいな」と阿部が続け、「せーのと言ったら『ZIP!』でお願いします」と、5万5千人で『ZIP!』コールを行った。その阿部の後ろには、ひょっこりとラウールが映り込む和やかなワンシーンも。向井は「サワディー」と元気よく挨拶し、アリーナ席から上段まで声をかけ、最後は「大丈夫そ?」コールで盛り上げた。
そんな向井のやりとりを受けて、「このあとやりづれー」と笑いを誘ったのが渡辺だ。「今日から4日間東京ドームということで、僕たちSnow Manが最高なホリデーシーズンをお届けします」と宣言。一拍おいて、宮舘が口を開くと「見ての通り汗だくです! 今年いちばんの汗をかかせてください」と投げかけ、返ってきた声には「みんなの声、エレガント!」とロイヤルな笑みとともに締めくくった。
岩本は、両手を挙げて「こんにちは~」と挨拶。「じゃあみんなで、せーの! 呼吸して~」と突っ走ると、メンバーからは「難しい」とのツッコミも。岩本は「ついてきてください」と、サングラス越しににっこり笑顔を見せた。
佐久間も「騒ぐ準備はできているか? 東京ドーム」と煽り、「今日は最後まで本気で楽しんで! 全力でぶつかってきてください、僕たちも全力で愛を返すんでよろしく!」と爽やかに挨拶。
ラウールはオーディエンスの声に耳を傾けながら、「今日はみんなのお食事事情を聞いていきたいと思います!」と「朝ごはん食べた人?」と呼びかける。最後にラウールは手を差し出して「夜ごはんは一緒に食べにいこう」と不意にときめくセリフで誘ったことで会場が大いに盛り上がった。
さらに、深澤は「『ノンストップ!』っていうので、『ノンストップ!』って言ってください」と隔週出演している番組名を促すと、カメラ目線で「使ってください!」と笑いを誘う。最後に「みなさん、愛してるぜ!」と指差しポーズでキメて見せた。
■進化し続ける、Snow Manのあらたな取り組み
デビュー5周年を迎え、ミリオン達成に5大ドームツアー開催と、華々しい記録を次々に打ち立てているSnow Man。つねに前を向き、ファンとともに最高の景色を築く9人はこれまで以上に意欲的で、あらたな取り組みにも積極的だ。
例えば、本ツアーの軸となる5thアルバム『音故知新』は、様々な時代の音楽カルチャーをSnow Manなりの解釈と表現をした作品で、進化し続けるSnow Manを堪能できる。ツアータイトルの“ON”もアルバムタイトルの“音(ON)”に由来し、1960年代から20年ずつ刻み、楽曲・映像・衣装など各年代ごとにステージを演出した。
ひときわ歓声があがった「Dangerholic」では、ポールダンスを披露。メンバーもステージ上のダンスとはまた違う動きで魅了した。「Miss Brand-New Friday Night」では、ムービングステージが前後で分割。高さを使ったパフォーマンスで驚かせたほか、「Ready Go Round」では、高さ20mのクレーンを使い、上階のファンにもくまなく笑顔を届けた。このほかにも、タップダンスやコントなど、バリエーションに富んだ演出が多数。機構や特効という大胆な演出に負けない、彼らの多才っぷりが清々しい。
今回のステージ衣装は、メンバーのラウールがプロデュース。ターコイズカラーをベースに、大ぶりなビジューづかいのデコラティブな衣装も目を引いた。ジャケットの長さやインナーに変化をつけながら、9人の個性に沿ったデザイン。カジュアル路線も同様に、大胆でありながらも上品さを失わないところがSnow Manらしい。音楽と6点の衣装のマリアージュでも楽しませた。
今回の公演の中で、大きな盛り上がりを見せたパフォーマンスのひとつが、「カリスマックス」。デジタルシングルとして2025年8月にリリースして以降、SNS総再生数10億回超えを記録した人気曲である。
重低音を響かせ、東京ドームをディスコムードに染め上げると、ペンライトを振りながらパラパラを踊るファンの姿も。コール&レスポンスとはまた違う、Snow Manとの一体感が生まれていた。
いっぽう「愛のせいで」では、全45個のバルーンが幻想的な世界を作り出すなど、楽曲によって会場の雰囲気をがらりと変えられるところもSnow Manのライブの魅力だ。
また、メンバーが3グループに分かれて、ユニット曲を披露。岩本照&深澤辰哉の「Symmetry」では艶っぽい大人の魅力に溢れるステージで魅了。情熱的な歌唱で不思議な世界へと誘った阿部亮平&目黒蓮による「ART」。個々のキャラクターを存分に発揮したのが、宮舘涼太&佐久間大介「地球(あい)してるぜ」。コミカルなムードでワクワクを誘ったのが、ラウール&渡辺翔太&向井康二の「サンシャインドリーマー」。メンバーの組み合わせや楽曲ジャンルなど、様々な角度からSnow Manの魅力の奥深さを知るパートとなった。
■幅広いファン層を誇るSnow Man
MCでは、ライブ中盤で宮舘がひとりで繰り広げた“舘タイム”について。「カリスマックス」で使うサングラスをかけるまでの過程を、宮舘は言葉を発さずに、仕草や表情だけでやってのけた。これには深澤が「舘さんしかできない」と言えば、向井も「俺らにはできない」と、メンバーも感心しきり。
続いて、深澤が「もう一回みなさんの声が聞きたい」とコール&レスポンスタイムへ。
佐久間の「レディース!」に続いて、岩本が「ちらほらいる気がした、目があった気がした」と切り出し、着席してからの発声のため、声を出しづらい姿勢にさせたことに対し「ごめんね」と前置きしつつ、「マジで出してもらっていいかな? メンズ!」と呼びかけると、男性陣の大きな声が響く。阿部は「第三勢力。ちっちゃい子!」と呼びかけると、可愛らしい声も。これにはメンバーやオーディエンスからも「かわいい」という声が漏れてきた。
他にも、「サンシャインドリーマー」で着用する渡辺翔太のショートパンツ衣装に対し、「実際の衣装を着てリハーサやたったら、終わった時に、『ちょっと渡辺さん、下着見えちゃってるんでこれはきましょう』ってTバック渡されて(笑)」と説明し、「今ね、僕ねTバックはいてるんです」とまさかの告白も飛び出した。
“美容男子”と名高い渡辺だけに、佐久間は「楽屋で見てもそんな違和感なし」と話すと、目黒が「まだ攻めていけるもんなんです?」と興味ありげに問いかけると、渡辺は「東京の最終日、なんもはいてないかもしれない(笑)」と冗談交じりに回答した。
■「やっぱり改めて好きだなと感じました」
熱気と興奮が冷めやらぬまま迎えたライブ終盤。この日はメンバーを代表して深澤が思いを述べた。「やっぱり改めて好きだなと感じました」と切り出し、こうやって大きい会場でライブができる有難さ、そして自分たちを支えてくれる一人ひとりのファンの存在が大きく、感謝していることを挙げながら、「でも、いちばんはメンバーですかね」と続ける。
「改めて自分の人生を振り返る時間になった」というアルバム『温故知新』の制作期間。「自分がもし、Snow Manじゃなくて、この事務所に入っていなくて、そしたら何してるかな? って考えたんだけどね。思いつかなかったです。自分には、このアイドルという人生の半分以上ね…このお仕事をしてなければ、もちろん8人にも会えてないですし、皆さんにも会えてないですし。本当にこの人生で、改めて良かった」と噛みしめるように素直な想いを吐露。
2025年11月に体調を崩し、メンバーの誕生日動画の撮影に参加できなかった深澤。そこでテレビ電話を繋ぎ、いつもとは違う角度からメンバーの姿を見ていたことを振り返り、「(このグループに)入りたいなって、楽しそうだなって。いつも当たり前のように、Snow Man9人で活動させてもらっていて、もちろん、いつも感謝はしているけど、改めてそういう目線で見た時に、やっぱりこのグループっていいなって感じました」と心境を明かした。
最後に「僕の、この人生に彩りをくれて、みんな本当にありがとうございます」と述べると、メンバーカラーの紫色に染まった会場から大きな拍手が送られた。
そんなグループ愛に満ちた深澤の言葉通り、パフォーマンス中もメンバーがアイコンタクトをして微笑んだり、磁石のようにピタッとくっついたり。9人という大所帯のグループだが、メンバーの一体感や仲の良さが端々から伝わってきた。
2020年1月のデビューからこれまでを振り返ってみると、デビュー直後からコロナ禍に見舞われ、思うような活動ができなかったこともあっただろう。それでも一つひとつを積み重ねた結果、グループとして様々な記録を樹立し、ソロでも9人それぞれが目覚ましい活躍ぶりをみせる“今”がある。
本ツアーでもあらたな取り組みを積極的に行ったように、グループ・ソロともに挑戦を続ける、Snow Man。本公演で披露したデビュー曲「D.D」のパフォーマンスが深みを増していたところに、今の彼らの充実ぶりが伝わってきた。
変わらないことがあるとするならば…それはメンバー全員がアリーナ席から上階まで客席に手を振り、笑顔を見せる。そんな手厚いファンサービスではないだろうか。2025年も3年連続で大みそかのYouTube生配信『Snow Man Special Live みんなと楽しむ大晦日!2025 ~リクエスト♡大作戦?!~』を行うように、どこでもファンを想い、そのために自らを磨く9人をこれからも見届けたい。
TEXT BY 柚月裕実




