Number_iが、全国ライブツアー『Number_i LIVE TOUR 2025 No.II』のファイナル公演を、12月24・25日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催した。本記事では25日昼公演の模様をレポートする。
なお、さいたまスーパーアリーナ公演が2026年2月14日にPrime Videoで配信されることも決定した。
■和気藹々とクリスマスエピソードを語り合う場面も
満員の客席では開演直前に「Number_i」コールと手拍子が割れんばかりに鳴り響く。ペンライトの光が会場を彩る風景も恒例になりつつある。期待が膨らみに膨らむクリスマスのさいたまスーパーアリーナ。
暗転と同時にスクリーンに映し出されたのは、ツアーのために用意されたスペシャルムービー。世界観豊かに作り込まれた映像に会場は徐々に引き込まれていく。メンバーが突如として宇宙船に取り込まれる展開に驚くのもつかの間、次の瞬間には実物のメンバーがゴンドラ上に現れ、現実世界とシームレスに繋がる演出で登場。とてつもないライブのスタートを予感させる仕掛けとNumber_iの姿に、会場は一気に熱を帯びる。
1曲目は「HIRAKEGOMA」。平野紫耀のラップが繰り出されると、期待と高揚が混じり合った大きな歓声が起こった。続く神宮寺勇太プロデュース楽曲「ATAMI」「FUJI」では、脈々としたメロウなメロディとバンドサウンド、メンバーの声質が三位一体となった音像に、会場のボルテージが上がっていく。上昇中の熱気は「INZM」「幸せいっぱい腹一杯」にてひとつの頂点に至った。
アッパーチューンが畳みかけられ、3人のパワフルかつ研ぎ澄まされたパフォーマンスが観客の視線を強く引き寄せたあとは、息をつく間もなく先ほどの映像の続きが始まった。そして映像の展開に合わせ、「Numbers Ur Zone」を披露。スクリーンでコミカルに動くメンバーの3Dキャラクターとステージパフォーマンスが激しく連動する。
重厚なストリングスの旋律に誘われ始まる、「なんかHEAVEN」「ロミジュリ」と続く流れでは、チルとエモーションとが交錯し、ふくよかな音像に観客は酔いしれる。
前半のハイライトのひとつは、神宮寺のソロ楽曲「LOOP」だ。ダンサーのソロパートで一気にステージが引き締められると、神宮寺の静と動を自在に行き来する表現力が際立ち、会場の空気を一瞬で掌握する。その流れを受けた「SQUARE_ONE」では、グループとしての結束力がより強く印象づけられるようなグルーヴが表出。ツアーを通して育て上げてきた楽曲群が、確かな存在感を放っていた。
「埼玉の皆さん、こんにちはー!」という挨拶から始まったMCでは、子供のころサンタクロースからもらったプレゼントの話など、会場を巻き込みながらトークを展開。「中学校1年生のときにジュエリーくださいとお願いしたら、(もらえたものは)駄菓子100個だった」という平野や、サンタさんを目撃してしまったことがあるという岸優太に、激しくツッコミ合いながらも和気藹々とクリスマスエピソードを語り合う。
「もし、今プレゼントをもらえるとしたら?」というお題に対して、平野は「加湿器」、神宮寺は「ムラシャン(紫シャンプー)」、岸は「金銀財宝」と答え、十分に会場がほぐれたところで後半戦に突入していく。その先の曲振りに「金銀財宝」が掛け声としてキープされるという場面も。
楽曲ごとに切り替わる世界観の明確さはNumber_iの武器かもしれない。多幸感溢れるナンバー「Hard Life」ではメンバーがステージの端から端まで歩き、観客との距離がグッと縮まるような温度感が生まれる。
映像を挟み、ストーリーは急展開へ。メンバーの顔のパーツをアップで映し出すパンチの効いたビジュアライザーとともに「2OMBIE」を披露。続いて日本情緒漂う「BON」では、低音の効いたビートと整然とした鋭いダンスが際立ち、会場の熱気は再び最高潮に。
幻想的なピアノソロにクールダウンされながら、岸のソロ楽曲「KC Vibes」へ。伸びやかな歌声と攻撃的なラップとが交錯するステージは、シンガーとしての岸のすごみが滲み出る。ペンライトによって紫色に包まれた会場もステージ演出にひと役買っている。
「Numbers」に続いて披露された平野によるソロ楽曲「ピンクストロベリーチョコレートフライデー」では、実直さと甘さを併せ持ったステージングで観客を惹きつける。ストレートに伸びる平野の歌声は、低音ラップを繰り広げる時とはまた違った魅力を放っていた。
再びのピアノソロから「i」へと流れる構成は、個の表現力とグループのアイデンティティが交差する瞬間を鮮やかに描き出す。オーケストラによる壮大なInterludeを経て披露された重厚なナンバー「GOD_i」、デビュー曲「GOAT」は、ツアーのクライマックスにふさわしいスケール感を伴って迫り来る。
さらにNumber_iの拡張性を強く感じさせる「未確認領域」では、常に変化と挑戦を続けるNumber_iの現在地が明確に提示され、この会場の観客はその進化の目撃者であることは間違いない。
アンコールでひときわ大きな歓声とともに投下されたのが新曲「LAVALAVA」。現在、配信チャートはもちろん、SNSを賑わせている注目作のひとつだ。サビ部分の音と振り付けのユニークネスは、ライブのなかでもすでに欠かせないキラーチューンとして機能している。Number_iの型にとらわれない多面性を象徴するような一曲だ。
その勢いを保ったまま、「No-Yes」「Midnight City」と畳みかけ、「JELLY」で祝祭感は最高潮へ。オーケストラの芳醇なハーモニーとベースの力強いビートに包まれながらダンサー、バンドメンバーなどの紹介をするシーンでは大きな歓声が鳴り響き、このステージに関わる全ての人とNumber_i、そして会場とが一体となる瞬間を体験した。
ラストの「i-mode」を歌唱し終えると、メンバーは会場に力強く感謝の言葉を投げかけた。
Number_iがこのツアーで積み重ねてきたもの、そして現在進行形で拡張し続けるスケール感が、『Number_i LIVE TOUR 2025 No.II』さいたまスーパーアリーナ公演には鮮明に刻み込まれていた。
■セットリスト
01. HIRAKEGOMA
02.ATAMI
03. FUJI
04. INZM
05. 幸せいっぱい腹一杯
06. Numbers Ur Zone
07. なんかHEAVEN
08. ロミジュリ
09. LOOP
10. SQUARE_ONE
11. Hard Life
12. 2OMBIE
13. BON
14. KC Vibes
15. Numbers
16. ピンクストロベリーチョコレートフライデー
17. i
18. GOD_i
19. GOAT
20. 未確認領域
[ENCORE]
21. LAVALAVA
22. No-Yes
23. Midnight City
24. JELLY
25. i-mode
ENCORE 2]
26. iLY ※12月2日18時30分公演のみ
■関連リンク
Number_i OFFICIAL SITE
https://tobe-official.jp/artists/number_i















