大阪発の4人組ロックバンド・ハンブレッダーズの代表曲「銀河高速」は、多くのリスナーの孤独に寄り添ってきた。この記事では楽曲の魅力や歌詞を読み解きながら、バンドの歩みやメンバープロフィール、初のコンセプトアルバム『GALAXY DRIVE』の聴きどころを紹介していく。
■“青春”を歌い続ける大阪発の4人組ロックバンド
ハンブレッダーズ(英表記:HUMBREADERS)
・結成:2009年10月31日
・メジャーデビュー:1stアルバム『ユースレスマシン』(2020年2月19日)
・メンバー:ムツムロ アキラ(Vo&Gu)、でらし(Ba&Cho)、木島(Dr)、ukicaster(Gu)
・ファンクラブ:帰宅部
・ファンクラブ公式キャラクター:ぶれまる
OFFICIAL SITE https://humbreaders.com/
OFFICIAL FANCLUB https://hmbr-fc.com/s/n155/
YouTube @humbreaders
X @Humbreaders
Instagram @humbreaders
TikTok @humbreaders.official
LINE https://page.line.me/972ougjg
◎ハンブレッダーズとは?
ハンブレッダーズは2009年、ムツムロ アキラ(Vo&Gu)と木島(Dr)が高校生の頃に結成したバンドである。
当時、TVアニメ『けいおん!』の影響を受けてバンドを始めた若者も多かったが、彼らもそのうちの一組だ。
文化祭でライブをするためにバンドを結成。ハンブレッダーズの公式サイトの言葉を借りると「地獄のようなライブ」が初ステージだったわけだが、仲間とともに音を鳴らすという行為は彼らの心を掴み、「音楽ってやばいな」と気づき、バンドを継続するにいたった。
◎バンド名“ハンブレッダーズ”の由来は?
バンド名を決めるための話し合いは、ムツムロと木島が通っていた高校の近く、大阪・寝屋川市駅のマクドナルドで行われた。
思い思いにバンド名を挙げるも、一向に収拾がつかない…そんな状況のなかで誰かが口にした「判断基準がブレてきた」という言葉がそのままバンド名になったとのこと。
◎ライブを主戦場に活躍!ハンブレッダーズの軌跡
ライブハウスを中心に活動を続けるなか、2018年1月17日に初の全国流通盤『純異性遊』を発表。
▼ハンブレッダーズ『純異性交遊』Trailer
@humbreaders.official #ハンブレッダーズ – 1st AL『純異性交遊』 ■2018.01.17 1st Album 純異性交遊 M-1 DAY DREAM BEAT M-2 スクールマジシャンガール(純mix) M-3 ユーモアセンス M-4 常識の範疇 M-5 フェイクファー(純mix) M-6 睡眠至上主義 M-7 ファイナルボーイフレンド M-8 付き合ってないけどお互いに 本日でリリースから7年!たくさん聴いてくれてありがとうございます!CDはオフィシャルストアからご購入できます✔︎ #ハンブレッダーズ #純異性交遊 #スクールマジシャンガール #スクマジ #すみっコ語り
その翌年2019年6月12日にはバンドを代表する一曲「銀河高速」を配信リリース、2020年2月19日には、1stフルアルバム『ユースレスマシン』でメジャーデビューを果たした。
▼ハンブレッダーズ「ユースレスマシン」Music Video
@humbreaders.official #ハンブレッダーズ – 1st Full AL『ユースレスマシン』 ■2020.2.19 1st Full AL M-1 ユースレスマシン M-2 見開きページ M-3 ユアペース M-4 ブランコに揺られて M-5 マイラブリーボアダム M-6 約束 M-7 聞こえないように M-8 都会に憧れて M-9 SUMMER PLANNING M-10 逃飛行 M-11 大掃除の後 本日でリリースから5年!メジャーデビューも5年を迎えました!たくさん聴いてくれてありがとうございます!🎧 #ハンブレッダーズ #ユースレスマシン #見開きページ #すみっコ語り
結成15周年を迎えた2024年には、3月24日に初の大阪城ホール公演『放課後Jタイム ~15th Special~』を開催。同公演の冒頭ではムツムロが「あの日少年マンガの主人公になれなかった俺たちが、今、大阪城ホールに立ってます!」と語り、15年の集大成を示した。
▼ライブBD『ハンブレッダーズ15周年記念ワンマンライブ「放課後Jタイム&放課後Bタイム」』トレイラー
その後、10月9日には初日本武道館公演『放課後Bタイム ~15th Special~』を開催。学校の体育館=文化祭の舞台を思わせる装飾が施されたステージから演奏が届けられ、バンドのサウンドと観客のシンガロングが響き合った。
▼ハンブレッダーズ「グー」from “ワンマンライブ 放課後Bタイム 〜15th Special〜” at 日本武道館
◎2025年には初の主催フェス『GALAXY PARK』を開催
結成15周年を経て、あらたなフェーズに突入したハンブレッダーズは、2025年10月19日、初の主催フェス『GALAXY PARK』を大阪城ホールで開催した。
@humbreaders.official
主催フェス開催にあたり、ムツムロは「自分の人生を豊かにしてくれた音楽、そして自分が生まれ育った大阪という街に、バンドで何か恩返しがしたかった」と語っている。
当日は、岡崎体育、KANA-BOON、キュウソネコカミ、KOTORI、ズーカラデル、ナードマグネット、SEVENTEEN AGAiN、ハルカミライ、マカロニえんぴつといった盟友9組が出演。ハンブレッダーズがロックシーンに根づかせてきた青春の熱量を、仲間やファンとまるごと体現したような一日となり、大阪城ホールは熱気に包まれた。
【 #ギャラパー 終了!!!】
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
𝐆𝐀𝐋𝐀𝐗𝐘 𝐏𝐀𝐑𝐊 𝟐𝟎𝟐𝟓
𝟐𝟎𝟐𝟓.𝟏𝟎.𝟏𝟗 (𝐒𝐮𝐧.)┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ご来場いただいた皆様、
ありがとうございました🛸!来年は万博記念公園でお会いしましょう!
𝙎𝙀𝙀 𝙔𝙊𝙐 𝙉𝙀𝙓𝙏 #ギャラパー …🪐📸 @SPG_NABE pic.twitter.com/mKSRJYnwFw
— GALAXY PARK in EXPO (@GALAXYPARK_hmbr) October 19, 2025
初回にして大成功を収めたこのフェスは、2026年5月24日に大阪・万博記念公園へと舞台を移し、『GALAXY PARK in EXPO』として二度目の開催を迎える。
■音楽フリークな4人が集結!メンバープロフィール
◎ムツムロ アキラ
・パート:ボーカル、ギター
・出身地:大阪府吹田市
・誕生日:3月3日
X @mutsumuro
Instagram @mutsumuro
ハンブレッダーズの全楽曲の作詞、バンドで最終的な構築をする前のもととなる作曲を手がける。赤いシグネイチャーギターを携えてステージに立つ姿が印象的だ。
ライブのMCでは、楽曲のタイトルや歌詞を忍ばせて次曲への布石を打つことも多く、その一言一言が聞き逃せない。
バンドの精神的支柱を担うフロントマンであり、曲を書く時は「17歳の自分が聴いたらどう思うか」という視点を大切にしている。
◎でらし
・パート:ベース、コーラス
・出身地:栃木県足利市
・誕生日:9月1日
X @lingnai03
Instagram @lingnai03
ムツムロや木島と同じ大学の軽音サークル出身で学年は1つ下。
前任ベーシスト脱退後、ムツムロから相談を受けた際に「僕に弾かせてください!」と返答し、2016年に加入した。
ライブの衣装はハーフパンツスタイルで、ステージを自由に駆け回りながら、躍動的なベースラインを繰り出して観客を沸かせている。『VALORANT』と写真撮影を愛する。
◎木島
・パート:ドラム
・出身地:大阪府箕面市
・誕生日:1月23日
X @gerogerokinkin
Instagram @kijima_humbreaders
ハンブレッダーズのオリジナルメンバーで、ムツムロとは中学の頃からの付き合い。
瑞々しいエイトビートで、バンドのアンサンブルを疾走させる。
無類のアニメ好きであり、SNSに熱い感想を投稿しているほか、アニメソングへの造詣の深さを活かしてDJとしても活動を重ねている。
ドラムよりもDJ方がイキイキしてる… pic.twitter.com/pNmJ4bY2IW
— 木島(キジマ) (@gerogerokinkin) June 11, 2025
◎ukicaster(読み:ウキキャスター)
・パート:ギター
・出身地:大阪府
・誕生日:10月30日
X @ukicaster
Instagram @ukicaster
愛称は「うき」「うきくん」。ukicasterという名前は、自身の愛用するギターのストラトキャスターから命名。
2019年頃からサポートメンバーとなり、2022年に正式加入。
ハンブレッダーズの楽曲の多くにはギターソロがあり、そのブルージーなフレーズはバンドのトレードマークになっている。
■ハンブレッダーズの魅力とは?
◎共感性の高い歌詞と世界観
絵に描いたような青春とは縁遠い。常に友達に囲まれているあの子のことは、違う世界の住人に見える。内向的な学生時代を過ごしてきたムツムロが歌うのは、教室の隅からの革命歌。
思春期特有の自意識、暴走気味の妄想、恥ずかしくなるような失敗──しかし、大好きな音楽を聴けば無敵になれる感覚を率直に歌っている。歌詞カードから切り取って現実世界に放り込んでも、輝きを失わないフレーズで。あるいは押韻や言葉遊びを駆使して、楽しく、リズミカルに。今まさに青春を送っている若い世代には芯から共感できる音楽であり、諦めることも覚えた大人にとっては、あの日に置いてきた何かを思い出させてくれるロックバンドだ。
ハンブレッダーズの楽曲を、まるで自分のための歌のようだと感じているリスナーは多いだろう。
◎キャッチーかつ疾走感あるバンドサウンド
ハンブレッダーズの楽曲では、音楽はしばしば“宇宙”に喩えられる。
例として挙げると、「銀河高速」「フィードバックを鳴らして」ではスケールの大きさを表すために用いられたり、2018年発表の「DAY DREAM BEAT」では、《ヘッドフォンの中は宇宙》と歌われている。
▼ハンブレッダーズ「DAY DREAM BEAT」Music Video
▼ハンブレッダーズ「フィードバックを鳴らして」Music Video
うだつの上がらない日常は、ともすれば私たちの視線を下向きにさせ、背中を丸めさせてしまうものだ。だが、ハンブレッダーズの音楽は、その重力からふっと心を解き放ってくれる。
疾走する4ピースサウンドに手を引かれながら、私たちは宇宙にだって行けそうな感覚を覚える。
◎“目の前のあなたに届ける”ライブはハンブレッダーズの真骨頂
ハンブレッダーズのライブ会場では、観客のシンガロングが響く。だが、そこに一体感の強制はない。ひとりで来てもいい。もちろん友達と一緒でもいい。音楽が鳴れば、この場所にいる一人ひとりがバンドと一対一になれる──それが彼らの考えるライブの姿だ。
観客は心から泣き、笑い、歌い、拳を突き上げる。目の前の一人ひとりに届けようとするメンバーの姿勢が、誰にとっても特別な居場所を生んでいる。
@humbreaders.official 2023.08.26 RUSH BALL 2023 25years Goes On #ハンブレッダーズ #DAYDREAMBEAT ひとり 登下校中 ヘッドフォンの中は宇宙 唇だけで歌う #ラッシュボール #RUSHBALL #ラシュボ #songofthesummer #ライブ映像 #live #夏フェス
■『THE FIRST TAKE』で披露した「銀河高速」
◎「バンドを続けたい」という想いから生まれた代表曲
ハンブレッダーズの代表曲として長く愛される「銀河高速」は、2019年6月にリリースされた楽曲だ。この頃、ハンブレッダーズは異例の発表を行っている。当時バンドに所属していたギタリスト・吉野エクスプロージョンの“サポートメンバーへの降格”である。
2019年といえば、当時インディーズバンドだったハンブレッダーズがライブハウスシーンで着実に評価を高めていた時期。大学卒業後、ムツムロはコンビニでアルバイトをしながら、他のメンバーは会社員として働きながらバンド活動をしていた。
平日は職場に向かい、夜や週末にスタジオやライブハウスへ向かう。そんな生活の延長線上で続けられないほど、バンドは大きくなりつつあった。でらしと木島は勤めていた企業を退職し、音楽一本でいこうと決める。いっぽう、吉野は退職せずにバンドの正規メンバーから離れることを選んだ。
人生の岐路で、バンドの原点を共にした友と道を分かつ。それはムツムロにとって「人生で一番、バンドをやめようかなと思った瞬間」だったという。それでもムツムロは、でらしと木島の言葉に背中を押され、吉野の決断がきっかけで覚悟も固まり、《続けてみることにしたよ》と歌うに至った。そんなハンブレッダーズのドラマが「銀河高速」に刻まれている。
ukicaster加入後、2024年に開催された大阪城ホール公演の客席には吉野の姿があった。
ムツムロがステージから「吉野、聴いてる? お前のせいで俺の人生、とんでもないことになってます。お前が始めたハンブレッダーズ、こんなことになってるよ、今」と投げかけてから「銀河高速」を演奏したシーンは、ハンブレッダーズ史に残る名場面として語り継がれている。
◎勢いと爽快感があるサウンド
先述の通り、ハンブレッダーズの楽曲において、音楽は広大かつ開放的な宇宙と結びつく。そして、ムツムロは「銀河高速」のセルフライナーノーツで「ヘッドフォンの中は宇宙。だとしたら、バカみたいな話をしたり、大好きな音楽をカーステレオから流してライブハウスに向かったあの高速道路は、銀河だと思った」と明かしている。
機材を積んだハイエースで走る夜の高速道路。人生の苦みを知ってもなお変わらない青春の一幕。そのイメージを体現するように、バンドのアンサンブルはどこまでも鮮やかに疾走する。
◎『THE FIRST TAKE』で披露した一発撮り
2026年1月30日に『THE FIRST TAKE』に初登場したハンブレッダーズ。
ライブハウス出身のロックバンドであり、一回限りの勝負を重ねながら生きてきた彼らは、一発撮りとの相性が抜群だ。
ムツムロが「スクールカーストの最底辺から歌いに来ました、日本のハンブレッダーズです」といつもの挨拶をし、木島のドラムを合図に4人で音を合わせるオープニングはライブさながら。弦を弾きながらジャンプするでらしの姿も含め、ハンブレッダーズらしい光景だ。
曲に入る前、ムツムロは「時代の波ならばHIP HOP、イマドキ女子は皆、TikTokをやっている。だけど俺たちは、ロックバンドを続けてきました!」と歌詞になぞらえて語る。
その言葉から間を置かず歌い始める姿に、思わず息を呑む。木島が鳴らす躍動的なビート。でらしのうねるベースライン。ukicasterはネックを揺らしたり楽器を高く掲げたりしながらソロをたっぷりと奏で、ムツムロはアレンジを効かせたメロディを力強く歌い上げた。4人で全力で声を合わせるアウトロも熱い。彼らは『THE FIRST TAKE』でもいつもと何ら変わらない熱量溢れる“ライブ”を見せてくれた。
■【歌詞全文】孤独を肯定してくれる「銀河高速」
「銀河高速」
何処までも行けると思った夜だった
血と涙と汗が混じり合っていた
続けてみることにしたよ
走る 銀河高速時代の波ならば HIP HOP
イマドキ女子は皆 TikTok
未だに僕らはロックンロールと
フォークソングをシンガロング時給900円 コンビニバイト
責任 やりがい 正直ないよ
これくらいのお弁当箱に
廃棄寸前の夢のカケラ詰め込んで新しい歌を書く度
聴いて欲しい君の顔が矢継ぎ早に浮かんだつたない音と言葉 書き鳴らして
いつからか遊びがマジになっていた
あの日と何も変わらずに
なんて台詞は嘘くさいけど何処までも行けると思った夜だった
血と涙と汗が混じり合っていた
懐かしい歌を流して
走る 銀河高速理想と現実は二律背反
綴る言葉だけが道を開いた
君を主役にするBGMを
不甲斐ないなりに歌いたいんだ浮かんだサビの歌詞 書く途中に
鉛筆の芯が折れてしまった
それくらいのことでどうして?って
出来事でまたしても夜に捕まった終わる兆しの無い旅
このままでも僕ら大丈夫かな?見て見ぬフリしてきた現実に
押し潰されてしまいそうな夜だった
心にもない言葉が出る
ここが潮時かもないくつもの恥に恥を重ねて
数え切れぬ言葉を嘘にして
長いトンネルを抜けて
まだ歌いたいと思っていた何処までも行けると思う夜だった
血と涙と汗が混じり合っていた
続けてみることにしたよ
走る 銀河高速この夜の向こうまで
走れ 銀河高速時代の波ならば HIP HOP
イマドキ女子は皆 TikTok
未だに僕らはロックンロールと
フォークソングをシンガロング時給900円 コンビニバイト
責任 やりがい 正直ないよ
これくらいのお弁当箱に
廃棄寸前の夢のカケラ詰め込んで時代の波ならば HIP HOP
イマドキ女子は皆 TikTok
未だに僕らはロックンロールと
フォークソングをシンガロング時給900円 コンビニバイト
責任 やりがい 正直ないよ
これくらいのお弁当箱に
廃棄寸前の夢のカケラ詰め込んで作詞:ムツムロ アキラ
作曲:ハンブレッダーズ
ハンブレッダーズの人生から生まれた「銀河高速」。その熱量は、歌詞にもはっきりと刻まれている。
《いつからか遊びがマジになっていた》は、文化祭に向けて結成されたこのバンドの始まりと重なり、《時給900円コンビニバイト》はムツムロが実際にバイトしていたからこそ出てきたフレーズだろう。
《未だに僕らはロックンロールと/フォークソングをシンガロング》はバンドの音楽性とスタンスを明確に表現したフレーズであり、《君を主役にするBGMを/不甲斐ないなりに歌いたいんだ》は様々な楽曲を通じて繰り返し歌われてきたハンブレッダーズ自身の意思である。
ムツムロは本当のことしか歌っていない。だからこそ、《見て見ぬフリしてきた現実に/押しつぶされてしまいそうな夜だった/心にもない言葉が出る/ここが潮時かもな》という絶望の描写もリアルに胸に迫る。
そして、《何処までも行けると思った夜だった》と歌われる希望もまた、強がりではなく真実だと伝わってくる。そんなリアルな描写の中でも、《HIP HOP》と《TikTok》で韻を踏んだり、《これくらいのお弁当箱に》と唱歌をもじった言い回しを取り入れたり、ムツムロならではのワードセンスが随所に光る。
しかしこの曲は、ハンブレッダーズの物語に留まらない。
ロックバンドが自らの人生を全力で歌っているからこそ、その言葉は普遍的な強度を持つ。諦めかけた経験がある人、人生の岐路で心が引き裂かれそうになっている人、それでも譲れないものを抱えて生きている人——そんな孤独を抱える全ての人に、この曲はまっすぐ届く。自分の選択を信じて生きる力を、確かに手渡してくれる。
■音楽性の幅広さと進化を感じる『GALAXY DRIVE』
◎ハンブレッダーズ初のコンセプトアルバム
2026年1月28日にリリースされた5thアルバム『GALAXY DRIVE』は、ハンブレッダーズ初のコンセプトアルバムだ。彼らは「今はサブスク全盛で、アルバムではなくプレイリストで音楽を聴く人も多いと思う。だけどロックバンドをやるなら、フルアルバムに固執したい」という想いから、リスナーをワクワクさせる方法を考え、コンセプトアルバムという形式に辿り着いたという。
そんな今作のコンセプトは、「地球から銀河系をドライブし、帰ってくるまでの車内で流れるプレイリスト」。
全15曲を通じて、束の間の銀河旅行を擬似体験できる構成になっている。また、CDの初回盤には、ムツムロが収録曲にちなんで書き下ろした短歌60首を収録した短歌集と、宇宙旅行をテーマにしたすごろくポスターが封入されるなど、パッケージにもこだわり抜いている。
◎YouTubeでメンバーによる解説動画、工場見学動画が公開
バンドの公式YouTubeチャンネルでは、メンバーによるアルバム解説動画や、CD製造工場見学の動画が公開されている。メンバー自ら制作秘話を語る解説動画では、リスナーも思い思いにアルバムの感想をコメントしており、温かな場が生まれている。
工場見学動画には、CD製造工程に対する感想のほか、「こんなことしてくれるバンド、見たことない!」「ハンブレはどんどん音楽を好きにさせてくれる」といったハンブレッダーズの取り組みに対する声も寄せられた。
◎『GALAXY DRIVE』の聴きどころ
痛快なロックナンバー。喪失を歌ったフォークソング。銀河と日常を接続するポエトリーリーディング。打ち込みに聴こえるが実は人力という、バンドの矜持を感じさせる楽曲…『GALAXY DRIVE』には多彩な楽曲が収録されており、豊かなサウンドスケープを描いている。
しかしそれは、つらい現実からの避難場所ではない。今日も腐らず、しっかり生きていくために、心の宇宙を顕現させようとする衝動がアルバム全体を貫いている。日常のなかにある恋や夢、ささやかな喜び。そうした輝きを、ハンブレッダーズは逃さず音楽にしている。
全15曲で構成された銀河旅行のなかでも、ひときわ輝きを放つのが「恋の段落」。
▼ハンブレッダーズ「恋の段落」Music Video
『THE FIRST TAKE』でも披露された同曲は、ハンブレッダーズ屈指の名曲。令和のラブソング、そしてウエディングソングの新定番として愛され続けるだろう。
▼ハンブレッダーズ – 恋の段落 / THE FIRST TAKE
■我が道を愚直に突き進む、ハンブレッダーズの今後
ハンブレッダーズは、2026年5月24日に、自身主催のフェス『GALAXY PARK in EXPO』を万博記念公園で開催。“ムツムロの地元・大阪府吹田市でフェスを開催する”という夢が、ついに現実のものとなる。
高校の教室から始まったバンドは、ライブハウスを駆け抜け、大阪城ホールや日本武道館のステージへと辿り着いた。そこから、さらに広い世界へと歩みを進めている最中だ。
そして彼らの音楽は、今日も誰かの孤独に寄り添い続けている。この歌を待っているあなたと出会うために、彼らはロックを鳴らし続ける。
TEXT BY 蜂須賀ちなみ
▼ハンブレッダーズ 最新記事はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/3181/
▼楽曲リンク:ハンブレッダーズ
https://humbreaders.lnk.to/ArtistPage







