『THE FIRST TAKE』から派生したコンテンツ『HIGHLIGHT』。第9回はその“声”で世界中を踊らせるビートボクサーSO-SOが登場。そのオリジナルなライブパフォーマンスについて分析する。
■『HIGHLIGHT』とは?

ダンス・楽器演奏など様々なジャンルにフォーカスを当て、『THE FIRST TAKE』本編では伝えきれていないアーティストの魅力や、グループのなかのひとりなどその人だけが放つ輝きにスポットライトを当てていく企画。
一発撮りのパフォーマンスを至近距離から複数のカメラで撮影。“近さ・生々しさ”、臨場感溢れるパフォーマンスを楽しむことができる。
■SO-SO
自身の“声”をサウンドの素材にして、本格的なダンスミュージックを構築する、ヒューマンビートボクサー、プロデューサー、DJと多彩な顔を持つSO-SO。15歳でビートボックスを始め、ビートボックスの世界大会『Grand Beatbox Battle』では、2019年に日本人として初めてループステーション部門に出場しTOP4の成績をおさめ、2021年にタッグループステーション部門、2023年にクルー部門でそれぞれ世界チャンピオンを獲得。代表曲「Interview 2.0」「SO-SO Exercise」などのリリースに加え、こっちのけんと「はいよろこんで (SO-SO Remix) 」や「Bass Ninja (feat. Red Eye & ACE COOL)」など、コラボ楽曲も多数制作。またプロeスポーツチーム“FENNEL”加入や『たかつき観光大使』就任など多角的な活動を展開している。
▼SO-SO – Interview 2.0 (Official Music Video)
▼SO-SO – SO-SO Exercise (Official Music Video)
▼【こっちのけんと × SO-SO】はいよろこんで(SO-SO Remix)| 本人リアクション!
▼SO-SO – Bass Ninja (feat. Red Eye & ACE COOL)
■SO-SO’s『HIGHLIGHT』
◎「This Is 8bit」
▼This Is 8bit
SO-SOが披露するのは、ビートボックスの世界大会で披露したトラックであり、2019年リリースの1stアルバム『Party』にも収録された「This is 8bit」。ファミリーコンピュータやMSXといった80年代のゲーム機やパソコンなどの“8ビット機”が使われ、レトロゲーム調の音源が用いられるジャンル“チップチューン”でも基調となるオールドエレクトリックな音色を、SO-SOがビートボックスで発声し、ダンスミュージックとして再構築を行うこの曲。つまり、機械音という“無機質”を、人間の声という“有機質”でクリエイトするという、ひとつの矛盾を音楽として昇華させる構造だ。
◎パフォーマンスの見どころ
▼SO-SO – This Is 8bit / HIGHLIGHT
【SO-SOの凄みとは?】
機材メーカー、ローランドの『BOSS RC-505mkII』が据え付けられたステージに上がるSO-SO。そして「What’s up HIGHLIGHT. My name is SO-SO. I hope you enjoy my music. Are you ready?」と視聴者に語りかけ、マイクを手に取り、その調子を確認するように、ビートボックスでスネア音を一発鳴らす。
機材のデジタル化によって、DJのターンテーブルルーティンが完全に変わったように、ビートボックスルーティンも機材の進化とともに大きく変化した。そして口で様々な音やビートを鳴らすことに加え、機材を通してビートボックスの音色をエフェクトさせ、ループさせることで、より複雑なビート構築をリアルタイムでおこなうビートボクサーも生まれた。
SO-SOもそういった存在であり、マシンをとおして口からの音色をさらにカラフルなもの、そして構築的なものにしていく(生声でも当然ながら非常に高い技術を持っているからこそできることだ)。その意味でも、ビートボクサーという“プレイヤー”の側面と、楽曲を構築する“プロデューサー”という両輪を備えていることが、彼の凄みだろう。
【変化が楽しい“8bit”】
0:28で楽曲のベースとなるノイズ音をループさせ、そこに上モノのコーラスを重ねていくSO-SO。その音色はエフェクト加工され、より8bit感を強くする。いっぽうで、0:45付近よりそこに足されるドラムは、非常にヒューマンビートボックスらしい生々しい音色であり、そのマッチングの妙が興味深い。そしてハイハットやスネアのようなリズムが重なり、ダンスビートはより強固になっていく。
1:15からはマイクを置き、ループステーションの操作に注力。フェーダーの抜き差しや、トラックのストップ&プレイによって、ビートを即興で再構築し、変化させていく。そして1:45付近からは再びマイクを持ち、展開されるダンスビートにビートボックスでエッセンスを加えていく。2:20付近では視聴者を煽るような動きを見せ、これがダンスミュージックであり、“視聴者も踊る主体である”ということをアピールする。また2:50付近からは、ビートの打ち方の転換によって、ノリ自体を変化させていく。
【実力を感じるラストスパート】
3:10付近よりさらにビートをリフトアップさせ強度を上げていくSO-SO。興味深いのは、生でループを組み込んでいるため、クオンタイズ(リズムの整頓)されず、音要素が完全に“オン(揃う)”の状態にならず、シーケンス内で音に少しずつブレが生じている部分だろう。そのブレがSO-SOならではのグルーヴを生み出していく。ラストはドラムンベースチックなビートから、ドアを閉めるような音でパフォーマンスを締めた。
■SO-SO「映像作品として魅せることを意識」
『HIGHLIGHT』撮影後、SO-SOに注目ポイントを聞いた。
Q1.今回のパフォーマンスの注目ポイント
SO-SO:100%ビートボックスサウンドで構成されている「This Is 8bit」は、基本的にはライブパフォーマンスのみの楽曲なので、今回は映像作品として魅せることを意識しました。
昔の懐かしさを感じられるよう、パフォーマンスの身振り手振りはGBB2019(Grand Beatbox Battle 2019)で初披露した当時を彷彿とさせる同じ動きをしました。
いっぽうで、僕がプロデューサーとしてスキルアップしたパフォーマンスでフレッシュさも表現したく、03:15以降のパートは注目してほしいです!オリジナル音源にはない『HIGHLIGHT』限定の「This Is 8bit Special Ver.」を、楽しんでいただけると嬉しいです!▼SO-SO | Grand Beatbox Battle Loopstation 2019 Compilation
Q2.パフォーマンス楽曲のセレクト理由や、アレンジについて
SO-SO:僕が2019年に初めてリリースしたアルバム『Party』の収録曲「This Is 8bit」を『HIGHLIGHT』のパフォーマンス楽曲にセレクトしました。
この曲は、日本人として初めてビートボックスの世界大会GBB2019(Grand Beatbox Battle 2019)のループステーション部門に出場した時に披露したもので、結果として、前年度世界チャンピオンをビートすることになった、とても思い入れのある楽曲です!
大会から数えると約7年ぶりに披露することに決めたのですが、アレンジポイントの見どころは、3分以降のエクステンデッドパートです。大会での持ち時間“3分”という制限が無くなった事によって、進化させた怒涛のドラムンベースドロップに注目して欲しいです!
TEXT BY 高木”JET”晋一郎
▼『THE FIRST TAKE』OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/@The_FirstTake
▼『THE FIRST TAKE』OFFICIAL SITE
https://www.thefirsttake.jp/
