22/7(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)の春ライブ『22/7 LIVE「15」』が、4月4日、東京国際フォーラム ホールCにて開催された。
■ついに、ステージ上に揃った15人
秋元康総合プロデュースのもと、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだ声優アイドルプロジェクト、22/7。春ライブ『22/7 LIVE「15」』。3期生を迎え15人体制となった完全体で初めて挑むステージは、ほぼМCを入れずノンストップで駆け抜けていく内容に。ナナニジの軌跡を感じる楽曲群から最新シングル「二つの道」へと繰り広げた熱いパフォーマンスは、語るよりも確かに次に見据える“目標”への思いを伝えていた。追加公演として行われた昼公演に続き、一部異なる楽曲でファンを楽しませた夜公演の模様をレポートする。
【ライブレポート】
「Overture」が流れるなか、舞台袖から唯一の初期メンバーとなった天城サリーに始まって1.5期生の河瀬詩、さらに2期生の5人がひとりずつ登場し、先輩7人が一列に並んだその後ろに3期生の8人が加わった。
ついに、ステージ上に揃った15人。客席のペンライトも彩りを増し、記念すべき「ナナニジ第3章」の始まりを祝う。そして、天城を軸として覆いかぶさるようにひとつになったフォーメーションが示すのは「理解者」。メンバーの名前や「ウー、ハイ!」と響くファンのコールが一気に会場の熱を高めていく。
「君をこんなに傷つけているのに」椎名桜月の憂いある声は共鳴を呼び、「誰が僕の理解者だ?」望月りのの力強い問いかけに応える歓声。15人が一丸となって生み出すエネルギーの渦に飲み込まれるとともに、一人ひとりの歌声の個性にも一フレーズごとにハッとさせられる。
ナナニジ最初期のアンセム「地下鉄抵抗主義」もあらたな同志を迎え、ストップモーションダンスから浮かび上がる物語は壮大さを増す。「鈍色のレール」というフレーズを「鈍色」をメンバーカラーとする南伊織が歌い上げた瞬間、あの頃には想像もしなかった未来へとやって来たことに目頭が熱くなった。「理解者」の最後にひとり何かを掴んだ麻丘真央が、ここでそれを握りつぶすかのようなドラマチックな展開にも、あらたな女王の誕生を確信する。
そして、戦う者たちの物語は続き「覚醒」へ。望月と月城咲舞というタイプの違うふたりが背中合わせで歌い上げ、それぞれ隊列の先頭を担って走る姿にも感じられる、2期生の成長。天城、相川奈央、吉沢珠璃という全期生を牽引するトリオの頼もしさが胸を焦がし、また相川は鬼気迫るセリフでライブならではの興奮を作り出した。「やらなきゃ負けだ」と締める河瀬のまなざしには、今のナナニジが抱く覚悟が浮かぶ。
続く、3期生8人のパートは繊細なピアノの音が爪弾かれる「命の続き」で幕を開ける。「話すことなんて何もない」と震えた声で楽曲の世界へと引き込む桧山依子。「どんな一日なのかな?」と空に手を伸ばす吉沢の声は上質な絹の心地がする。「もっと生きたい もっと生きたい」と慟哭する北原実咲の熱演。南は最後の「明日になればわかるよ」と目を閉じるに至るまでの葛藤を一曲の中で描き出した。
「嫌われるということ」では、次々と鋭い言葉を放ちながら、それに自ら傷ついていることを体現するがごとく床に倒れ伏すメンバーたち。折本美玲の放つ一声は力強く、その痛々しさに心を揺さぶられる。全身全霊で訴える黒崎ありすの没入感、普段とはまるで違う表情を見せる橘茉奈のギャップに掴まれる。
「大人は天敵だ」と歌う三雲遥加と桧山の純粋さを称えたいたいけな瞳が刺さる「とんぼの気持ち」。北原実咲と吉沢のツインダンスは美しく、それでいてもがいているようでもあり、言葉にならない悲哀を誘った。いずれも初期のナナニジの内省的なイメージを色濃く煮詰めた難しい楽曲。歴代の先輩たちが通ってきた道である「定期公演」を通して磨きをかけ、より多くのファンの前で堂々とした姿を見せてくれた3期生たちだった。
■「みんな行くよーっ!」
そんなムードを「タチツテトパワー」で一変させた、先輩たち7人のパート。相川が先陣を切って唱える「タ・チ・ツ・テ・ト」で、会場は底抜けに明るい盛り上がりを迎える。両腕をT字に広げて陽気に旋回する一団と遭えば、苦悩する「とんぼ」たちも真似してみるかもしれない。そんなテンションの高低差で巻き起こす混沌も、今のナナニジの強みだ。
ピースフルな楽曲は続き、「世界中で歌おうぜ」。椎名が「はい、せーの!」とコールを煽るかたちで、ファンと一緒に育んできた絆を確かなものとする。さらには、グループ曲としては新境地といえる爆発力を持った「スパシーバ!」。「好きって言ってるのに…」と色気をはらんだ椎名の小悪魔ぶり、「そんなのダメ」と心くすぐる天城のあざとさ、声優としても活躍するふたりの職人技、あちこちで炸裂するウィンクにも撃ち抜かれていく。先輩たちの高い表現力が成せるめくるめく魅力に翻弄され、骨抜きになってしまった圧巻のひとときだった。
そして――。青白いライトがレーザーのように乱舞するソリッドな空間で、先輩たちがキレのあるダンスとラップで魅了する「22/7」。椎名が不敵な笑みを浮かべ「答え合わせだ」と放った瞬間、ステージの照明が落ちた。続いて浮かび上がったのは、この日のために特別に作られたトラックにあわせて次々と登場する3期生たち。スポットライトの下で次々と披露されるソロダンスにあわせて揃うあらたな8つのピース。そこに先輩たち7人が再び姿をあらわし完成した、あらたなる、22/7。15人全員揃って突き上げる拳。「みんな行くよーっ!」という望月の一声で、会場が「Ey Oh!」とひとつになる。大きな「22/7」のロゴを背に、両手のピースサインを合わせて作るナナニジポーズが、未来を約束する印のようにひと際輝いて見えた。
再び始まった全員コーナーは「YESとNOの間に」へと続き、3期生たちからも笑顔が溢れる。「よっしゃ、行くぞー!」と狼煙をあげ、15人で一斉にジャンプする清々しさに感じる新しい風。「君とどれくらい会わずにいられるか?」では、スカートの裾を握りくるくるとターンする舞踏会、膝をついて愛を捧げるロミオポーズと見どころたくさんにハートをノック。「韋駄天娘」で先頭を担う天城に沸き立つなか、橘が繰り出す指ハートや、人指を鼻下に当てたわんぱくな麻丘の愛らしさにも鼓動がぐんぐんと速度を増していった。
■天城サリー「卒業するタイミングはいつでもあった」
こうして迎えた本編最後の曲は、新体制による初のシングル曲「二つの道」。これまで先輩たち7人と3期生8人、それぞれでこの曲のパフォーマンスを披露してきたが、ついにこの日、完全体によって新章の扉を開いた。佇む天城のもとに集う仲間たち。河瀬と南が目を合わせてうなずき合うのを見た。冒険の旅路を奏でる壮大なメロディの中で、別れの哀しみ、出会いの喜び、まさにこれまでのナナニジが辿ってきたドラマが展開するようだ。この楽曲のためにあつらえられた衣装は、春を告げるマグノリアの花の純白を騎士の黒衣に秘めたような気高さがある。この道は続いていく。先輩たちが引き上げ、後輩たちが後押しする未来へ――。
ライブ本編終了後、スクリーンに流れた映像はそんな冒険の記録の一節だった。結成以来グループを支えてきた西條和の卒業後、約4年ぶりとなるオーディションの合格者を迎え、15人体制で挑んだ本公演。見据える先は、11月7日に予定されている国際フォーラム ホールAでのANNIVERSARY LIVE。
「卒業するタイミングはいつでもあった」と述べる天城サリー。それでもグループに居続けるのは、初期メンバーたちと見た、「武道館に立ちたい」という夢があったから…。
感傷的な空気に包まれるなか、西條和が最後にパフォーマンスした曲でもある「未来があるから」を、託されたバトンを受け取るかのように披露する15人。先輩たちの洗練された妙技と、まだまだ荒削りな後輩たち8人のエネルギー。ぶつかり合い乱反射する可能性がまぶしい。
ここでようやく自己紹介を含むMCが行われる。3期生のフレッシュさにも負けない天城の自己紹介のアピールは止まらず、隣の河瀬に「サリーちゃん、もうやめよう」と制止される熟年のノリツッコミで笑わせる。しかもそんなふたりが、さんざん偉そうなことを言っておいて桧山と並んでサインボールが客席に届かなかったという、まさかの罪を負っていたのだから、やはりナナニジは面白さにも底がない。
「一年前はまだ22/7を遠い世界のアイドルだと思っていたので、こうして一緒に立っていて、同じ目標を目指して頑張れていることがうれしいし、ありがたいし、期待に応えていきたいという気持ちです」と伝えるのは、もともとナナニジのファンだった桧山。昼公演では涙をこぼし、望月が寄り添うといった心温まるひと幕も見られた。
■第3章は、春の嵐とともに
リハーサルの思い出を振られた北原がなぜか怪談話を持ち出し、会場を恐怖に陥れるなど、個性豊かすぎる後輩たちの有り様を受けて「いろんなメンバーがいます」と苦笑する天城。その幸せを噛み締めるとともに「私たちもスタッフさんたちも、誰ひとりあきらめていません。皆さんといっしょに素敵な景色が見たいので、協力していただけるとうれしいです。ついてきてくれますか!?」と、あらためてファンに訴えかけた。河瀬も「11月に一切の後悔のないよう15人で走り抜けたいです。11月7日、笑顔で会いましょう!」と続いた。
「自分もずっと元気や勇気をもらっていた曲なので、そういう気持ちをみなさんに届けたい」という南の思いを受けて、椎名が「新しく入ってくれた8人のメンバーと、“先輩”としてこの曲を歌い継げるようになりました」と喜びをあらたに紹介したラストナンバー「曇り空の向こうは晴れている」。
2期生の加入とともに福音のようにもたらされた楽曲が、その輝きに導かれて集った3期生たちと一緒に歌われている奇跡のような光景。「そんな強くなんてなれないよね」。引っ込み思案だった西條の成長を色濃く映していたセリフを引き継いだ河瀬の思いは3期生を優しく包みこむようでもあり「希望っていうのは、人から人へ繋げて行くものなんだ」という望月の伸びやかなセリフがいっそう晴れやかに感じられた。
外はあいにくの荒天。だが、この日、22/7が見せてくれたのは、すでに咲いていた桜をいつまでも見上げることなく、次の季節へと足を進めるように促す春の嵐だったと思う。雨上がりに掛かる虹を信じて、高く掲げた目標へと強く踏み出した15人の歩みを、これからも追いかけていきたい。
TEXT BY キツカワトモ
PHOTO BY ソニー・ミュージックレーベルズ
■【画像】ライブ写真
■セットリスト
【-Day-公演】
M01 理解者
M02 地下鉄抵抗主義
M03 覚醒
M04 命の続き
M05 あちこちに残された走り書きの意味
M06 とんぼの気持ち
M07 後でわかること
M08 ポニーテールは振り向かせない
M09 スパシーバ!
M10 22/7
M11 YESとNOの間に
M12 君とどれくらい会わずにいられるか?
M13 謎の力
M14 二つの道
EN1 シャンプーの匂いがした
EN2 曇り空の向こうは晴れている
【-Night-公演】
M01 理解者
M02 地下鉄抵抗主義
M03 覚醒
M04 命の続き
M05 嫌われるということ
M06 とんぼの気持ち
M07 タチツテトパワー
M08 世界中で歌おうぜ
M09 スパシーバ!
M10 22/7
M11 YESとNOの間に
M12 君とどれくらい会わずにいられるか?
M13 韋駄天娘
M14 二つの道
EN1 未来があるから
EN2 曇り空の向こうは晴れている
■ライブ情報
『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2026』
11/07(土)東京・東京国際フォーラム ホールA
■リリース情報
2026.04.22 ON SALE
SINGLE「二つの道」
■関連リンク
22/7 OFFICIAL SITE
http://www.nanabunnonijyuuni.com/








