『THE FIRST TAKE』から派生したコンテンツ『HIGHLIGHT』。第10回には、Amber’s(アンバーズ)でギターとプログラミングを担当している福島拓人が登場。今回の収録のために制作された「BEAT COOKIN’」のテクニカルなスキルを解説する。
■『HIGHLIGHT』とは?

ダンス・楽器演奏など様々なジャンルにフォーカスを当て、『THE FIRST TAKE』本編では伝えきれていないアーティストの魅力や、グループのなかのひとりなどその人だけが放つ輝きにスポットライトを当てていく企画。
一発撮りのパフォーマンスを至近距離から複数のカメラで撮影。“近さ・生々しさ”、臨場感溢れるパフォーマンスを楽しむことができる。
■福島拓人(from Amber’s)
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福島拓人は、衝撃的なハイトーンの持ち主である豊島こうき(Vo/Gu)とともにボーダレスポップデュオ・Amber’sで活動中。2017年に結成してから、ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』オープニング主題歌「Desire -欲情本能-」や、2026年5月現在放送中のドラマ『水曜日、私の夫に抱かれてください』のオープニングテーマ「エデン」を担当し、お茶の間にアプローチするいっぽう、バンドスタイルで熱狂をかっさらうライブも評価が高い。
福島個人としても、自身のInstagramで披露される超絶ギタープレイが、国内のみならず海外まで届いており、コメント欄には英語のメッセージも多数。押さえるフレットの図解もたびたび添えられており、ギターの魅力を広め、ギタリストに憧れるキッズを増やす伝道師のような立ち位置を築き始めている。
▼Amber’s 『Desire -欲情本能-』 Music Video
▼Amber’s『エデン』Music Video
■福島拓人’s『HIGHLIGHT』
▼福島拓人 (from Amber’s) – BEAT COOKIN’ / HIGHLIGHT
◎「BEAT COOKIN’」
このたび披露された「BEAT COOKIN’」は、『HIGHLIGHT』のために制作された。「BEAT COOKIN’」は、ラップトップPCから流れるビートにあわせてギターを奏でることで“人間と機械”“ホットとクール”といった対比が溶け合うナンバー。ギターの技巧だけではなく、ソングライターとして描く物語性にも注目してほしい。
◎パフォーマンスの見どころ
【始まり】
まず映し出されるのは、ラップトップPCが置かれた小さな白いデスクと、背もたれにギターのシールドが垂れ下がった白いハイチェア。そこに登場した福島は、まずシールドを、SNSでもお馴染みのバラなどのペイントが描かれたビンテージ風ストラトキャスターに差し込み、“フレットラップ”(ギターを弾くときに余分な弦の振動を押さえるためのアイテム)代わりにネックに巻いた黄色いスカーフをなびかせながらハイチェアに座る。
【世界観を見せるパフォーマンス】
ピックで一発“ジャーン!”とかき鳴らしただけで空気が変わる。そんな福島のギタリストとしての魅力を感じさせるオープニング。さらに、ネックの上で踊るように軽やかに弦を押さえる左手の長い指と、リズミカルかつメロディアスなフレーズを奏でる右手のピッキングに耳が捕らわれると同時に、その艶やかさに視覚的にも目が離せなくなる。
スラップ奏法の親指と人差し指の細やかな動きを経て、ラップトップPCに向き合う福島。序章とは思えない序章を経て、0:44から改めてピックを持ってクリーントーンで楽曲を奏で始める。右手はシルバーのリングとバングルをきらめかせながら繊細なリフを刻み、左手は豪快にスライド。その瞬間、大きく口が開いた。ギターと一体化しているような、楽曲に没頭する表情も見逃せない。音色だけではなく、世界観が見えてくるようなパフォーマンスだ。
【目と耳を奪われる技巧】
そのあとは再び指弾きを披露し、01:15からは左手がいっそう鮮やかに動く。瞬く間にピック弾きにチェンジし歪みを奏で、そのときの弦を押さえる指の力強さまで映し出されたアップのカメラワークは圧巻。さらにクリーントーンへと戻り、ピック/指、クリーン/歪みを華麗に使い分ける千両役者ぶりを発揮する。01:34からは切ないメロディが琴線を震わせる。
脳内リピートしそうな哀愁漂うキャッチーなフレーズを、右脚を大きく投げ出し、上半身を揺らしながら弾く福島。ラストが近づき、02:44で一瞬の静寂。鋭い眼光がきらめくと、“まだ終わらない”と言うような激しい歪みを轟かせ、一音一音を丁寧に奏でていく。最後は余韻を残すようなクリーントーンを響かせて演奏を締め括った。
■福島拓人「ギターはもちろん、一つひとつの音に想いを込めています」
Q1.今回のパフォーマンスの注目ポイント
映像タイムコード:02:05〜
福島:この楽曲は、セクションごとにギターフレーズが展開していきます。そのなかでも特にお気に入りなのが、個人的にかなり神秘的に感じているセクション(02:05〜)を駆け抜け、大サビへ突入する瞬間です。一切歪ませていない、スーパークリーンなギターサウンドが最も輝く瞬間だと感じています。
ギターサウンドは、以前ジョン・メイヤーの仕事をした際に制作したプリセットをベースに、さらにブラッシュアップしたセッティングになっています。
Q2.パフォーマンス楽曲のセレクト理由や、アレンジについて
福島:実は、これまでソロ曲を一曲も持っていませんでした。『HIGHLIGHT』に呼んでいただいたことをきっかけに、「BEAT COOKIN’」の制作がスタートし、収録前日までビートメイクを続けていました。そして迎えた収録当日。最後のピースだったギターを、その場で一発撮り。『HIGHLIGHT』の空気ごと閉じ込めて、この曲が完成しました。
全楽器をひとりで作り上げた「BEAT COOKIN’」。ギターはもちろん、一つひとつの音に想いを込めています。
TEXT BY 高橋美穂
▼『THE FIRST TAKE』OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/@The_FirstTake
▼『THE FIRST TAKE』OFFICIAL SITE
https://www.thefirsttake.jp/

