国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』開催ウィークの一環として行われるスペシャルライブ『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』が東京・渋谷の3会場で6月11日に開催される。アジア各地のアーティストが集結する本イベントに先駆け、かりゆし58・前川真悟(Ba/沖縄)、四星球・北島康雄(Vo/徳島)、PompadollS・五十嵐五十(Vo、Gu/東京)、WinningShot・YEOWON(Vo、Ba/ソウル)、RIKI(Vo/台北)の特別対談が実現した。
■スペシャル対談参加メンバー
『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』では、東京・渋谷を舞台にduo MUSIC EXCHANGEでの【SONG BRIDGE Stage】、Spotify O-WESTでの【TOKYO CALLING Stage】、Spotify O-nestでの【TOKYO PLAYGROUND Stage】と3つのステージを展開。
今回の対談では、【TOKYO CALLING Stage】より、かりゆし58・前川真悟(Ba/沖縄)、四星球・北島康雄(Vo/徳島)、WinningShot・YEOWON(Vo、Ba/ソウル)が、【TOKYO PLAYGROUND Stage】からはPompadollS・五十嵐五十(Vo、Gu/東京)、RIKI(Vo/台北)の5組が参加し、様々なトークを繰り広げた。
◎かりゆし58 【TOKYO CALLING Stage】
◎四星球 【TOKYO CALLING Stage】
◎WinningShot 【TOKYO CALLING Stage】
◎PompadollS 【TOKYO PLAYGROUND Stage】
◎RIKI 【TOKYO PLAYGROUND Stage】
■RIKI「PompadollSは絵に描いたような“日本の青春”…爽やかで少し眩しい空気感」
ライブに定評のある5組だが、それ以外は世代や出身地もバラバラで、『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』で初共演する面々も多いため、互いにどのようなイメージを持っているのか聞いてみた。
前川真悟:今回、初めましての方もいらっしゃいますが、僕は北島康雄くん(四星球)の大ファンです(笑)。
北島康雄:ありがとうございます(笑)。僕も、初めましての方が多くて、音源を聴かせてもらうところから始まっています。なので、めちゃくちゃ楽しみです。しかも、こういう機会ってなかなかないので。
五十嵐五十:私も皆さん初対面なんですけど、SNSなどは拝見しているので、一方的にはよく知っています。
YEOWON:韓国の仲良いバンドの紹介で、以前から四星球のことは知っていました。韓国にはあまりいないタイプのバンドで、すごく楽しいバンドですよね。PompadollSもYouTubeで曲を観たことがあり、最近韓国でライブをしていたので印象に残っています。
RIKI:僕たちが出演するのは、『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』のSpotify O-nestで行う【TOKYO PLAYGROUND Stage】なのですが、同じく【TOKYO PLAYGROUND Stage】に出演されるPompadollSさんは、今回の共演をきっかけに知りました。共演させていただけると聞いて、改めて曲を聴いてみたのですが、絵に描いたような“日本の青春”…爽やかで少し眩しい空気感がとても素敵だなと思いました。疾走感があって、動きのある曲調もすごく好きです。
■北島康雄「言葉以上にテンポ感が大事で、それがライブのグルーヴ」
音楽を通じて、様々なカルチャーにも触れられる本イベントは、あらたな文化交流も目的のひとつだという。個性豊かなアーティストがラインナップされた今回、出演者たちが考える“自身の強み”とは?
北島康雄:つい先日、『台湾祭Taiwan Music Festival』というフェスに出させてもらったのですが、現地の方がすごく日本語を理解してくれていて、喋るテンポだけ意識しながら、あえて日本語をたくさん喋る感じでライブをしまして。僕らは笑ってもらうことを大事にしているバンドなので、言葉ってすごく重要なんです。
その後に神戸でライブをしたときに「台湾から来ました」「韓国から来ました」というお客さんに話しかけてもらい、日本のライブでも海外のお客さんが普通に観てくれていることを初めてちゃんと実感したんですよね。
「このテンポの言葉って伝わりますか?」って聞いたら、「伝わってますよ」「オチもちゃんとわかります」って言ってくれて、言葉ももちろん大事なんですけど、それ以上にテンポ感が大事なのかなって。
矢継ぎ早な感じや間の取り方、そういう“お客さんとのリズム”みたいなもの、それがライブのグルーヴなんだなって、改めて気づかされたというか。だから、それが四星球の強みでもあるし、これからもっと意識していきたいところですね。
前川真悟:僕が生まれ育った沖縄は、いろんなカルチャーや言葉が混ざり合いながら、独自の進化をして今に至る場所なんですよね。だから、音楽が海を越えることや人の想いが言葉の壁を越える素晴らしさをずっと実感してきたんです。
今回も、新しい交流や新しく生まれるものがきっとあるんだろうなって思っているので、それを体現してきた場所で生まれ育ったこと自体が、かりゆし58の強みかなと思います。バンドというより、人間としての強みですね。
五十嵐五十:私たちは韓国でワンマンライブを二度やらせてもらったのですが、私自身、韓国語を勉強し始めたばかりなのでスムーズに意思疎通できるわけではないんですけど、自分たちの想いを詰め込んだ曲を、“いつもどおり”感情をのせてプレイすることで、毎回「本当に良いライブになったな」という実感があるんです。そういう、言語を超えた音楽の力をメンバーがちゃんと実感できているのがPompadollSの強みなんじゃないかなと思っています。
RIKI:私たちの楽曲はディスコの要素が強いので、ライブ中はお客さんも一緒に踊ってくれて、会場全体がパーティーのような雰囲気になることが多いです。自然と体を動かしたくなったり、思わずジャンプしたくなったりする空気を作れるところが、私たちの強みなのかもしれません。
YEOWON:日本やマレーシアなど、いろんな場所でライブを行っていますが、日本で初めてライブした時も、そこまで海外という感じがしなかったんですよね。
韓国でも日本の食べ物や、日本っぽいスタイルの居酒屋とかもすごく増えていて、日本のカルチャーって結構身近で。だから、WinningShotのライブでも日本の音楽が好きな人がたくさんいて、すごく自然ないい雰囲気でライブができた印象があります。
■五十嵐五十「韓国のお客さんが一緒に歌ってくれるのは、うれしいし楽しかった」
ライブを主戦場に活躍する彼ら。時に文化の違う土地でのライブは驚きや発見もあるのだとか。
北島康雄:日本だと普通はステージの前にお客さんがいるじゃないですか。でも台湾のフェスではステージを囲むようにお客さんスペースが作られていて、囲まれている感覚がすごく新鮮でした。お客さんの楽しみ方も自由で、サウンドチェック中に相撲をとっている人とかもいて(笑)、お祭りのなかに音楽がある感じでしたね。
日本はこの20年ぐらいでフェス文化がすごく整備されてきて、もちろんフォーマットって大事なんですけど、そのなかに自分たちも無意識に収まっていたんだなと思いましたね。
五十嵐五十:私は、韓国のお客さんがAメロから最後までずっと一緒に歌ってくれたのが印象的でした。
YEOWON:韓国人は一緒に歌うのが好きなんですよ(笑)。
五十嵐五十:そうみたいですね(笑)。でも私はライブ中、すごい歌詞を間違えるので、間違えると「あれ?」みたいな顔をさせてしまい(笑)。ボーカルとして、一緒に歌ってくれるのはすごくうれしいし、楽しかったです。
前川真悟:台北で僕がひとりで参加したライブでは、ライブ会場がスタジオと広めのフロアが一緒になってるような場所で、200人ぐらい来てくれていたんですけど、そこに前日友達になった現地の仲間たちが参加してくれて、気づいたら一緒にバンドをやる流れができて(笑)。
その時に思ったのが、言葉や歌詞を全部理解していなくても、曲の表情みたいなものをちゃんと感じ取ってくれているんですよね。曲の展開が明るくなるところで、ドラマーがすごく笑顔で叩いていたりとか。それを見て、「あ、すげえな」って思ったんです。ボーカルって、どうしても言葉で世界観を引っ張っている感覚になりがちなんですけど、本当はもっと楽曲そのものの背骨みたいなものを感じ合えているんだなって。
カナダでも、言葉がわからない人も多かったんだけど、どんどんミュージシャンが混ざってきて、同じドレミファソラシドを使っているのに、こんなにも国籍やアイデンティティが出るんだっていうのを教えてもらいました。
だから、自分たちのルーツや誇りみたいなものをちゃんと持っていると、混ざり合った時にお互い面白くなるという、その核みたいなものが少し見えた気がします。
RIKI:『COMING KOBE』に出演したとき、日本のお客さんがものすごく全力で頭を振って楽しんでいる姿を見て、とても驚きました。日本の観客はこれまで見てきたなかでも特にライブに入り込んでくれる、すごく熱量の高いお客さんだと感じましたね。
YEOWON:韓国と比べると、日本はライブハウスが本当に多いんですよ! それに日本には“この地域を代表するライブハウス”とか、“このジャンルを代表するバンド”がちゃんと根づいてるじゃないですか。でも韓国には、まだそういうカルチャーがあまりなく、その土地ごとの“誇り”や“特性”が感じられて、すごく面白いなと思いました。
■前川真悟「音楽が世界と沖縄を繋いできたから、沖縄の音楽には強い確信がある」
たしかに自分たちの生まれ育った場所や活動している土地を、バンドが音楽や活動に反映することが各地のシーンの盛り上がりに繋がっているのだろう。せっかく出身地の違う5組が集まったので、それぞれの出身地から世界に発信したいものをたずねると、面白い回答がかえってきた。
北島康雄:徳島はやはり阿波踊りですね。ブラジルでも踊られているぐらいなんですよ。徳島の子どもたちは小学校の授業で習うぐらい身近なものなので、もうDNAレベルで染みついているんですよね。その感覚がバンドにも活きている気がするんです。阿波踊りって、お盆の数日間に向けてみんな真面目に働きながら夜はずっと練習して、一気に爆発させる文化なんです。その“一瞬に全部を懸ける”みたいな感覚ってライブにも通じるなと。そういった阿波踊りの精神みたいなものは自分たちにも流れているし、世界に発信できる徳島らしさなのかなと思います。
前川真悟:実は世界中に沖縄のDNAを持った人たちがいるんです。移民として海外へ渡った人たちが、5年に1度、『世界のウチナーンチュ大会』というイベントで、世界中の沖縄ルーツの人たちが沖縄に帰ってくるんですよ。
2世、3世になっても、故郷に帰る感覚で戻ってきてくれる。沖縄は小さな島だし、決して豊かな土地ではないのですが、昔は琉球王国として周囲の大きな国々と交流しながら生き延びてきた歴史があるんです。その時に武力ではなく、“もてなし”や“芸能”で関係を築いてきた、歌や踊りを通して、人と繋がってきた歴史があるんですよね。だから僕らにとって音楽は“人生を変える”とか“心を救う”だけじゃなくて、自分たちのアイデンティティを守ってきたものでもあるんです。
音楽が世界と沖縄を繋いできた。そういう感覚が根本にあるからこそ、沖縄の音楽には強い確信があるんだと思います。そういう“メイド・イン・沖縄”の感覚を、僕らから少しでも感じてもらえたらうれしいですね。
五十嵐五十:私は生まれは福岡ですが、転勤族だったので、小さい頃からいろんな場所を転々としていました。なので、「この土地にルーツがあります!」みたいな話はあまりできないのですが、様々なものが混ざり合う東京を拠点にしていることには自分的に腑に落ちていて。でも、ライブ終わりに豚骨ラーメンを食べたくなるので、やっぱり福岡のDNAは残っていますね(笑)。
RIKI:台湾には本当にたくさんのドリンクスタンドがあって、世界に紹介したいものと言われたら、まずドリンク文化をおすすめしたいです。
毎日のようにタピオカを飲む人もいて、僕も毎日2杯ぐらい飲んでいます(笑)。なので、世界に紹介したいものはタピオカですね(笑)。
YEOWON:WinningShotはソウルの弘大(ホンデ)というバンドやアーティストが集まるエリアを拠点にしているんですけど、韓国で有名なものと言えば、コスメやビューティー系のお店“オリーブヤング”ですね。
あと、タクシーがすごく安いんですよ。日本の3分の1ぐらいじゃないですかね。それはちょっと自慢できるところかなと思います(笑)。
■YEOWON「ライブ前はご飯より龍角散で4~6個を一気に食べることも(笑)」
活動スタイルやライブのやり方にも地域性は出るのだろうか? ライブ前に必ずやる“ルーティン”を聞いてみると、主に最高の状態でステージに立つためのコンディションづくりが肝心なようだ。
前川真悟:うちはないですね。円陣は組むんですけど、全員ちゃんと揃わないぐらいなので。これ、沖縄のせいなのかな(笑)。
北島康雄:僕たちは毎回衣装や演出が違うので、ライブ前は本当にバタバタなんですよ。サウンドチェックが終わったらすぐ本番なことも多くて、極端な話、SEが流れているなか、僕だけ先に出て喋って、他のメンバーは裏で着替えている…みたいなこともあります(笑)。
なので、ライブ直前のルーティンというより、前日にどう過ごすかのほうが大事かもしれないですね。ゆっくりお風呂に入るとか、食べ過ぎないとか、当日は3時間前ぐらいからご飯を食べないようにするとか。あと最近はラムネをよく食べますね。頭が回る感じがするので。
五十嵐五十:私もライブ前の食べ物をいろいろ試行錯誤していた時期があります。
そのなかで“ちょっと高めのカニカマ”を前もって食べるとライブの調子がいいことに気づきました。
RIKI:開演前は、軽くジョギングをして体を温めながら、声を出しやすい状態にすることが多いです。体が少し動き始めると、自然とテンションも上がって、ライブに入りやすくなる感覚があります。
ツアーや海外公演に行くときは、メンバーそれぞれがvlogを撮ることが多いです。そして帰ってから編集して、“誰の動画がいちばん面白いか”を比べ合っています。
YEOWON:私はライブの4、5日前くらいからお酒を飲まないようにしています。
あと、日本で売っている龍角散ののど飴をすごく食べますね。ライブ前はご飯より龍角散みたいな感じです。4~6個ぐらい一気に食べることもあります(笑)。
■前川真悟「ライブでぶつかり合うのがいちばんのコミュニケーション」
世代や年代、住む場所や育った環境の違うアーティストが集まった今回の対談。最後にお互いに聞いてみたいことはあるのだろうか。
北島康雄:僕は海外の人たちが日本のご飯をどう感じているのかは気になりますね。
前川真悟:以前、世界共通のチェーン店でもちょっとその国や地域っぽい風味を感じるんですよ。街並みは近いのに、「ちゃんと海外なんだな」っていう感覚があって、だから逆に、日本の食べ物を食べた時に、皆さんがどう感じるのかはすごく聞いてみたいですね。
RIKI:台湾にも日本料理のお店はたくさんありますが、日本に来て本場を食べてみるとやっぱり全然違いました。実際に日本で食べてみて、本当に美味しいなと思いました。
YEOWON:韓国・弘大(ホンデ)にも日本料理のお店はたくさんあるので、日本でご飯を食べてもそこまで違和感はないんです。でも、日本で驚いたのは“大盛り”ですね(笑)。韓国の大盛りは1.2倍くらいの感覚なんですけど、日本は1.5~2倍ぐらいあるじゃないですか。それがすごく印象的でした(笑)。
北島康雄:それは面白いですね(笑)。じゃあ“日本”と聞いて思い浮かぶものってなんですか?
YEOWON:“きれいで静か”ですね。街が本当にきれいだし、静かだなっていう印象がすごく強いです。街中でガラスを見ても「きれいだな」と感じるぐらいで。
自然の美しさだけじゃなくて、街の整い方とか衛生面も含めて、きれいな印象があります。
北島康雄:きれいで静かなイメージがあるなかで、日本のバンドが爆音を鳴らして、ちょっと下品なくらい熱いライブをやるっていうのは、海外から見たら逆にギャップとして面白く映るってことですよね(笑)。
前川真悟:四星球、めちゃくちゃチャンス掴んでいるじゃないですか(笑)。
北島康雄:勉強になります!
前川真悟:もう早くライブをやりたいですね。結局はライブでぶつかり合うのがいちばんのコミュニケーションなんじゃないかなって。それが今、いちばん楽しみです。
文化や考え方、表現の仕方は違うかもしれない。でも、そういう違いが交わったときに生まれるものが芸術の世界にはあって、このイベントをきっかけに、日本のバンドが海外に行く、また海外のバンドが日本へ来る、その両方が今より当たり前の状況になるのではないだろうか。そして、きっとそれが音楽シーンの新しい幕開けに繋がっていくのだろう。
グローバルに広がるアーティストが交差する『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』は、世界と繋がり、音楽の未来を灯すはじまりの一日になりそうだ。
INTERVIEW & TEXT BY 柴山順次
■ライブ情報
『MUSIC AWARDS JAPAN WEEK SPECIAL LIVE-Shibuya Sound Scramble 2026-』
【SONG BRIDGE Stage】
6/11(木)東京・duo MUSIC EXCHANGE
出演:Cup of Joe(フィリピン)、Hindia(インドネシア)、日食なつこ、Billyrrom
【TOKYO CALLING Stage】
06/11(木)東京・Spotify O-WEST
出演:WinningShot(韓国)、かりゆし58、ジ・エンプティ、四星球、板歯目
【TOKYO PLAYGROUND Stage】
06/11(木)東京・Spotify O-nest
出演:RIKI(台湾)、kiyu、7co、PompadollS
イープラス
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ローチケ
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■関連リンク
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