2月に自身3年ぶりとなるアルバム『tone』をリリースしたUruが、全国ホールツアー『Uru Live Tour 2026「tone」』の東京・LINE CUBE SHIBUYA公演を10月21日に開催。7月からスタートして全6公演を開催したツアーの千秋楽を迎えた。
■代表曲やカバー曲を織り交ぜながらのセットリストで全17曲を歌唱
6月にデビュー10周年のアニバーサリーを迎え、3年ぶりとなるツアーは全公演即日ソールドアウト。ライブを待ちわびるファンの思いも高まっているなかでのツアーは、『tone』の収録曲を中心に、代表曲やカバー曲も織り交ぜながらのセットリストとともに届けられた。
会場に入るとまず目に飛び込んできたのは、大きなベールのようなカーテンに彩られたステージ。中央には『tone』のジャケットでモチーフとなっているオブジェが浮かび、神秘的なUruの世界観に引き込まれるとともに、これから始まるライブへの期待が大きく高まる。
暗転してオブジェが光り、ステージが照らされ美しいピアノの旋律のSEが流れる中で、サポートメンバーの飯塚直斗(Gu)、宗本康兵(Key)、奈良ひより(Cho) が登場し、続いてUruが拍手に迎えられながら登場すると、ステージ中央で深々とお辞儀。
そうして始まった1曲目は「Never ends」。透明感ある繊細な歌声で歌い出しから会場を瞬く間に包み込むと、続けて「手紙」を披露。昨年夏に両A面シングルとしてリリースした2曲でその歌声を染みわたらせると、次は軽快なアコースティックギターとキーボードの印象的なイントロで始まる大瀧詠一「幸せな結末」のカバー。往年の名曲もUruの色に染め上げる優しく穏やかな歌声で、Uruの歌声の幅の広さも感じさせつつ観客を楽しませた。
曲が終わると「皆さんこんばんは、Uruです。今日は『Uru Tour 2026 「tone」』にお越しいただきありがとうございます」と挨拶。この日10月下旬ながらに30度を超える暑さのなか来場した観客を気遣いつつ、“朝ごはんにタンパク質を摂らないとと思って、ネットで手っ取り早くタンパク質を摂れそうなものを購入したが、届いたら犬用だった”という軽妙なオチのエピソードを展開した。人柄が伝わるトークで笑いを誘いつつ、「皆さんゆっくりとお過ごしください」と呼びかけ客席を和らげた。
次に届けられたのは、Uruのライブでは恒例となっている朗読。夢を追い、現実にぶつかりながらも生きていく男の物語が繰り広げられると、間髪いれずにピアノのイントロが響く。ピアノと歌だけで届けられる、朗読の物語とリンクした「さすらいの唄」に、観客はいっそう深くUruの世界観に引きずり込まれるかのように聴き入った。その後、菅田将暉「虹」のカバーではステージ上方に虹が映し出される演出とともに客席を温めると、「Love Song」では心地よい歌声とリズムで客席を明るく照らし出した。
今回のツアーではデビュー10周年にちなんで各地のご当地の10周年を迎えたもの・お店などを紹介し、その独特なチョイスでも楽しませてきたUruだったが、ツアーファイナルでは自身の10年を年表にして振り返るという展開に。チャッピー(ChatGPT)にニュースの見出し風にしてもらいながらまとめてもらったというその内容は「デビュー直前、1月に買ったチアシードをまだ開封していなかった」「2020年、Uru、リハーサルに来たのに誰だかわかってもらえない」など個性的なエピソードの連発で、またもや笑いを誘った。
そんな和やかな空気のなか、アップテンポな「アンビバレント」「春~Destiny~」で中盤は一気に華やかなムードに。カーテンに映し出された鮮やかな映像演出で視覚的にも観客を楽しませると、「ミラクル」ではまた雰囲気が一転しダークな曲調で幅の広さを感じさせる。
■「フィラメント」の歌詞について涙ぐみながら語る場面も
そして再びUruの真髄であるバラード「フィラメント」で客席を優しく包み込むと、“10年後の私はちゃんと笑えているかな”という歌詞について、「これは10年を迎えられた今の私だから書けた歌詞なのかなと思っています」と語り始めたUru。
デビュー当時はうれしい気持ちの一方で、思うように歌を歌うことができず、毎回ライブの帰り道は泣きながら帰っていたと打ち明ける。そしてそんなときに思い出す過去の苦い思い出として、学生時代吹奏楽部の大会のソロパートでミスをしたこと、逃げ出したい気持ちになりながらも最後まで吹き切ったこと、だが結果としてチームが敗退してしまったこと、誰も自分を責めなかったが自分のせいで負けたと今でも思っているということを語る。デビュー当時は思うように歌えないたびにこの経験を思い出し、自分に失望したり情けなく思っていたという。
そして「今ここに立てているのは、たくさん支えてきてくださったファンの皆さんと、たくさん練習をしてきたことを自分がよく知ってるので…。今まで挫けそうになることもあったけど、自分を信じる気持ちを失くさずにやってこれたからなのかなと今は思っています」と途中涙ぐみ、言葉を詰まらせながら語ったUru。
苦い経験が自分の音楽に生きてくることもあると語りつつ、「昔の自分に今かける言葉があるとすればという気持ちで書いた曲です。皆さんも思い出したくないことがきっといろいろあると思いますが、昔の自分と今の自分に思いを馳せながら聴いてもらえたらうれしいです」と語り、大きな拍手に包まれながら「今日という日を」を披露。“人知れずもがいては 流していた涙と 回り道歩いた意味 いつか君は知るのだろう”というフレーズが、MCを経てより深く、ずっしりと心に刺さった。
その後、さだまさし「たとえば」のカバーに続いて、本編最後の曲として「心得」を披露。高らかに響き渡る圧巻の歌声で会場を魅了してステージをあとにした。
アンコール1曲目は、事務所の先輩でもあるback numberが楽曲提供した「傍らにて月夜」。back numberのカバーをYouTubeにアップしていたことから事務所の目に留まりキャリアをスタートさせたUruにとって大事な1曲を、丁寧に歌い上げた。そして改めてファンとスタッフへの10周年の感謝を語ると会場からは再び大きな拍手が送られた。
その後、ライブ当日の10月21日にテレビ朝日系サタデードラマ10『あにいもうと』主題歌の新曲「それなのに」が配信リリースされたこと、12月9日に「それなのに」がCDリリースされること、11月8日にツアー初日の大宮公演の模様がWOWOWにてオンエアされること、来年3月に自身初となるファンクラブツアーを開催することを告知。
先週放送開始した『あにいもうと』について、「サスペンス、家族愛、恋愛などいろんな見どころがあるので毎週土曜日ぜひご覧ください」と呼びかけると、この日リリースした新曲「それなのに」をツアーファイナルで特別に初披露。葛藤に揺れる痛切な想いを歌ったロックバラードの「それなのに」だが、その想いがUruの切なさを帯びた生の歌声でさらに増幅されるかのように響き渡り、観客の心をぎゅっと強く締めつけた。
その心をほぐすかのように続けて「それを愛と呼ぶなら」を優しく力強く歌い上げると、アンコール最後はデビュー曲「星の中の君」。ライブの最後に合唱するお決まりの曲で締めくくると、巻き起こるスタンディングオベーションで惜しまれながらステージをあとにした。
10年間の歩みとその歴史に秘められた想いが詰まった、そして現在のUruの豊かな表現に魅了された、Uruの次の10年に向けての確かな一歩となる一夜だった。
PHOTO BY 山川哲矢
■セットリスト
01. Never Ends
02. 手紙
03. 幸せな結末(オリジナル:大滝詠一)
04. さすらいの唄
05. 虹(オリジナル:菅田将暉)
06. Love Song
07. アンビバレント
08. 春~Destiny~
09. ミラクル
10. フィラメント
11. 今日という日を
12. たとえば(オリジナル:さだまさし)
13. 心得
[ENCORE]
14. 傍らにて月夜
15. それなのに
16. それを愛と呼ぶなら
17. 星の中の君
■リリース情報
2026.10.21 ON SALE
DIGITAL SINGLE「それなのに」
https://Uru.lnk.to/qBMcuy
2026.12.09 ON SALE
SINGLE「それなのに」
■【画像】LINE CUBE SHIBUYA公演の様子
■関連リンク
Uru OFFICIAL SITE
http://uru-official.com




