iriが、10月22日に横浜・ぴあアリーナMMにて、デビュー10周年を記念するライブ『iri 10th Anniversary LIVE “Period”』を行った。
■初のアリーナ単独公演で10周年の節目を飾る
2016年に1stアルバム『Groove it』でメジャーデビューを果たし、10周年を迎えた2026年。1月に大阪、東京で行ったライブ『iri 10th Anniversary LIVE Episode.0』を皮切りに、6月から7月にかけ、点をつなぐように全国6会場のZeppを回ったツアー『iri 10th Anniversary LIVE “DoT”』を経て、iriは自身のライブとしては初めてアリーナのステージに立った。
暗転した会場に瞬くライト、響くハンドクラップとビート。一瞬の間を置いて、ピンスポットがステージ中央に立つiriを照らし出すと、期待感を高めるスリリングなオープニングナンバー「Sparkle」が始まった。
バックを固めるバンドは、キーボードの村岡夏彦、ベースの村田シゲ、ドラムの上原俊亮、ギターのカンノケンタロウからなるお馴染みのラインナップ。
さらに、この日はホーンに池本茂貴(トロンボーン)、佐瀬悠輔(トランペット)、屋嘉一志(サックス)、ストリングスに弦楽ユニット、ZARUKAMEの亀井友莉(ヴァイオリン)、村岡苑子(チェロ)が加わったスペシャルな編成のもと、「Pick you up」と「Coaster」、「Corner」と「渦」 をシームレスにつなぐダンスミュージックのマナーと豊かなアンサンブルが立体的な躍動感、音の厚みや深みをもたらした。
「こんばんは! 緊張しています」。iriは会場へ向けた最初の言葉をそう切り出した。
「10周年アニバーサリーイヤー、その集大成の日を無事に迎えられて、どうもありがとうございます。今日はデビューから10周年ということなんですけど、みんなが駆け抜けてきた10年でもあって、みんな10周年おつかれさまです。そして、おめでとう!」
表現の喜びや葛藤を抱えながら活動を続けてきたiriの10年と、同じ時代の苦楽を分かち合ったファンそれぞれの10年。音楽でつながる「仲間」へ贈られた優しい言葉は、続く代表曲「Wonderland」とも重なり、葛藤を抱えながら大切な人と力強く歩む歌詞の世界と響き合う。
そして、通常のバンド編成から生み出される壮大な広がりが人間が唯一無二であることを力強く肯定するメッセージを際立たせる「Only One」から幻想的な照明とともにあてどない心象風景が浮かび上がる「stroll」へ。大きな会場であっても、いつものように内面へ視線を向けるiriの誠実な姿がそこにあった。
「今回、ぴあアリーナでどうしてもやりたかった理由がふたつあって、ひとつは地元の神奈川でこの特別な日を過ごしたいなって。数日前に『相反』という書籍を刊行したんですけど、地元で本当にたくさんの人との出会いがあって、音楽との出会いがあって、そういった出会いが全て今につながっているなと書いているときも感じました。なので、ここでライブができたことを本当にうれしく思います」
iriはもうひとつの理由を語り続ける。2021年、音楽活動の先行きに不安を感じていたさなかにRADWIMPSのぴあアリーナ公演へゲストとして参加し、そのライブの素晴らしさに心が救われたという。その日から、このステージでワンマンを行うという夢を抱いていた彼女は、RADWIMPSのトリビュートアルバムに収録されたカバー「ふたりごと」を披露。
そして、ストリングスを交え、よりメロウに仕立てた「飛行」を皮切りに、内省の旅は続く。自身によるエレキギターの弾き語りを核に、死生観を投影した「はじまりの日」、オーディエンスにより近い花道でアコギを弾き語り「brother」。そして、異例のロングヒットを記録した代表曲「会いたいわ」ではバンドの高まる熱とともにつのる思いが切なく美しく表現された。
■ニューアルバムリリース、ホールツアー開催も発表
後半は再び、ホーンとストリングスをフィーチャーし、内面を掘り下げた表現のベクトルが一気に外に向けられた。歌とラップがグルーヴを加速させ、日常から飛び出すかのような「Runaway」、ハウスミュージックの高揚感に満ち満ちた「friends」、iriが奏でるエレキギターのひずみがエネルギーの渦を生み出したファンクロック「Swamp」。そして、都会的なダンスチューン「摩天楼」を経て、会場のテンションはさらなる高みへ。
80年代ポップの華やかさを備えた「STARLIGHT」から、聴衆にマイクを向けコーラスを託したラテンアレンジの「Season」、2024年の武道館公演当日に発表されたリキッドファンク「Run」まで一気に駆け抜けると、その先で待っていたのはテレビアニメ『ホタルの嫁入り』のオープニングテーマを務める最新シングル「Period」。
10周年の節目に書き下ろしをオファーされた初のアニメタイアップにして、その主人公とリンクしたことで強い意志を持って前に進もうというiriの現在の心境が引き出された一曲だ。息をつく「区切り」は何度もやってくるけれど、「終止符」は打たれることなく、グルーヴは続き、歌はどこまでも伸びてゆく。そんな思いを込めながら、パフォーマンスを終えたiriは、あえて言葉を残さずにライブ本編のステージをあとにした。
アンコールは、今年4月のリリースから今日までライブで披露されてこなかった「力説」から始まった。iriの弾き語りを中心に、触れれば壊れそうな絶妙なバランスで成り立つシンプルなバンドアンサンブルに、10年で培った音楽経験が注がれている。そして、手紙を書くように歌い続けられた思いは、会いたくてもなかなか会えない大切な人へ真っすぐに向けられている。
「私の音楽と出会ってくれて、改めてありがとう。これからも音楽をたくさん作っていこうと思います。ただ作るのではなく、自分が感動したことを曲にしていこうと思います。みんなにそんな音楽をたくさん届けられるといいなと思っていますし、会えなくても、音楽は人と人を繋げてくれるもの。それは私とみんなもそうだし、“今日はさみしいな、つらいな”と感じても、音楽は大切な誰かと会える場所だと思っています。これからもみんな繋がり会える作品を作っていきたいので、これからもよろしくね!」
MCでそう語ると、iriは自身のペースを再確認するようにステディなビートに身を委ねる「rhythm」、そして、ゴスペルの祝祭感が降り注ぐなか、明日を塗り替えようと自らを鼓舞する「24-25」を歌い継ぎ、10周年の節目のその先へとあらたな一歩を踏み出した。
今回の公演中には、デビュー前にジャズクラブでアルバイトしていたiriの原点に立ち返る意味も込めた『iri 10th Anniversary LIVE “after party” at Billboard Live TOKYO』の12月20日開催を発表。さらに来春には通算7作目となるニューアルバムのリリースと2027年5月から全国9都市を回るホールツアー『iri Hall Tour 2027』が行われるといううれしいニュースが続けて告知された。
音楽とファン、彼女を支えるバンドやスタッフとの繋がりを再確認した彼女のさらなる活躍を大いに期待したい。
TEXT BY 小野田雄
PHOTO BY 田中聖太郎
■セットリスト
01. Sparkle
02. Pick you up
03 .Coaster
04. Corner
05. 渦
06, Wonderland
07. Only One
08. stroll
09. ふたりごと
10, 飛行
11. はじまりの日
12. brother
13. 会いたいわ
14. Runaway
15. friends
16. Swamp
17. 摩天楼
18. STARLIGHT
19. Season
20. Run
21. Period
[ENCORE]
22. 力説
23. rhythm
24. 24-25
■リリース情報
2026.10.21 ON SALE
ALBUM『2016-2025』
2026.11.18 ON SALE
SINGLE「Period」
■ライブ情報
『iri 10th Anniversary LIVE “after party” at Billboard Live TOKYO』
12/20(日)東京・ビルボードライブ東京
■【画像】『iri 10th Anniversary LIVE “Period”』の様子
■【画像】iriのアーティスト写真
■関連リンク
iri:デビュー10周年特設サイト
https://iriofficial.com/10th/
iri OFFICIAL SITE
https://www.iriofficial.com/




