THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.04.17

「pARTs」でデビューするNatumi.が出会った“私のパーツ”となった愛すべき楽曲

INTERVIEW & TEXT BY 藤井美保

アニメ『境界戦機』第二部エンディングテーマ「pARTs」を歌う、Natumi.(読み:ナツミ)。

ストーリーの深層まで想起させるような力強い楽曲の世界観を歌で表現する、ミステリアスな雰囲気が魅力のアーティストだ。

同曲でデビュー(先行配信中、6月1日にCDデビュー)する彼女がどんな“パーツ”からなるのか、これまでの道のりで出会った楽曲をもとに紐解いていきたい。

■ステージから見た景色や達成感は味わったことのない喜び

生まれも育ちも広島のNatumi.は、両親が共働きだったため、カラオケ喫茶を営む祖父母と過ごす機会が多く、その日常には歌が溢れていた。

祖父母を喜ばせようと、演歌からポップスまで流行りの曲をよく歌っていたNatumi.。その生き生きとした姿を見た父親が「好きなことをさせてあげたい」と勧めたことから、小学5年生から中学2年生まで、アクターズスクール広島に通って歌を基礎から学ぶことになる。

「学んだことは今でも地盤になっています。アクターズスクールには半年に一度、発表会があり、そこに出られるのはオーディションに受かった人たちだけ。私は小学6年生の時にソロで発表会に出場できました。

その時歌ったのがKyleeさんの『CRAZY FOR YOU』。両親が私のキャラクターに合うのでは? と、提案してくれた曲で、良いパフォーマンスを目指して夢中で練習しました。

ステージから見た景色や達成感は、味わったことのない喜びで、“アーティストとして歌っていきたい”と初めて強く思いました」(Natumi.)

■聴くたび、歌うたびに感情が溢れてくる

アーティストとして歌うことに強く惹かれ始めたこの頃、同じく心奪われたものがアニメソングだ。ボイストレーナーに初めて「歌ってみたい」と自己申告した曲もアニメ『ギルティクラウン』エンディングテーマであるEGOISTの「Departures ~あなたにおくるアイの歌~」だった。

ちょうど“アニソン”という文化がようやく世間一般に浸透し始めた頃でもあったので、こういった楽曲を選ぶのはスクールでも珍しかったという。

「アニメの世界観をまた違った形で表現するアニソンにどっぷりハマりました。なかでも好きだったのが、すごく繊細なバラード『Departures ~あなたにおくるアイの歌~』。

アップテンポな楽曲を多く歌ってきた自分にはハードルが高い気もしましたが、聴くたび、歌うたびに感情が溢れてきて…メロディに想いを乗せて表現しているという実感が持てて、それがすごく楽しかったんです。

今でも歌うたびに新しい発見がありますね。原点の曲であり、自分の歌を見つめ直す物差しにもなっている大事な一曲です」(Natumi.)

■“アーティストになりたい”という大きな夢

アニソンをきっかけにLiSAやAimerなどの技術・表現力を兼ね備えたシンガーに憧れるようになったNatumi.は、高校卒業後地元で活動し、あるチャンスに導かれて20歳で上京。

しかし、あらたな環境での生活が始まった途端、時代はコロナ禍に…。さぞストレスフルだったのでは? と問うと、「逆に落ち着いて自分を進化させることができ、ひと皮剥けました(笑)」と肝の据わった一面をのぞかせた。そんな日々で出会ったのが、澤野弘之の「βios」である。

「奥行きのあるメロディと壮大なサウンドにひと目惚れしました。

ドイツ語と英語の歌詞なんですけど、全部耳コピして歌ってました。“アーティストになりたい”と目標が定まったのも、この曲がきっかけでした。

しかも、そんな澤野弘之さんの楽曲プロデュースでデビューできるなんて…そんなことってある!? と驚きました」(Natumi.)

そう、デビュー曲「pARTs」は、澤野弘之の楽曲プロデュースでアニメ『境界戦機』第二部のエンディングテーマと、彼女の夢が早々に実現したのである。

「デモを聴いた瞬間“澤野節だ!”と思いました(笑)。曲だけで画が浮かぶし、パワーも伝わってくるし、すごくうれしかったです。ストーリーとリンクする歌詞からは『境界戦機』を知らない人にも訴えかける力があると思いました。

cAnON.さんは、メロディの持っているリズム感みたいなものを、言葉で表現する達人でもあるなと実感しています」(Natumi.)

レコーディング経験はまだ浅く、不安もあったそうだが、澤野の的確なディレクションで伸び伸びと臨めたとのこと。

話している印象と同じその大らかな歌声には、楽曲の世界観に本能的にフィットしていける力を感じる。スコーンと抜けながら温かみを宿す高音は、Natumi.の最大の強みだ。苦労したのはむしろ低音だったという。

「“息を多めに使ってみて”と言われて、ウィスパーみたいな感じで歌ったんですけど、実は“これで大丈夫なのかな?”と思っていました。でも、完成した音はすごくカッコ良くて。

歌入れひとつとっても、細かい一つひとつの積み重ねに意味があるんだなと思いました。イチから曲を作り上げるってこういうことなんですね」(Natumi.)

音源制作はまさに“パーツ”を組み上げていく作業。その作業を通して見えたことが、Natumi.というアーティストの内側をさらに豊かにする“パーツ”となっていくはずだ。


リリース情報

DIGITAL:2022.04.12 ON SALE
CD:2022.06.01 ON SALE
SINGLE「pARTs」


Natumi. OFFICIAL SITE
https://natumi.jp/