THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.05.17

MAN WITH A MISSIONが「distance」「フォーカスライト」を深堀り-『FUKA/BORI』SIDE A 全編書き起こし

FUKA/BORI
【DIG / 06】MAN WITH A MISSION
SIDE A「distance」「フォーカスライト」

東京スカパラダイスオーケストラ・谷中 敦がホストを務める、音楽を嗜好品のように味わう、最深音楽コンテンツ『FUKA/BORI』(フカボリ)。

第6回にMAN WITH A MISSIONのJean-Ken Johnny(Gu、Vo、Raps)が登場。自身の楽曲について語るSIDE Aでは、サウンドとメッセージ、それぞれの観点からターニングポイントとなった「distance」と「フォーカスライト」を深掘り。

■0:00 ようこそ、最深の音楽へ

※Jean-Ken Johnnyの発言は番組サイドで翻訳しています。

谷中:『FUKA/BORI』へようこそ!

Jean-Ken:失礼します!

谷中:どうも楽しみにしてました。お久しぶりです。

Jean-Ken:お久しぶりです。ありがとうございます。きれいなセットですね。

谷中:このセットに映えますね。

Jean-Ken:はい…あ! 僕がですか? いやいやいや。

谷中:かっこいいですよ。

Jean-Ken:こんなきれいな衣装まで用意していただいて。ありがとうございます。

谷中:よろしくお願いします。

Jean-Ken:よろしくお願いします!

谷中:お座りいただいて!

※谷中がセット内へ誘導する。

■1:02 Jean-Ken Johnnyのターニングポイントになった曲(サウンド)「distance」

Jean-Ken:僕らMAN WITH A MISSIONがデビューというか、一番最初に皆様に見ていただいたのが2010年だったと思うんですけれども。その頃からやっぱりこういったビジュアルのバンドでもありますので、そのアイキャッチも相まってほんとに話題になってくれたんですけれども。なんか音楽という面で、結構色々なバラードだったりすごい攻撃的なロックナンバーだったりっていうのは自由に僕らは作っていってたんですけれども。

やっぱり2年ぐらい経ったときに、サウンド面でも名刺代わりというか主軸になるサウンドって、じゃあうちらってどんななんだろうって。客観的に自分のバンドを見たときに、この「distance」っていう楽曲が出来上がったときに、物凄くなんかナチュラルにしっくり来たというか。これほんとに「ザ・MAN WITH A MISSIONのサウンド」って冠言葉として言える楽曲の一つなんじゃないかな、これこそが軸なんじゃないかなって思ったのがやっぱ一番の理由ですかね。僕ら自身がほんとにバンドメンバーみんな好きな音楽のジャンルとか、結構ばらばらで。

谷中:ほんとにそれぞればらばらですか?

Jean-Ken:そうなんですよ。結構ばらばらで。僕なんかは90年代オルタナ・ギターロックだったり、ベースのKamikaze(Boy)さんは時代は一緒なんですけれども、どちらかというとメロコアとかパンクだったり。DJ(Santa Monica)とかはクラブのミュージックが好きだったり、ボーカル(Tokyo Tanaka)もクラブのミュージックが好きだったりとか。ばらばらだったりもするんですけども、同じくその背景というか、軸にあるのはたぶん時代性だと思うんですよね。

90年代のロックの。ほんと色々なハイブリッドな色んな音楽が集まって一つまた新しいジャンルを作っていくみたいな流れがあったと思うんですけれども、僕らも自分たちが影響を受けたその時代の音楽ってものをじゃあこの時代に鳴らすんであればどういうものかっていう作曲をずっとしてた中でこの楽曲が物の見事にその色々な要素を一つに集めて攻撃的なギターサウンドあり、ラップもあるし、メロディーもあるし、トラックミュージックのエッセンスなんかもあったりして、ミクスチャーでもあり、すごいオーセンティックなロックでもありながらもなんかMAN WITH A MISSIONの軸になってるような…ということでしっくり来ましたね。出来上がった瞬間に「これはなんかド真ん中になりえるな」っていうか我々の。

端的に皆さんがよく知っていらっしゃる我々の楽曲…例えば「FLY AGAIN」だったり「Raise your flag」とか色々ありますけれども、そんな中でも、僕、もしくはメンバーがたまに気にしてた自分たちの軸の一番のストロングポイントっていうものを集約してる楽曲の一つになってくれて。

谷中:確かにそうなのかもしれないですね。

Jean-Ken:色々と、例えば、よりダンサブルにもしくはもっとメロディアスにみたいな楽曲がある中、物凄くサウンド面という意味で、代表的な主軸になってくれた楽曲になって。バンドってほんとに様々な音楽をやりつつ「これが俺らたちなんだ」って思い切って自信持って演奏できる曲って僕は個人的には限られてくるとは思ったりするんですけれども。それの中でもやっぱこれぞ「どう? マンウィズだよ?」って思わしてくれるような楽曲ですね。

しかも我々こういう見てくれなのでアイキャッチも相まって「あ、こんなクールな世界観も打ち出す音楽をやるのねこのバンドは」みたいなその立ち位置の楽曲の一つにもなってくれたと思いますし。すごく反応は大きかった気がしますね。

■5:23 サウンドの軸となるもの

Jean-Ken:ジャンルとかって 一つ選ぶとみんなやっぱ集約するじゃないですか。そこでオリジナリティーを出すっていうのはなかなか難しかったりもするんですけれども。我々の場合は、逆に作曲家に委ねてしまっているというか。バックボーンの楽曲自体は私とベースのKamikaze(Boy)が大体作ってるんですけれども、そこのオリジナリティーっていうのはもう作曲者から滲み出るものに任せてしまって。一番心がけてるのは、自分が育ってきたその畑というかそれに対する愛というかというのを余すところなく出していって、それで結果的にハイブリッドなものになっていったっていう感じが多いんじゃないかなうちらの楽曲は。

こんな見てくれですけれども、ロックシーンというか、ロックバンドに対する憧れが物凄く強いというか。ロックミュージシャン…ロックがなせることに対する憧憬とか情熱っていうのが青臭いぐらいあるなっていうのは。それがほんとに全面的に出てる楽曲に多分なっていって。やっぱそれを僕らが軸としてるっていうのが、リスナーにとっても「あ、このバンドほんとに音楽が好きなんだな」っていうところが伝わってるのが、もしかしたら今もなおこのシーンにいさせてくれてる要因の一つなのかもしれないですね。

谷中:作っていった過程っていうのは何か思い出せることってありますか?

Jean-Ken:一番最初はそれこそ作曲者がこんな感じでっていうラフなデモを持ってくるんですけれども。Kamikaze(Boy)が持って来たときにイントロから流れるちょっとトライバルなパーカッションが聴こえてきた瞬間にやっぱりなんかピンと来て。主軸であるDJのサウンドが物凄く入ってて。それに対してすごいダンサブルなビートが鳴った瞬間に、もうあとはほんとに湯水のように色々出てきましたね。「何かリフ考えて」って言われて、一番最初のイントロのリフを結構瞬間的に入れたりもして。歌詞なんかも英語詞の楽曲だと、ストーリー自体は作曲者が書くんですけれども「他はあと任せたよ」みたいな感じで大体言われること多いんですけども。一番最初に聴かせてもらったときがピンと来てしまった分だけ詞を書くのが物凄くはかどった記憶ありますね。すごくスピーディーに。

谷中:ノリがよかったんですね。そのときに。

Jean-Ken:そうですね。僕あんまり時間をかければいいものが生まれるって思ってるほうでもないので。

谷中:そうなんですね。

Jean-Ken:密度が一番大事なような気がして。集中力だったり、思いだったり、それさえ備わっていればあんまりかける時間というのは大差なくて作品に影響するところっていうのは。やっぱり一番大事なのは密度なのかなと思います。

谷中:バンドの中でのメンバーとの関係性が密なんでしょうね。仲いいんですかね?

Jean-Ken:仲いいほうだと思いますよ。仲いいプラスα、ちょっとした縦っぽい社会もあるみたいな(笑)。垣間見えますけれども。

谷中:ちょろっと縦があるとそれはそれでね。スムーズだったりしますからね。

Jean-Ken:スムーズだったりはしますね(笑)。端的に言うと、すごくお互い役割をわきまえてますね。メンバーは5匹とも。自分はここのフィールドで…例えば、僕だったら楽曲とか作詞に関しては舵を取ると。例えば、動きだとか見せ方に関してはTokyo Tanakaがそれを舵を取ると。お互いそこに関しては「あなたがそう思ってるんだったらそれでやったほうがいいんじゃない」っていう、なんか役割分担っていうものを物凄く5匹が5匹とも…何だろうね。

谷中:信頼関係がとってもあるんですね。

Jean-Ken:信頼してるんですかね。まあ「こういうことやりたいと思うんだけど」みたいな話はちゃんとしてくれますし、かと言ってそれ進めるときにガッてミーティングするっていうほうでもないので、このオオカミが「それをやりたい」って言ってやってるんだったら間違いないだろうなって思いながら基本的にはやっぱ舵を取ったオオカミに任せるというか…フォローしてますね。

■9:08 Jean-Ken Johnnyのターニングポイントになった曲(メッセージ)「フォーカスライト」

Jean-Ken:日本語詞メインの楽曲で、以前からも結構日本語だけの楽曲っていうのは書いてたりもしてたんですけれども。歌い手、もしくはリリック…歌詞を書く、書き手としてメッセージの主軸はこのバンドどこにあるのかなとか、どこに置こうかなって思ったときに、世のアーティストでは例えばそれを愛情だとか恋愛ものでラブソングというものを主軸にしてそれで人の心を掴む方々もいれば、世界情勢だとか、ちょっと言葉が攻撃的になるかもしれないですけど、政治的なメッセージとかを強めに発信してそこを土台にされてるアーティスト…様々いらっしゃいますけども。このバンドがじゃあどこに置こうかな、どういうところに一番言葉のメッセージのストロングポイントを置こうかなって思ったときに、しっくり来たというか。これが一番我々にとって、もしくは自分にとって一番伝えるべきメッセージなのかなって思わしてくれた楽曲でしたね。

谷中:歌詞はこれはもう割とすんなりというか、スピード感はどうだったんですか?

Jean-Ken:これは僕、どちらかと言うと楽曲メロディとかコード進行もしくはリズムパターンが先だったりもするんですけど、この曲に関しては出てくるメロディと詞がほぼ同時に生まれた…詞先と言っても過言じゃないぐらい自然に出た。

谷中:すごいですね。そうなんですか。

Jean-Ken:全部日本語にしようって最初から決めてたんですけれども。メッセージの中で 何か自分が言えるストーリーですごく説得力の持つものは何なのかって考えたときにこのバンド…やっぱロックミュージックとかロックバンドに対する憧れみたいなものが物凄く強くて、そこに対する熱情というか愛情というのを一番素直に語るのが、一番素直に表現するのが一番ストロングポイントになるんじゃないかなと思いまして。楽曲の詞の世界観自体はこの世で何かをなそうとして志半ばで散ってった、もしくは折れてしまった人たちに対する賛歌でもあり、今もなお前に進もうとしてる人たちに対してのメッセージソングだったり。で、自分たち自身に言い聞かしてるところもあったりもして。

そこのテーマが自分が歌ってて物凄く強くなりえるし色濃くも書けて、あとは嘘偽りのない気持ちを書けるのはやっぱそこなのかなと思いまして。ある意味、恋愛や例えばそういう政治のメッセージに引けを取らないぐらい、おそらく全世界の人が共通して味わったことのある感情だと思うんですよ。挫折と希望というか。(挫折と希望)っていうところを色濃く描けるのであれば、ここがストロングポイントなのかなと思って。実際楽曲を書かしていただいたときにほんとに素直に言葉が出てきたので、これなのかなと。自分が歌いたいのは。

谷中:それまでに思っていたこともずっと溜まっていたのかもしんないですね。心の中にね。

Jean-Ken:あると思います。大なり小なり、やっぱりバンドをやってらっしゃる方…僕自身もそうですけども。様々な場面に陰も陽も多分味わってると思うんですよ。

谷中:そうですね。

Jean-Ken:僕自身も心の底から明るい曲とかってちょっと苦手だったりもして。必ずやっぱり生きてくうえで谷もあれば山もあるので。その谷の中で、谷で味わってることのほうが自分の人生の中で自分の心を動かしてくれた場面が多かったような気もして。そこからスポットライトをなかなか浴びないほうの話だと思うんですけども。僕はやっぱそこに焦点を当てたいなというのもあって。そういった楽曲が多くなったのも、この楽曲を作って以降になってるんじゃないかなと思います。

谷中:やっぱ二面性は常に大事にしている部分ですか? 歌詞書くときに。

Jean-Ken:はい。一番大事にしてるところだと思います。自分自身の思いももちろん大事だと思うんですけれども。受け手によっては無限の可能性を秘められるような「どっちにも取れるよ。けど、もうあとはあなた次第ですよ」みたいな歌詞のほうが僕自身も好みだったりもしますので。懐というか聞き手の余裕がある詞の世界観、抽象的でもあるけど強いメッセージというのは心がけてる1個の点ですね。

■14:26 メッセージの伝え方

谷中:基本的に英語で歌詞を書くのと、日本語で歌詞を書くのと、曲によりって感じですか? そんなにこだわってないですか?

Jean-Ken:あんまこだわってないですね。言語そのものを選ぶときは、どちらかというとサウンド感で選んだりしますかね。英語ってちょっとビックリするぐらい…50年も100年近くロックのド真ん中として存在してきただけあって、物凄くやっぱ映えるんですよね。言語として音に乗っけるというのに。だから、ちょっと激しい楽曲とか攻撃的な楽曲を書くときは英語を選びがちでもあったりもして。でも、メッセージを逆に主軸に置きたい、強みを増したいっていうときは特に日本のオーディエンス…我々日本をベースに活動してるっていうのもあって、そういった楽曲を書くときは自由に気兼ねなく日本語を使わしてもらってます。

谷中:この「フォーカスライト」をリリースした後のファンの方の反応だったりとかどうでしたか?

Jean-Ken:この楽曲自体は、シングルのB面の楽曲でもあったんですけども、やっぱりメッセージ性が強いことも相まって、物凄くライブでもやってほしい楽曲の1位とか2位ぐらいになってくれる楽曲にもなって。

だから、それは非常にうれしかったですね。それこそサウンド面で僕らはミクスチャー、ちょっと攻撃的なロックバンドとして僕ら自身もそこが軸だとは思ってましたけれども、メッセージ性のこういった強い楽曲すらもファンの方が受け入れてくれて。で、ライブでやってほしい楽曲としても愛してくれているっていうのは、作り手冥利に尽きるというか。こういったものも伝わってくれたっていうのがほんとうれしかったりもして。これ以降もある意味自分の中でも自信になりましたし、このテーマを書くことによって共感を得るというのが物凄く僕らにとってナチュラルなのであれば、やっぱやり続けたいなというふうに思いましたね。

谷中:オオカミさんたちの優しさもすごく伝わるなっていう気がしました。

Jean-Ken:僕らが自分の口で言うのも何ですけれども、やっぱりバンドの内面ってやっぱ見たくなるっていう心理は分かりますので。そういった場合にこういった日本語詞っていうのは物凄くおそらく聴き手の想像力をかき立ててくれてるので、そういった意味でも愛されてんのかなというふうに思います。

谷中:この「フォーカスライト」は MAN WITH A MISSIONにとってどういう意味を持つ曲になっていきましたか?

Jean-Ken:僕自身がこの12年の歩みで、ほんとに確信を得られる瞬間っていうのはそうそう多くないとは思うんですけども、その中でも特に書き手としてだけじゃなく、バンドがどういったことを歌うかっていうところで一番の軸に…軸の一つを提示してくれた楽曲にもなってくれて。僕は多分、いつ終わりが来るか分からないですけれども、その終わる日までこういったテーマっていうのが世界で、自分の世界の中で少なくとも。さらに皆さんの世界の中でも一番響いてくれるテーマとして、もっとよいストーリーを書いていこうと思いますし、もっとよいストーリーを自分自身が経験していきたいなと思わしてくれるような楽曲になりました。


『FUKA/BORI』
第6回 MAN WITH A MISSION

SIDE A:「distance」「フォーカスライト」

5/24 22:00 公開予定
SIDE B:MAN WITH A MISSIONが影響を受けた楽曲を深掘り

『FUKA/BORI』
https://www.youtube.com/playlist?list=PLi1F8vriz0_WL3yKBwFfP68Mkx7f8Y4KV


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