THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.07.27

優里が語る、玉置浩二というアーティストの魅力

INTERVIEW & TEXT BY 長谷川 誠

■中学生の優里が知った、玉置浩二の歌力のすごさ

玉置浩二のソロデビュー記念日でもある、7月25日に35周年を記念するソロベストアルバム『THE BEST ALBUM 35th ANNIVERSARY~メロディー~』と安全地帯のベストアルバム『THE BEST ALBUM 40th ANNIVERSARY~あの頃へ~』が同時発売された。

ここでは、ソロアーティスト・玉置浩二の魅力を掘り下げていくべく、かねてより尊敬するアーティストのひとりとして名前を挙げていた、シンガーソングライターの優里にその魅力を語ってもらう。

安全地帯のメンバーとして1982年にメジャーデビューし、1987年ソロとしてシングル「All I Do」でデビュー。バンドとして40周年、ソロでもデビュー35周年、つまり現在28歳の優里が生まれる前から名曲の数々を世に送り出しているわけだ。

玉置浩二 アーティスト写真 - 優里が語る、玉置浩二というアーティストの魅力

玉置浩二

年代関係なく、その楽曲の数々に共鳴し、惹かれていったという優里。歌い手として、そして歌の作り手として、感じることや学ぶことが数多くあるとのこと。その出会いの瞬間は、どこにあったのだろうか。

「玉置さんの曲を聴いたことはありましたが、その歌のすごさを実感したのは中学時代でした。

たまたま、『笑っていいとも!』のテレフォンショッキング(『森田一義アワー 笑っていいとも!』の名物企画であった、日替わりトークコーナー)のゲストとして、玉置さんが出演されていた回を観たのですが、そこで玉置さんが「夏の終りのハーモニー」(井上陽水・安全地帯で1986年9月25日リリースした楽曲)をアカペラで歌ったんですね。マイクをおいて、何気ない感じで歌い始めるんですけど、なんて素晴らしい歌なのだと。

曲もそうですし、玉置さんの一瞬でその場の空気を変えてしまう歌声に、とても感動したのを覚えています。その後どうしても一曲ちゃんと聴きたくなって、その話を家族にしたら、この曲が入った音源を持っていたので、それからはずっと『夏の終りのハーモニー』を聴いていました。この曲は主旋律もハモリも素敵で、実際に歌ってみると、さらに楽しい曲で、両方のラインを歌うことで、曲の魅力のすべてを堪能できるのではないかと感じました」(優里)

■優里がカバーする「メロディー」

『THE BEST ALBUM 35th ANNIVERSARY~メロディー~』はファン投票結果と玉置自身のセレクトから選曲された全30曲が収録されており、代表曲、人気曲、名曲が並んでいる。

優里は、同作に収録されている「メロディー」をたびたびカバーしており、自身のSNSでも公開。

 

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優里の「メロディー」のカバー動画からは、優里がこの曲が大好きであること、そして大切に歌っていることも伝わってくる。

「玉置さんの音楽は素敵な曲ばかりですが、『メロディー』は特に好きな曲です。メロディもキャッチーですし、歌詞も切なくて、“あの頃は なにもなくて”というところも良くて、歌ってみたくなりました。歌い始めた当初は、玉置さんのように歌いたい! と思いながら模索したのですが、途中で同じように歌うことはできないなと(笑)。

玉置さんの歌声は深いのにすっと入ってくるのと、そもそもの歌声が素晴らしいですし。だったら、今の自分にできる歌い方でこの曲の想いを届けようと考えました。もちろん、玉置さんの歌う『メロディー』がいちばん良いことはわかっていますが、僕なりに違った方向から、この曲の良さを引き出せたらと考えて歌っています。

なので、歌うたびにどんどん変わっていきますし、原曲とはまた違った、僕なりの『メロディー』になっていると思います」(優里)

■優里が学んだ、その瞬間の気持ちを乗せる大切さ

原曲へのリスペクトを持ちながらも、優里の個性が見事に発揮されているところが素晴らしい。表面的なカバーではなく、歌の本質に迫ろうとするカバーだ。「メロディー」以外の玉置ナンバーのカバーについてはどう考えているのだろうか。

「『メロディー』以外はまだカバーしていません。以前、『田園』の弾き語りにトライしたことはありますが…自分の色をもっと出して歌えるまでには、時期尚早だなという判断で、その時は諦めました。カラオケではよく玉置さんの曲を歌いますが、それは自分が楽しければ良いのでアリなんです(笑)。

でも、人前や映像として披露するとなると、聴いてくれる人に“良いな”と思ってもらえなければ、カバーをする意味がないと思っているので、カバーするうえで、僕が原曲を好きであることはもちろん、ちゃんと曲を自分のものにして歌えないのであれば、原曲に対してすごく失礼だなって。あとは、そもそも自分がよく聴いてきた曲だと、自然とハードルが上がってしまい、出しづらくなっているところもあります」(優里)

歌い手としての玉置浩二からも学ぶことがたくさんあると優里は語っている。学んだことのひとつは、その時々の思いを歌に中に吹き込んでいくことの大切さだ。

「以前は、楽曲を作った時の感情で歌わなければならないと思い込んでいましたが、テレビやライブでの玉置さんの歌を聴くと、優しく寄り添うような歌がすごく鼓舞する力強い歌になっていたり、毎回違うんですよね。

さっき“歌う時にどんどん変わる”という話をしましたが、まさに玉置さんの歌い方、音楽と向き合う姿勢から、その時々の自分の気持ちのままに歌えば良いのだなと気づかされました。作った時点から時間が経ったことで歌える曲、今の自分が歌うからこそ説得力のある曲、そういう楽曲たちもあると思うので、一瞬一瞬、その時々の自分の気持ちを素直に出すように歌うことを大切にしています」(優里)

■優里が初めて体感した、玉置浩二のステージ

そんな優里が初めて玉置浩二のライブを観たのは、実は今年に入ってからのこと。2022年2月26日に開催された『玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2022 “Arcadia”』の東京国際フォーラム公演だ。

「玉置さんのライブを観るのは初めてだったので、ドキドキしました。玉置さんのライブって基本的にほとんどMCを入れず、どんどん歌っていくライブなんですけど、一曲ごとに玉置さんが歌い始めた瞬間に、歌の中にグッと引きこまれていくんですよ。

座って観る形態のライブでしたが、最後に我慢できず立ったら、まわりの人もみんな立って拍手していて。歌は聴いている人をこんなにも動かすことができるものなのだと感動しました。

自分は今自分にできる最大限の歌を目指して歌っていますが、玉置さんのライブを観たことで、自分はまだまだだなと感じたと同時に、今後もっともっと先にいけるはずだと確信することができました」(優里)

■オフマイクでも伝わる熱。それこそが感動を生む

この公演では、本編ラストに「夏の終りのハーモニー」で玉置がオフマイクで歌うシーンがあった。優里少年が強く心動かされた曲が、時を経てアーティストとなった優里にも突き刺さる。

「玉置さんがマイクをはずして歌うのは有名ですし、実際に生で観ることができて感動しました。僕も割と声が大きいほうなので、いつかマイクをはずして歌ってみたいと思っていたのですが、玉置さんのライブを観て、今の自分がやるのは違うなと思いました。

玉置さんのように長い期間、歌ってきた人だからこそ、マイクを遠ざけて、歌だけで人を感動させることができるのだと感じたからです。

僕もいつかやってみたいという気持ちは今も持っていますが、一体いつのことになるのかな、何十年先のことになるのかなと、ライブの帰り道で考えちゃいました」(優里)

■玉置浩二と優里の共通点

優里の言葉を聴いていると、優里と玉置浩二との間で共通点があることがわかる。そのひとつは歌に対する旺盛な探究心だ。より良い歌を追求する姿勢は、優里のこんな言葉にも表れている。

「玉置さんの歌を聴いていて、吸収できるところは吸収したいと考えています。特に参考になるのは気持ちの乗せ方と歌の届け方です。

フェイクにしても、ただのフェイクではなくて、感情が入っていて、曲をより良くするフェイクになっています。僕もついフェイクを入れてしまうことがありますが、ただ入れるのではなくて、曲を良くすることを念頭におかなければと思っています。

玉置さんって、どんな歌い方でもできるんですよ。ボリュームコントロールも絶妙なので、聴いていて、歌の中にすっと入っていけます。玉置さんは歌う時にどんなことを考えているのかな? もはや何も考えなくても自然に歌えるのかな? とか、いろいろ考えてしまいますね」(優里)

■偉大な先輩がいること、楽しみ続けている姿が励みになる

音楽に対する探究心とともに、もうひとつ、玉置浩二と優里とで共通すると感じるのは、音楽に対する情熱。もっとシンプルにいうと、歌が好きということだ。ソロデビュー35年という玉置の存在の大きさについての優里のこんな言葉が印象的だった。

「玉置さんが登場してステージに立った瞬間に、玉置さんは絶対に素敵な歌をうたうのだなとわかります。そう確信してしまうのは、玉置さんは歌が大好きだということが伝わってくるからで。音楽を大好きな人が歌っているからこそ、あんなにも感動できるんだなって。

音楽を長くやっていると、音楽を好きで居続けることが難しくなると、よく聞くんですよ。最初は音楽が大好きで趣味として始めたのに、仕事として続けていくうちに、いつしか音楽が好きなのかどうかわからなくなる瞬間がある、と。でも、玉置さんのよう音楽をやり続けているレジェンドが、音楽好きであり続けていることは、自分にとっては大きな励みになります。何より、玉置さんを見ていると、この先の音楽人生が楽しみで仕方ないですよ!

僕も音楽が大好きで、玉置さんのように、この先もずっと音楽好きでいられるのではないか、音楽を楽しんでいけるのではないかと思えたという意味でも、玉置さんは大きな存在であり、大きな目標ですね」(優里)


リリース情報

■玉置浩二
2022.07.25 ON SALE
ALBUM『THE BEST ALBUM 35th ANNIVERSARY~メロディー~』

■安全地帯
2022.07.25 ON SALE
ALBUM『THE BEST ALBUM 40th ANNIVERSARY~あの頃へ~』

■優里
2022.07.12 ON SALE
DIGITAL SINGLE「タイムマシン」

■優里
2022.01.12 ON SALE
ALBUM『壱』


玉置浩二・安全地帯 OFFICIAL SITE
https://saltmoderate.com

優里 OFFICIAL SITE
https://www.yuuriweb.com/