THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.09.05

2004年ヒット曲!冬ソナ、セカチューが流行った頃のヒットソング

TEXT BY 田山雄士

韓国ドラマ『冬のソナタ』が“ヨン様フィーバー”を巻き起こし韓流ブームの礎を築いた一方、片山恭一のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』の映画&テレビドラマが大ヒット。“セカチュー”現象と呼ばれるほど人気を博した。

また、音楽シーンに目を向けてみると、シングルCDの文化が着うた®に移行しつつあったのが2004年である。当時のヒット曲を振り返っていこう。

■2004年に流行ったヒット曲20選

01.「ハナミズキ」一青窈
02.「瞳をとじて」平井 堅
03.「ロコローション」ORANGE RANGE
04.「ココロオドル」nobodyknows+
05.「jupiter」平原綾香
06.「世界に一つだけの花」SMAP
07.「さくらんぼ」大塚 愛
08.「栄光の架橋」ゆず
09.「瞳の住人」L’Arc~en~Ciel
10.「奏」スキマスイッチ
11.「Moments」浜崎あゆみ
12.「やさしいキスをして」DREAMS COME TRUE
13.「涙」ケツメイシ
14.「オンリーロンリーグローリー」BUMP OF CHICKEN
15.「リライト」ASIAN KUNG-FU GENERATION
16.「ありがとうのうた」V6
17.「メリクリ」BoA
18.「3月9日」レミオロメン
19.「スターゲイザー」スピッツ
20.「誰かの願いが叶うころ」宇多田ヒカル

「ハナミズキ」一青窈(ひととよう)

曲のベースとなったのは、アメリカ同時多発テロ事件の際、ニューヨーク在住の友人へ宛てた“幸せが不意に絶たれてしまうことのない世界であってほしい”という切なる願い。

2004年のアテネ五輪女子マラソンで金メダルに輝いた野口みずきの名前の由来だったことも話題を呼んだ。

また、“百年続きますように”といった自分の大切な人を深く慈しむ歌詞からウェディングソングとしても人気を呼び、カラオケでも抜群の支持を得ている。

「瞳をとじて」平井 堅(ひらい けん)

2004年を代表する大ヒット映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の書き下ろし主題歌。

大切な人を亡くしてしまうという作品のテーマに寄り添った、瞳を閉じることで記憶の中の恋人に会おうとする切なすぎる歌詞をはじめ、そんな情景がじんわりと浮かび上がるような優しく心に染み入るボーカル、ピアノ伴奏から徐々にストリングスが美しく映えていくドラマチックなアレンジが聴き手の涙腺を決壊させた。オリコン年間チャート堂々1位。

「ロコローション」ORANGE RANGE(オレンジレンジ)

ブレイクのきっかけとなった横ノリの代表曲「上海ハニー」に続く、縦ノリでジャンプを誘うアッパーチューン。

この2曲で彼らに無敵のチャラさと夏のイメージが完全に定着したと同時に、どちらも夏フェスで絶対に聴きたいナンバーの筆頭格に。元ネタは1962年に発表されたリトル・エヴァの「ロコ・モーション」だが、自由度の高いアレンジで独自の快感を生み出した。

近年では「#ロコローション踊ってみた」「#ロコローションチャレンジ」といったかたちでTikTokでバズを呼び、世代を問わない人気を誇る。

「ココロオドル」nobodyknows+(ノーバディーノウズ)

J-POPシーンにヒップホップが浸透してきた時代の流れにマッチし、アニメ『SDガンダムフォース』EDテーマとしても親しまれた大ヒット曲。明るいノリとクセになるリズムが聴きどころで、なんと言っても魅力なのはテンションが爆上がりするサビだろう。

全力で放たれる“ENJOY”の叫びが文字通り楽しさを呼び、“IT’S JOIN”と続く韻踏みもシンプルで、気づけば心が躍っている。

2022年6月公開の『THE FIRST TAKE』で歌唱した「ココロオドル」は、2,300万超えの再生回数を叩き出している。

「Jupiter」平原綾香(ひらはら あやか)

弱冠19歳でリリースされたデビュー曲。

豊かなブレスを活かして響かせる低く太い声から、天高く舞い上がるかの如く伸びやかなファルセットまで、複数の声を駆使した彼女の圧倒的な歌唱力には一聴して惹き込まれるものがあり、ホルストの組曲「惑星」において壮大なメロディを持つ「木星」に日本語詞を付けた作風でも、多くのリスナーを魅了した。

有事の際に被災者を勇気づける応援歌としても長く愛されている。

「世界に一つだけの花」SMAP(スマップ)

最初はアルバム曲としてのリリースだったが、のちに草彅剛主演ドラマ『僕の生きる道』の主題歌に起用、シングルカットもされて国民的ヒットソングになった。

作詞・作曲は槇原敬之。人間には一人ひとり違う個性があると言及し、“その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい”と尊重し合う大切さを綴った歌詞が沁みる。

キャラクターの豊かさが立つSMAPが歌ったからこそ、楽曲のメッセージが一段と美しく輝いたのだと思う。

「さくらんぼ」大塚 愛(おおつか あい)

2003年末のリリースながら、前向きな恋愛観を描いた歌詞と明るくポップな曲調が支持を集め、のちに続く大塚 愛の快進撃のきっかけとなった大ヒット曲。この年、着うた®で史上初の100万ダウンロードを記録した曲でもある。

ラスサビ前の“もう1回!”というキャッチーな合いの手もカラオケで流行し、みんなで盛り上がれる曲としてさらに認知度がアップ。ひいては、高校野球の応援歌としても頻繁に使われるようになった。

「栄光の架橋」ゆず

NHK『アテネオリンピック中継』公式テーマソングとして脚光を浴び、『紅白歌合戦』でも歌唱されてきたゆずを代表する一曲。

サビ前の“ジャーン!”と伸ばすギターを経て、ゆずの真髄ともいえる美しいハーモニー、荘厳なストリングスの音色が際立つなど、豊かな広がりを生んだ松任谷正隆のアレンジが素晴らしい。

この壮大なバラードによって、アコギを弾き語りながら元気よく歌うという今までのフォーキーなイメージを覆してみせた。

「瞳の住人」L’Arc~en~Ciel(ラルク アン シエル)

ラルクの楽曲の中でも、hydeの美しいファルセットがとりわけ際立つ珠玉のバラード。

その歌唱力の高さを筆頭に、冒頭から幻想的に響きわたるkenのギター、自身が作曲した歌メロに優しく寄り添うtetsuyaのベース、繊細な曲調をリードするyukihiroのドラムも耳に心地良く、弦楽器や鍵盤をフィーチャーしたクラシカルなアレンジはファンの間でも支持が厚い。ストリングスアレンジはデヴィッド・キャンベルが担当した。

「奏(かなで)」スキマスイッチ

甘く切ない歌声や美しいメロディも相まってカラオケでのヒットに繋がり、JUJU、Uru、上白石萌音、山崎育三郎など、男女問わず様々なアーティストにカバーされる機会も多い、大切な恋人との前向きな別れを綴ったミディアムバラード。

“明るく見送るはずだったのに うまく笑えずに君を見ていた”と去りゆく恋人に対して寂しさを抱きつつも、別れてもこの先の未来を応援したいとあらたな気持ちを見い出していく主人公の心情が切なくも清々しい。

YouTubeのMV再生は1億5000万回を突破している。

「Moments」浜崎あゆみ(はまさき あゆみ)

コーセー『VISEE』CMソングに起用された名バラード。自然の美しさを表す“花鳥風月”を上品に散りばめた切なくも幻想的な詞世界、傷ついた心を優しく慰めてくれるような低音域で魅せる歌唱、しっとりとした情感のあるメロディが絶大な支持を誇る。

花のアクセサリーを付け、壮麗なライトブルーのドレスを纏った本人出演のMVも印象的。楽曲と合わせてぜひチェックしてみてほしい。

「やさしいキスをして」DREAMS COME TRUE(ドリームズ・カム・トゥルー)

TBS系ドラマ『砂の器』の書き下ろし主題歌で、ドラマのヒットとともに好セールスを記録。

相手を運命の人だと信じようとする一途な歌詞、展開が決して多くない中でリスナーをグッと惹き付ける吉田美和の情感豊かなボーカルが素晴らしい。

また、マイナー調のコードを軸にしたややダークで不穏なムード、“報われなくても 結ばれなくても”と歌う世界観、アコギやストリングスなどがしっとりと響く切ないアレンジは大人の歌謡曲を思わせる。

「涙」ケツメイシ

自分の気持ちを押し殺すのではなく、弱さを認め、涙を流すことを清々しく肯定してくれるケツメイシの代表曲で、じんわりと心に染み込んでくるような温かいラップ、ストリングスやアコギやピアノで彩った優しいアレンジが胸を打つ。

聴けば青春の記憶が甦り、もう一度頑張ってみようと思えるリスナーも多いはず。

若手芸人の挫折と再起を描いたストーリー仕立てのMV(ダイノジとくまだまさしが出演)を観ると、よりいっそう感情移入できる。

「オンリー ロンリー グローリー」BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)

「天体観測」のヒットをきっかけにいよいよバンドの知名度が上がり、初のオリコンシングル週間チャート1位を獲得したのが「オンリー ロンリー グローリー」である。

歌い出しからリズミカルに加速していく藤原基央のボーカルをはじめ、増川弘明の軽快なギターストローク、直井由文の動きの多い歌うようなベースライン、升 秀夫が繰り出す心地良い4つ打ちのビート、サビが来て一気に視界が広がる感じなど、どこを切っても爽快さに溢れている。

「リライト」ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)

アニメ『鋼の錬金術師』のOPテーマに起用されてバンドの代表曲となった、アニソンとしての評価も非常に高いナンバー。

後藤正文が“消してリライトして”と全身全霊で熱くシャウトするエモすぎるサビ、爆発力に富んだギターサウンド、想像力を掻き立てる日本語詞の文学的な響きはインパクト大だ。

イントロのギターリフ、テンポがグッと落ちるという緩急の効いた中盤の展開もカッコ良い。邦ロック史に残る名曲。

「ありがとうのうた」V6(ブイシックス)

V6がレギュラーを務めたTBS系バラエティ番組『学校へ行こう!』のテーマソングであり、ファンに感謝の気持ちを伝えるために制作されたハートウォーミングな一曲。

“ありがとう”と恥ずかしがらず素直に言える大切さを、ポップでキャッチーなメロディに乗せて聴き手に教えてくれる。

また、サビ以外がメンバーのソロパートで繋がれた構成になっているので、それぞれの声質を改めて感じながら聴くのも楽しい。

「メリクリ」BoA(ボア)

クリスマスソングの定番となったウィンターバラード。

どちらかと言えばノリの良いダンスナンバーの印象が強かったBoAだけに、“ずっと ずっと そばにいて”とまっすぐな恋心を透き通ったボーカルで歌う姿は新鮮に受け止められ、リスナーの間で絶大な反響を呼んだ。

クライマックスに向かってじわじわと盛り上がっていくドラマティックな展開が、聖なる夜を美しく彩ってくれるはず。

「3月9日」レミオロメン

フジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』の挿入歌として合唱シーンで使われたこと、“3月”というタイトルから卒業ソングとしても定着したが、本来はメンバーの共通の友人の結婚を祝うために作られた同曲。

優しいアルペジオを添えた弾き語りで幕を開け、途中からバンドサウンドが入り、サビで想いが強く溢れ出す展開、そして曲中にほんのり薫る春の空気感が胸を打つミディアムナンバー。

MVでは、堀北真希が主演を務めている。

「スターゲイザー」スピッツ

フジテレビ系恋愛バラエティ番組『あいのり』の主題歌として注目を集めたピュアなラブソング。

“明日 君がいなきゃ 困る 困る”とあけすけに弱気さを出すところ、そんな想いを優しいメロディで星に向かって願うところが、とてもスピッツらしくて良い。

掻き鳴らされるイントロのギターからは夜空をスーッと駆ける流れ星がイメージできたりと、歌詞とリンクしたサウンドメイクになっている点も注目だ。

「誰かの願いが叶うころ」宇多田ヒカル

大作映画『CASSHERN』のテーマソングでありながらも、派手なアレンジにするのではなく、サビが印象的に繰り返される構成やシンプルなアンサンブルに仕上げ、聴き手を大いに驚かせたバラード。

自分の願いが叶った裏には誰かの叶わなかった願いが存在していること、それでも人は願うことをやめられないことを踏まえ、“みんなの願いは同時には叶わない”と歌っていたりと、聴き手に迫ってくるような深い歌詞となっている。声の支配力もすごい。

■2004年ヒット曲はヒップホップやバラードも浸透した時代

ラインナップを振り返ってみると、J-POPにヒップホップがナチュラルに浸透してきたシーンの変化やロックバンドのあらたな潮流を感じられ、名バラードも数多く生まれた2004年。ぜひ、当時のヒット曲をプレイリストで楽しんでみてほしい。

2004年に流行ったヒット曲 プレイリスト