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    2023.03.20

    大滝詠一の多様な音世界を堪能できるCD2枚組豪華盤。大滝本人が歌唱する松田聖子提供曲からレア音源の数々まで

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    大滝詠一の多様な音世界を堪能できるCD2枚組豪華盤。大滝本人が歌唱する松田聖子提供曲からレア音源の数々まで
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    CONTENTS目次

    • 「ギミックとユーモア」。ナイアガラ・サウンドを語るには欠かせない要素
    • 大滝詠一の「あの」歌声で堪能できる、『NOVELTY SONG BOOK』
    • 「20世紀歌合戦」の趣きもある、『NIAGARA ONDO BOOK』

    ■「ギミックとユーモア」。ナイアガラ・サウンドを語るには欠かせない要素

    2023年の「ナイアガラの日」(=3月21日)にリリースされるのは『NOVELTY SONG BOOK』。CDでは、この盤と『NIAGARA ONDO BOOK』と題されたアルバムがカップリングされた2枚組で発売される。ちなみに、4月26日に発売が予定されているアナログ・レコードは『NOVELTY SONG BOOK』のみ収録されている。

    大滝詠一と「ノヴェルティ」といえば、まず浮かぶのが、自身の作風を評して「メロディ・タイプ」と「ノヴェルティ・タイプ」と2種類に大別できる、という言葉だ。大まかにいえば、メロディ・タイプを代表するアルバムは『A LONG VACATION』(81年)、ノヴェルティ・タイプは『LET’S ONDO AGAIN』(78年)ということになるだろう。そもそも「ノヴェルティ・ソング」という言葉が生まれたのは米国の「ティン・パン・アレー」からで、主要部門である「バラード」と「ダンス音楽」のふたつでは収まりきらない、「仕掛け(ギミック)とユーモア」を軸に作られた曲を指す。ということで、一見、同一視されがちのコミック・ソングとは共通するものも多いが、必ずしもイコールというわけでもない。さらに突っ込むと、「ギミックとユーモア」はスタジオでの録音技術を伴った実験とセットになっている、という点において、ナイアガラ・サウンドを語るには欠かせない要素なのである。さらにさらに突っ込むと、先に「メロディ・タイプ」として触れた『A LONG VACATION』もまた、ノヴェルティ・ソングを追求し続けたからこそ、生まれ得た作品である。

    ■大滝詠一の「あの」歌声で堪能できる、『NOVELTY SONG BOOK』

    アルバム『NOVELTY SONG BOOK』は『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』(76年)に収録された「ナイアガラ音頭」をハード・テイストなロックンロールにアレンジしたヴァージョンで幕をあける。オリジナルの布谷文夫(そこでは新民謡歌手、とクレジットされていた)にかわって、ここでは作者、大滝本人が歌っている。このアルバムに収録された11曲のうち8曲は同じように、歌手に提供された曲(大滝作品ではあるものの別のヴォーカリストを立てていたものを含む)を本人が歌ったもの。ざっと紹介すると、先の「NIAGARA ROCK’N’ ROLL ONDO」のほかに、市川実和子「ポップスター」、松田聖子「いちご畑でつかまえて」、(デビュー前の)シャネルズ「ピンク・レディー」、新井満「消防署の火事」、沢田研二「あの娘に御用心」、」植木等「針切じいさんのロケン・ロール」が、それぞれ作者(あるいはプロデュース作)である大滝詠一の「あの」歌声で堪能できる。特に、うなずきトリオ「うなずきマーチ」(1982年1月1日発売、最高55位)の大滝ヴォーカル・ヴァージョンは80年代の笑いをリードしたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』で育った世代にはちょっとした衝撃をもって受け止めらることだろう。ちなみに、スチャダラパー featuring 小沢健二「今夜はブギー・バック」に出てくる「メモれ~」と「コピれ~」は、この曲から。

    「ホルモン小唄~元気でチャチャチャ」はもともと76年に企画された細野晴臣プロデュースによる小林旭のオリジナル・アルバム小林旭に書かれた曲。作詞は「恋の山手線」、「自動車ショー歌」も手掛けた星野哲郎。ずっと「幻」とされていた音源が、ここまで完成されていたとは思わなかった。

    大滝詠一と鈴木慶一とのデュエット(名義は冗談ぢゃねーやーず)で収録された「ゆうがたフレンド (USEFUL SONG)」も未発表曲。糸井重里による歌詞は、白井良明がつけたメロディで、ムーンライダーズ「ゆうがたフレンド(公園にて)」として陽の目をみている。

    「暑さのせい」はアルバム『大瀧詠一』(72年)の収録曲「あつさのせい」のカリプソ風編曲版で、もはや別の曲となっている。

    ■「20世紀歌合戦」の趣きもある、『NIAGARA ONDO BOOK』

    CD『NOVELTY SONG BOOK』のカップリング『NIAGARA ONDO BOOK』は18曲入り。当初は、ラジオ番組「ゴー・ゴー・ナイアガラ」に届いたリスナーからの「無茶振り」をきっかけに作られた「ナイアガラ音頭(1995年Re-mix)」にはじまり、文字通りのウォール・オブ・サウンドを完成させた細川たかし「Let’s ONDO Again(河田為雄ミックス)」に終わる、「音頭の大滝」の異名が伊達ではなかった究極の編集盤。とういうことで、デーボ「ビックリハウス音頭 (take 4)」も、金沢明子「イエロー・サブマリン音頭(特別変)」も、片岡鶴太郎「スリラー音頭~ビートイット音頭 (ステレオ・ヴァージョン)」も収録されている。終盤で、クレイジーキャッツ、植木等、三波春夫と、それぞれ「歌手、ジャンル」のような存在が続くところは、さながら「20世紀歌合戦」の趣きもあり。ずばり『NIAGARA ONDO BOOK』こそがナイアガラのノヴェルティ・サイドの究極でもあり、この2枚は合わせ鏡のように機能している。

    ちなみに、『NOVELTY……』のライナーノーツは湯浅学さんが、『NIAGARA ONDO BOOK』は私、安田が書いています。ナイアガラを通して、ノヴェルティ・ソングを嗜(たしな)み、ノベルティ・ソングについて考える愉しみが待っています。ユーモアとギミックとアイデアとパロディ、そしてロックンロール。

    TEXT BY 安田謙一
    写真提供 ⒸTHE NIAGARA ENTERPRISES INC.


    リリース情報

    2023.3.21 ON SALE
    『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』


    大滝詠一 OFFICIAL SITE
    https://www.sonymusic.co.jp/artist/EiichiOhtaki/

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