『THE FIRST TAKE』の新企画としてスタートした『FLASH THE FIRST TAKE』。60秒という短い時間での一発撮りパフォーマンスに挑戦。アーティストが表現する一瞬、一瞬をダイレクトに感じとれるコンテンツになっている。
ここでは、12月に公開された動画をまとめて紹介する。
■羊文学
▼羊文学 – Burning / FLASH THE FIRST TAKE
▼羊文学 – マヨイガ / FLASH THE FIRST TAKE
2024年7月にスタートしたTVアニメ『【推しの子】』第2期エンディング主題歌として書き下ろした「Burning」と2021年に公開されたアニメ映画『岬のマヨイガ』の主題歌でライブでも歌ってきた「マヨイガ」の2曲をパフォーマンスした羊文学。“どんな痛みさえ輝きに変えながら命を燃やすの”という誰にも言えない気持ちを吐露する「Burning」と“輝きをやめず/これからの奇跡を全部 ぼくらに照らしてください”と“君”に呼びかける「マヨイガ」。“命”という共通したテーマを持つ2曲だが、「Burning」は「歌の主人公がもがいている感じを至近距離で伝えられていたら面白いです」とコメントしているように、歌い出す瞬間に傷や苦悩を抱えた楽曲の主人公にスッと入り込むさまが映し出されている。いっぽう、「人の幸せを願ってる歌詞をこのとき初めて描いた気がします」という「マヨイガ」は目の前に伝えるべき観客がいるライブのワンシーンのようで、まったく違うアプローチが存分に味わえる2曲となっている。
■Ryubi Miyase
▼12/7 Ryubi Miyase – 白く染まる前に / FLASH THE FIRST TAKE
▼Ryubi Miyase – Candy / FLASH THE FIRST TAKE
ドラマ『君の花になる』でボーイズグループのメンバーを演じ、ドラマ『パリピ孔明』では若き天才ラッパーに扮した人気俳優の宮世琉弥。2023年からミュージックプロジェクトをスタートさせ、歌とラップ、ダンスだけではなく、作詞作曲にも取り組み、2024年春にRyubi Miyaseとしてアーティストデビューを果たした。そんな彼が披露したのは、初主演ドラマ『スノードロップの初恋』のオープニングテーマで本人作詞の「白く染まる前に」とデビューアルバム収録曲で初めて作詞に挑戦した「Candy」。『FLASH THE FIRST TAKE』でメディア初披露となった「白く染まる前に」は少し緊張した面持ちながらも次第に体も動き出して手振りと笑顔を見せ、2024年の上半期にTiKTokでバズった「Candy」も可愛いすぎると評判のキャンディダンスを踊りながら歌唱。「音楽を楽しむ事に集中した60秒になってる」と感想を述べてるとおり、音楽を生き生きと楽しむ姿勢こそが最大のメッセージとなっている。
■近藤利樹
▼近藤利樹 – こまりわらい / FLASH THE FIRST TAKE
▼近藤利樹 – こまりわらい / FLASH THE FIRST TAKE
2007年生まれ。現在、17歳の現役高校生で“ナニワの光速ウクレレ少年”の異名を持ち、2019年に当時、12歳で『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演し、コロナ禍の2020年にはBillboard Liveで無観客配信ライブを敢行。ともに史上最年少記録をもつ彼が『FLASH THE FIRST TAKE』に制服姿で登場し、TVアニメ『夏目友人帳 漆』のEDテーマ曲「こまりわらい」をメディア初パフォーマンス。「1番好きな歌詞で、1番に聞いてもらいたかったので、最初に歌いました」とコメントしているとおり、1本目は“気づかないまま/少し大人になってた”というAメロの後半の部分をアカペラで歌唱し、2本目はバンドサウンドでサビを力強く歌いあげ、“ありがとう”と柔らかい笑顔を見せている。あどけなさが残る表情と優しくも切ない歌声の共存共栄。アニメの主人公である夏目と同世代で、大人でも子供でもないあやふやな時期である瑞々しさの真っ只中にいる彼の“今”が60秒に鮮やかに切り取られている。
■wacci
▼wacci – どんな小さな / FLASH THE FIRST TAKE
▼wacci – どんな小さな / FLASH THE FIRST TAKE
60秒の一発撮りで伝えたいことを真摯に向き合った末にたどり着いた答えだろう。昨年12月にバンド結成15周年を迎え、6枚目のアルバム『Dressing』のリリースを控えるwacciは、ニューアルバムに収録される楽曲の中から「周りと比べる必要なんかなく、自分は自分でいいんだと胸を張れる一曲」と語るドラマ『放課後カルテ』の主題歌「どんな小さな」を選んだ。ギター&ボーカルの橋口洋平によるアコギの弾き語りで、1本目は歌い出しの“認めたくない自分と 僕ら戦いながら/強くなりたいと願って 懸命に生きている”というAメロのフレーズを“僕ら”と共有。2本目はサビの部分で、タイトルの「どんな小さな」に続く“一歩”“勇気”“プライド”“強がり”を認めながら前に進んでいこうと力強く背中を押す。特筆すべきは転調したあとのラストサビ。“そのまんまの君でいて どうか”を割愛してまで歌った“笑っていて欲しい”というメッセージが真っ直ぐに届いて胸に沁みる。
TEXT BY 永堀アツオ
YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q
『THE FIRST TAKE』OFFICIAL SITE
https://www.thefirsttake.jp