原曲に敬意を表して再解釈し、新たな魅力を引き出すカバー曲は、未開拓の音楽やシンガーを知るきっかけになる。
今回は人気のカバー曲20選を紹介する。2025年注目のカバーアルバムも要チェックだ。
■カバー人気曲20選
1.「ドライフラワー」Uru
2.「今夜はブギー・バック feat. 清水翔太&SHUN 」加藤ミリヤ
3.「私は最強」Mrs. GREEN APPLE
4.「糸」菅田将暉&石崎ひゅーい
5.「なんでもないや」上白石萌音
6.「め組のひと」倖田來未
7.「奏」JUJU
8.「パプリカ」米津玄師
9.「I WANT YOU BACK」TWICE
10.「スマイル」森七菜
11.「3月9日」Little Glee Monster
12.「さよならエレジー」石崎ひゅーい
13.「銀河鉄道999」EXILE feat. VERBAL(m-flo)
14.「雪の華」徳永英明
15.「LA・LA・LA LOVE SONG」絢香
16.「ラブ・ストーリーは突然に」Chris Hart
17.「いとしのエリー」平井堅
18.「ミルクティー」秦基博
19.「若者のすべて」Bank Band
20.「見上げてごらん夜の星を〜ぼくらのうた〜」ゆず
【THE FIRST TIMES PLAY LIST】
https://tftimes.lnk.to/nVpi1O39T1
「ドライフラワー」Uru(ウル)
ストリーミング再生が10億回を突破している優里の「ドライフラワー」を、Uruがピアノアレンジでカバー。
原曲に込められた愛情はそのままに、言葉を柔らかく届ける澄んだ歌声が心地よい。シンプルなピアノの旋律が歌声を引き立てている。
その温かな空気に自然と大切な記憶が呼び起され、切なさがこみ上げるだろう。
「今夜はブギー・バック feat. 清水翔太&SHUN 」加藤ミリヤ(かとう ミリヤ)
小沢健二とスチャダラパーが生み出した日本語ラップの名曲「今夜はブギー・バック」。加藤ミリヤによるカバーでは、清水翔太とSHUNが参加している。
加藤ミリヤのハスキーな甘い歌声に、男性陣のメロウなラップがマッチ。
90年代っぽさを残しつつも2010年代の新しさが融合され、クールな仕上がりになっている。
「私は最強」Mrs. GREEN APPLE(ミセス グリーンアップル)
映画『ONE PIECE FILM RED』劇中歌としてAdoへ楽曲提供された「私は最強」を、Mrs. GREEN APPLEがセルフカバー。
各楽器のフレーズは変更され、よりポップでエネルギッシュなバンド感が際立っている。
いっぽう、キーは原曲のまま。まさに“最強”の歌声で、信じる気持ちを華麗に歌い上げている。
「糸」菅田将暉&石崎ひゅーい(すだ まさき&いしざき ひゅーい)
数多くのアーティストにカバーされる中島みゆきの「糸」。映画『糸』で共演した菅田将暉と石崎ひゅーいのカバーは、エンディングソングに起用された。
アコースティックギターから始まり、ピアノとストリングスが盛り上がっていくアレンジが美しい。
感情の揺らぎを感じる純朴な歌声に、未来への等身大の想いが感じられる。
「なんでもないや」上白石萌音(かみしらいし もね)
アニメ映画『君の名は。』の挿入歌であるRADWIMPSの「なんでもないや」は、ヒロインの声を演じた上白石萌音によるカバーが映画公開当時から話題となった。
ピアノとストリングスによるアレンジが、透明感のある歌声を際立たせている。優しく語りかけるように響く歌詞がすっと心に溶け込み、癒しをくれるだろう。
「め組のひと」倖田來未(こうだ くみ)
1983年にリリースされ、世代を超えて愛されるラッツ&スターの「め組のひと」。リバイバルヒットの火付け役となったのが倖田來未によるカバーだ。
ダンスミュージック調にアレンジされ、ノリがよく軽快な印象を与える。
パワフルかつ色気のある歌声は、歌詞の中の女性像を体現しているかのようでカッコいい。
「奏」JUJU(ジュジュ)
ロングヒットを記録し、スキマスイッチの代表曲となった「奏」をJUJUがカバー。ピアノとギター、ストリングスが生み出すメロディが心に沁みる別れの曲だ。
芯のある歌声と豊かな表現力が相まって、歌詞がいっそう切なく響く。悲しみを表現しつつも、出会いへの感謝や愛情が溢れ出すソウルフルな歌唱が涙を誘う。
「パプリカ」米津玄師(よねづ けんし)
社会現象となったFoorinの「パプリカ」は、作詞作曲を務めた米津玄師によるセルフカバーも話題に。
底抜けに明るい原曲から大胆にアレンジされ、祭囃子を思わせる和楽器の音色が印象的なノスタルジー漂う楽曲となっている。
まるで幼少期を懐かしむような大人の雰囲気を醸し出す柔らかな歌声に引き込まれるだろう。
「I WANT YOU BACK」TWICE(トゥワイス)
The Jackson 5のデビュー曲「I WANT YOU BACK」をTWICEがカバー。映画『センセイ君主』の主題歌にもなった。
原曲の軸を忠実に残しながらも、ドリーミーなポップサウンドで華やかさがプラスされている。
TWICEの愛らしい歌唱により、女の子のひたむきな想いが伝わるラブソングに生まれ変わった。
「スマイル」森七菜(もり なな)
ホフディランの1stシングル「スマイル」は、オロナミンCのCMで披露された森七菜のカバーにより再注目された。プロデュースをホフディランが担当。
爽やかな曲調と瑞々しい歌声がマッチして、自分自身を明るく鼓舞しているように聴こえてくる。リスナーに温かく寄り添うポジティブソングとして元気をもらえるだろう。
「3月9日」Little Glee Monster(リトル グリー モンスター)
友人の結婚祝いで制作され、卒業ソングとして愛されるレミオロメンの「3月9日」。Little Glee Monsterによるカバーではピアノ伴奏のみで、転調のない構成だ。
クリアな歌声が響くソロパートと柔らかく包み込むようなハーモニーの調和が、甘やかな世界を生み出す。コーラスの美しさにも心を奪われるだろう。
「さよならエレジー」石崎ひゅーい(いしざき ひゅーい)
ドラマ『トドメの接吻』主題歌として書き下ろされた菅田将暉の「さよならエレジー」を、石崎ひゅーいがセルフカバーしている。
原曲と対になるように、あえて含みのある歌い方で過去を引きずる女々しさを演出。漂う大人の哀愁に引き込まれる。
よりアグレッシブにリアレンジしたバンドサウンドと熱い歌唱がカッコいい。
「銀河鉄道999」EXILE feat. VERBAL(m-flo)(エグザイル フィーチャリング バーバル エムフロー)
アニソンブームの源流ともいえるゴダイゴの「銀河鉄道999」。EXILEがVERBALを迎えたカバーでは、気分が盛り上がるダンサブルなナンバーに再構築された。
テンポを抑えることで歌詞が丁寧に歌われているのが感じられ、原曲へのリスペクトが見て取れる。VERBALによるオリジナルラップの響きも爽快だ。
「雪の華」徳永英明(とくなが ひであき)
中島美嘉の「雪の華」は、カバー曲として人気の冬の傑作ラブバラード。そのなかでも原曲との親和性が高いのが徳永英明のカバーだろう。
甘く儚げなハスキーボイスが男性目線の歌詞とマッチし、愛情の温かさが伝わってくる。アコースティックギターのオーガニックなサウンドで際立つメロディと歌声の美しさは圧巻だ。
「LA・LA・LA LOVE SONG」絢香(あやか)
ドラマ『ロングバケーション』の主題歌として大ヒットした久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」。声量と歌唱力の高さに定評のある絢香がカバーしている。
冒頭から弾けるパワフルな歌声で、恋の高揚感を表現。原曲の雰囲気を引き継ぎつつより爽やかにアレンジされ、女性ならではのフレッシュさを感じさせる。
「ラブ・ストーリーは突然に」Chris Hart(クリス ハート)
小田和正最大のヒット曲である「ラブ・ストーリーは突然に」を、Chris Hartがホーンを強調したアレンジしてカバー。
歌唱は原曲に忠実で、スムーズな言葉運びが心地よい。安定感と表現力の高さが歌詞に新たな魅力をプラスしている。
甘い歌声が温かく広がり、優しい恋の始まりを想像させるだろう。
「いとしのエリー」平井堅(ひらい けん)
一世を風靡したドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主題歌であるサザンオールスターズの「いとしのエリー」。平井堅のカバーは、エレキギターのクリーンな音色が生むジャジーな雰囲気が魅力だ。
落ち着いた歌声に混ざる切なさに心を掴まれる。歌唱からにじみ出る“エリー”への深い想いは、敬愛するサザン愛と通じるのだろう。
「ミルクティー」秦基博(はた もとひろ)
1998年リリースのUAによる名曲「ミルクティー」を秦基博がカバー。アコースティックギターの弾き語りで、しっとりと流麗に歌い上げている。
手にしている幸せを噛み締めるような切なさがあり、明るい印象の原曲とは違ったストーリーが見えてくる。
まさにミルクティーのような甘くマイルドな歌声を存分に味わおう。
「若者のすべて」Bank Band(バンク バンド)
フジファブリックの代表曲である「若者のすべて」。Bank Bandのカバーをきっかけに原曲を知った人も少なくないだろう。
シンプルなコードの美しさは残したまま、ポップな響きを持たせたアレンジが良い。
櫻井和寿の歌唱により熱さが加わり、夏特有の煌めきも感じられる。憂いのなかに見える希望がさらに夏を輝かせる。
「見上げてごらん夜の星を〜ぼくらのうた〜」ゆず
1960年にミュージカルから生まれた坂本九の珠玉のバラードに、北川悠仁がメロディと歌詞を加筆したゆずの「見上げてごらん夜の星を〜ぼくらのうた〜」。
力強いドラムマーチが響く、ゆずらしい軽快な楽曲だ。
歌詞には名曲への愛と感謝が込められている。ポジティブな空気感により、爽やかな気持ちになれるはずだ。
■2025年最新!チェックしたいカバーアルバム
自身で選曲!
『〇〇と二宮と2』二宮和也(にのみや かずなり)
二宮和也が自身で選曲した全8曲のカバーを収録した『〇〇と二宮と2』。艶やかで明るい歌声と力強い歌唱、ハイトーンの美しさまで引き出されたアルバムだ。絶妙な息遣いが生む表現力も堪能できるだろう。
幾田りらが自身の楽曲「Answer」が選曲されたことを受け、感謝の意を込めて「虹」をカバーし、二宮本人とファンを感動させた。
初の邦楽カバーアルバム
『Amazing』Superfly(スーパーフライ)
男性アーティストのみの全10曲を収録する、Superfly初の邦楽カバーアルバム『Amazing』。どの曲でも持ち味のパワフルな歌声が心地よく響く。楽曲ごとに声色の温かさや深みが変化し、感動を引き起こす。
『2025 FNS歌謡祭 夏』ではSUPER BEAVERの渋谷龍太と「人として」を初めてコラボ歌唱し、熱量の伝わるパフォーマンスで魅了した。
SUPER BEAVERのみなさんと📸@super_beaver
今回カバーさせていただいた「人として」
原曲が最高にかっこいいので、こちらもぜひ💁
👉https://t.co/Q9giT9WYmI本当にありがとうございました!#SUPERBEAVER #Superfly #人として pic.twitter.com/tR5BPY5JVs
— Superfly_Official (@Superfly_staff) July 2, 2025
映画音楽を選曲!
『Win’s Film Songs』森崎ウィン(もりさき ウィン)
森崎ウィン初の洋楽カバーアルバムで、映画音楽に焦点をあてた全11曲を収録する『Win’s Film Songs』。温かみのある歌声が多彩な楽曲にフィットし、愛や希望、幸せを感情豊かに歌い上げる。
原曲へのリスペクトを込めつつ、自身の魅力を引き出すアレンジにも注目してほしい。映画音楽の名作たちの新たな一面が楽しめる。
■音楽の世界観を広げるカバー曲
原曲には原曲の、カバー曲にはカバー曲の魅力がある。両方を知ることでどちらもさらに輝きを放つだろう。紹介した曲やアルバムを堪能して、カバーによって豊かに広がる音楽の世界を楽しんでほしい。
TEXT BY MarSali


