アルゼンチン・ブエノスアイレス出身の幼馴染デュオ、CA7RIEL & Paco Amoroso。グラミー賞を受賞し、『FUJI ROCK FESTIVAL 2025』で初来日。2026年5月に出演した『THE FIRST TAKE』でのKing Gnu 勢喜・新井とのコラボも大きな話題となり、今一番気になるアーティスト、通称=カトパコが注目される理由に迫る。
■アルゼンチン発グラミー賞受賞デュオ
CA7RIEL & Paco Amoroso(読み:カトリエル&パコ・アモロソ)

・通称 カトパコ
・メンバー カトリエル・ゲレイロ / ウリセス・ゲリエーロ
・出身 アルゼンチン・ブエノスアイレス
・OFFICIAL SITE(ソニー・ミュージック)https://www.sonymusic.co.jp/artist/ca7rielandpacoamoroso/
・Instagram @ca7rielypacoamoroso
・X @ca7rielypaco
・TikTok @ca7rielypacoamoroso
・YouTube @CA7RIELyPacoAmoroso
アルゼンチンのブエノスアイレス出身のカトリエル・ゲレイロ(CA7RIEL=通称カト)とウリセス・ゲリエーロ(Paco Amoroso=通称パコ)による小学校からの幼馴染によるデュオ。2010年プログレとファンクを基調にしたバンド、Astorを結成。やがてカトはラッパー・CA7RIELの活動をスタート。ライブにパコを誘い、2018年にふたりで都会的なサウンドに挑戦することを決め、CA7RIEL & Paco Amorosoとしての最初の楽曲「Piola」をリリース。
▼CA7RIEL ¤ PACO AMOROSO – PIOLA (AUDIO OFICIAL)
2020年、パンデミックの影響で活動を中断し、ソロ活動に励むことに。2022年3月、活動を再開し「PAGA DIOS」と「EN EL AFTER」をリリースし、初のワールドツアー『PAGA DIOS World Tour』を開催。2024年4月、アルバム『BAÑO MARÍA』をリリースし、Billboardの選ぶ2024年ベスト・ラテン・アルバムリストにランクイン。『BAÑO MARÍA』を引っ提げたブエノスアイレスでの凱旋公演には15,000人の観客が集結。同年10月、米NPRの名物企画『Tiny Desk Concert』に登場し、4カ月で2,400万回以上再生されたことで世界中から注目を集める。
▼CA7RIEL & PACO AMOROSO – PAGA DIOS (VIDEO OFICIAL)
▼CA7RIEL & PACO AMOROSO – EN EL AFTER (VIDEO OFICIAL)
▼Ca7riel & Paco Amoroso: Tiny Desk Concert
2025年4月、世界最大級の音楽フェス『Coachella Valley Music and Arts Festival』に出演。7月には『FUJI ROCK FESTIVAL 2025』で初来日を果たす。朝一番のGREEN STAGEが満員となり、“カトリエル”“パコアモロソ”“カトパコ”がXでトレンド入り。深夜のクリスタル・パレスでのステージでは入場規制がかかるほどの観客が押し寄せ大きな注目を浴びた。
9月、ケンドリック・ラマーがSZAと共に行ったスタジアムツアー『Grand National Tour』に帯同。メキシコシティ公演ではふたりがメキシコのデザイナーズブランドを身にまとって登場し、華やかな姿がSNSで拡散され話題となる。
11月に開催されたラテン・グラミー賞にてアルバム『PAPOTA』がベスト・オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞、シングル「EL DÍA DEL AMIGO」がベスト・ポップ・ソング賞を獲得するなど、計10部門に初ノミネート、計5部門を受賞。
▼CA7RIEL & Paco Amoroso – EL DÍA DEL AMIGO (Video Oficial)
2026年2月、第68回グラミー賞にて最新アルバム『PAPOTA』が最優秀ラテン・ロック、アーバン/オルタナティヴ・アルバム賞を受賞。名実ともに世界的なスターの仲間入りを果たした。
■メンバープロフィール
CA7RIEL(読み:カトリエル)
本名:Catriel Guerreiro(読み:カトリエル・ゲレイロ)
・Instagram @ca7riel
・TikTok @ca7riel
Astor結成後、ラッパーとして再スタートを切る際に、左頬に“7”のタトゥーを刻んだカト。音楽の先生の資格を取得し、ギター講師をしていた経験に裏打ちされたギタリストとしての実力は折り紙付き。カトが繰り出す耳を奪うギターフレーズはカトパコの武器のひとつ。ベースやドラム、トロンボーンも演奏できる。ボーカルとラップ、どちらもこなす幅広い表現力はカトパコの屋台骨と言えよう。ライブ中、鍛え上げられた上半身を披露するなど、アグレッシブでロックスターオーラ全開のステージングでもオーディエンスを惹きつける。
Paco Amoroso(読み:パコ・アモロソ)
本名:Ulises Guerriero(読み:ウリセス・ゲリエーロ)
・Instagram @pacoamoroso
・TikTok @paquirri.tv
ユニークな声質と佇まいでカトパコのポップ・アイコン的な人気を増大させるボーカル、パコ。幼少期からバイオリンを習い、Astor時代はドラムを担当。手首を骨折したことでマイクを握るようになる。アルゼンチンらしい語り口やアーバンな楽曲にハマる唯一無二のハスキーな歌声を持つ。ステージ上で“おかしい奴(el loquito)”を演じ、観客に予想外に受け入れられたことで、今のキャラクターの道が開けた。
■人々はなぜカトパコに熱狂するのか?
◎中毒性のあるジャンルレスなサウンド

トラップ、ヒップホップをベースにしつつも、ファンク、パンク、エレクトロ、アルゼンチンの伝統的なクンビアやロックを縦横無尽に行き来するジャンルレスなサウンドは中毒性抜群。カトパコの名が一気に拡散した『Tiny Desk Concert』を筆頭に、ジャンルレスなサウンドを型にハマらない自由奔放なパフォーマンスに昇華する。自らを茶化したり音楽シーンのステレオタイプを皮肉る遊び心や、社会や伝統への反骨精神が盛り込まれたスラング交じりのスペイン語と英語が混ざり合ったリリックは言葉選びが巧み。知性とユーモアが漂う。その時々に惹かれたものに直感的に反応しつつ、ジャンルやスタイルを軽々と飛び越えて、自らがあらたなカルチャーを作るという意志を掲げている。
◎ハイセンスなビジュアルと世界観
初来日となったフジロックのステージで、日本のブランド・アンリアレイジの空調服を着用し、インパクトを与えたことをはじめ、自由で実験的なファッションやビジュアルでも注目を集める。まるでマンガから飛び出してきたかのようなファニーな奇抜さを漂わせたファッションは、ストリート、モード、ヴィンテージなどをミックスしたハイブリッド。
THANK YOU FUJI ROCK
🥹🫰🇯🇵 pic.twitter.com/pWXB024Qmw— CA7RIEL & Paco Amoroso (@ca7rielypaco) July 26, 2025
『PAPOTA』のショートフィルムでの、楽曲のメッセージとリンクする筋肉を身に付けたようなファッションに身を包んだ姿も記憶に新しい。フジロックでの来日を前に、WILDSIDE YOHJI YAMAMOTOとのスペシャルコラボレーションTシャツを数量限定で発売したことも。『PAPOTA』 のアートワークに使用されていたカトとパコがキャラクター化したイラストが象徴するように、ハイセンスなビジュアルが映えるのはカトとパコ、それぞれの個性が光っているからだろう。
▼CA7RIEL & Paco Amoroso – PAPOTA (Short Film)
◎唯一無二の関係性
カトとパコの出会いは7歳の時。ロックバンドのギタリストの父のもと生まれ、幼少期からメタルの楽曲をギターで弾きこなしていたカトがパコを音楽の道に引き込んだ。カトがラッパーとしての活動をスタートするなか、パコをステージに招くように。カトが「ふたりは陰と陽のようで、言葉にしなくても通じ合う兄弟のような関係性」と称しているように、深い絆で結ばれ、対照的な個性を持つふたりのパフォーマンスは阿吽の呼吸と奇跡的なバランスに溢れている。ふたりでいることで困難の多い世界から自分たちを守り、互いのクリエイティブに刺激を与え続け、苦楽を共にしてきた幼馴染のふたりが独創的な音楽を武器に世界を駆け上がっていく。そのカトパコの物語に感情移入しているリスナーは少なくないはずだ。
■『THE FIRST TAKE』で披露した「BABY GANGSTA」
▼CA7RIEL & Paco Amoroso – BABY GANGSTA (Official Video)
2024年にリリースの『BAÑO MARÍA』に収録された本楽曲は、ファンキーなベースラインと軽快なリズムが特徴的なダンスフロア仕様のトラックのうえで、カトの変幻自在なラップとパコのメロウなボーカルが入り混じるポップソングだ。うねるようなベースのグルーヴが楽曲を牽引し、プレイヤー出身のカトパコらしい生楽器のダイナミズムを感じさせる構成が秀逸。リリックで描かれているのは、従来の物々しいギャング像ではなく、自分たちのスタイルを貫く生意気でクールな若者の姿。ユーモラスで不敵な余裕を感じさせるカトパコらしい遊び心と洗練が融合したライブの定番曲だ。
◎『THE FIRST TAKE』だけの特別なコラボレーション
カトパコの初来日公演となった2025年のフジロックに出演し、カトパコの衝撃的なパフォーマンスに魅了されたことをきっかけに、King Gnuのリズム隊である勢喜遊と新井和輝がゲスト参加。『THE FIRST TAKE』だけのコラボレーションが実現した。
▼CA7RIEL & Paco Amoroso feat.Yu Seki, Kazuki Arai from King Gnu – BABY GANGSTA / THE FIRST TAKE
勢喜の地を這うようなクラブミュージックテイストの強いドラムが印象深いここだけのアレンジ。セッション経験が豊富なミュージシャン同士のならではの、1秒ごとにスリルが高まり、目と耳が離せない極上の躍動感にあふれるアレンジだろう。“Tatami”や“Japan”といったワードが入れ込まれたリリックのアレンジからはカトパコの日本愛を感じる。
「BABY GANGSTA」は新井が日本でのライブにてサポートベースをつとめていたNewJeansにインスパイアされた楽曲だということも、本コラボレーションが熱い理由のひとつだ。パコは本セッションに対して「全員にとっての美しい挑戦だった。いつもの演奏というコンフォートゾーンから出て一発で何かを形にしないといけない。でも和輝と遊とのセッションは最高だった」とコメントしているが、“まさに”だ。
■カトパコの世界観にハマる!おすすめ曲5選
「DUMBAI」
アルバム『BAÑO MARÍA』収録曲で、フジロック’25をはじめ、ライブの1曲目に演奏されることの多いライブアンセム。筆者が初めてカトパコのライブを生で観たCoachella 2025でも1曲目に演奏され、すぐさまオーディエンスを熱狂させていた。ラストの“今日は夢中にさせてやる”という締めのラインがライブの幕開けに相応しいパーティーソングであり、女性への欲望を無邪気に開陳する快楽的なナイトライフを歌った楽曲だが、カトパコならではの洗練によって下品さは皆無。バウンシーで軽快なビートと何度もリピートされる“dum, dum, dum, dum”という擬音フックは一度聴いたら口ずさんでしまう中毒性があり、ラテンフィール満載だ。
「Hasta Jesús Tuvo un Mal Día」
アルバム『FREE SPIRITS』のリードシングルとして2026年2月にリリース。スティングがゲスト参加することがカトパコ史上最大級のニュースとして話題となった。哀愁漂うホーンがフィーチャーされたメロウで力強いアンサンブル。スティングのアイコニックなボーカルと、タイトルにもある通り“イエス様でさえ最悪な日があったんだから、君の今の悩みにも必ず解決策がある”というポジティブ且つ多くを癒すようなメッセージが、これまでのカトパコの曲にはなかったあらたな深みを与えている。スティングが所属するポリスの代表曲「ロクサーヌ」がサンプリングされていることも話題に。
▼The Police – Roxanne (Official Music Video)
「Muero」
アルバム『FREE SPIRITS』収録曲でフレッド・アゲインがプロデュースで参加。カトパコ特有のラテン・トラップのトライバルな感触とフレッド・アゲインらしいエモーショナルかつミニマルなディープハウス的なグルーヴが絡み合うハイブリッドなダンストラック。タイトルにもなっている曲中でリピートされる“Muero” というワードと“止まらなければ爆発する” という描写が右肩上がりに切迫感を高めつつ、ダンスミュージックの刹那をまきちらしながらも、単なるパーティーソングではなく切なさと緊張感が漂う。
「EL DÍA DEL AMIGO」
第68回グラミー賞で最優秀ラテン・ロック、アーバン、オルタナティヴ・アルバム賞を受賞した『PAPOTA』に収録され、ラテン・グラミー賞でベスト・ポップ・ソング賞を受賞した代表曲。温かみがあり多幸感に溢れるメロディアスなサウンド。無名時代から共に歩んできたカトとパコの永遠の友情を思わせる楽曲であり、SNSでは友人との動画にこの曲を乗せるのがトレンドとなった。ライブで特大のシンガロングが巻き起こるなか、ふたりが見つめ合い、肩を組み、手を繋ぐ姿はカトパコにおけるベストモーメントのひとつだ。
「Goo Goo Ga Ga」
『FREE SPIRITS』の2曲目に収録され、ジャック・ブラックがフィーチャリングされている。陽気なボサノバテイストの強いチルいナンバー。“Goo Goo Ga Ga” という赤ちゃん言葉のフレーズが繰り返されコミカルなムードがあるが、加齢に対する恐怖と、大衆に消費され忘れられてしまうことへの恐怖、燃え尽き症候群が歌われているカトパコらしいユーモラスなカオスを感じさせる曲。赤ちゃん化したカトとパコとジャック・ブラックが病院で暴れるMVもブラックなユーモアが溢れていて強烈。
■カトパコ最新情報をチェック!
2026年10月21日に大阪・なんばHatch、10月22日に東京・豊洲PITでの待望の来日公演も決定。時代をアップデートするあらたなポップ・アイコン、カトパコの今後にこれからも注目だ。
TEXT BY 小松香里
▼CA7RIEL & Paco Amoroso最新情報はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/11892/



