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    2023.01.27

    ALI 世界中の多種多様なサウンドが詰まったメジャーファーストフルアルバム『MUSIC WORLD』。真摯に音楽と向き合い、たどり着いた一枚が宿すメッセージ

    • ALI
    • インタビュー
    • 小松香里
    ALI 世界中の多種多様なサウンドが詰まったメジャーファーストフルアルバム『MUSIC WORLD』。真摯に音楽と向き合い、たどり着いた一枚が宿すメッセージ
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    ALIのメジャーファーストフルアルバム『MUSIC WORLD』はインストも含めて全15曲。ラテン、ロック、ヒップホップ、ジャズ、ソウル…タイトル通り、世界中の多種多様なサウンドが詰まっている。約30秒のインスト「MUSIC WORLD」を開幕宣言として、続く「EL MARIACHI feat. MFS」は、「BOW」が全世界でバイラルヒットしたことも記憶に新しいラッパー・MFSをフィーチャーしたどストレートなラテン。他にも、山下達郎の普及の名曲「SPARKLE」の英語詞&ラテンカバーや、シンプルなピアノバラード等が収録。さらに、世界中を席巻したアニメ『呪術回線』エンディングテーマ「LOST IN PARIDISE feat. AKLO」や「TEENAGE RIOT feat.R指定」といった重要曲も聴ける。元メンバーの不祥事による活動休止を経て生まれた全15曲の大作は、痛みを宿した人生賛歌「(BUT)WONDERFUL」で幕を閉じる。ALIにインタビューで訊いた。

    CONTENTS目次

    • 俺の好きなアルバムは、アーティストのやりたいことが全部詰まっているもの
    • お蔵入りなのかなって思っていた曲も生まれ変わる形で復活
    • 「MUSIC WORLDです」って言えるものがいい
    • リスペクトを込めて、全く違う曲にしたらOKしていただけたので本当に良かった
    • ライブを教会だと思ってるんですけど、「MY FOOLISH STORY」はまずその教会に自分が入って懺悔した曲
    • 帰る場所があるのは良いなって思った
    • 今実際こういうことが起きてるっていうことを事実として書いた
    • 映画を超えるようなつらいことの多い現実だけど、世界の美しさを肯定したい
    • しっかり説得力のあるアルバムができた
    • 楽曲リンク

    ■俺の好きなアルバムは、アーティストのやりたいことが全部詰まっているもの

    ──ついにメジャーファーストアルバムが完成したわけですが、昨年秋に作り直したそうですね。

    LEO(Vo):そうなんです。今はシングルベストみたいなフォーマットのアルバムが多いなと思って。別にそれが悪いわけじゃなくて、俺の好きなアルバムは、アーティストのやりたいことが全部詰まっているものなんですよね。好きな曲もアルバム曲だったりして。それで俺らはそういう階段を登ろうと思って、「作り直していいですか?」って言って、そこから心を描くことに集中し、8曲ぐらい1から作りました。いや〜、疲れました!(笑)。ストーン・ローゼスみたいにアルバム5年ぐらい空けるバンドの気持ちがわかりましたね。

    ■お蔵入りなのかなって思っていた曲も生まれ変わる形で復活

    ──(笑)結果、15曲という大ボリュームになっていますが、CÉSARさんとLUTHFIさんは手応えはいかがでしょう?

    CÉSAR(Gu):めちゃくちゃ楽しかったですね。新曲を作るために去年の夏に合宿に入って、そこでアルバムの“世界中の音楽を引っ張ってくる”というコンセプトをLEOさんから聞いて、楽しく曲作りをし、最後マスタリングが終わって、みんなで全曲フルで聴いたときの達成感がヤバかったです。ようやくファーストフルアルバムが出せたっていう感覚がいちばん大きいです。他のアーティストが踏んでる行程を1個やっと踏めたっていう。

    LEO:もうこの1作でいいかなっていう気持ちにもなりかけたんですが、3週間ぐらい経ったら次のアルバムでやりたいことが出てきたので、今それに向かっていろいろ勉強したりしています。

    LUTHFI(Ba):僕もめちゃくちゃ楽しかったです。メンバーが抜ける前のお蔵入りなのかなって思っていた曲も生まれ変わる形で復活して。その曲をライブでできるのもすごくうれしいですね。

    LEO

    ──2019年にリリースした「Wild Side」も収録されてますよね。

    LEO:ね。最初入れないでおこうと思ったんですよね。例の不祥事によって、当時のメンバーにマジで腹立ってるので。でも、そういう記憶を含めてファーストアルバムなんじゃないかと思いました。

    CÉSAR:「Wild Side」も含めて既存曲はミックスし直しました。だから、リマスターヴァージョンです。

    ■「MUSIC WORLDです」って言えるものがいい

    ──タイトル通り、まさに音楽で世界一周できるような内容になってますけれども、このコンセプトはいつ決めたんですか?

    LEO:2年前くらいからイメージはありました。世界中の音楽家と一緒に音楽がやりたくて、“MUSIC WORLD”っていうテーマはいいなと思って温めていて。アルバムを作るってなったときに、自分たちのいろんなピースがはまってようやくそれができた。ラテンもディスコもロックもあって、「ALIってどういう音楽をやってるの?」とよく訊かれるんですが、それをファーストアルバムでは決めずに、「MUSIC WORLDです」って言えるものがいいなあと思ったんですよね。

    ──オープニングのインスト「MUSIC WORLD」があって、次の「EL MARIACHI feat. MFS」から、ここまでラテンに振り切るんだという驚きがありました。

    CÉSAR:こてこてのラテンですよね(笑)。

    LEO:メンバーが減ったことによって、いろんな人と音楽的な実験ができるようになりました。それで、昨夏にラテンのチームとこの曲と「SPARKLE」を一緒にやって、すごく楽しくかったし、手ごたえがあって。「EL MARIACHI feat. MFS」があまりにも良いなって思ったのでリード曲にしました。ここまでのラテンだと、ライバルが他にいないと思うんですよね。何事も1位を取るためにはそのジャンルの1位になり続けることが大事だって言いますけど、他にいないのでもうなれたかなって思います(笑)。スペイン語まで入れましたから。

    CÉSAR

    ──フィーチャリングされているMFSさんは「BOW」が世界的なバイラルヒットになりました。

    LEO:そうなんです。俺らが声かけたのはその前で。レーベルのスタッフと一緒に良いラッパーがいないかいつもアンテナを張ってて、スタッフが教えてくれました。「かっこいい!」と思ってインスタをフォローしたら、ダンスもやってる子でうちの嫁のことを知ってたりして、スムーズに話が進みました。バズる前にライブを観に行ったらお客さんは20人ぐらいしかいなかったんですが、MFSがシャーデーみたいな佇まいで。曲も好きな曲がいっぱいあったんですけど、人としてスター性があるんだなと思いました。

    ■リスペクトを込めて、全く違う曲にしたらOKしていただけたので本当に良かった

    ──同時期に作ったという山下達郎さんの「SPARKLE」のカバーは、英語詞でラテンアレンジという意表を突く方向性ですね。

    LEO:『MUSIC WORLD』なのでやっぱりメイド・イン・ジャパンの曲も入れたいなと思って。「SPARKLE」の作曲は達郎さんで、作詞が吉田美奈子さん。おふたりともカバーに対していろいろな条件があって、結局は曲次第という話を聞いたので、英語詞だし、原曲とは全く違うアレンジなので絶対許可は下りないだろうなと思ったんですよね。そうしたらOKが出て。達郎さんは心がロックだし、ご自身も「原曲を超えられると思わなければカバーしない」とおっしゃってたので、俺もリスペクトを込めて、全く違う曲にしたらOKしていただけたので本当に良かったです。

    ──そして、「MY FOOLISH STORY」がLEOさんの歌と言葉を際立たせるバラードになっていて。

    LEO:活動休止に入って一週間顎に「MY FOOLISH STORY」と「NO HOME NO COUNTRY」を作ったんです。だから、また音楽をやれる/やれないの前に心から出てきたものがこの2曲で。

    ■ライブを教会だと思ってるんですけど、「MY FOOLISH STORY」はまずその教会に自分が入って懺悔した曲

    ──「MY FOOLISH STORY」はこれまでの痛みや悲しみと向き合った歌詞になっていますが、LEOさんにとっていちばん大事な音楽が奪われた状況でこういう歌詞が出てくるというのは、どういう風に捉えましたか?

    LEO:何か良かったですね。結局俺もいろんな人を傷つけて生きてきたので人生トントンというか。自分がやってきたこともしっかり整理できて、それについての曲もでき、今となっては活動休止期間はすごく重要だったと思ってます。俺はライブを教会だと思ってるんですけど、「MY FOOLISH STORY」はまずその教会に自分が入って懺悔した曲だなと思いました。それに、長く歌える曲になったのが良いなと思いました。そこはALIとしてすごく大事にしていることなので。

    LUTHFI

    ──当時の感情が痛烈に放出されつつも、根源的な痛みを宿した曲になっているというか。

    LEO:そうですね。この曲を書いたときは、ジョニー・キャッシュやポーグス、トム・ウェイツとか何十年も歌ってる人の曲をよく聴いていて。長く歌い続けられて、美しく輝いているのに傷が見える曲。何か災難があったときにそれを描かないと音楽をやってる意味がなくなっちゃう。そのミッションができて良かったです。しっかりとカミングアウトもできたし。

    CÉSAR:一緒に体験した屈辱や悔しさだったり、一筋の光も見えない闇のような状況をLEOさんが歌詞で表現していて、代弁してくれてる気持ちになりましたね。

    ■帰る場所があるのは良いなって思った

    ──同時期に作った「NO HOME NO COUNTRY feat. KAZUO,IMANI」は、ALIの3人もKAZUOさんもIMANIさんも全員多国籍という顔ぶれです。それは曲の内容として、必然があったということでしょうか?

    LEO:本当はアメリカのラッパーと一緒にやろうと思ったんですが、条件とかガタガタ言ってきて、「うっせえわ! 俺らの周りにもっとかっこいいヤツいるから」と思って、KAZUOとIMANIに声をかけました。この曲を作っていた時期は、コロナやブラック・ライヴズ・マターやらで世の中が映画を超えるような状況になっていて、そういう歌詞でもあるのでアメリカを知っているふたりに参加してもらいたいなと。なおかつ、俺らは帰る場所がないというテーマもあって。どこの国のハーフだとしても、やっぱり見た目が周りと違うところがあったりして、いろんなことに追われる側面があると思ってるんです。それをわかってる人の言葉が必要だと思ったとこころもあってお願いしたら、ふたりともバシッと決めてくれました。これは俺らにしかできないし、こんな渋い曲なかなかメジャーでないと思います。

    CÉSAR:KAZUOのラップもカニエ(・ウェスト)みたいな渋い感じでね。僕もハーフで日本の小中学校で育つなかで、“普通の日本人に生まれたら良かったな”って思ったり、悪い思い出のほうが多い人生で。でも、こうやって楽曲としてリリースできることで、“こういう人生を歩めて良かったな”という気持ちになりました。だから、“MUSIC WORLD”というコンセプトでこの曲が入ったのはすごくうれしいです。

    LEO:俺ら残ったメンバーは家がない組だしね。抜けたメンバーは緩い家庭環境のヤツばっかで腹立つんですよ(笑)。

    CÉSAR:実家が近くて甘えてたっていうかね(笑)。帰る場所があるのは良いなって思ってました。

    LUTHFI:うん、羨ましい(笑)。

    LEO:俺たちは本当帰る場所がないんですよ。実家がないとか、家がむちゃくちゃとか(笑)。俺ら、子どもにはちゃんと帰る場所を作ってあげたいよな。

    CÉSAR:うん。僕はブラジルに行けば日本人として対応されるし、日本で「国帰れ!」って言われたこともありますけど、「日本生まれやねん」って。

    LUTHFI:関西弁だしな(笑)。

    CÉSAR:そう(笑)。日本語しかできないのに、「ここはお前にとってホームじゃない」って言われることの悔しさはすごくありました。

    ■今実際こういうことが起きてるっていうことを事実として書いた

    LEO:でもそれってハーフだけの問題だけでなく、同じ日本人で肌の色も顔立ちも一緒なのに、差別はあったりするじゃないですか。職業や、LGBTQや性別のことにおいても。今はSNSで繋がってると思いきや、孤独が浮き彫りになる時代。そのことも含めて、今回のアルバムでは自分の見てきたもの、見たものをしっかりと形にしようと思いました。でも、思った以上に現実は悲惨だなとも感じていて。「CLIMAX BULLETS」は、ロシア人の友達が「最近親戚が召集された」って言ってて。それで、俺が今戦争に行くとしたらというテーマで歌詞を書きました。街中が弾丸だらけで、やりたいことがあるのに戦場に行かなければいけない…何が恋しいかというと、自分の好きな音楽やネットフリックスとか。ここで書いたことが何年後かにもリアルであってほしくはないんだけど、今実際こういうことが起きてるっていうことを事実として書いた。ただ、日本では音楽にそういうテーマを求めてない人が多いということはわかっていて、でも海外ではそれを書くことが当たり前なので英語で書いてます。自分としては日本のアーティストがそれをやったということが大事だと思っています。

    ──「CLIMAX BULLETS」はサウンドとしてはラテンもありつつ、ロックな感じもあるミックス感が面白いですよね。

    LEO:結構古典的なガレージとイタリアの「ゴッドファーザー 愛のテーマ」みたいな雰囲気と、あとフラメンコも入ってたり。サウンドとしてはやりたかったことのひとつなので大満足ですね。これ、キーボードがいないんだよね。

    CÉSAR:その代わり、ストリングスを作ることに尽力して。それもメンバーが減って自由になった部分が大きいと思います。

    LEO:このボリュームのアルバムを作るうえで、どう引き算して疲れさせないかというのは裏テーマでしたね。どうやって漬物を作るかというか。

    ──最後が「(BUT)WONDERFUL」なのがまたぐっと来ました。

    LEO:これはポーグスのファーストとセカンドの感じを意識しました。アイリッシュなんだけど、いろんなアプローチをしてるんですよね。下手な感じも良いなって思って、俺もなるべく上手にやらずに、ルーズなありのままの感じで歌ったんです。ラッパーを入れようかと思ったんですが、やっぱりひとりで歌いたいなと思って。でも、途中のところだけいつもお願いしているコーラスの女性に歌ってもらって、デュエットみたいな感じになりました。

    ■映画を超えるようなつらいことの多い現実だけど、世界の美しさを肯定したい

    ──この曲はALIなりの人生賛歌になっていると思いました。

    LEO:そうですね。この前に入っている「NEVER SAY GOODBYE」とテーマは似ていて。2曲を並べたときに、映画を超えるようなつらいことの多い現実だけど、世界の美しさを肯定したいという気持ちがありました。だからタイトルに(BUT)が入っているんですけど。

    ■しっかり説得力のあるアルバムができた

    ──血まみれで痛みもあるけど、でも人生は素晴らしいとALIが歌う説得力を感じます。

    LEO:本当音楽って数少ない、そう思わせてくれるものなんですよね。今日この取材に来るときも、吉田美奈子さんの曲を聴いているだけでワクワクして、それが仕事になるって本当に素敵だなって思ってました。いい曲を聴くと、つらかろうがなんだろうが人生がひっくり返るっていうか。今日も音楽に恋してます。楽曲のテーマと生き方が違うっていうところはずっと避けたかったことだったんですが、だんだん矛盾がなくなって、しっかり説得力のあるアルバムができたなと思ってます。音楽好きの年間ベストになってほしいです。例えば、EGO-WRAPPIN’ガバーッて出てきたときの、永久不滅な感じの匂いってありましたよね?どこか似通ったサウンドが多いなか、ああいうものを2023年の日本のアーティストとしてできたんじゃないかと思ってます。例えば、一時間ぐらい車を運転して通勤している地方に住んでいる人とかに寄り添えるような。あと、子育てしていて子どもがわちゃわちゃしてて大変な人が、すごく素敵な世界にいるような感覚になってもらえたり。いろんな人に聴いてもらいたいですね。

    INTERVIEW & TEXT BY 小松香里
    PHOTO BY 大橋祐希


    楽曲リンク


    リリース情報

    2023.1.25 ON SALE
    ALBUM『MUSIC WORLD』

    初回生産限定盤

    完全生産限定LP盤


    ライブ情報

    ALI 1st Album Release Tour -MUSIC WORLD-
    2/12(日) 北海道/cube garden
    2/14(火) 宮城/仙台CLUB JUNK BOX
    2/17(金) 愛知/THE BOTTOM LINE
    2/20(月) 福岡/DRUM Be-1
    2/22(水) 広島/セカンド・クラッチ
    2/23(木祝) 大阪/GORILLA HALL OSAKA
    2/26(日) 東京/EX THEATER ROPPONGI


    プロフィール

    ALI
    アリ/Vo.でリーダーのLEO(写真中央)を中心にした全員ハーフの多国籍バンド。東京/渋谷発。FUNK、SOUL、JAZZ、LATINなどのルーツミュージックをベースにHIPHOP、ROCK、SKAなどをミックスしたクロスオーバーな音楽性で注目を集めている。


    ALI OFFICISL SITE
    https://alienlibertyinternational.com/

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