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2021.12.25

平井堅、二度目の無観客配信ライブは全編モノクロ! コンセプトライブ『Ken’s Bar』をクリスマスイブに開催

■「全然歌っていないので、ちょっと焦ってカラオケボックスに100回くらい……毎日、都内中のカラオケボックスに全部行ったんじゃないかというくらい、自主練をしていました」(平井堅)

平井 堅がトータルプロデュースを務め、自身のライフワークとして1998年から開催しているアコースティック編成のコンセプトライブが、クリスマスイブの夜に配信された。

この『Ken’s Bar 2021 -ONLINE-』は、平井 堅にとって二度目となる無観客の配信ライブ。前回の開催は去年の12月23日、同じくクリスマスのタイミングだったが、今年は新しい試みを取り入れたことで、一年前とは趣を異にする配信ライブとなった。

会場の壁にデコレートされた“Ken’s Bar”の電飾文字と、その手前でゆらゆらと揺れるキャンドルの炎が映し出されて始まった『Ken’s Bar 2021 -ONLINE-』。会場をバーに見立てて行われるライブ、だからとりわけめずらしいシーンというわけではないが、それはモノクロで、しかもこの演出は最後まで続くこととなる。誰も体感したことのない全編モノクロの「Ken’s Bar」は配信ならではの試みであり、意図的に彩りを排除したアイデアは実に斬新なものとしてファンの目に映ったのではないだろうか。

1曲目は「#302」。2019年のシングル曲だが、今年5月に発表された10枚目のオリジナルアルバム『あなたになりたかった』の収録曲でもある。カラオケボックスという密室を舞台にした、ミディアムバラードのラブソングで、アコースティックギターだけをバックに、アレンジは原曲同様シンプルに、そして静かに展開していくものだった。
カメラもシンプルで、正面からのアングルを軸にじっくりと平井 堅の表情を捉え、モノクロならではの陰影が、カラー映像では感じることができない平井 堅のクールさをしっかりと伝えていた。

2曲目は『Ken’s Bar』のお楽しみのひとつであるカバーソングの披露で、アメリカのコーラスグループ、ドリフターズのスタンダード「ラストダンスは私に」。日本では1961年に発表された越路吹雪によるカバーが有名だが、平井 堅が歌ったのはその日本語バージョン。ピアニカだけをバックにしたフレンチポップ風のアレンジで、映像はモノクロだが、歌と演奏でライブが徐々に彩られていくことにふと気づくパフォーマンスでもあった。

すると、「『Ken’s Bar』へようこそ。平井 堅です」と挨拶が始まり、「一年ぶりですけれども、皆さんお元気でしょうか。画面越しでちょっと寂しいけれども」と、まだ無観客は慣れない様子。しかし、「顔は見えども、一人ひとりのハートに届くよう精一杯、100パーセント……それ以上の心を込めて歌いたいと思います」と意気を伝え、さらには「最後まで一所懸命歌います。楽しんでおくれ、画面越しのボーイズ&ガールズ!」と付け加え、そして歌われたのが「鬼になりました」。アルバム「あなたになりたかった」収録曲で、今回のライブで初披露となった平井 堅の最新ナンバーのひとつである。序盤の2曲とは違い、短時間でカメラが切り替わる「動」の映像演出が印象的で、もうひとつ。この曲には心に傷を持った主人公が登場するのだが、続く4曲目の「the flower is you」は大切な君を懸命に励ます歌であり、5曲目の「君の好きなとこ」は恋愛絶頂期のほのぼのとした恋人同士の歌、6曲目の「知らないんでしょ?」はこれまた心に傷を持った主人公が登場する歌。様々なテーマを持った楽曲を、まるでジェットコースターに乗ったかのように次々と楽しむことができるのが平井 堅のライブであり、そしてそれは、平井 堅の作品が持つ大きな魅力でもある。そして二部構成の「Ken’s Bar」のファーストステージは、亡き父について歌った「写真」で感動的に締め括られた。

しばしのブレイクのあと、セカンドステージは会場を俯瞰で捉えた映像で始まった。小さな円形ステージを取り囲むようにバンドメンバーの楽器が配置され、さらにはそれらを取り囲むようにバーカウンター、そしてテーブルが設置されている。有観客の「Ken’s Bar」とはまったく違うレイアウト、これも無観客の配信ライブならではのものと言える。

そのセカンドステージ1曲目は『Ken’s Bar』のテーマソングでもある「half of me」 。2009年にライブで初披露されるも、しばらく音源化されなかったが、2018年にシングルCDでリリースされ、最新アルバム『あなたになりたかった』にも収録された。続いてはカバーで、今度は邦楽。今田耕司の音楽プロジェクト、KOJI1200のヒットナンバー「ナウロマンティック」で、リリースされたのは平井 堅がデビューした1995年のことだった。

セカンドステージに入っても平井 堅は「いまだに慣れないです、この静寂の中でやるのはとっても緊張します、頑張って歌っています」と、無観客配信ライブに対する違和感を語ったが、そこで一年ぶりの開催となったライブ『Ken’s Bar 2021 -ONLINE-』の「準備」についても話してくれた。「全然歌っていないので、ちょっと焦ってカラオケボックスに100回くらい……毎日、都内中のカラオケボックスに全部行ったんじゃないかというくらい自主練をしていました。いつもはお酒を頼みますが、練習なのでホット緑茶を頼んで、すると店員さんがドリンクを持って来てくださるんですが、自分の曲を必死で、汗をかきながら歌っているときに来ることもあって、お互い半笑いで、恥ずかしい思いで練習しました(笑)」

そして再び最新アルバム『あなたになりたかった』収録曲。「僕は他人に執着しない」「執着がないことが虚無感に繋がる」「僕は虚無の状態が多い」「この曲の主人公のように他人に執着することがうらやましいと思いながら書いた曲」と紹介して歌ったのは「ポリエステルの女」。こちらもライブ初披露で、それまで平井 堅と楽器ひとつというシンプルな編成だったが、ここからはベースとパーカッション、続く「K.O.L.」ではさらにエレキギターも加わり、サウンドに厚みが増していった。

厚みだけでなく、変化もあった。「かわいいの妖怪」「KISS OF LIFE」ではエレクトリックピアノも加わった。
こちらも新しい試みで、いつもはアコースティックピアノなので、エレクトリックピアノの音色が新鮮な『Ken’s Bar』のサウンドを演出。
さらには、「KISS OF LIFE」では大量のシャボン玉が放たれ、これが照明のあたり方によっては風に舞う雪のようにも見え、これも配信ライブならではのアイデアだったと言える。

最後に平井 堅は「今年、去年と、あまりテレビに出なくなった、寂しい、という(ファンの)声も耳に入っております。申し訳ない気持ちはあります」と現状の活動状況をふまえたコメントを残した。

平井 堅は、2022年1月17日に50歳を迎えるのだが、「ちょっと立ち止まってみたいなという気持ちがあります。
これから50代、60代になっていく歌手・平井 堅として、どんな歌を歌えばいいのかを模索していくために、
新しい平井 堅に出会えるために技術、感性を磨いて、その歳その歳のいい曲を作ることも大事なのかなと思う今日この頃です」と、今後の音楽活動について語った。「いろんな音楽を聴いて、いろんな美しいものを見て、自分の目と耳と心にたくさん栄養を与えて、また皆さんにお目にかかりたいと思っています」と言うと、2004年発表のアルバム『SENTIMENTALovers』のラストナンバー「センチメンタル」を熱唱し、平井 堅はステージをあとにした。

さて、次に平井 堅がライブを開催するのは、新曲を発表するのはいつになるのだろうか。我々は新しい色に染まった平井 堅を待つしかないのだが、『Ken’s Bar 2021 -ONLINE-』が全編モノクロで配信されたのは、そういう意味が込められていたのかもしれない。

アーカイブ配信期間は12月30日、23時59分まで。

PHOTO BY 上飯坂一

【セットリスト】
Ken’s Bar 2021 -ONLINE-
■ACT1
01.#302
02.ラストダンスは私に
03.鬼になりました
04.the flower is you
05.君の好きなとこ
06.知らないんでしょ?
07.写真

■ACT2
01.half of me
02.ナウロマンティック
03.ポリエスルの女
04.K.O.L
05.かわいいの妖怪
06.KISS OF LIFE
07センチメンタル


リリース情報

2021.05.21 ON SALE
ALBUM『あなたになりたかった』


平井 堅 OFFICIAL Instagram
https://www.instagram.com/hiraiken_official/

平井 堅 OFFICIAL SITE
http://www.kenhirai.net


『あなたになりたかった』