THE F1RST TIMES

NEWS

2022.04.19

にしな、多様な表情を見せた3度目のワンマンライブのレポートが到着

■「この広い宇宙の中を、私たちがどこまでも自由に泳いでいけることを願っています」(にしな)

4月17日、にしながワンマンライブ『虎虎』の東京公演を中野サンプラザで開催した。この日は2021年6月にZepp Tokyoで行われた初ワンマン、4月2日に開催された『虎虎』の大阪公演に続く、にしなにとって3回目のワンマンライブ。回を重ねるごとに着実な成長を続ける彼女の現在地が伝わってくるようなライブだった。

開演時刻を過ぎてまずバンドメンバーがステージに登場し、フィードバックノイズが鳴らされるなかでにしなが姿を現すと、1月に配信リリースされた最新曲「スローモーション」からライブがスタート。ざらついたギターが掻き鳴らされるアグレッシブなナンバーで幕を開け、勢いそのままに「真白」、ウィンドシンセのソロがフュージョン感を演出する「夜になって」と、序盤はバンドメンバーとともにライブの熱気を作り上げていく。

「お越しくださりありがとうございます。にしなです。よろしくお願いします」という挨拶をひと言挟んで、アコギを弾きながら歌い上げるミドルチューン「ダーリン」あたりから、徐々ににしなの伸びやかな歌声が空間を支配し始める。ピンボーカルになっての「centi」では両腕を大きく広げ、「夜間飛行」では軽快なカッティングとともにステップを踏んだりと、自由な体の動きに合わせて歌声の響き方も変わっていく。ギターソロをフィーチャーしたアウトロが終わったあとは、ステージ中央のにしなだけにスポットライトが当たり、弾き語りで「モモ」を披露。活動初期から歌われている大事な曲のメランコリックで優しいメロディをじっくりと歌い、ここでホールの広い空間を掌握したように感じた。

「弾き語りだと呼吸しちゃいけないみたいな緊張感がありました」と一度大きく深呼吸をして、メンバー紹介を挟み、「まだライブであんまりやったことがない曲をやってみようと思います」と紹介されたのは「debbie」。重厚なバンドアンサンブルに引けを取らない歌声を聴かせると、アッパーな4つ打ちの「透明な黒と鉄分のある赤」から再びギアを上げていく。「東京マーブル」ではファンキーなベースラインに乗って、声もステップもますます軽やかになっていき、「ランデブー」では中盤の早口パートをばっちり決めたりと、このあたりはまだ3回目のワンマンライブとは思えない余裕も感じさせた。

4月20日に配信リリースされることが発表された新曲の「FRIDAY KIDS CHINA TOWN」は、にしないわく「頭の中を覗きこんだら、どんどん渦の中に落ちて行くような、そんな曲」。ダンサブルなビートと“れいらられいらられいらら GIVE ME A DANCE!”という歌詞の組み合わせがユニークな、遊び心を感じさせるナンバーで、今後ライブの定番曲になっていきそう。TikTokのダンス動画も人気の「ケダモノのフレンズ」では場内がクラップに包まれ、「U+」では推進力のあるリズムに背中を押されるようににしながステージ前方に出ていき、オーディエンスと近い距離で歌う。さらに、間奏でバックに雄大な星空が浮かび上がることによって、にしなの音楽が持つスケールの大きさを印象付けた。

「ワンマンをやることが決まってから、ずっと頭の中がライブのことでいっぱいだったんですけど、始まっちゃったら本当に一瞬で、あと2曲になりました」と話し、現在のにしなの代表曲「ヘビースモーク」を情感たっぷりに歌い上げると、本編ラストに披露されたのは「ワンルーム」。静謐なピアノのイントロから始まり、フォーキーな曲調のなかでモノローグも交えながら切ない別れを描く、にしなの原点を感じさせるような名演だった。

アンコールではニューアルバム『1999』を7月にリリースすることが伝えられ、フロアから盛大な拍手が起こると、「音楽をやっていくなかで、自分の分岐点に書いた曲」という「青藍遊泳」を披露。この曲は初ワンマンでもアンコールで演奏された大事な曲で、そのときと同じように「この広い宇宙の中を、私たちがどこまでも自由に泳いでいけることを願っています」と語り、青藍の照明のなか、“ただ 必死になって 泳いでいく”と自分に言い聞かせるように歌う姿が実に感動的だった。ラストはもう一度エレキギターを手にして、エイトビートのロックナンバー「アイニコイ」で締め括り。今後は各地の春フェスやイベント出演を控え、この稀有な歌声がより多くの人に直接届けられることが非常に楽しみだ。

<セットリスト>
1.スローモーション
2.真白
3.夜になって
4.ダーリン
5.centi
6.夜間飛行
7.モモ
8.debbie
9.透明な黒と鉄分のある赤
10.東京マーブル
11.ランデブー
12.FRIDAY KIDS CHINA TOWN
13.ケダモノのフレンズ
14.U+
15.ヘビースモーク
16.ワンルーム
EN1. 青藍遊泳
EN2. アイニコイ

TEXT BY 金子厚武
PHOTO BY Kana Tarumi


リリース情報

2022.04.20 ON SALE
DIGITAL SINGLE「FRIDAY KIDS CHINA TOWN」

2022.07.27 ON SALE
ALBUM『1999』


セットリストプレイリスト
https://nishina.lnk.to/toratora_setlist

にしな OFFICIAL SITE
https://nishina247.jp/