■「CGと合成を使う現場らしさを感じています。人間がポップにやらないと、CGに追いつけない」(二宮和也)
8月11日に公開される、二宮和也が主演を務める映画『TANG タング』より、撮影現場レポートとメイキングカットが解禁された。
映画『TANG タング』は、ゲーム三昧で妻に捨てられたダメ男・健(二宮)と記憶をなくした迷子のロボット、タングが大冒険を繰り広げ、その旅路での出会いを通して、健とタングが成長し、絆を育んでいく様子を描く物語。
共演には、満島ひかり、市川実日子、小手伸也、奈緒、京本大我(SixTONES)、かまいたち(山内健司、濱家隆一)そして、武田鉄矢といった超豪華なキャスト陣が集結。撮影は2021年3月から5月にかけて行われた。
■撮影初日からチームワークは抜群!
主人公・健を演じる二宮和也と、その妻・絵美を演じる満島ひかりのクランクインとなった、2021年3月26日。都内にある洋館風のハウススタジオで、この日撮影されたのは、華やかなホームパーティのシーン。室内には色とりどりの花やバルーンが飾られ、テーブルの上には丸寿司やブルスケッタ、生ハムサラダなど豪勢な料理が並ぶ。
ドレスやスーツに身を包んだエキストラたちが揃ったところで、三木孝浩監督がシーンの説明を開始。「テーブルに沿って一列になり過ぎなので、もう少しばらけて自然な形にしましょう」など、丁寧かつ的確に指示を出していく。スタッフと歓談しながらその様子を眺めている二宮。『TANG タング』の作品性を表すような穏やかな空気が早くも流れており、そこに満島ひかりと、健の姉・桜子役の市川実日子が登場するとさらに場が華やぐ。
室内で10数名がそれぞれ動くシーンのため、グラスを持つ/持たないといったことから、細かなセリフのニュアンスまで、三木監督と入念に確認する満島と市川。だがふたりとも、真剣ななかにも笑顔を絶やすことはない。待ち時間中も二宮・満島・市川で談笑するなど、チームワークは早くも抜群だ。
順調に撮影が進んでいくなか、このシーンのハイライトといえる瞬間が訪れる。それは、絵美が開けたシャンパンのコルクが大きく弧を描いて飛んでいき、最後尾にいた健がキャッチするシーン。実際にはコルクを正確に飛ばすのは難しいため、そう「見せる」ために長テーブルやエキストラの面々を挟んだ満島と二宮がタイミングを合わせないといけない場面だったが、二宮の「飛んできたコルクをキャッチする」演技の上手さにより、こちらもスムーズに撮影完了。実際にコルクは飛んでいないにもかかわらず、そうとしか見えない流石の表現力と瞬発力を見せつけた。
初日を振り返った二宮は「ここからどうなっていくか想像がつかない。タングとの会話も実際にはひとりで演じますからね」と気を引き締めつつ「ロボットとの共演に縛られ過ぎず、いい芝居を優先したい」と語っていた。
■つねに自然体な二宮の存在が難しい撮影を要する現場を穏やかな雰囲気に
2021年4月2日、健とタングの出会いのシーンが千葉県内の牧場で撮影された。広大な牧草地を有し、その一角には立派な1本の木がそびえ立つエリアがあり、その幹に寄りかかるタングを健が見つけたことから、ふたりの大冒険が始まることになる。
ぼたん桜が満開に咲き乱れる陽気のなか、この出会いのシーンは陽が落ちるまでに撮りきらなければならない全編ロケ撮影。早朝から各スタッフが準備に奔走し、段取り開始は朝一で開始。加えて今回はタングを自在に動かすため、大掛かりなCG処理が必須となるため、撮影自体も特殊な工程を踏む必要があり、撮影前からかなりの試行錯誤が予想された現場と言えるが、現場にはピリピリした空気はなく、和やかな中にも心地よい集中力が流れていた。
その中心にいる二宮もまた、つねに自然体。三木監督から出された、健の一つひとつの動作や、その時々の心情についての細かいリクエストを二宮は即座に理解し、疑問があればすぐ確認するなど柔軟に対応していた。加えて、初対面となるタングを前に冗談を飛ばすなど、さりげなく“抜き”の時間を作り、現場の空気を穏やかにキープしていた。
その二宮が演じる健の相棒・タングの撮影にはいくつかの過程を踏む必要があった。ポンコツロボットという設定を具現化すべく、ボディのあちこちをさび付かせたほか、傷み具合のディテールにもこだわりが光るタング本体を、実際に現場に置いて撮影をする工程。タング本体は取扱注意の一点物のため、手足や首を動かすシーンにおいては、専門のスタッフが黒子的にタングを動かし、二宮と演技を合わせていく。さらに、シーンによっては腕だけのパーツなどを使って撮影が行われた。
そこから、細部まで作り込んだ「本番用」と「簡易版」を使い分け、さらには合成あり/なし、実景のみ等々、ひとつのシーンにおいても無数に撮影が生じることになった。それに合わせて二宮は同じシーンを何度も繰り返さねばならない状況だったが、集中力は一切途切れず、つねにフレッシュな演技を披露していた。
撮影の合間に、二宮は「CGと合成を使う現場らしさを感じています」と語りつつ、「人間がポップにやらないと、CGに追いつけない」と完成形を見据えた演技のこだわりを明かした。
■撮影最終日まで二宮とともに走り抜けた現場。「タングと一緒に成長できた」
5月10日、主演の二宮がクランクアップを迎えた。旅の最終地点、海岸線が一望できる岬。波の音が間近に聞こえる絶好のロケーションで、物語の終盤に用意された健とタングの絆が光るエモーショナルなシーンが撮影された。二宮にとってはこの日がクランクアップ日だが、全体の撮影スケジュール自体も、実景の撮影以外は本日で終了。初日から最終日まで、二宮と共に走り抜けた作品となった。
二宮は最終日も気負うことなく的確な演技を披露し続け、トラブルもなく完走。クランクアップを迎えた際には「本当にうれしいです」と充実感をにじませつつ、「誰ひとり新型コロナウイルスの感染者が出なかった。これは我々の映画への愛情です」と感染対策を徹底して撮影を行ったスタッフ・キャストを労う。その言葉に聞き入っていた三木監督は、「みんなが手探りだったけど、考え抜いてタングと一緒に成長できた」とコメントを残している。健とタングが紡いだ心温まる感動の物語は、観る者に何事も【きっと大丈夫】と思わせてくれるだろう。
記憶をなくしたロボットとポンコツな大人の大冒険が日本中を笑顔と感動と温かな涙で包み込む映画『TANG タング』の公開に期待が高まる。
映画情報
『TANG タング』
8月11日(木・祝)全国ロードショー
出演:二宮和也
満島ひかり/市川実日子
小手伸也 奈緒 京本大我(SixTONES)
山内健司・濱家隆一(かまいたち) 野間口徹 利重剛 景井ひな / 武田鉄矢
原作:『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(デボラ・インストール 作 松原葉子 訳 小学館文庫)
監督:三木孝浩
脚本:金子ありさ
配給:ワーナー・ブラザース映画
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映画『TANG タング』公式サイト
tang-movie.jp