■主題歌特別映像では、“信じる”ことの難しさ、それでも誰かを信じたいという、かすかな希望を描き出す
映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(公開中)より、キタニタツヤによる主題歌「なくしもの」に乗せて構成された主題歌特別映像が解禁となった。
解禁された主題歌特別映像では、綾野剛演じる“殺人教師”と呼ばれ、世間の断罪に晒されていく男・ 薮下誠一の視点を通して、“信じる”ことの難しさ、そしてそれでも誰かを信じたいという、かすかな希望が描き出される。
教師としての穏やかな日常は、柴咲コウ演じる氷室律子による告発をきっかけに一変。報道と世論に追い詰められ、声を上げても誰にも届かず、気づけば薮下は追い詰められていた―。
それでも、彼のそばには妻・希美の姿があった。「離婚しようか」と呟く薮下に、「私はあなたの味方だから」と真っ直ぐに、力強く返す希美。そして、薮下の依頼を引き受ける弁護士・湯上谷。本映像は、崩壊していく日常のなかでの耐え難い孤独と、そこに差し込む信頼と一筋の光を、主題歌「なくしもの」とともに静かに、丁寧に映し出していく。
“大事なものを抱えて歩いてきたのに、気づけば空っぽだったなくしものを、あなたと見つけられますように” という歌詞が表すように、薮下の置かれた姿と重なっていく。
映像後半では、家族との穏やかな時間や、教壇に立ち子どもたちと向き合う姿が回想される一方で、社会の怒号とメディアの糾弾が容赦なく薮下に襲いかかっていく。絶望のなかでもがきながら、それでもなお前を向こうとする薮下。この特別映像が映し出すのは、誰かひとりの善悪を裁く物語ではなく、立場の数だけ存在する“それぞれの真実“のひとつである。
「なくしもの」が静かに寄り添うこの映像は、失ったものは決してすべては元に戻らない非情な現実を生きるゆえに、信じ抜く力やもう一度「信じてみたい」と願う気持ちを浮き彫りにして、観る者の胸そっと呼び起こしてくれる感動的な内容となっている。
併せて解禁された場面写真には、薮下の平穏そうな日常や、彼を支える人々の姿が静かに映し出されている。
児童たちに優しく声をかけながら、柔らかな笑顔で体育の授業にあたる薮下の姿は、教師として子どもたちに寄り添う一面を切り取ったもの。また、リビングで妻・希美と談笑する、穏やかなひとときをとらえた写真からは、ふたりの間に流れる温かな空気が伝わってくる。
さらに、薮下のために奔走する弁護士・湯上谷が、病院で関係者に穏やかに語りかける場面も収められている。
“信じること”の意味が問われるこの物語において、これらの写真は、薮下の人生に確かに存在していた「日常」と「つながり」を、私たちに感じさせてくれる。
映画情報
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
絶賛上映中
出演:綾野剛 柴咲コウ
亀梨和也 / 大倉孝二 小澤征悦 高嶋政宏(「高」は、はしごだかが正式表記) 迫田孝也
安藤玉恵 美村里江 峯村リエ 東野絢香 飯田基祐 三浦綺羅
木村文乃 光石研 北村一輝 / 小林薫
監督:三池崇史
原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
脚本:森ハヤシ
主題歌:キタニタツヤ「なくしもの」
製作幹事・配給:東映
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』作品サイト
https://www.detchiagemovie.jp/
キタニタツヤ OFFICIAL SITE
https://tatsuyakitani.com/



