上白石萌音が、映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)の主題歌「奇跡のようなこと」を担当することが決定。併せて本予告映像と本ビジュアルが解禁された。
■【動画】『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』本予告映像
■観る者の感情を揺さぶる戦火の友情物語
映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』は太平洋戦争において、日本の戦局が悪化していた昭和19年9月15日から始まった「ペリリュー島の戦い」と、終戦を知らず2年間潜伏し、最後まで生き残った兵士たちを描いたアニメ作品。原作は、かわいらしいタッチでありながら戦争が日常であるという狂気を圧倒的なリアリティで描き、各界のクリエーターが絶賛した武田一義による同名漫画。
心優しい漫画家志望の主人公・田丸均を板垣李光人、田丸の頼れる相棒・吉敷佳助を中村倫也が演じる。
南国の美しい島で相次ぐ戦闘、飢えや渇き、伝染病――。家族を想い、故郷を想いながら、若き兵士が次々と命を落としていく。そんな壮絶な世界で自決も許されない持久戦、1万人中最後まで生き残ったのはわずか34人だった地獄のような戦場、ペリリュー島で若者たちは何を想い、生きたのか。観る者の感情を揺さぶる戦火の友情物語が、終戦80年の冬に公開される。
■仲間たちとの絆と苛烈な戦いが90秒に凝縮された予告映像
解禁された本予告は、板垣李光人演じる主人公・田丸と中村倫也演じる吉敷の戦火の絆と、楽園のような島での苛烈な戦いが90秒に凝縮された内容。「君は…生きてこの島から帰れると思っているのかい?」――優しい絵柄と、かわいらしい三頭身のキャラクターから発される残酷な台詞で映像の幕を開ける太平洋戦争末期、田丸は故郷から遠く離れた島、ペリリュー島で仲間の最期を「勇姿」として手紙に書き記し、家族に届ける「功績係」に任命される。
映像はペリリュー島の美しい自然を描きながら、「楽園が、地獄に変わる」のひと言と、落下する爆弾のカットを境に突如としてその様相を一変させる。鮮やかな緑の色彩は血と硝煙にまみれた物々しい色調へとシフト。まるで1944年のパラオ・ペリリュー島の激戦の中に踏み込んだかのような銃撃戦の音が鳴り響く。互いを憎み合う兵士たちの声、防ぎようのないほど降り注ぐ弾丸。かわいらしいタッチのキャラクターが、生と死の境界で必死にもがき、倒れていく姿は、観る者の心臓を鷲掴みにするような衝撃を与える。
そしてそんな極限の戦場においてこそ、田丸と吉敷の間には、強い友情が芽生える。「共に生きて帰る」ことを信条に、ふたりは互いに手を取り合い、過酷な世界を助け合いながら生き抜こうとする。映像の後半にはふたりがシャボン玉をしたり、仲間と談笑したりなど、戦火の中で見つけた小さな日常と、仲間たちの絆が暖かく映し出される。
交戦した米兵が倒れ際にこぼした「ママ…」という最期の言葉に、「ママって、お母さん…?」と田丸が驚愕するシーンや、田丸の両親が戦場へ赴く息子を心配そうな顔で見送る追憶のシーンは、戦場にいる誰もが故郷と愛する人の元へ帰りたかったという、普遍的な願いを示唆している。
■観客と映画の重要な橋渡しとなる、上白石萌音による主題歌「奇跡のようなこと」
そして、クライマックスを飾るのは、女優だけでなく歌手としても活躍する上白石萌音が担当する主題歌「奇跡のようなこと」。吉敷の「死ぬわけにはいかねーな!」という強い決意の声のあとに、彼女の透明で優しい歌声が響きわたる。
上白石の歌声や歌詞が持つ包み込むような優しさは、物語の核心である「生きることへの尊さ」と「生き残る約束が結んだ友情」と共鳴する。
「奇跡のようなこと」の作曲を務めたのはKazuyo Suzuki。穏やかながらも芯の強さを感じさせるメロディラインが、作品に込められた想いを聴く人の心に訴えかける。
作詞は「小さな恋のうた」で知られるMONGOL800のキヨサクが担当。愛が故の命があるということ、そしてその中でのふとした日常の風景を切り取ったダイレクトかつ優しい詞は、現代にいる私たちにも生きていることの尊さを示してくれる。
作品の世界観を広げ、観客が物語をより個人的な感情として捉え、深く共感するための重要な橋渡しとなる主題歌「奇跡のようなこと」。作品に静かに寄り添う上白石萌音の歌声は、兵士たちの想いが重なる複雑で重層的な物語を優しく、そして力強く包み込み、観客の心に深い余韻と感動を残す。
■上白石萌音 コメント
戦後80年の最後に、主題歌と共にこの作品をみなさまにお届けできることをとても嬉しく思います。
Kazuyo Suzukiさん(作曲)とMONGOL800のキヨサクさん(作詞)による楽曲を聞くだけで島の風や波、そして今に繋がるバトンのようなものも感じられ、映画のその後にも思いを馳せながら大切に歌いました。
お話をいただいてから原作を一気に読みました。キャラクター達がとても身近に感じられて、単なる歴史ではなく、私たちと同じ一人一人の人間の物語が描かれていました。映画で初めてこの作品に出会う方も田丸くんと吉敷くんのことが大好きになると思います。この二人に板垣李光人さん、中村倫也さんの声や、息や、魂が注ぎ込まれると思うと、とても楽しみです。原作で田丸くんが「よく見て、考える」という言葉を何度も自分に言い聞かせるように使うのですが、私はその言葉が大好きです。田丸くんのように、世の中や、歴史や未来をよく見て考える、そのきっかけや一助に、この作品がなることを願っています。
繋ぐ、という意味合いが強い作品だと思っているので、映画をご覧になられた方と、一緒にこれからを繋いでいけたら嬉しいです。
■主人公・田丸均役:板垣李光人 コメント
なんて優しいんだろうと。
この楽曲を初めて聴いたとき、色々なものが胸に沁み入りました。
田丸や吉敷、あの島で戦った全ての人々とその帰りを待つ人々、みんなの想いやペリリュー島の情景。
詩とメロディでそれらを丁寧に紡いでくださったことに感謝したいです。
そしてなによりその世界を届けてくださる上白石萌音さんの、優しく喉元から心がじんわりと暖かくなるような歌声。
田丸としても、救われたような気持ちになりました。
この楽曲が劇場に響き渡るのを感じること、自分自身もとても楽しみにしています。
素晴らしい主題歌を本当にありがとうございます。
■【画像】戦場の現実をストレートに伝える『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』本ビジュアル
併せて到着した本ビジュアルは、ティザービジュアルの穏やかな雰囲気から一変、戦争の過酷さを色濃く示している。
背中合わせに笑い合っていた田丸と吉敷は、戦火の中で険しい表情を浮かべ、肩を支え合う。足元には仲間の遺体がいくつも転がり、周りを見わたせば美しい夕焼けのなか、敵の戦車や戦闘機が映り、ティザービジュアルでは登場しなかった、重要な役割を果たす田丸と吉敷の仲間の姿も見ることができる。激しい戦争の風景のなかで、彼らの表情と支え合う絆が、観る者に強いメッセージを投げかける。
■映画情報
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』
12月5日(金)全国公開
出演:板垣李光人 中村倫也
天野宏郷 藤井雄太 茂木たかまさ 三上瑛士
監督:久慈悟郎 脚本:西村ジュンジ・武田一義
原作:武田一義「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」(白泉社・ヤングアニマルコミックス)
主題歌:上白石萌音「奇跡のようなこと」(UNIVERSAL MUSIC / Polydor Records)
配給:東映
(C)武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会
■関連リンク
『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』作品サイト
https://peleliu-movie.jp/
上白石萌音 OFFICIAL SITE
https://kamishiraishimone.com/

