THE F1RST TIMES

REPORT

2022.06.29

SEVENTEEN 2年4ヵ月ぶりのワールドツアー。葛藤を経て、ステージに立つ13人「僕たちならできるよ!」

TEXT BY 真野 彩
PHOTO BY (C)PLEDIS Entertainment

■6月25日開催の『SEVENTEEN 2022 WORLD TOUR [BE THE SUN]』初日をレポート

最新アルバム『Face the Sun』が韓国で初週売り上げ206万枚を突破、日本国内盤でもオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得したSEVENTEENが6月25日、ソウル・高尺スカイドームにて『SEVENTEEN 2022 WORLD TOUR [BE THE SUN]』をスタートさせた。

2年4ヵ月ぶり、SEVENTEENにとっては3度目となるワールドツアー。全世界へオンライン同時配信された、興奮のツアー初日をレポートする。

フラッシュするライトの中に13の姿が浮かび上がると、会場は歓声に包まれる。始まったのは今回のアルバムの『Face the Sun』のタイトル曲「HOT」だ。

強烈な振り付けでCARAT(SEVENTEENのファンの総称)の空気も一気に熱くなる。黒に金の装飾が施された衣装のメンバーの頭上には、赤く実際の炎に包まれる太陽のモニュメントが。“BE THE SUN”というツアータイトルにふさわしく、まさに太陽のように輝くSEVENTEENが地上に降り立った、そんな印象を持った。

この日、たびたび登場した八百屋舞台(傾斜がついた舞台)でパフォーマンスした「March」に続き、レーザーでターゲットマークが浮かび上がり「HIT」へ。炎が次々に上がる迫力あるステージ、オープニングからフルスロットルで気迫に満ちていた。

■有観客開催で喜びのあまりに自己紹介が…

HOSHIの「CARAT! 本当に久しぶり! 元気でしたか? 会いたかったよ」から始まったMC。「久しぶりに叫べて楽しめるライブでお会いできましたね」とDKは喜びを滲ませ、彼らにとっても待望のオフラインコンサートだったのだと実感する。

さらに、久しぶりのステージでいつも以上にテンションの高いメンバーが、一人ひとりにツッコミを入れていくため、なかなか先に進まない自己紹介では、最後のMINGYUが「自己紹介を30分も待っていたMINGYUです」とコメントするほど(笑)。パフォーマンス時の迫力に満ちたカッコ良いSEVENTEENから急に隣の面白いお兄さんに切り替わる、このギャップに虜となったCARATも多いのではないだろうか。

また、事前に肘の故障が伝えられていたJEONHANは、腕をつるためのサポーターを付けての登場。「僕のこと見たら悲しいですか? 『せーの!』って言ったらどれくらい悲しいか声に出してみましょう!」と少しでもCARATの気持ちが和らぐようにと軽快なやりとりで会場を和ませていたのもJEONHANらしい。

JEONHAN

彼らのコンサートでお馴染みの、トークから曲に戻る際のファンと一緒に行う振り付けでは「SEVENTEEN、CARAT(拍手)、BE THE SUN(腕で太陽のように丸を作る)」というJOSHUA考案の振りをファンにレクチャー。コンサートを通して、“CARATと共に作る”という意識が随所に感じられた。

パフォーマンスする喜びが表情にも出ていた「Rock with you」、センターステージで盛り上がった「BOOMBOOM」。他のメンバーたちが幕の向こうに消えていく中、残ったJOSHUAとVERNONが英語曲「2 MINUS 1」をマイクスタンドで歌い上げる。

■各メンバーの個性が際立つ、チームパート

チームに分かれて、それぞれのパフォーマンスを行うパートでは、透け感のある白い衣装でJUN、HOSHI、THE 8、DINOのパフォーマンスチームが最初に登場。雨粒が流れるような幕の向こうで踊る「MOONWALKER」では、メンバー同士が体を寄せたコンビネーションを見せる。そしてコンサートでは初の披露となった「Wave」。7年目の彼らだからできる、緩急の効いたダンスパフォーマンスだ。

次に夜を思わせるシックな紺系の衣装でまとめたJEONGHAN、JOSHUA、WOOZI、DK、SEUNGKWANのボーカルチームは、「Come to Me」を披露。“僕にとって君は深い森の木”という歌詞に合わせ、背景には大きな木が映し出された。「Imperfect love」ではファンの歌声に感極まった表情をのぞかせる場面も。

最後のチーム分けは、クールな黒の衣装に身を包んだラップチーム・S.COUPS、WONWOO、MINGYU、VERNON。かわいいとカッコ良い表情がくるくると変化する「GAM3 BO1」、多数のダンサーも共に踊った「Back it up」では、ドームを巨大クラブ空間にした。

今回、すべてのVCRに出てきた“エレベーター”。7周年を迎えた彼らとリンクするように、ボタンの数字は7まで。ひとつだけ数字のないボタンは、彼らがこれから積み重ねる年月を示しているのだろう。

そのボタンを押し、たどり着いた荒野では、エレベーターが木で作られたセットであるところが映し出される。これまでは準備されたセットの中にいたが、これからは、自分たちの手であらたなSEVENTEENを作っていく、そんな決意を感じさせるようなVCRだった。

赤い衣装に着替え、再びグループ全員でパフォーマンス。

CARATおなじみのライブを盛り上げる曲が続いた。コミカルな仕かけが満載の「Mansae」「Left & Right」、そしていつもはアンコールで披露される「VERY NICE」。「全員立って! みんな楽しんで!」と言葉をかけながら、メンバー同士も楽しくふざけ合う。

13人の影がスクリーンに浮かび上がり始まった「Shadow」は、なんと振り付けが公演前日に完成したという。そして強いビートで告白するドキドキ感を表す「Ready to love」。

続く「24H」は、セクシーな振り付け、シンプルな音の中で歌声が光る。途中でひとりを中心に残りの12人が周りを取り囲み、中央のメンバーが入れ替わりながらそれぞれの歌やダンスの見せ場を披露する部分がある。このシーンにひとりずつが埋もれることなく個性を発揮するSEVENTEENというグループの真髄を見た気がした。

メンバーがここまでのパフォーマンスを振り返るなか、観客にウェーブをお願いすると、光の波が左右に会場の奥から手前にと動いた。その様子に、口々に「きれい」「すごいな」と、ファンとオフラインで交流する時間を噛み締めた。

再び燃える太陽が頭上に輝き、「Crush」をパフォーマンス。観客席をまっすぐ眺める13人が太陽そのものになったように赤い画面の向こうへと消え、本編終了。

■アンコールではトロッコに乗って、CARATの近くへ

「Darl+ing」で始まったアンコールでは、トロッコに分乗。目の前のファンにしっかり目を合わせながら会場を回る。「Heaven’s Cloud」では、CARATの歌声にイヤモニを外してメンバーが聴き入り、目を潤ませていた。

「再契約もあって13人でオンラインコンサートができるかなって心配だったけど、できました!」というリーダーのS.COUPSの言葉は、そんな絆で結ばれた相手(CARAT)にだからこそ、このコンサートに向けて様々な悩みを乗り越えてきたことを吐露できたのだろう。

SEUNGKWANが「僕たちならできるよ!」、DINOも「僕たちはSEVENTEENだから!」と続いたのはなんとも頼もしい瞬間だった。

特に筆者の心に残ったのはTHE 8の「オープニングのHITの時に泣きそうでした。ステージをしていて力を出し切って、(それを)大変だと思わずにステージをしている瞬間、これが青春だと思いました。(中略)メンバーもすごく踊っていて、CARATも喜んでくれて、情熱を分かち合っている時間が人生最高の時間でした」というコメントだ。その姿を見ている瞬間、ファンにとっても最高の時間になったに違いない。

会場を埋めるファンを愛おしそうに見ながら歌った「Our Dawn Is Hotter Than Day」、ステージをフルに使って盛り上げる「Snap Shoot」。

アンコールのラスト曲は「『VERY NICE』はもうないよ。さっきセトリに入れといたから」という前振りからの本日2度目の「VERY NICE」。初日からこんなに大丈夫だろうか? と心配になるくらい繰り返される“アジュナイス!”のかけ声に、観客はジャンプと歓声で答えた。

K-POP界を牽引する存在になっても、これまでのようにファンとの時間を楽しみ、最後まで楽しさで会場を、そしてオンラインで見ているファンも笑顔にしたSEVENTEEN。

韓国では7年目に契約更新を迎えることが多く、そこが大きな分岐点となるグループが多いが、彼らはメンバー全員が事務所との再契約を結び、共に進んでいくことを確認したという。大きな節目を乗り越え、SEVENTEENはこのツアーを通して、より“BE THE SUN”、人々の心を力強く照らす太陽のような存在になっていくだろう。そう確信させる情熱に満ちた4時間近いステージだった。

このワールドツアーは、欧米・アジアの公演を経て11月に大阪・東京、12月に名古屋で開催される予定だ。日本のファンの前に立つ彼らがこの初日のパフォーマンスからさらにどんな進化を遂げているのか、今から楽しみである。