■「君津ベイベー!」(宮本浩次)
宮本浩次、小林武史らが『百年後芸術祭』スペシャルライブ「dawnsong」に出演した。
市原市、⽊更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の『千葉県誕⽣150周年記念事業百年後芸術祭 〜環境と欲望〜 内房総アートフェス』(略称:『百年後芸術祭 -内房総アートフェス-』)。5⽉4⽇・5⽇の2⽇間にわたり、⾳楽を主とする「LIVE ART」にて、“通底縁劇・通底⾳劇”と題された⼩林武史プロデュースのスペシャルライブのひとつである「dawnsong」が、君津市⺠⽂化ホールにて開催された。
“通底縁劇・通底⾳劇”の通底という⾔葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージ。
この通底という⾔葉には、歴史的な要因による戦争、⾃然災害による物理的な分断など、表⾯的には様々な分断が絶えないように⾒える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いが込められている。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している。
この通底を根底とした“通底縁劇・通底⾳劇”を表現する形として、⼩林武史プロデュースによる複数のスペシャルライブが開催。
このたび開催された「dawnsong」は、宮本浩次/落花⽣ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉⼦)/dance:浅沼圭/⼩林武史(Key)/⽟⽥豊夢(Dr)/須藤優(Ba)/名越由貴夫(Gu)/ミニマルエンジン(四家卯⼤Vc、⽵内理恵Sax)のパフォーマンスと⾳楽が融合した、まったく新しいLIVEパフォーマンスが披露された。
【ライブレポート】
オープニングでは、“通底縁劇・通底⾳劇”とは何かを問いかけるセリフに合わせ、ダンサーの浅沼圭が布を纏い、コンテンポラリーダンスを披露し、世界観を表現。続いて舞台両端から落花⽣ズが加わり、透き通った伸びやかな歌声で会場を魅了した。
⼩林武史のキーボードが鳴り響き、スポットライトから宮本浩次が登場。「エヴリバディ!!」の掛け声とともに、観客から⼤きな拍⼿があがる。
⾃⾝のカバーアルバム『ROMANCE』収録楽曲「⾚いスイートピー」「⽊綿のハンカチーフ」「あなた」など数々の名曲を⼒強く歌唱し、会場の熱気を⾼めていった。華やかなライトで煌びやかな演出の「東京ブギウギ」「恋のフーガ」では観客もノリノリで⼿を叩き、⼀体感が⽣まれる。
さらに、曲間で「君津ベイベー!」と叫ぶと、盛り上がりが⼀気にヒートアップ。「ロマンス」では、ステージを縦横無尽に動き回りながら、宮本らしい激しいパフォーマンスを披露。その後は⾊気たっぷりに「飾りじゃないのよ涙は」「異邦⼈」を歌い、お客さん⼀⼈ひとりに思いを届けた。
「君津に来ることができて幸せです。こんなに盛り上がって最⾼の⼀⽇です」とコメントし、⼒の限り全⾝全霊で歌を届ける姿に、涙を流す観客も。
クライマックスでは、エレファントカシマシの代表曲「悲しみの果て」を披露し、宮本⾃⾝もボルテージが上がり会場の観客は総⽴ちに。続けてカバー曲「Woman“Wの悲劇”より」やオリジナル楽曲「夜明けのうた」を歌い上げ、アンコールには「冬の花」を熱唱。ステージからの拍⼿喝采に包まれながら、⼩林武史と熱い握⼿を交わし、⾼揚感のまま全24曲約2時間にわたるステージを締めくくった。
なお、同⽇には君津市⺠⽂化ホール内で、地域の⾷の魅⼒が集う「ENNICHIBA(エンニチバ)」も開催。4⽇は10店舗、5⽇は11店舗の屋台が出店し、ライブを楽しみながら、多様な千葉の⾷材を味わう多くの来場者で賑わった。
市原市、⽊更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で5⽉26⽇まで開催中の『百年後芸術祭 -内
房総アートフェス-』は、気鋭の現代アート作家を国内外から約80組招聘し、5市の各所で、アート作品を展⽰。市原市においては、⽜久商店街や市原湖畔美術館、旧⾥⾒⼩学校などの各拠点に約60作品展開している。⽊更津、君津、袖ケ浦、富津の各市でも様々なアーティストの作品を楽しむことができる。
出展アーティストは、梅⽥哲也、⼩⾕元彦、SIDECORE、さわひらき、島袋道浩、名和晃平、保良雄、ディン・Q・レ他。絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、様々な⼿法を⽤いて表現される作品たちにも注⽬だ。
PHOTO BY 岩澤高雄
スペシャルライブの詳細はこちら
https://100nengo-art-fes.jp/event/通底縁劇・通底音劇/
『百年後芸術祭-内房総アートフェス-』公式サイト
https://100nengo-art-fes.jp/