■「(miletは)涙の魔術師なんでね。涙をめちゃめちゃ引き出してくる音楽をするんですよね」(中島健人)、「いろいろなことを思い出しながらこの場に立って、エモーショナルな気持ちになりました」(milet)
映画『知らないカノジョ』公開直前トーク&スペシャルライブイベントが2月20日、東京・武蔵大学 江古田キャンパスで行われ、主演の中島健人、ヒロインのmiletが出席した。
本作は大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した神林リク(中島)と前園ミナミ(milet)。それから8年、小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。すべてがうまくいっている、そう思っていたリクだったが、喧嘩をしたある日の翌朝、ふたりが出会わなかった世界が始まった、というストーリーが展開されるファンタジックラブストーリー。
本作の実際のロケ地である同大学。イベントの会場となった大学はリクとミナミが出会うきっかけの場所、そして、ミナミが劇中ライブを行う会場としても登場する。まずmiletが講堂のステージに登壇し、主題歌でもあり劇中でも歌唱する「I still」をスペシャルバージョンで披露。本編を観たばかりの観客は感動の涙を流しながら聴き入っていた。ライブ後は会場から温かな拍手がしばらく鳴りやまなかった。
そしてmlietが「神林リク役の主演・中島健人さんです!」と呼び込むと、観客には内緒で会場内に潜入し、一般席に座っていた中島健人が立ち上がり観客からは大歓声が。
そのままステージに登壇した中島は感想を求められると「映画の撮影当時を思い出して、心がグッとなりました。自分のあのときの感動と、今の感動が重なって、今しか感じられない音楽というか、すてきな時間が流れていました」と目を輝かせた。
同所で歌唱した感想を求められたmiletは「待機部屋にいた瞬間から、いつものライブとは全然違う気持ちになりましてドキドキしました。ここはリクとミナミが出会う場所でもあったので、ここに戻ってくることができてとにかくうれしかったです。今日の楽屋も大学の一室だったんですけど、撮影当時も大学の部屋が楽屋だったので、いろいろなことを思い出しながらこの場に立って、エモーショナルな気持ちになりました。miletとしてミナミの曲を歌うという(映画とは)逆バージョンを体感している感じがしました」と感慨深げに語った。
加えて、中島は「miletさんが伝える音楽って、そこはかとない気持ちがちゃんと込められているというか、ステージのうえから生身の体ひとつで、そのときだけにしか流れない音楽をしっかりと体現される方なので、僕は客席にいてmiletさんの音楽の温度をちゃんと感じられたのがうれしかったし、この映画に出会わなければ、きっとこの瞬間にも出会っていなかったと思うので、感謝しています」としみじみと語った。
また中島が、ミナミのライブを行うシーンのリハーサルで涙が止まらなくなってしまい、監督から強制退場されたエピソードを明かすと、miletは「リクがリハにいないなか、リクがいるはずの空席を眺めながら歌っていたのを思い出して、本番にようやくリクが来てくれて、(リクが)いると私の歌が変わるんですよね。すごく気持ちを込めて歌えたのを覚えています」と回顧。
中島は「ステージ上で照明に照らされるミナミの表情は今でも鮮明に焼き付いていて、目が合う空気のシーンがあるんですけど、あのシーンが頭に残っていて。あの席に座って聴いていたらそのときのことがフラッシュバックしてきて、今すごく心地よい気持ちになっています」と笑顔を見せた。
そして、MCから「今日は泣かなかったんですか?」と追求された中島は「そうですね。ステージ上に立ったときにべちゃべちゃだと大変だと思うので、なんとか我慢しました(笑)」と打ち明け、miletは「泣け泣けー!」とちゃめっ気たっぷりに突っ込んで、会場の笑いを誘った。中島は続けて「(miletは)涙の魔術師なんでね。涙をめちゃめちゃ引き出してくる音楽をするんですよね」と明かした。
この日は、本作を見た観客から寄せられた質問にふたりが答えるひと幕もあり、「もしも生まれ変わったとしても失いたくない今世の大切な思い出は?」と質問されると、中島は「初めて出演したドラマでなかなかOKがもらえなかったなか、監督から『よかったよ』って言われてOKをいただいたときは忘れられないかもしれないですね」と回答。
同じ質問にmiletは「ついこの間、私が日本の女性シンガーでいちばん大好きで尊敬しているSalyuさんと、フェスで一緒に歌うことができて、それが私の忘れられない、すごく大切な思い出になりました。憧れの人と同じステージに立って一緒に歌えたことが現実じゃないみたいで幸せだった」とうっとりとした表情を浮かべ、「初めて日本人の女性歌手の歌を聴いてグッと来た人がSalyuさんで、中学生くらいからずっと聴いていて、カバーもして、この世界に入るきっかけの歌として、デモテープで歌ったのもSalyuさんの曲だったので、やっと一緒に歌うことができて頭が真っ白になって、客席ではなくSalyuさんばかり見ていました(笑)」とうれしそうに話した。
さらに、「人生が変わった出来事や、ターニングポイントは?」との質問に、中島は「1月に開催した僕の有明アリーナでのソロライブが自分にとってのターニングポイントになりました。有明前、有明後でだいぶ人生が変わったなって思います」と吐露し、「実はおみくじを引いて、1行目に“有明の光が…”って書いてあったんですよ。呼ばれていたなって。完全に有明に呼ばれていたので、有明のステージに立ったあとに音楽に対しても、人に対してもどういうふうに気持ちを届けるのか、考え方が変わったので、僕は有明でのソロライブがターニングポイントになりましたね」とコメント。
miletから「(そのおみくじが出たときに)勝ち確定みたいな。勝ち確ってやつだ(笑)」と声をかけられた中島は「miletちゃんから“勝ち確”って言葉が出るとは(笑)」と目を丸くした。
そしてmiletは「友だちに歌を聴いてもらったことがこの世界に入るきっかけだったんですけど、当時心にモヤモヤしたものがずっとあって、なかなか外に一歩踏み出せなかったんですが友だちが私の家に来て、部屋の隅っこにあったギターを『弾いて』って言われたから何曲か弾いてみたんです」と振り返り、「下手だったんですが、私が歌ったらその子がすごく喜んでくれて『miletちゃんの歌声には力があるから歌ったほうがいいよ』って言ってくれたんです。それで歌の道を志してみようかなと思いました」と明かした。
その友人は、その言葉がきっかけになったことを知らないそうで、中島から「いつか伝える予定はあるの? 周年で伝えたら」と提案されたmiletは「じゃあ10周年で。5年後に伝えます」と声を弾ませた。
最後に、PRコメントを求められると、miletは「いろんな愛の形を教えてくれる映画だと思います。皆さんもいろんな形の愛を持っていると思います。それをぎゅっと抱きしめてこの映画と重ね合わせてくれたらうれしいです。大切な人を思い浮かべながら、何回も見ていただきたいです」とアピール。
中島は「先ほどのmiletさんの『I still』を聴いていて、生で音楽を感じるというすばらしさを改めて感じました。この映画もリアルにその人のすてきな部分だったりピュアな部分だったりを生で感じることができるような作品になっていると思います。この作品はすてきな音楽と夢のある物語、そして日常の大切なことを思い出させてくれる要素がかけ合わさった作品になっていると思います。もしこの世界じゃなかったらこうしていたなと思うことがいっぱいあると思うんですけど、いま生きている人生をどう生きるかということを考えさせてくれる作品になっていると思います。真心を込めてチームで作りました。多くの方に届くことを願っています」とメッセージを送った。
映画『知らないカノジョ』は、2月28日より全国公開。
映画情報
『知らないカノジョ』
2月28日(金)全国ロードショー
出演:中島健人 milet 桐谷健太 中村ゆりか 八嶋智人 円井わん / 眞島秀和 風吹ジュン
監督:三木孝浩
原作:『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題『Mon Inconnue』/ユーゴ・ジェラン監督/2021年)
配給:ギャガ
(C)2025『知らないカノジョ』製作委員会
リリース情報
2025.01.31 ON SALE
milet
DIGITAL SINGLE「I still」
2025.02.26 ON SALE
milet
SINGLE「I still/Nobody Knows」
映画『知らないカノジョ』作品サイト
https://gaga.ne.jp/shiranaikanojo/