■長尾謙杜からヒロイン役の當真あみへ花束のサプライズプレゼントも!
映画『おいしくて泣くとき』の初日舞台挨拶イベントが4月4日、東京・丸の内ピカデリー1で行われ、長尾謙杜(なにわ男子)、當真あみ、安田顕、美村里江、横尾初喜監督が登壇した。
開初日を迎え、舞台挨拶会場は映画をいち早く見ようと駆け付けた観客で埋め尽くされた。さらに全国246スクリーンの劇場ともライブビューイングを繋げ、多くの観客に見守られながら舞台挨拶がスタート。
映画の上映を終えたばかりの会場は、すすり泣きが響くほど涙の海に溺れていたが、キャストと監督がステージに現れると、感動で満たされた観客席から温かな拍手が溢れた。
本作で劇場映画初主演を務め、主人公・心也役を演じた長尾謙杜は「無事に初日を迎えることができてとてもうれしいきもちでいっぱいです。映画に関わったすべてのキャスト、スタッフ、そして監督、皆さんで一緒に力を合わせて、誠心誠意込めて作った作品がこうやって皆さんの元に届き、そして反応を返してくださってとてもうれしいです」と感無量。
観客が長尾に会うために涙を振り払って、入念な化粧直しに励んでいたことをMCが伝えると「皆さん涙を流していてもおきれいですよ」とサービストークも飛び出し、会場を和ませた。
ヒロイン・夕花役を演じた當真は「撮影から約1年が経ちまして、今か今かと待っていたこの日がやっと訪れてうれしいです」と笑顔を見せる。心也の亡くなった母・南役を演じた美村里江は、本作のイベントには初登場となったうえ、青年期の心也と夕花を演じた長尾と當真とは撮影日も異なり、今日が初対面。
長尾は「今日が初めましてなんですけど…ご無沙汰しております、お母さん。大きくなりました!」と元気に報告。美村も「立派に育ちました。大変うれしゅうございます」と母のように微笑んでいた。
美村と唯一共演シーンがあった心也の父・耕平を演じた安田顕は、冒頭の挨拶から「皆様ご鑑賞いただきありがとうございました。口コミのほどよろしくお願いします!」意欲的な姿勢を見せ、会場を盛り上げた。
ついに初日を迎えた映画について、5年前に原作と出合って以来映画化を夢見続けていたという横尾監督は「胸がいっぱいです。森沢先生の小説は、読んでいて頭のなかにビジュアルが思い浮かぶ素晴らしい小説。映像化することにとてもプレッシャーを感じていました」と緊張の面持ち。
対して読書家として知られ、執筆活動もする美村は「私は本好きな人間なので、小説の映像化には厳しいのです。特に、本作のような“いいお話”は映像化が難しい。正直にいうと『なんぼのもんじゃ』という態度で完成した映画を観させていただいたのですが、本当に素晴らしい作品でした。でもそれは初めて横尾監督にお会いした際、何度も読み込んで角が取れて丸くなった監督の私物の本を見たときから確信していました」とにっこり。この言葉には横尾監督からも安堵の笑顔が漏れていた。
改めて心也役を演じることを振り返った長尾は「30年間、ひとりの人を一途に愛するっていうことはすごく難しいと思うんです。説得力ある物語にするためには、青年期の心也の時間がかけがえのないものじゃないといけないなと思ったので、一つひとつのシーンをどれだけ充実したものにできるかを常に考えていました。物語の核となる、心也の“夕花を守りたい”という強い気持ちを大切に生きていました」と真摯な言葉を口にする。
そんな長尾の言葉に安田は「長尾くんと當真さんが素敵に演じた心也と夕花の年代だからこそのピュアさに泣けます。本作は家族が主題ですが、子どもは親を選べません。そのため辛い境遇にいる夕花を思って心也が行動を起こす、たった1日の逃避行に心打たれます」と映画の魅力を力説。
さらに「僕が演じた耕平の台詞で『風間心也、お前のことを信じてる』というセリフがあるんですが、そんな力強い信頼を寄せてくれる両親に育てられたからこそ、ディーン・フジオカさん演じる30年後の心也は、父ちゃんの意志を継いで子ども食堂をやっているんじゃないかなと思います。彼らのようにいざという時に団結できる家族、いつでも相談できる親になりたいなと思いました」と熱い想いを語った。
そして映画公開日のこの日、30年後の夕花役を女優の尾野真千子が演じていることが発表された。
尾野とは親子役で共演した経験を持つ當真は「もちろん私は尾野さんの出演を知っていたのですが、30年後の夕花の姿をスクリーンで観て自然と涙がでてきました。『その後の夕花の姿はどうなっているのかな』とずっと気になっていたので、尾野さんの素敵な芝居に泣いてしまいました。役を引き継いでもらえて本当に幸せです」と喜びを噛みしめた。
さらに舞台挨拶では、劇中で心也と夕花が重要な約束をすることにちなみ、「約束したいこと」をテーマにフリップトークが展開。「小さないいこと」と書いた横尾監督は「映画の舞台でもある子ども食堂を知ってもらいたい。この映画を観て、ひとつでもいいことができるように、踏み出していただけたらなと思います」と願いを込めた。
「アクティブレスト」と書いた美村は「40代、昔の言い方ですと初老になりました。やっぱり寝るだけではとれない何かを感じ始めて、疲れたなってときこそウォーキングをしたりして体を動かすようにしています。皆様におすすめしたいので、これを書きました」と堂々と披露。
安田は「背中で魅せる」と書き、「私も51になって背中がつるようになりましたけど(笑)どんどん年をとっていくともう顔は抜かれないんじゃないかと思いまして、背中で魅せる俳優“背中越し俳優”を目指したいと思います」と抱負を語った。
同じく健康の話題が続き、「元気でいること」と書いた當真は「去年インフルエンザになり、俳優というお仕事は替えがきかないということを身をもって知りまして、体調管理を気をつけようと思いました」と戒めるように約束した。
最後に座長の長尾は「今を大切に」と書き、「今日ここにいる皆さんと会えるのは今日限りのように、ひとつのシーンを演じるうえでも、そのときにできる演技はその瞬間にしかないと思うので一つひとつの時間を大切にしていきたいです」とエモーショナルな言葉を残した。
舞台挨拶終了の時間が近づいてきた頃、「ちょっとお待ちください」と長尾が突然ステージから降壇。突然の主演俳優離脱に何が起きたのか心配する當真だったが、長尾が大きな花束を持って再登場。
「僕たち、クランクアップのときにあみちゃんから四つ葉のクローバーの栞をいただきまして。今でも大切に持っているんですけど、今日はチーム全員からそのお返しです!」と映画のチームを代表して當真に感謝の花束を贈呈。事前に知らされていなかった當真は「びっくりした!」と目を丸くしながらも、「ありがとうございます。でも特に深い意味を込めて栞を渡していたわけでは…」と口ごもり、会場を笑いで包んだ。
最後に長尾は「この作品は人が人を大切に想う気持ちがとても強く描かれているので、皆さんも1日1日を大切に、そして皆さんの周りの人たちを大切に思って日々を過ごしていただけたらうれしいなと思っています。僕たちもこれからたくさんの幸せであったり、楽しい事、驚きを皆さんに見せていけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします。あと映画を気に入ってくださったらぜひ周りの人に伝えてください!いっぱい映画観てください」と挨拶して締めくくり、笑顔がいっぱいのイベントは終了した。
映画情報
『おいしくて泣くとき』
全国公開中
出演:長尾謙杜 當真あみ
水沢林太郎 芋生悠 池田良 田村健太郎 篠原ゆき子 安藤玉恵
美村里江 安田顕 ディーン・フジオカ
原作:森沢明夫『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所刊)
監督:横尾初喜
脚本:いとう菜のは
主題歌:Uru「フィラメント」
配給:松竹
(C)2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
映画『おいしくて泣くとき』作品サイト
https://movies.shochiku.co.jp/oishikute-nakutoki/