■「本当に大切なものはなんなのかというのが、このドラマが作るメッセージにもなっているかなと思っています」(五百城)
4月10日から放送がスタートする、カンテレ・フジテレビ木曜深夜放送のカンテレ×FODドラマ『MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です』の1話先行上映&完成発表トークイベントが4月5日、東京・台場のフジテレビ・マルチシアターにて開催。主演の五百城茉央(乃木坂46)、共演の山村隆太(flumpool)、武田梨奈、樋口幸平、山下永玖(ONE N’ ONLY)、濱正悟が出席した。本稿では、イベントのオフィシャルレポートを掲載する。
『MADDER』は、偏差値78超の天才高校生・仲野茜(五百城)が、ある殺人事件の犯人と思われる青年・黒川悠(山村)と出会い、学校で小さな事件を起こしたことをきっかけに、やがて日本を震撼させる連続殺人事件に発展してしまうミステリーエンターテインメント。
地上波連続ドラマ初出演にして初主演となる五百城は、出演オファーを受けた際の心境を尋ねられると「テレビドラマというのは小さい頃から私の生きがいのひとつで、小学校のときにドラマが録画してあるから楽しみにして帰ったり、今でも“このドラマを見るために今日のお仕事頑張ろう”って思ったりするものなので、そういったものに出演できるって聞いたときは純粋にうれしかったんですけど、初主演ということだったので、最初に聞いたときは不安でいっぱいでした」と振り返り、「脚本を1回読んでも茜の気持ちが全然わからなくて、何度も読み返していくうちに、やりがいのある役だなと思ったので、精一杯頑張らせていただきました」と力強く語った。
続けて、仲野茜役については「そばから見ると頭もよくて、きっといろんな人から羨ましがられる存在だと思うんですけど、茜自身の心の中は空っぽというか、感情が動かない日々を送っているなかで、殺人事件が起こって黒川という人物に出会い、少し心が動かされたことが茜にとっては物珍しいことだったから、その沼にハマっていってしまうというお話なんですけど、つまらない人生を変えたい、人生を面白くしたいという気持ちは私もわかるなと思うので、“この感情は私にとってはこれかな”って考えながら演じていましたね」と打ち明け、「だけど、放送されてみなさんに届くのはめっちゃ不安です」と率直な心境を吐露した。
また、自身の役柄を聞いた際の心境や、脚本を読んだ感想を求められると、山村は「脚本を読んだときは、すごいどんでん返しがあって魅力的な脚本だなと思って、その中で黒川という役はとても大切な役になっていくんですけど、それを自分が演じていけるかというのは不安がありました」と明かし、「ミステリアスで、天才の茜でさえも理解できない存在というものをどう演じていこうかという時間は、月を追いかけているような、近づけば近づくほど遠ざかるような役にも見えたし、真っ暗な中で目を開けているような気持ちになることが多かったんですけど、きっとこの作品を通して伝えたいこともそういった人を理解することであったり、人と生きていくこというのはそういう作業なのかなと思いながら演じていきました。人を理解することや黒川を理解することは決して苦しいだけじゃなくて、分かち合えて掴めたような喜びもあったので、それがこの作品を通して皆さんに伝わればいいなと思っています」と言葉に力を込めた。
同じ質問に、捜査一課・刑事の梶谷美和を演じる武田は「ここに登壇している役の中では一番真っ当といいますか、正義感が強い役なんですけど、バックボーンが描かれていない分、ただ捜査しているだけではなくて、人間らしい部分もにじみ出るような役にしたいなと思ったので、しっかりバックボーンを作ったり、監督と話し合って演じさせていただきました」と演じる上でのこだわりを明かし、「企画書をいただいたときに、梶谷という役は40代くらいの設定だったので、気持ち的にはそれくらいのどっしりとしたベテラン感を出そうという意識はありました」とコメント。
仲野の同級生で中学校全国クイズ大会で優勝経験を持つ江藤新を演じる樋口は「最初に台本を読ませていただいたときに、これをどう撮るんだろうって思いました。ミステリアスな話もありつつ、ギャグパートだったり、いろんな要素が詰め込まれた作品で、ストーリーをどう展開して、どのように仕上がっていくのかと思って、僕も1話を観させていただいたんですけど、キャスト・スタッフを含めた愛が詰まった作品だなと思いました」と目を輝かせ、「江藤新はクラスの中でも茜に対していろんな感情を持っているキャラクターだったので、とても楽しく演じさせていただきました」と笑顔で語った。
仲野の同級生で数学オリンピック金メダリストの宮内大翔を演じる山下は「脚本を読んだときは“難しい”というのが最初に来て、何回読んでも理解できないなってところも多かったんですけど、毎日台本と向き合って読んでいくうちに、少しずつわかっていってうれしいなって感じたり、展開がいくつもあるので、そこの面白さも感じました」と話し、「宮内大翔は考察することが何より大好きで、でもお調子者というかかわいげのある部分もあるので、頭のいいキャラクターでお調子者を演じるってどうやったらいいんだろうってすごく考えていたんですけど、監督と現場で何回もやり取りをしながら宮内大翔が出来上がっていったので、そこも含めて注目してもらえたらうれしいです」と仕上がりに自信をのぞかせた。
そして、梶谷の部下・森野真治を演じる濱は「真っ当な梶谷先輩とは真逆なキャラクターで、これまで何度か刑事を演じてきたんですけど、出会ったことがないような役柄でした。自分のセリフがないところでも自由度が高い役だなと思ったので、アイディアを持っていって現場でやっていました」と回顧し、武田とは3回目の共演だったそうで「何をやっても受け止めてくれるだろうと信じて臨みました」と吐露した。
武田も、出演が決まった際にすぐに濱に連絡をしたそうで「どういうシーンにしていこうかという話し合いをさせていただいたので、息が合ったシーンになっているかなと思うんですけど、監督からは漫才だったりコントのようなテンポのいい感じになりすぎないでほしいと言われていたので、そこの塩梅はふたりで考えながらやりました」と言い、「話し合えるやりやすさと、慣れが出ないようにという難しさはお互いに感じていて、(慣れが出ないように)最初に本読みもしませんでした」と共演経験があるからこその難しさも明かした。
さらに、普段は音楽のフィールドで活躍している五百城と山村だが、演技で共演した感想を求められると、五百城は「撮影を1・2回したあとに、ふたりでインタビューを受ける時間があったんですけど、私はまだ19歳なので人生経験も浅いなかで、(山村は)いろんな経験をされてきた方だから出てくる言葉が深いなというか、私も学ばせていただいたことがたくさんあったので、その日は印象に残っています」と話し、「その言葉をそのままお返ししたい」という山村は「僕は演技の中で『こうやって』と言われても自分の中で解釈してやるのが難しくて、不器用な人間なんですけど、五百城さんは監督から言われたことへの瞬発力や適応力、茜に対しての読解力みたいなものがすばらしいなと思って、どういう19年を生きたらこんなふうに生きられるんだろうって。年齢を誤魔化しているんじゃないかと思うくらいでした」と絶賛。MCから「21歳差」と声をかけられると、山村は「言わないでください」と突っ込んで会場の笑いを誘いつつ、「こっちが引っ張られていく感じでした」と舌を巻いた。
そして、学校パートの現場の雰囲気を聞かれた五百城は「最初はみんな緊張していたんですけど、樋口さんを筆頭にみんなを明るく盛り上げてくださって、そのおかげで私も他のキャストの皆さんとしゃべれるようになって、『今日のお弁当なんやと思う?』ってお弁当当てをやったり(笑)、学級日誌みたいな自由に書けるノートがあったので、みんなで写真を貼って書いたりして、擬似高校生活を味わえて楽しかったです」と声を弾ませ、1年前まで高校生だったのではと声が飛ぶと「ちゃんと高校に通ったのは1年くらいで、高校生活してみたかったなという気持ちもあって、制服がみんなちょっと変わっていておしゃれな学校だったので、学校で制服を着てというのも楽しかったですね」とうれしそうに話した。
また、殺人事件の犯人と思われる謎の男という特殊な役を演じた山村は、どのように気分転換をしていたか尋ねられると「普段、音楽をやらせていただいていて、作詞をやっているんですけど、何時間も考えて頭がぼーっとしてきたときはラムネを食べるんですよ。ブドウ糖なんですけど、それを食べるとスッキリして作業にかかれるので、今回もベンチコートにラムネを潜ませて演技をしていました」と明かし、五百城も同じラムネを持っていたそうで、山村は「勝手に食べたのかなと思いました(笑)」とにっこり。
これに五百城は「私も昔からラムネが大好きで、まったく同じラムネを現場に持っていってたんですよ。それで『ラムネ食べるね』って声をかけてくださって、『好きなんですよ』って言ったら、『僕も』って言ってバッグから4個も出てきたんですよ(笑)」と明かし、山村は「大人気のラムネで、コンビニとかで売り切れるので買い占めているんです(笑)」告白。五百城は「そのラムネを私以外で食べている人をあまり見たことがなくてびっくりしました」と目を丸くした。
そして、本作の内容にちなみ、最近疑ってしまったことを聞かれると、五百城は「最後のほうの撮影で、濱さんが、撮影していた場所で『小さい女の子を見た』って言ってらっしゃって、結局『そんな子いないよ』ってなったんですけど、武田さんも顔に見える怖い壁の写真を見せてくださって、そのあとにそこで撮影だったので、普通にめっちゃ怖くて、ずっとその建物は大丈夫なのかなって疑っていましたね(笑)」とエピソードを明かし、武田も「初日に濱さんが『さっきの小さい女の子どこ行った?』って言い始めて、現場がざわついたんですけど、刑事のシーンはもしかしたら女の子が映っているかもしれません」とニヤリ。濱は「階段がL字で、そこからスタッフさんがちょこっと出ていて、子どもに見えたのかなって自己解釈しました」と語った。
また、武田は「1週間くらい前の出来事なんですけど、詐欺の電話に遭いまして、『◯◯警察署の者ですが、あなたが詐欺グループの一員として疑いをかけられています』と言われて、テンパっちゃって『見覚えがない』という話を8分くらいしちゃいました」と苦笑し、「ちょっとおかしい言葉をしゃべっているので、吹っかけたら舌打ちをして切られました。8分気づけなかった自分に悔しくて、刑事役をやっていたのでもっと疑わないといけなかったなと思いました」と後悔。どう吹っかけたのかと追求されると「本当なんですけど『◯◯警察署に知り合いがいるので、電話して確認していいですか?』って言ったら、『チッ!』って言って切られました(笑)」と明かした。
さらに樋口は、教師役のなすびと生徒7人が同じ楽屋で待機していた際に、なすびが地元のおいしい干し芋を配ってくれたそうで「まず女性のみなさんにお配りしていたんですけど、僕らふたり(樋口と山下)にはなくて、打ち解けていたので『僕らの干し芋はないですか?』って話をしたら、『男性にはないですよ』って言われたんですけどマジだったんです」と嘆き、山村と山下が後日、干し芋をもらったことを明かすと、樋口は「えっ!?僕、後日ももらってないです…。ほんまに嫌われていたかな」と頭を抱えたそぶりをみせ、五百城は「ふたり(樋口となすび)はいじりいじられみたいなことをずっとされていたので、その仲のよさゆえに(もらえなかったのでは)」とフォローした。
最後に、PRコメントを求められると、山村は「この間、最後のシーンを撮ってクランクアップしたんですけど、そのシーン終わりの五百城さんが印象的で、涙を流していて、それを見てこの2か月、茜と向き合って、茜を理解して伝えようとしていたんだろうなと思いました」と五百城を労い、「黒川のセリフで『わからない世界を知りたかった。つまらない日常を彩りたかった』という言葉がありますけど、人を理解することとか、日常を彩るというのは面倒くさいし難しいことがありますけど、数年前までコロナ禍で、人と会えなくて刺激がないなか、生きている実感とか、命の尊さ、今という瞬間の儚さみたいなものを感じられなかった時期があった僕らからすると、人と向き合い誰かを理解していく。このドラマはエンターテインメントな部分もありますけど、裏にはそういった強いメッセージが込められているので、そういうものも含めて、皆さんにとってすばらしい作品になってほしいなと願っています」と熱く語った。
そして、五百城は「私はこの作品にいろんなことを教えてもらったなという気がしていて、肩書きとかいろんなものがあると思うんですけど、そういったものだけじゃなく、本当に大切なものはなんなのかというのが、このドラマが作るメッセージにもなっているかなと思っていて、自分も改めて考えさせられましたし、きっと観ている人にもそういったことを考えてもらえるような作品かなと思うので、その部分に注目してこれから楽しんでいただきたいです」とメッセージを送り、「この約2ヵ月間は皆さんに支えられて頑張ることができたので、感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。10話まであるので、毎話、考察しつつ楽しんで見ていただけたらと思います」とアピールした。
(C)カンテレ
番組情報
カンテレ・フジテレビ『MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です』
2025年4月10日(木)スタート
カンテレ:毎週木曜24:15~24:45
フジテレビ:毎週木曜26:15~26:45
配信:カンテレ1話放送直後からFODにて1週間の先行配信
出演:五百城茉央(乃木坂46) 山村隆太(flumpool)
樋口幸平 山下永玖(ONE N’ ONLY) 桑山隆太(WATWING) 吉名莉瑠 水野響心 花音 つぐみ・利重剛・なすび イワクラ おかやまはじめ 濱正悟 武田梨奈
脚本:伊達さん
監督:頃安祐良 高橋栄樹 畑山創
プロデューサー:佐藤貴亮、小宮泰也(イースト)、山中直樹(ROBOT)
制作協力:イースト ROBOT
制作著作:カンテレ
『MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です』番組サイト
https://www.ktv.jp/madder/