■「クアラルンプール最高!」(KEIGO)
FLOWが2024年から足掛け1年にわたり開催してきたワールドツアー『FLOW WORLD TOUR “ANIME SHIBARI 2024-2025”』が5月12日、マレーシア・クアラルンプールのZepp KLにて幕を閉じた。
自身最大規模のワールドツアーとなった今回のツアーでは、FLOWがこれまで手掛けた『NARUTO』『コードギアス』『ドラゴンボール』などの数多くのアニメタイアップ曲を演奏。初のオーストラリア公演を皮切りに、北米、ヨーロッパ、中東、ラテンアメリカ、日本各地を含むアジアなど世界中を回ってきた。
なお、FLOWは5月28日にTVアニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』のエンディングテーマ「Alright!!!」を収録した41枚目とシングル「Alright!!!」をリリース。Spotifyでは、今回のツアーのセットリストをもとにしたプレイリストも公開された。
【ライブレポート】
ざわめく会場内。様々な日本のアニメ主題歌が流れるなか、米津玄師が歌う「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」のオープニングテーマ「Plazma」の大きく響いた瞬間、音が止まる。鐘の音が響き、重厚なBGMにナルトたち木の葉の里の忍びたちやルルーシュとC.C、スレイとミクリオらの声が重なり、大歓声が沸く。
世界中でFLOWとともに旅をしてきたキャラクターたちの声に背を押されるようにステージに登場したFLOWの面々。「行くぞ! クアラルンプール!」とKEIGOが声をあげると、『FLOW WORLD TOUR “ANIME SHIBARI 2024-2025”』の千秋楽は、アニメ『NARUTO-ナルト-』のオープニングテーマ「Re:member」で幕を開けた。
ステージへ向けて拳があがり、「Wow Wow」と歌声も沸いた「Re:member」に続く「風ノ唄」ではシンガロングなイントロが会場を一体にする。ケルティックなサウンドで壮大に響く一曲にクラップが沸き、アニメ『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』の人気を知らしめた。
「FLOW is BACK!!!」とKEIGO。「“アニメ縛り”と銘打った今回のライブは、FLOWの楽曲のなかでもアニメ主題歌を届けるよ」と英語で伝えると、そこからは日本語でMCをしているにもかかわらず、大歓声が起きる。
これが世界を沸かせるFLOWのライブ、彼らが世界中を廻りながら育ててきたFLOWと世界のライブだ。そしてここでベースのGOT’Sの不在を告げると、ステージの4人を安心させるように暖かな歓声があがった。
FLOWと観客とで想いをひとつにしたMCのあとに続いたのは不屈の闘志と友情パワーを持って何度でも立ち上がるキン肉マンの歌、アニメ『「キン肉マン」完璧超人始祖編』のオープニングテーマである「LOVE & JUSTICE」。
厳かなピアノの音と激しく轟く重厚なロックと情熱のメロディとが会場を席捲すると「友情パワー!」と声を重ねるマレーシアのオーディエンス。そんな観客に向けて「全員で行こうぜー!」と叫ぶKOHSHIに「オイ! オイ!」とコールが返され、ドラマティックな一曲をより熱く彩っていった。
畳みかけたのはアニメ『デュラララ!!×2 結』のオープニングテーマ「Steppin’ out」。不在のGOT’Sの存在感を改めて感じさせる長めに聴かせたイントロから「オイ! オイ!」のコールが押し寄せるように響くなか、軽快でダンサブルなロックンロールにフロアではペンライトがぶんぶんと振り回されていた。
ゴージャスなシンセの音が煌めく。響いたのは「CHA-LA HEAD-CHA-LA」だ。世界中で愛され、日本のアニソンシンガーとしてレジェンドである影山ヒロノブが歌い、もはや日本のアニメの代名詞であるアニメ『ドラゴンボール』オープニング曲のカバー。FLOWにとっても劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 神と神』の主題歌として歌い上げた一曲に会場が沸く。日本語での大合唱が起きるとKOHSHIもステージからフロアを煽り、もっと、もっとと歓声を、合唱を求め、会場の熱気は一気にクライマックスへ。
FLOWと『ドラゴンボール』のタッグによって生まれた劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 神と神』の挿入歌「HERO ~希望の歌~」でも歌声を重ねるオーディエンス。その声に満足気に笑顔を浮かべたFLOWだった。
「みんな、楽しんでる?」と英語で語りかけるKOHSHI。このツアーが前年の2024年7月からスタートし、ついにファイナルの地であるここ、クアラルンプールのZepp KLに辿り着いたことを伝えると大歓声が迎える。同じく前年に『SACRA MUSIC FES』でマレーシアに来たこともあり「ただいま」と「おかえり」のやりとりも。最高の時間を共に作ろうと言う彼らに拍手が送られた。
そんなMCのあとにエウレカとレントンの声が続く。レントンの「I can Fly-!」からライブはアニメ『交響詩篇エウレカセブン』のターンへ。ストリングスの旋律とパーカッションのリズムによって広がりの生まれるダンスロック「DAYS」に、フロアからも歌声が、そして「オイ! オイ!」のコールも沸き上がり、Zepp KLをライブハウスからダンスフロアへと変貌させる。
そんな「DAYS」のアウトロが静かに繋がっていったのは「ブレイブルー」だ。アニメ『エウレカセブンAO』のオープニングテーマであり、メロディアスかつ重厚なダンスロックナンバーに青いペンライトが揺れた。
重々しくも緊迫感のあるBGMから会場はアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の世界へ。歓声があがり、抒情詩を読み上げるようなナレーションからルルーシュの言葉へと繋がると会場中が彼の願いのギアスにかけられ、「COLORS」の壮大なイントロが鳴った途端にフロアからは無数の拳が天へと突きあげられた。
日本語での大合唱が生まれ、高くジャンプしながら高らかに謳いあげるフロアにKEIGOも腕をあげる。TAKEのギターの旋律が空へと昇るように響き、オーディエンスとステージの4人の熱を繋ぐ。
歌声が一斉にあがった「WORLD END」が続けば、IWASAKIの叩き出す軽快なリズムに「オイ! オイ!」とコールが重なり、輝きを放つドラマティックなロックンロールに歌声が沸いた。
「こうしてワールドツアーでまたクアラルンプールに来られてうれしいです」と日本語で伝えたKEIGOは、そのままマレー語でも挨拶。歓喜するフロアのオーディエンス。続けて英語で、FLOWは音楽で世界と日本のアニメを繋いでいるのだ、と告げると、そのうしろでIWASAKIがスマホのライトをつけて右へ左へと振って見せる。
会場からもスマホの光が掲げられ、凪のように緩やかに揺れるなか、最新曲「Alright!!!」が披露される。アニメ『片田舎のおっさん、剣聖になる』のエンディング曲であるフォークロワ調で大地を感じさせる一曲を全身に浴びるように堪能するマレーシアのファンだった。
ピースフルな空気に包まれた会場のテンションを一気に上昇させたのは、会場に響いた和太鼓の音と勇ましい男衆の駆け声。ライブの様子を見に来たナルト、サスケ、サクラ、シカマルの声が響く。アニメ『NARUTO-ナルト-』のターンだ。
まずはASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバー「遥か彼方」を披露。そのはじまりから最後まで大合唱が迎えられた一曲のあとに「Tick Tack」とともに光り輝くTAKEの登場に沸いた1年ぶりのクアラルンプールでのメンバー紹介を挟み、「NARUTO-ナルト-」のステージは続く。
世界で「NARUTO-ナルト-」を掻き鳴らすFLOWの曲でも群を抜いて愛される「Sign」は、大合唱で始まった。会場の想いがひとつになるそのさまが、ステージへと向けられた拳に、ステージからKEIGOとKOHSHIが向けた拳に見えるようだった。
そんな一曲に続いた「GO!!!」は、FLOWにとって最も長く歌ってきたアニメ主題歌。会場一体で歌い上げながら、世界中で作ってきたウェーブをここでも敢行。見事に完成したウェーブにマレー語で「クアラルンプール最高!」と叫ぶKEIGO。「次は必ず5人で戻ってくる!」と約束をしたFLOWのワールドツアー、そのラストを飾ったのはアニメ『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』10代目オープニング曲「GOLD」だ。
「GO!!!」が「OLD」になって輝きを増したロックンロールで、ワールドツアー最後のジャンプを見せた。アニメソングで地球を揺らし続けた彼らの、およそ1年にわたる「日本の名作アニメを届ける旅」はこうして幕を閉じた。アニメの放送が終了しても、アニメの魅力を音楽で届けるFLOWの快進撃は、まだまだ止まらない。
TEXT BY えびさわなち
■『FLOW WORLD TOUR “ANIME SHIBARI 2024-2025” 6th. STAGE』
202年5月12日(月)マレーシア・Zepp KL
<セットリスト>
01. Re:member
02. 風ノ唄
03. LOVE & JUSTICE
04. Steppin’ out
05. CHA-LA HEAD-CHA-LA
06. HERO ~希望の歌~
07. DAYS
08. ブレイブルー
09. COLORS
10. ORLD END
11. Alright!!!
12. 遥か彼方
13. Sign
14. GO!!!
15. GOLD
リリース情報
2025.05.28 ON SALE
SINGLE「Alright!!!」
セットリストプレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/3285Jrh8tEIuQ9XmpRv8Hl?si=932b3145044146e1
FLOW OFFICIAL SITE
https://www.flow-official.jp/







