■“歌番組”をテーマに、BUDDiiSの音楽とパフォーマンスをショー形式で披露!
BUDDiiSが、8都市15公演のツアー『BUDDiiS Tour 2025 – JOURNiiYII-』を完遂した。
9月の結成5周年を目前とする今回のツアーは、5都市のZeppを巡った2022年の1stツアー『JOURNiiY』と同じ会場+αを巡る原点回帰的なもので、なんと6月1日のファイナルは初の海外公演となる台北・Zepp New Taipei。“歌番組”をテーマに、BUDDiiSの色とりどりの音楽とパフォーマンスをショー形式で魅せていくステージで、秋のアリーナツアーに向けてのダッシュを切った。
4月4日・5日の北海道を皮切りに、愛知、神奈川、福岡、大阪、東京、宮城、そして台北と回った公演のうち、ここでは4月18日・19日に行われたKT Zepp Yokohama公演をレポート。“バディ”と呼ばれる彼らのファンで、1階のスタンディングフロアまでスシ詰めの超満員となった2daysの模様を届ける。
■ライブレポート
BUDDiiSの旗を掲げたガレオン船が空を往くオープニング映像に、10人の指名手配書がメンバー紹介代わりに映し出されると「謎の飛行物体が都市に接近中」とのニュースが。さらにテレビ画面の形をした後方のLEDにMCが登場して「最高にホットでエキサイティングなショー」の開幕を宣言すると、ステージに現れた10人は今ツアーが初披露となる新曲「Gotcha」を高らかに歌い上げていく。この曲を作詞・作曲したKEVIN+MORRIE&SHOOTによる意志に満ちたタフなボーカルが、世界を止まらない愛で変えていこうと訴えるハッピーなナンバーで、メンバーが公演替わりで投げキスやソロダンスを披露するという“ガチャ”要素も。エキゾチックにきらびやかな音を交えたトラックは実にKEVIN曲らしく、BUDDiiSのドリーミングな持ち味を押し出して、ライブ冒頭から満開の多幸感を振りまいていく。
以降、ステージでパフォーマンスする彼らの姿は後方のテレビ型LEDに歌詞付きで映し出され、MCの曲紹介に沿って多彩な楽曲を次々に披露していくショー形式でライブは進行。「クールでホットなダンスナンバー」と始まった「HONEY」では、ラティーナなサウンドに乗せた情熱的なボーカル&ラップにセクシーな吐息、そしてメリハリのきいたダンスで君への狂おしい愛を叩きつけていく。
一転「Utopia」(「U」は、上にウムラウト付きが正式表記)では「理想郷へダイブしようぜ!」という曲紹介のとおり、心弾むようなサウンドで“共に進んでいこう”というメッセージをバディに届けた。「お次はしっとりと切ないナンバー」と前置かれた3曲目は「her+art」。惜別の想いをKEVIN、MORRIE、SHOOTが情感豊かなボーカルで表現し、ダンサー陣も完全に曲の登場人物を憑依させた繊細な表情とエモーショナルな動きで舞って、それぞれのストーリーを浮かび上がらせる。
MCでは横浜出身のKEVIN、YUMA、HARUKIが「俺の横浜」バトルをする場面もあり、普段控えめなYUMAも初日から「横浜、盛り上がってますか!?」と客席を煽動。2日目のHARUKIが「僕の?」「横浜!」というコール&レスポンスをバディと巻き起こすと、「今日は俺の家に遊びに来てくれてありがとう。誰がなんと言おうと俺の街なんで!」とYUMAが、「今日は俺の庭に遊びに来てくれてありがとう。海しかなくてゴメン」とKEVINが対抗してみせた。
「Gotcha」に続き、ここで今ツアー2曲目の新曲「Sonic」を披露。涼やかなアッパービートに高速ラップと小気味よいダンスを乗せたBUDDiiSらしいポップチューンに、バディたちのペンライトも“ビザーライ!”と声をあげ、さっそくカラフルに揺れる。リズミカルに弾むなかMORRIEとHARUKIがFUMIYAを抱え上げ、クライマックスではMORRIEとKEVINが声を合わせるロングトーンもインパクト大。最後はセンターに立つFUMIYAが“Shooting star!”とキメて、タイトルのとおり“Sonic=音速の音波”をきらびやかに放っていった。
ガレオン船が島から街へ、遺跡へと時空を超える映像は流れてからは、KEVINが作詞・作曲したナンバーをライブならではのアレンジで届ける“ケビリカル”なブロックへ。森の中をさまよう詞世界がファンタジックな「OZ」では、全員でボーカルやラップを入れ、HARUKIは初日に「僕の横浜!」、2日目は「横浜、大好き!」とアドリブを入れる。スラップベースの音で始まり、FUMIYAとFUMINORIがバキバキのソロダンスで沸かせるダンスブレイクを挟んでの「JEALOUS」では、SEIYAからTAKUYAのダンスつなぎも加わって、エレクトロな原曲がバディともども腕を掲げて飛び跳ねるパワーチューンに変貌。ミラーボールの光の下で贈られた「ENCHANT」でも、音数の多いにぎやかなトラックとシンクロ率の高いパフォーマンスで、ドリーミングな魔法をかけてくれた。心弾むビートで誘うファンタジックでミラクルな異世界と、そこでバディに向けて歌われる真っすぐな想い。これこそBUDDiiSの真骨頂と言えるだろう。
歌番組といえばCMということで、各公演地でメンバーがロケをしたオリジナルCM映像が公開されたのも、今ツアーの見逃せないポイント。北海道ではSHOWとTAKUYAが雪山を登り「ファイトォ!」「いっぱぁつ!」とどこかで聞いたフレーズを放ち、横浜公演では“BUDiiSWEAT”なる清涼飲料水のCM仕立てで、TAKUTAとSHOOTがみなとみらいを疾走してみせた。最後にSHOOTが「お前のこと…好きだ」と映像の中から告白して、場内が黄色い悲鳴でいっぱいになったところに、メンバーがシャッフルで楽曲を披露するスペシャルメドレーもスタート。各地とも初日公演はツアー『JOURNiiY』が開催された2022年に発表されたナンバー、2日目は翌2023年リリースの楽曲で構成された歌番組イメージのメドレーとなっており、2daysで変化がつけられていたのもうれしい。
“2022スペシャルメドレー”ではギラギラの赤ライトのなか、まずは全員で「BEAST2」を獣のようなワイルドを剥き出しにして投下。灼熱の空気をFUMINORI、MORRIE、SEIYA、TAKUYA、SHOOTによる「Dream Love」がポップに和らげてからは、SHOWが歌う後ろでSEIYAとHARUKIが踊る「ON & ON」で夜のセクシーを香らせる。
続いてKEVIN、MORRIE、SHOOTの3ボーカルが顔を見合わせ、歌声を響き合わせる「SM:)LE」で聖なるゴスペル感を漂わせれば、対照的に「ここから身体を動かす準備できてますか!」とFUMIYAが煽ったのは「ALRIGHT」。KEVIN、SHOWに加えてYUMA、HARUKIもガッツリとボーカルを取って爽快な空気を作り上げると、客席のバディたちは沸き返り、後のMCで「盛り上がりがヤバい!」とFUMIYAに言わしめる。
また、MORRIEとFUMINORIがボーカルを務めた「YO HO」では、いつもFUMINORとFUMIYAが担っている曲中のマイクバトルをSEIYAとTAKUYAが担当(ちなみに大阪公演ではYUMAとHARUKI)。最後に全員揃っての「Beautiful」では、ペンライトを振る客席に“You’re beautiful”と歌いかけ、SEIYAは「バディ、愛してるよ」と呼びかけた。
“2023スペシャルメドレー”では、R&Bのノリをラブリーに仕立てた「Magic」で文字どおり魔法をかけ、SEIYAのキス付き指ハートにも場内大歓喜。MORRIEが歌い始めた「P.A.R.T.Y」でもSHOW、FUMIYAがボーカルを繋ぎ、TAKUYAとHARUKIも加わってレトロでラグジュアリーな空気をまとう。
続いて「今日、いちばん熱い場所にしていきましょう!」とFUMINORIが号令をかけた「Glow Gold」は、KEVINとSHOOTのささやくようなボーカルにYUMAの歌唱も交えて真夏のビーチを彷彿させ、FUMINORIからウィンクのサービスも。続いてSEIYA、SHOW、TAKUYAの3人が「WE HIGH」を力強く歌い綴り、FUMIYAとグラサンのSHOOTがエキゾチックな音階に乗って身体を揺らせば、客席から大歓声が湧き起こる。「お前らも暴れちゃえよ!」(SHOOT)と煽り立てた「Mr.Freak Out」の重低音ビートとマシンガンラップが危険なムードを振りまくと、KEVINにMORRIE、SHOOTが高音ボーカルを聞かせ、HARUKIとFUMIYAがラップを入れる「Koi to me」へ。
MORRIEは衣装の襟をくわえて腹をチラ見せし、場内のテンションを上げまくるが、最後は全員揃って尽きせぬ“貴方”への想いを流れるような歌とラップで贈る「Lack」で、清らかなカタルシスの中にメドレーを締め括った。ちなみに他都市では、同じメドレー構成で登場するメンバーが変わる公演も。組み合わせを変えて柔軟なパフォーマンスで楽しませられるのも、10人組という大所帯の強みだ。
ここで「今週の注目曲」というMCの紹介を受け、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET~』の主題歌として書き下ろされた最新曲「Iris」が披露される。ひたむきな想いを幻想的なサウンドで綴るディープなバラードは、彼らの世界観をグッと押し広げるもの。ラッパー陣も含め全員がエモーショナルに歌い綴る展開も、感情を動きで伝えるシアトリカルなダンスパフォーマンスと相まって、実に切なく、美しい。
だが、そんな空気もMCになるとグッと和らぎ、初日のMCでは数年前に彼らがライブをした横浜武道館がCM映像に映っていることに触れて「エモい」という感想も。また、横浜在住のYUMAはTAKUYAが横浜で撮影した日に「(家に)来ていいよ」と言ったのに「来てくれなかった」と拗ねてみせた。2日目には9月に横浜アリーナ公演が控えていることから「9月には、また横浜、戻ってきますよね。こんな盛り上がるんならアリーナやべぇんじゃね?」とSHOWがニヤリ。その言葉も納得なほどの熱狂のなか、新曲「LOVE ME(「O」は、上にウムラウト付きが正式表記)」からはラストスパートへと突入していった。
2024年末のさいたまスーパーアリーナ公演で初披露されて以来、ライブでおなじみになりつつある本作は、初めての恋に惑う気持ちを歌う歌詞をSHOOTが、初々しい詞世界に合わせたキュートな振り付けをFUMIYAが共作しているのも注目ポイント。続いて、全員で動きをそろえてのシンクロダンスやユニゾンボーカルが愛らしい「ALIEN BOY」に、熱い想いをMORRIEが床に膝をついて歌い上げるバンドチューンの「LOUD」ではバディたちのペンライトも振り上がり、クラップも巻き起こって会場の一体感は最高潮へと押し上げられていく。「Brightness」でもメロを自在に変えて瞬間の想いを自在に放つMORRIEに煽られ、それぞれのパフォーマンスも熱を帯びていき、あるがままの輝きに気づいてほしいと訴えるポジティブなナンバーの光は、どんどん強力なものに。トラックやボーカルといった音にせよ、目を奪うダンスにせよ、“輝き”というのはBUDDiiSの本質を読み解くキーワードのひとつであるに違いない。
最後はバディたちの大好きな「The One」で幸せいっぱいのフィナーレへ。曲中、メンバーのひとりが電話でメッセージを伝える通称“もしもしタイム”では、初日はFUMINORIを、2日目はYUMAをスポットライトが指名。FUMINORIは「いつも“好き”って言ってるけど、表現しきれないから…ギュッとしていい?」と、YUMAは子どものように愛らしい口調で「君と会ってからずっと幸せ。君も幸せ? ずっと一緒にいてね」と告げて、黄色い歓声を呼んだ。この“もしもしタイム”を筆頭に、曲中でフィーチャーされるメンバーは毎公演ジャンケンで決めているそうだが、2日目は「The One」も「Gotcha」もYUMAが勝利したとのこと。そこでYUMAが「マジで俺が横浜に愛されてる」と胸を張れば、HARUKIは「2日間横浜を摂取しすぎて、僕自身が横浜になりました!」と対抗し、またもや横浜愛を競っていた。
最後の最後は「BUD」でタオルをブン回し、バディと共に“Go Go!バディGo!!”と声をあげ、そしてライブを終えると、リーダーのFUMINORIは「日々、生きていくなかで辛いとき、苦しくなるときは、今日のライブを思い出して少しでも笑顔になってください」と告げた。そのメッセージはBUDDiiSのライブで毎度伝えられるものであり、彼らの重要なポリシーでもある。それを実現させる次なるステージは、9月20日・21日に横浜アリーナ、9月27日大阪城ホールにて開催される結成5周年のアリーナツアー『BUDDiiS vol.10 – COSMiiC -』。BUDDiiS史上最大規模となるこのツアーで、きっと彼らは、さらなる笑顔の花を咲かせてくれることだろう。
<セットリスト>
– OVER TURE –
1. Gotcha
2. HONEY
3. Utopia
4. her+art
5. Sonic
6. OZ
7. JEALOUS
8. ENCHANT
9. メドレー
■Day1
a.BEASTS2
b.Dream Love
c.ON & ON
d.SM:)LE
e.ALRIGHT
f.YO OH
g.Beautiful
■Day2
a. Magic
b. P.A.R.T.Y
c. Glow Gold
d. WE HIGH
e. Mr.FREAK OUT
f. Koi to me
g. Lack
10. Iris
11. LOVE ME
12. ALIEN BOY
13. LOUD
14. Brightness
15. The One
En1. BUD
TEXT BY 清水素子
PHOTO BY 笹森健一・ウチダアキヤ
リリース情報
2025.05.26 ON SALE
DIGITAL SINGLE「LOVE ME」
BUDDiiS OFFICIAL SITE
https://buddiis.com/