■「観る前の自分には戻れないです! 生きるということに対して気づきがもらえる映画なので、たくさんの方に共有していただき、輪が広がってくれたらうれしいです」(亀梨和也)
映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』の初日舞台挨拶イベントが6月27日、東京・ユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、主人公の小学校教諭・薮下誠一を演じた綾野剛、息子・拓翔(三浦綺羅)への体罰を主張する保護者・氷室律子役の柴咲コウ、週刊誌記者・鳴海三千彦役の亀梨和也、そして本作のメガホンを取った三池崇史監督が登壇した。
公開初日のこの日、客席には、緊張感と期待が入り混じる独特の空気が漂っていた。そんななか、スクリーン後方の扉からサプライズで登場したキャスト陣に、場内は大きな歓声と拍手に包まれる。一気に熱気が高まった客席を、綾野、柴咲、亀梨の3人が手を振ったり、笑顔を見せながらステージに向かっていく。到着したステージで三池監督とも合流し4人がラインナップすると改めて大きな拍手が湧きおこった。
まず、綾野剛が「今日を迎えることができて、とてもうれしいです。これだけの多くの方にこの作品を選んでいただけて、心から感謝申し上げます」と、本作への思いと公開初日を迎えた喜びを語ると、客席からは温かい拍手が。
続いて、柴咲コウは「昨年の撮影時から1年を経て、ようやく公開できることをとてもうれしく思っています」と作品に込めた想いを含め挨拶。亀梨和也は「これから観ていただくにあたって、より作品に入り込んでいただけるような時間を過ごせればと思います。今日は楽しんで帰ってください。」と、場内の空気を和ませた。
最後に三池崇史監督が「今日は本当にありがとうございます。作品も含めて、最後まで楽しんでいってください。」と挨拶し、完成した作品をいよいよ届けられる喜びを率直に語った。
会場がひと際ざわめいたのは、本作へ寄せられた各界の著名人から寄せられたコメントが紹介された場面。綾野剛の渾身の演技、三池監督の挑戦的な演出に対し、監督・藤井道人は「綾野剛という俳優のすべてが、この映画を形作る。トップシーンのバックショットから、ラストシーンの瞳まで、薮下誠一という男のたゆたう感情を全身全霊で演じ切っている。剛さん、すごいよ! 三池監督もすごい!!2025年、絶対に観てほしい映画に出会えました」と熱のこもった言葉を寄せており、綾野は藤井監督からのコメントに「照れますね(笑)。たくさんの方に届く作品を作っている藤井さんに評価いただけて、ただただうれしいです」と感謝とともに胸の内を明かしていた。
また、監督・白石和彌や作家・染井為人といった著名人たちからの熱のこもったコメントが次々に紹介され柴咲は「うれしいですね。出演オファーお待ちしております!(笑)」、亀梨は「(本作は)近くに存在しているテーマだなと僕自身も感じていました。素敵なコメントをありがとうございます」、そして、縁の深い俳優・窪田正孝からのコメントに対して、三池監督は「彼の目から見ても楽しんでもらえてうれしいです」と感慨深げに語った。
MCからの「“でっちあげ、気になっているけど怖そうで観に行くのを迷っている”という声もあるが、それでも観てほしいポイントは?」という質問に綾野は「映画も出逢いのひとつだと思っています。いろんな一秒を体感できるというのが醍醐味。あらたな再発見ができる作品になっているので、まだ見ぬ一秒に出逢いにきていただいていただけると幸いです」、柴咲は「私は物事をはっきり言うタイプですが、律子を演じて、自分にも日和っている部分があると気づきました。自分たちが何を根拠に情報を判断しているのか考える、いいきっかけになる作品だと思います」とコメント。
亀梨は「まずは出逢っていただきたいです。人の強さや弱さが描かれていて、人間関係などの景色がクリアに見えてくる作品です。僕たちの本気度を受け取っていただきたいです」と、呼びかけた。
また、事前のインタビューで「すべての登場人物のなかに少なくともひとつは『あぁ、わかるな』と腑に落ちる点がある」とコメントしていた三池監督に対して、この日はMCから「薮下・律子・鳴海、それぞれのどこに共感できたか?」という具体的な質問が投げかけられた。
監督は「登場人物は、それぞれ自分の人生を自分なりに一生懸命に生きているんです。優柔不断な面を持っている善良な薮下には、特に共感できます」と、キャラクターの人物像に込めたリアリティと、自身が共鳴したポイントについて語った。
また、綾野も「劇中で描かれているのは、それぞれの一面でしかありません。その人をどう生きるか、それぞれの一面をちゃんと振り切るというのを大切にして演じました」、亀梨は「出てくるキャラクターがみんな人間らしくて、その立場、その職業の正義の掲げ方があると感じました。ちょっとしたかけ違いで、こういう事態になる…というゾクっとする感覚がありました」と述べ、柴咲が「私(律子)の目の奥を見てください!」といたずらにほほ笑むと、登壇者全員で「この大スクリーンで、律子の凍るような目を見たい!」とツッコみ、チーム力で魅せた。
イベントの最後には、これから映画を観る観客に向けたメッセージタイムへ。亀梨は「観る前の自分には戻れないです! 生きるということに対して気づきがもらえる映画なので、たくさんの方に共有していただき、輪が広がってくれたらうれしいです」、柴咲が「黒だと思っていたのが白だということもある。この作品から、想像力を培う大切さを学びました。観てくださる皆さんにも、そこを捉えていただけたらうれしいです」と挨拶。
そして、綾野が「本作は、ジェットコースターのようなスピード感にワクワクするエンタメ作品です。劇中で起こっていることに、ただ楽しんでいただけたらうれしいです。楽しめば楽しむほど、答え合わせができる。持ち帰っていただいた時に、初めて育っていく。総合芸術を、最後まで楽しんでください。」と、観客一人ひとりに語りかけるようなメッセージを送った。
そして、全国のライブビューイング会場に向け、全員でカメラに向かってサインを書きフォトセッションへ。最後はMCの掛け声に合わせ、キャスト・監督・観客が一体となって、「映画でっちあげ!」「本日公開!」のコールと同時にキャノン砲が発射され、舞台挨拶は幕を閉じた。
映画情報
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
絶賛上映中!
出演者:綾野剛 柴咲コウ
亀梨和也 / 大倉孝二 小澤征悦 高嶋政宏(「高」は、はしごだかが正式表記) 迫田孝也
安藤玉恵 美村里江 峯村リエ 東野絢香 飯田基祐 三浦綺羅
木村文乃 光石研 北村一輝 / 小林薫
監督:三池崇史
原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
脚本:森ハヤシ
音楽:遠藤浩二
主題歌:キタニタツヤ「なくしもの」(Sony Music Labels Inc.)
制作プロダクション:東映東京撮影所 OLM
制作協力:楽映舎
製作幹事・配給:東映
(C)2025「でっちあげ」製作委員会
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』作品サイト
https://www.detchiagemovie.jp/













