■「よかったです、60にもなってこんなことができて」(奥田民生)
Ooochie Koochieの全国ツアーが、7月12日、広島グリーンアリーナにてスタートした。
奥田民生と吉川晃司、同じ1965年生まれで同じ広島出身、高校時代からバンド仲間を通して接点のあったふたりが、還暦を迎える2025年に結成。デジタルシングル「GOLD」「OK」「ショーラー」を経てアルバム『Ooochie Koochie』を6月25日にリリース。
その作品を携えて、広島・大阪・札幌・仙台・名古屋・東京を回り、2025年の最後の日=12月31日に広島グリーンアリーナ公演の追加公演で終わる、9本の全国ツアーの1本目が、この日。つまり、Ooochie Koochieの、初めてのライブである。
ボーカル&ギターの奥田民生・吉川晃司とともにステージに上がるメンバーは、6人。ドラムは奥田民生のバンドMTR&Yと吉川晃司のバンド、両方のメンバーである湊雅史。ベースは、大神田智彦。キーボードは、奥田民生のMTR&Yから斎藤有太、吉川晃司のバンドからホッピー神山。そして、コーラスでChloe Kibbleとmimiko、という編成で、この9本を回る。
SEが響き、客電が落ち、Ooochie Koochieのふたりが、赤いスパンコールのジャケットと、金のロングコートで登場。
奥田民生が主に歌う曲。吉川晃司が主に歌う曲。ふたりで交互にボーカルをとる曲。ふたりがユニゾンで全編歌い通す曲。奥田民生がギターを放して、ハンドマイクで歌う曲。逆に吉川晃司がギターを置き、ハンドマイクで歌う曲、あるいはスタンドマイクを使う曲。ギターソロがふたりのバトル状態になる曲。ぴったり息の合ったツインリードを聴かせる曲──などなど、曲によって、お互いの担う役割が変わりながら、ライブが進んで行く。
セットリストは、「ショーラー」「GOLD」「OK」「Three Arrows」など、『Ooochie Koochie』の収録曲を中心に組まれている。事前に取材で本人たちが予告していたとおり、奥田民生・吉川晃司のそれぞれの曲なども演奏された。お互いのリクエストで選んだ曲もあることが、MCで明かされる。
ふたりの持ち曲の中から、いかにもこのユニットで演奏するとハマりそうなものもあるし、一瞬意外に感じるが、実際に聴くとドハマりな曲も、セレクトされている。奥田民生と吉川晃司、お互いのファンが観ても存分に楽しめる内容になっているツアーであるということが、この初日を観てわかった。
最初のMCでは、まず吉川晃司が「ごきげんよう。還暦にして新人のふたりに、満員御礼ありがとうございます」と感謝を伝えたあと、力いっぱい広島弁な掛け合いが、延々とくり広げられる。
挙句、「今日は初日で、広島じゃけえこのトークでええけどさ、他の地方行ったとき、どうしたらええの?」などと言い出す奥田民生。吉川「ノーMCで」奥田「急にしゃべらんようになるんじゃ? はよう終わるよ、それは」。
超満員のオーディエンスは、爆笑と拍手をステージに贈る。後半に奥田民生が「よかったです、60にもなってこんなことができて」と言ったときも、同じく、大きな拍手で応えた。
7,500人のオーディエンスを魅了したOoochie Koochieが、次にともにステージに立つのは、この8日後の7月20日、大阪フェスティバルホールになる。
TEXT BY 兵庫慎司
メイン写真:PHOTO BY 三浦憲治
リリース情報
2025.06.25 ON SALE
ALBUM『Ooochie Koochie』
2025.12.24 ON SAEL
ANALOG『Ooochie Koochie』
Ooochie Koochie OFFICIAL SITE
https://ooochie-koochie.jp/







