映画『君の顔では泣けない』の『大ヒット祈願!公開直前トークイベント』が11月10日には東京・赤城神社にて行われ、芳根京子と高橋海人(「高」は、はしごだかが正式表記)が参加した。
境内で大ヒット祈願を終えた坂平陸役の芳根と水村まなみ役の高橋は、劇中に出てくる喫茶店・異邦人を模したセットでトークショーを実施。芳根と高橋は「懐かし~!」「この景色、うわ~となる!」と声を合わせながら、劇中でもふたりが演じたキャラクターが飲んでいる飲み物が提供されると「飲んでた! 飲んでた!」と声を弾ませ「かんぱ~い!」とグラスを合わせて喉を潤した。
映画公開まで残り4日。多くのPR活動をともに行ってきたふたりは「高橋君がいる日は力を抜いてできそうだと思えて安心」と芳根が言うと、高橋は「僕からのんびり感のバイブスが出ているんでしょうね。僕も芳根ちゃんがいると元気が出るし、前日からワクワクする。明日芳根ちゃんDAYだ! と思って」とすっかり仲良しのふたりだった。
撮影中は互いに難役・難題に向き合っていたこともあり、高橋が「撮影中は自分の役に対して向き合い散らかしていたので、脳みそのほとんどをまなみに取られる感覚があった。やっと芳根ちゃんと人間としてお話ができる、と言う感覚がある!」と喜ぶと、芳根は「撮影中はここまで不思議な方だとは思わなかった…」と取材を通しての高橋の印象激変を明かす。この発言に高橋は「いろいろなバイブス持っています!」と返すなど、楽しそうなふたりだった。
改めて芳根は、脚本を読んだ感想について「私たちが生きている現実と延長線上にある物語で、その不思議な感覚をそのまま届けなければというプレッシャーがありました」と告白。高橋は『君の顔では泣けない』というタイトルが心に響いたそうで「理解しやすいようで実は難解なタイトル。この言葉がどんな意味を持つのか、それを探る作業が楽しかった。15年間中身が入れ替わってふたりで頑張って戦って日常生活をサバイブするさまが描かれていたので、生半可な覚悟では出演できないと思った」と述べた。
15年間も中身が入れ替わった性別の違うキャラクターに挑んだわけだが、高橋は「撮影が終わるまでは、はたして自分のアプローチは合ってるのかと怖かった。だから芳根ちゃんの表情を見て引き出せたと思ったら自分的には合格にしました。そんな感覚を信じて演じていました」と回想。芳根は喫茶店・異邦人シーンのリハが印象的だったと言い「この物語は外見ではなく中身の話だと気づいた。陸とまなみ、それぞれの心を追求すれば良いんだと辿り着くことができた。それを(自分のなかに)持っていれば仕草は後からついてくるのではないかと…。あのときのリハーサルは大きかった」と振り返った。
そんな喫茶店・異邦人の撮影について芳根は「1日の撮影分量も多くて、基本的に二人芝居で年齢も時代を越えなければいけないので、撮影日が近づくにつれて『来る! 異邦人が来る!』という印象でした(笑)。しかも異邦人撮影予定日に台風の影響でスケジュールが変更になりそうになって、初めてマネジャーさんに『それだと無理かもしれない!』と泣きついたくらい追い込まれていました」と思い出し笑い。
高橋も「仕草ひとつとっても集中しなければ隙が生まれる空間でバランスが難しかった。力を入れ過ぎるとやり過ぎだし、抜きすぎると残せない気がして。思い出しただけでもゾクゾクする…」と見どころ場面に挙げた。
芳根と高橋は坂平陸と水村まなみに没入するなかで、それぞれの生き様と役とのリンクを感じたという。絆も強まったそうで芳根は「撮影後の今年の頭にスタジオの廊下でばったりお会いしたときに、私のことを見て『もうひとりの俺~!』と言って近づいてきた。私は『もう違う人生だよ? 頑張ってね!』と言ったけれど、それくらいともに戦った作品になりました」とエピソードを紹介すると、高橋も「共闘という言葉がふさわしいくらい、抱えていた感情は同じでした。あのときも遠くから歩いてくる姿と笑い声で『絶対に芳根ちゃんだ!』とわかって。ちょうど別作品で戦っていたので、すがるような思いで…。でも芳根ちゃんは『もう終わったから!』とさっぱりしていました」と明かして笑わせた。
本作の経験を通して「入れ替わり」に対する価値観もガラッと変化。芳根が「入れ替わるのは大変です。(笑)『誰と入れ替わりたいですか?』と質問されたら気軽にポンと答えていたことが今は言えない。それがどれだけ重たいことなのか考えてしまって…。今だったら『入れ替わりたくない』と答えちゃいそう」と率直に言葉にすると、高橋も「誰と入れ替わりたいのか? という質問は大喜利的要素があってインタビュアーの方もワクワクした顔で聞かれるけれど、一瞬で真顔にさせちゃう可能性がある(笑)。今まではおちゃらけて答えていたけれど、重く捉えてしまって。入れ替わるってそう簡単じゃない。完成した映画を観たときに陸のまなみふたりの表情を見たうえで、誰かと入れ替わる可能性を考えたときに『ここは奪われたくない』と思うことこそが素敵な事で、自分の人生を生きられている証拠なのかもしれない」と実感を込めていた。
最後に高橋は「今日は撮影のことを鮮明に思い出して、愛が深まる時間でした。本作は観ていただいた後に自分の人生が特別なものだと思ってもらえるきっかけになる作品です。映画は公開から3日間が大事なので周囲の方に感想を伝えていただき、たくさんの方が自分の人生を素敵だと思っていただければ良いなと思います。まずは3日間です!」と猛烈アピール。
芳根も「自分の人生が愛おしくなるような作品です。たくさんの方に届くと良いなということを願って…3日間です! 大きなスクリーンと良い音響で本作を全身で感じていただけたら嬉しいです」と呼び掛けた。
『君の顔では泣けない』は、11月14日からTOHOシネマズ 日比谷他にて全国ロードショー。
(C)2025「君の顔では泣けない」製作委員会
■映画情報
『君の顔では泣けない』
11月14日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:芳根京子 高橋海人
西川愛莉 武市尚士
中沢元紀 林裕太/石川瑠華 前野朋哉/前原滉 ふせえり
大塚寧々 赤堀雅秋 片岡礼子 山中崇
原作:君嶋彼方『君の顔では泣けない』(角川文庫/KADOKAWA 刊)
監督・脚本:坂下雄一郎
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2025「君の顔では泣けない」製作委員会
■関連リンク
『君の顔では泣けない』作品サイト
https://happinet-phantom.com/kiminake/


