Aqua TimezとReoNaによるツーマンライブ「Aqua Timez & ReoNa Special Live 2025『合流地点』」が、神奈川・KT Zepp Yokohamaにて開催された。
■「今だけはすべてを忘れて踊りましょう」(ReoNa)
今回のツーマンライブは、Aqua Timezの太志(Vo)が、ReoNaの“歌”に深い共鳴を覚えたことがきっかけで実現したもの。ReoNaが長年カバーし、歌い続けてきた「決意の朝に」を通じて“なぜ歌うのか”が互いに響き合い、世代や時代を超えて“心の痛み”“生きること”に寄り添う音楽が交錯する、まさに“合流地点”の名にふさわしい一夜となった。
“特別”とは、まさにこの夜のことをいう。弱さや孤独を抱える人に寄り添い、前向きな力を与えてきたAqua Timezと、“絶望系アニソンシンガー”として生きづらさに寄り添い、魂と命を歌ってきたReoNa。Aqua Timezの代表曲「決意の朝に」をReoNaがカバーしたことをきっかけに、ついに実現したツーマンライブ 。それぞれの道を歩んでいた2組が、同じ想いを抱えた音楽を通じて合流したこの日。20周年を機に期間限定で再結成を果たしたAqua Timezのラストマンス、最後のライブハウス公演での“一期一会”がそこにあった。
大歓声を受けて先に姿を現したのはReoNaだ。暗転したステージのスポットライトを浴びて凜と立ち、《魂の色は何色ですか》と歌で問いかけたのは、彼女の代表曲「ANIMA」だ。客席から沸き立つクラップ、力強いバンドの音が一気に会場の温度を上げて「生命線」へ。伸びやかに、だが儚げな“命”を歌うReoNaの唯一無二の世界へと誘っていく。ライブは一期一会の場だと宣言し、「今だけはすべてを忘れて踊りましょう」と語って軽やかなダンスとともに「シャル・ウィ・ダンス?」を華やかに届けたあとは、ReoNaの“絶望”の本質に迫る切々としたバラード「生きてるだけでえらいよ」で空気を一変。張り詰めた静寂のなか、ピアノの音とReoNaの泣き出しそうな歌声だけが、どこまでも切々と響きわたった。
自身が“絶望”を歌う理由と、アニメ『ブレイブストーリー』の主題歌だったAqua Timezの「決意の朝に」が自分に寄り添ってくれたと出会いを語って届けた「unknown」。「くすぶったままでも生きていこう」と言葉を添えてアコースティックギターを掻き鳴らした「Debris」。そして改めてオーディエンスと、再結成という限られた時間のなかで“合流地点”というツーマンライブの場を設けてくれたAqua Timezへの感謝を伝え、ReoNaステージのラストを飾ったのは、みんなひときりの旅路だからこそ《それでも生きていく》んだと告げて始まった「HUMAN」だ。微笑むReoNaの温かな歌声と降り注ぐオレンジ色の光が、KT Zepp Yokohamaを一筋の希望で満たしていった。
■ReoNa、Aqua Timezへ感謝の手紙を読み上げる
ひとときの転換を挟み、軽快なBGMと歓声の中でAqua Timezのメンバーがスタンバイ。巻き起こるクラップを浴びてボーカル・太志が登場すると、エスニックなイントロが鳴り、客席が喜びにどよめく。スタートしたのはドラマティックな「アスナロウ」。太志の深く届くボーカル、キレのあるTASSHIのドラム、躍動するOKP-STARのベース、mayukoの軽やかなピアノと大介の鋭いギターとコーラスが絡み合い、KT Zepp YokohamaをAqua Timez色に染めていく。
「いいものをいいと言える大人になりたい。だからReoNaさんの曲、世界観が大好きです。ここに来ている全員に敬意を込めて。今日は最後までよろしく」。太志の言葉に観客が沸き、軽快な「生きて」にクラップが重なる。ReoNaとのライブのためにセットリストも世界観を合わせようとしたが、「もともと世界観、合ってた」と太志が楽しそうに言って放たれたのは、静かな客席に染み入った「手紙返信」からの「MASK」、そして太志を支えるようにオーディエンスのシンガロングが響いた「STAY GOLD」。ReoNaもAqua Timezも楽曲に込めた想いは同じなのだと改めて気づかされる。
ReoNaの「決意の朝に」のカバーから始まった今回の対バンライブに「運命のようなものを感じる」と太志が微笑み、自分のために笑っていいんだと歌う「ALONES」へ。キャッチーなメロディ。高まる熱。「辛いこと思っているときを、生きていて良かったと変えるように俺たちは音楽をやってるんだ」と、オーディエンスにメッセージを伝えながら歌った「シンガロング」。そしてAqua Timezステージの最後に届けたのはクールで熱い「オーロラの降る夜」。さらに終盤の重厚なリフに続いて太志が歌い出したのは…《魂の色は 何色ですか》のフレーズ! 沸きに沸く観客と「ANIMA」のサビを大合唱。ReoNaの魂と共鳴したサプライズに、大きな拍手が贈られた。
そしてアンコール。太志が大介とmayukoを伴って登場し、普段のワンマンではアンコールをやらないReoNaを呼び込んで、静かに歌われたのは太志が大好きだと語ったReoNaのバラードナンバー「まっさら」だ。そこからAqua Timez全員が集結してReoNaと一緒に放ったのは、もちろん「決意の朝に」。太志とReoNaが最初で最後となるこの“合流地点”への想いを込めたメッセージを語り合い、歌声を交えたこの曲に感動が押し寄せた。終演を目前にしたステージでは、もうひとつ、ReoNaがAqua Timezに宛てた感謝の手紙を読み上げるというサプライズも。「決意の朝に」をリリースしたときには、まさかこんな未来が待っていると思ってなかったと言い、Aqua Timezの最後となる12月に「間に合って良かった、幸せはここにあったね」と語った太志。音楽の力と受け継がれる楽曲、その想いの強さを心から感じた夢のような一夜。2組の音楽を愛する人に、この日の景色は必ずや語り継がれていくことだろう。
TEXT BY 阿部美香
PHOTO BY 平野タカシ
■ReoNa、太志 コメント
◎ReoNa コメント
いつか、私がお歌に、アニメに、寄り添ってもらったように。
傷に、痛みに、孤独に。
寄り添えるお歌を、紡いでいたい。
“絶望系アニソンシンガー”ReoNaの原点になる想いをくれた、大切なお歌「決意の朝に」。
お歌が、アニメが、出会わせてくれたご縁。
何年と渡る月日の流れの先で、繋がった日。
Aqua Timezさんが、手を差し伸べてくれたから“合流”できた今日の日。
間に合って、良かった。
お歌、楽しんでいただけていますように。
お歌の遺伝子を、託された想いを、これからも歌い続けます。
ありがとうございました。◎太志 コメント
今回、「合流地点」というタイトルのライブで、ReoNaさんとご一緒できたこと、とても光栄に思います。ReoNaさんの音楽とAqua Timezの音楽には、親和性があると感じています。活動終了前にツーマンライブができたことをとても幸せに思います。
■【画像】ライブ場面写真
■関連リンク
Aqua Timez OFFICIAL SITE
https://www.sonymusic.co.jp/artist/AquaTimez/
ReoNa OFFICIAL SITE
https://www.reona-reona.com/


