佐野元春 & THE COYOTE BANDが、ライブデビューの地・横浜で行った一夜限りの特別なステージ『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents 横浜フォーエバー 45TH ANNIVERSARY TOUR FINAL MOTOHARU SANO AND THE COYOTE BAND』のライブレポートが到着した。
■45周年アニバーサリーツアーの集⼤成とも言えるファイナル公演
デビューから45年、ザ・コヨーテバンドとの活動20年を迎えた佐野元春。7⽉からスタートした全25公演のツアーは即日完売。バンド、音響、ライティング、映像アートが有機的に響き合い密度の高いロック空間を創出する唯⼀無⼆のライブパフォーマンスは、各地で圧倒的な熱狂を巻き起こしてきた。
また3⽉に発表された80年代の名曲たちをTHE COYOTE BANDとともにリレコーディングしたアルバム『HAYABUSA JET I』も好評で、高セールスを記録。10⽉には時代を超えたメッセージを持つ楽曲をリレコーディングしたアルバム『HAYABUSA JET II』も発表され、アニバーサリーイヤーならではの充実した活動を届けてくれている。
その45周年アニバーサリーツアーの集⼤成とも言えるファイナル公演が、12⽉7日に神奈川県、横浜BUNTAIで開催された。
「アニバーサリーを迎えるアーティストをフィーチャーする祝祭イベント」として開催されている『YOKOHAMA UNITE 音楽祭』。デビューの地・横浜での⼀夜限りのプレミアムステージ『YOKOHAMA UNITE 音楽祭 2025 presents 横浜フォーエバー 45TH ANNIVERSARY TOUR FINAL MOTOHARU SANO AND THE COYOTE BAND』は、ロビーに1994年に横浜スタジアムで⾏われたスタジアムイベント『LAND HO!』のドキュメンタリーフォトの特別展示『“LAND HO!” メモリアル写真展』も開催され長蛇の列が出来、開演前から多くのファンを魅了した。他にも様々なオプションが設けられており、始まる前からワクワクさせられっぱなしで、ステージへの期待も高まるものだった。
「ヤングブラッズ」「つまらない⼤人になりたくない」からスタートしたステージは、歌詞の断片が映像から飛び出してくるなど、その情報量の多さに驚いたが、『HAYABUSA JET I』の楽曲を中心に25公演を回ってきた充実の演奏(ビートとサウンド)の中に身をゆだねていくうちに、佐野が紡ぎだすメッセージが自然と処理されていたことに気づかされた。
『ビジターズ』ツアー以来、40年ぶりだというYOKOHAMA BUNNTAI(当時は横浜文化体育館)での1部ステージの最後は、10⽉に発売されたアルバムの先⾏曲「レインガール」そして会場が⼀気に熱くなる「悲しきレディオ」で休憩に。
休憩中も山中湖で収録されたインタビュー『山中湖は寒かった』が流れ、音楽的ルーツや45という数字から浮かぶこと(アナログ7インチ45回転)など、佐野の中の断片を知ることができたのも楽しいひと時だった。
■名曲「クリスマス・タイム・イン・ブルー」も披露
1部では革ジャン姿だった佐野は、2部では白のスーツで登場。現在世界で起きている様々な出来事や未来の子供たちへの思いを乗せたステージだったように思えた。
この日も様々な年齢のファンが集まっており、佐野のライブに来る年齢層が広がっていること、そして”世界中のキッズたちに贈る“という言葉から届けられた「愛が分母」は、スカのビートにのせ、佐野の独特の振りも相混じって深いメッセージを楽しく聴かせてくれた。
そして「エンタテイメント!」からの「水のように」「⼤人のくせに」「ニューエイジ」と続くところでは、映像がメッセージの深い意図をサポートし、さながらロックオペラでも観ているかのように、佐野が託した思いが届けられた気がした。
加えて、ファイナルのこの日だから届けられたこの曲「クリスマス・タイム・イン・ブルー」は“12⽉ですね、クリスマスの季節。戦争で傷ついた人々もどこかにいます”という言葉から始まり、曲が終わるのかと思ったそのとき、クリスマスソングの定番の⼀曲「サンタが街にやってくる」を巧みなアレンジで聴かせてくれた。
そして、本編最後に届けられたのが「約束の橋」。そこには横浜に集まったファンへの感謝の思いが詰まっていた。そしてそれはアンコールのラインナップ「シュガータイム」「スターダストキッズ」「ソーヤング」に現れており、場内はこの45年間を爆発させるかのような熱狂が渦巻いた。
そして最後はデビュー曲「アンジェリーナ」。ライブデビューの地・横浜で45周年ツアーのファイナルを迎え、最後の楽曲がデビュー曲というのも彼らしい。そこにはきっと50年に向かって、未来に向かって“これからもいちばん前で走り続ける”という思いが込められていたのだと感じた。
この日の公演の模様はスペースシャワーTVで2026年に放送されることが決定。放送日時などの詳細は、スペースシャワーTV公式サイトやSNSで後日発表される。
PHOTO BY アライテツヤ
【動画】佐野元春 & The Coyote Band「レイン・ガール (New Recording) 」MV
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