EXILEによる8度目の全国ドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2025 “THE REASON”』が、12月28日に愛知・バンテリンドーム ナゴヤにて終幕した。
■「EXILEとはどんな想いで、何のために存在しているのか。」
11月15日よりスタートした『”THE REASON”』は、2025年春に開催した『EXILE LIVE TOUR 2025 “WHAT IS EXILE”』の続編となるツアー。タイトルどおり、「EXILEとはどんな想いで、何のために存在しているのか。」を証明することが大きなテーマである。そのため本ツアーからは、ボーカルのEXILE ATSUSHIが、2022年12月21日開催の『EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH” ~Christmas Special~』以来、2年11ヵ月ぶりにEXILEに復帰。EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、 EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO(EXILE/三代目J SOUL BROTHERS)、小林直己(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS)、世界(EXILE/FANTASTICS)、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)というお馴染みのEXILEが再集結した。
また、『WHAT IS EXILE』ツアーに引き続き、STARTING MEMBERが参加しており、『”THE REASON”』ツアーでは、THE RAMPAGEの陣、神谷健太、山本彰吾、岩谷翔吾、浦川翔平、藤原樹、FANTASTICSの澤本夏輝、堀夏喜、木村慧人が全公演に出演。最終日には、全公演でサポートメンバーを務めたTHE JET BOY BANGERZの他、ゲストアーティストのDOBERMAN INC(大阪公演から参加)も出演し、豪華な顔ぶれで年内最後のライブを盛り上げた。
■『“REASON”』ツアーならではのコラボ
2001年、唯一無二のダンス&ボーカルグループとしてデビューしたEXILE。放浪者という名を背負った彼らは、決してひとつの形に留まることなく、何度もメンバーチェンジを経験しながら、“今のEXILEならではのベストなエンタテインメント”を提示してきた。そんなグループの在り方や楽しみ方を、オープニング映像を通して観客に訴えかけると、ステージ上には、“未来のEXILE”の可能性を秘めたEXPG STUDIOのダンサーやSTARTING MEMBERが続々と登場。その手には球体のキャンドルが光り、観客を幻想的な世界へと誘った。
そして、無数のペンライトが客席に銀河を創り上げるなか、夜明けを知らせる光とともに、EXILEを乗せたステージがゆっくりと上昇していく。ふいにATSUSHIの繊細な歌声が舞い込み、TAKAHIROが力強くバトンを受け取ると、ドームツアーのテーマソングである「Reason-Planet Earth Ver.-」がライブの幕開けを告げた。同曲は、ATSUSHIが作詞した壮大なメッセージソング「Reason」(2023年リリース)をNESMITHとSHOKICHIを加えた4ボーカルで再構成したもので、2番にはふたりの熱いハーモニーが観客の興奮を煽る場面も。その周りではパフォーマーとSTARTING MEMBERが誇らしげな表情で踊り、最終的にはキッズダンサーたちとの大合唱が観客を包み込む――。オリジナルメンバーのATSUSHIを起源として、徐々に次世代へと受け継がれていく「Reason-Planet Earth Ver.-」の展開には、「ファンが待ちわびていた“This is EXILE”を届けたい」というメンバーの情熱が詰まっていたように思う。
ライブ演出のみならず、セットリストもまさに“This is EXILE”と言うべき楽曲のオンパレードだった。ビッグスマイルのAKIRAを先頭に定番のロールダンスが始まると、2曲目「Choo Choo TRAIN」で場内は一気にヒートアップ。TAKAHIROは「知ってる方は一緒に!」と謙虚に呼びかけていたが、もはや会場にいる誰もが口ずさめる代表曲のひとつだろう。岩谷・藤原・木村など、キッズダンサー時代からこの曲を踊り続けてきたSTARTING MEMBERの笑顔もとびきり眩しく映る。次の「I Wish For You」は、EXILEが10年目に突入した際にリリースした、優しく背中を押してくれるようなダンスチューン。《I Wish》とのコール&レスポンスでひとしきり盛り上がったあと、「PARTY ALL NIGHT ~STAR OF WISH~」で弾けるように踊り明かすと、早くも新年を迎えたようなおめでたいムードが漂った。この曲では、ストリートダンサー出身の橘・小林・山本が揃ってカメラにポーズしたり、各グループのバラエティ担当ともいえるNAOTOと浦川がノリノリでダンスを踊ったり、もともとはボーカル志望だったというTHE RAMPAGEのパフォーマー神谷が、歌詞を口ずさみながらATSUSHIに寄り添ったりと、『“REASON”』ツアーならではのコラボが生まれていたこともお伝えしておきたい。のびのびとステージを駆けまわった「PARTY ALL NIGHT ~STAR OF WISH~」から一転、軽快なカウントで助走をつけた「DANCE INTO THE FANTASY」の一糸乱れぬシンクロダンスも目を見張るものがあった。
「名古屋ドーム、まだまだいけますか!? ファイナル公演、さらにいこうぜ!」SHOKICHIの煽りに呼応するように、ATSUSHIのシャウトがリードしたのは、ファイティングアンセム「Heads or Tails」。同曲はEXILEメンバーのみでパフォーマンスしており、間奏では、足の怪我で『WHAT IS EXILE』ツアーに出演できなかったTETSUYAを筆頭に、パフォーマーによるダンスソロも繰り広げられた。近年はFANTASTICSとして大舞台に立つ機会が増えている世界や佐藤も、テクニカルかつダイナミックなダンスで、11年前の『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』でEXILEメンバーの座を掴んだ者としてのプライドを見せつける。だが、EXILEは形を変えながら進化するグループであり、夢を与え続けるエンタテインメント集団だ。長年EXILE TRIBEに継承されてきた「24WORLD」では、SHOKICHIのマイクパフォーマンスとSTARTING MEMBERによるダンスがドラマティックに絡み合い、さらなる高みへ向かうEXILEを表現。TAKAHIRO、NESMITH、SHOKICHIと共にTHE RAMPAGEの派生ユニット・MA55IVE THE RAMPAGEのメンバーたち(神谷、山本、浦川)もマイクを握り、オリジナルのリリックで努力し続ければ夢が叶うことを証明した。TAKAHIROが「ひとつになっていきましょう!」と呼びかけた「BE THE ONE」は、EXILE20周年の節目にTAKAHIROとSHOKICHIが制作した楽曲。メンバーたちはトロッコで客席に幸せを振りまきながら、これまでの楽曲タイトルやキーワードを繋いで出来上がったという歌詞に各々のEXILE愛を込める。カメラに向かって語り掛けるように《陽はまた昇るから》と口ずさんでいたのは、EXILEのライブで旗振り役を任されていたEXPG生時代を経て、THE RAMPAGEのリーダーに就任した陣。次世代アーティストの育成に力を入れているTETSUYAと岩谷は、仲良くサムズアップ。直前の「24WORLD」で、長身を生かした迫力満点のダンスを披露していた堀や澤本(FANATASTICS)が、観客一人ひとりの顔を覗き込むようにして手を振る姿も印象的だった。
■ボーカル、ダンスでそれぞれ魅了
楽曲によってメンバー編成を変えながら、あくまでもEXILEとしての一体感を大事にしてきた前半戦。本編中盤からは、メンバーや楽曲の個性がより際立つステージへとシフトチェンジしていった。まずは、「A! SO! BO!」を合図に始まったEXILE THE SECONDのブロック。ステージ裏での公開生着替えでタキシード姿に変身した5人は、パーティーチューンの「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」と「SUPER FLY」を立て続けに投下。「SUPER FLY」ではSTARTING MEMBERもそれぞれ異なるコスチュームで登場し、ミュージカルのようなパフォーマンスで観客を魅了する。美女に変身した木村が、ダンディなAKIRAとプレイボーイ役の神谷に抱き上げられる三角関係や、王子様風の衣装で現れた堀・澤本コンビには、ひと際大きな歓声が上がった。そこに入れ違いで登場したのは、SHOKICHIやAKIRAがプロデューサーとして選出した、LDHの新星・THE JET BOY BANGERZ。パフォーマー全員が現役Dリーガーである彼らは、10人という大所帯でデビュー曲「Jettin’」を披露。自信に満ち溢れたアグレッシブな群舞とマイクリレーで客席を沸かせた。
EXILE THE SECONDとJr.EXILE(STARTING MEMBER)のコラボや、LDHのDNAを色濃く受け継ぐTHE JET BOY BANGERZの存在が、“EXILEの未来”を象徴していたのに対し、次のブロックでは“EXILEの原点”を象徴する楽曲たちが続く。ストリングスの豊かな音色に導かれるようにライトアップすると、そこはまるでフラワーガーデン。色とりどりの花で飾られたオブジェを背にして、自らもブーケを手にしたATSUSHIとTAKAHIROが、少し照れ臭そうに寄り添いながらスタンバイしていた。ふたりが少女にブーケを手渡すと、花柄のセットアップに身を包んだEXILEとSTARTING MEMBERが続々と集まり、「Each Other’s Way ~旅の途中~」へ。ATSUSHIが「皆さんの心の中の美しい花が、いつまでも咲き続けていられますように」と言い添えたのは、「Flower Song」。「Lovers Again」「ふたつの唇」「Ti Amo」といった極上のラブバラードも“This is EXILE”と言うべき一面で、神谷や山本の芝居を交えた官能的なステージングが観客の視線を釘付けにしていた。「響 ~HIBIKI~」では、照明とダンスをリンクさせた美しい演出も。しなやかなダンスが彩った花道の先で、ATSUSHIとTAKAHIROはひたりにとって特別な思い入れのある「道」を大合唱し、会場に集った3万人の観客と思い出を重ねる。その光景は、恐らく、多くのEXILEファンが待ち望んでいたものだろう。もちろん、EXILE THE SECONDのメンバーや世界・佐藤も多くの功績を残しているのだが、短い静寂のあと、ATSUSHIからのメッセージとソロ曲「Just The Way You Are」が溢れ出すと、彼の誠実な歌声に“EXILEの原点”を強く実感したのだった。
パフォーマーによるダンスブロックでは、先輩後輩の垣根を越えたパフォーマンスバトルが勃発した。TETSUYAが率いるチームには、アクロバットやフットワークに定評のある浦川と岩谷が参戦。ライブ中、終始笑顔だった佐藤も、アクロバティックなソロでは勇ましい表情に。俳優としても活躍する藤原と堀を引き連れたNAOTOが挑発的な表情で煽れば、サングラス姿のAKIRAと小林が圧倒的な存在感で迎え撃つ。橘はTHE JET BOY BANGERZのSHOWやTAKUMIと共に、特技のポッピンダンスを披露。細かすぎる音ハメで踊り倒す世界のソロは、さすがダンスの申し子といった完成度で、すごすぎて思わず笑いがこみ上げた。
そんなダンスブロックを経て、デビュー24周年を迎えた9月27日にリリースした新曲「Get-go!」が披露されると、早くも本編終盤。ATSUSHI、TAKAHIRO、NESMITH、SHOKICHIの歌声を全身に浴びながら、パフォーマーもリズミカルに手を振る。そして「VICTORY」「Someday -House Mix」の掛け声やタオルまわしで、さらに心をひとつに。「BOW & ARROWS」では、メンバーが固まってポージングをとる傍ら、NESMITHと世界がおどける場面もありつつ、「WON’T BE LONG」「Ki・mi・ni・mu・chu」「銀河鉄道999」といったライブ定番曲で賑やかに駆け抜けた。
■「EXILEって、まだまだ青春してたかったんだな」
アンコールには、LDHが運営するアパレルブランド・24karatsのロゴの衣装で揃えたメンバーが登場。ATSUSHIがEXILEの旧友であるDOBERMAN INCを呼び込むと、彼らの吼えるようなラップがメンバーと観客の心を燃え上がらせる。その勢いに乗って、「24karats」を冠した楽曲による「24karats Special Medley」が始まると、いつの間にかメンバーの多くが上裸で拳を突き上げていた。これもまた、EXILEのライブではよく見かける光景だ。とはいえ、まさか次の瞬間、彼らがお揃いのグッズTシャツ姿でにこやかに「Smile」を歌っているとは…。しかし、油断ならないほど、次々にあらたな表情を見せてくれるのが、EXILEというグループの面白いところ。演奏後のMCで、TAKAHIROも「オラついた『24karats Special Medley』の直後に、ピースフルな『Smile』を歌うという、ジェットコースターのようなライブについてきてくださることがうれしいです。皆さん、長年応援してくださっている証拠だなと(笑)。本当にありがとうございました!」と語った。
ここでは、ツアーファイナルということでパフォーマーによるMCタイムも。東海地方出身の“Mr.EXILE”ことAKIRAは「ただいま~!」「おかえり~!」というファンとのコール&レスポンスを楽しんでから、「ファンの皆さんも出演者もそうだと思うんですけど、人生の半分以上、EXILEというエンタテインメントが隣り合わせにあって。こうやって共感し合えるルーツ、ソウルがあるというのは、本当に感慨深いなと思いました」とコメント。世界はかつて『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』でライバル同士だったメンバーやFANTASTICSのメンバーと、このステージに立てた喜びを噛みしめたうえで、間もなく迎える『LDH PERFECT YEAR 2026』を見据え、「毎年PERFECT YEARにできるように、しっかり底上げできるように頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。「THE RAMPAGE兼、MASSIVE THE RAMPAGE兼、EXILE B HAPPY兼、EXILE STARTING MEMBER兼…」という長すぎる自己紹介に、すかさず橘とTAKAHIROから鋭いツッコミが入ったのは、ムードメーカーの浦川。彼がマシンガンのように放つ感謝の言葉とEXILE愛を受けて、ATSUSHIも「若いメンバーが多いので、楽屋でも学校みたいな感じで。EXILEって、まだまだ青春してたかったんだなって思いました」と微笑む。続けて「コロナ禍を経験して、こうして皆さんのお顔を拝見できることが当たり前じゃないって痛感しているから、来年の抱負を聞かれても答えられないんですけど。目標や抱負がなくても、皆さんの笑顔を目の前で見られて、同じ時間を共有できて、最高にハッピーな気持ちがお互いに通じ合える――それだけでいいって心から思っているんです」と語り、「皆さん、人生そっくりそのまま、EXILEと共に青春しませんか!?」と呼びかけると、ラストナンバー「Rising Sun」へ。不屈の魂を込めた祈りの歌が、2025年と2026年に橋を架けるように鳴り響いた。
なお、前日のバンテリンドーム ナゴヤ公演では、2026年4月21日・22日に約3年4ヵ月ぶりとなる東京ドーム公演『EXILE LIVE 2026 “THE REASON” ~PERFECT YEAR Special~』を開催することが発表されており、EXILEのメンバーたちは他にも、『EXILE ATSUSHI LIVE TOUR 2026 ”Heart to Heart” Season 3』『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2026 “PERFECT YEAR BEST ~Born To Be Wild~”』『FANTASTICS LIVE TOUR 2026 “SUNFLOWER”』などに出演が決まっている。これまで、各メンバーの力を合わせることで大きく進化してきたEXILEに、LDHにとって6年ぶりとなる一大イベント『LDH PERFECT YEAR 2026』はどんな刺激を与えるのか。相乗効果で上昇していくLDHエンタテインメントに来年も期待したい。
■【画像】ライブ写真
■リリース情報
2026.04.22 ON SALE
DVD&Blu-ray『EXILE LIVE TOUR 2025 “THE REASON”』
■関連リンク
EXILE OFFICIAL SITE
https://exile.jp/








