なとりが、2月18・19日の2日間にかけて、自身初となる日本武道館での単独公演を開催、超満員のなか幕を閉じた。
ライブ中には、あらたなツアーのタイトルと、追加公演が発表された。
■あらたなツアーのタイトルは「行進」!「僕らの行進を続けましょう」
なとりは2024年にZepp Shinjukuでの初ライブを皮切りにライブ活動を開始し、約2年という早さで日本武道館での2日間公演を実現した。
ライブのMCの中で、あらたな発表もあった。6月から日本全国のホールをまわる 『なとり Hall Tour 2026』としての開催は先に発表していたものの、そのツアータイトルが「行進」であることとキービジュアルが今回あらたに公開された他、追加公演もアナウンスされた。
海外はあらたにソウル、シンガポール、バンコク、台北の4都市で開催する他、ツアーファイナルとなる12月5・6日の2日間には東京ガーデンシアターでの公演が発表されている。現在、アジアを除く国内公演はチケットのオフィシャル2次先行を実施中。
なとりは、2025年10〜11月に初めて開催したアジアツアーでソウル、バンコク、台北公演がソールドアウトを記録しており、今回は約1年ぶりの各地開催として、現地のファンには待望の公演となる。また、アジア各地での公演にかかる券売等詳細は後日発表となる。
なお、本ツアーのキービジュアルは、過去になとりの作品も手掛けているイラストレーターのDEPPAによるもの。日本武道館でのライブの成功を経て、次なる打ち手として日本全国をまわるなとりが「行進」というタイトルのもと、どんなライブを繰り広げるのか注目だ。
■『なとり 3rd ONE-MAN LIVE「深海」』オフィシャル最速ライブレポ
初の武道館ワンマンのタイトルは『なとり 3rd ONE-MAN LIVE「深海」』。1月21日にリリースされた約2年ぶりの最新アルバムと同名だ。その世界観を体現したステージは、オーディエンス全員を彼自身のクリエイティビティの深部へと誘うようなものだった。そして、そのパフォーマンスにはとてつもない爆発力が宿っていた。
会場に足を踏み入れると、海底を思わせる映像がビジョンに映し出され、水中のようなSEが響く。開演時間を迎え、イントロダクションの「うみのそこでまってる」が鳴り終わると、紗幕が上がり、なとりが姿を現した。オープニングナンバーは「セレナーデ」。白い衣装に身を包み、ステージ上に設けられた高台に立ったなとりが迫真の歌声を響かせる。「武道館!」と告げて披露した「ヘルプミーテイクミー」では強靭なバンドサウンドがフロアを揺らし、満員の会場に興奮をもたらす。「EAT」ではダンサーが登場し、特効の炎が上がる。冒頭からハイテンションな展開だ。
この日のライブは、なとりの幅広い音楽性と歌声の魅力を余すところなく感じさせるセットだった。けだるくセクシーな歌声を響かせる「FLASH BACK」に続いて、グルーヴィーな「フライデー・ナイト」では「歌おうぜ、武道館」となとりが呼びかけ、オーディエンスのシンガロングで一体感が生まれる。「プロポーズ」や「恋する季節」は、やさしいメロディが映える温かみのあるポップソングだ。「帰りの会」ではなとりがアコースティック・ギターをかき鳴らしながら歌い、ミラーボールがきらきらとした光を照らす。
「ターミナル」から「聖者たち」では会場をダークな空気に包み、続く「DRESSING ROOM」で雰囲気は一転。「細胞単位で踊りましょう」と告げ、四つ打ちのビートに乗せ力強い歌声を響かせる。終盤はノンストップでどんどん熱量を上げていく展開だ。「非常口 逃げてみた」ではカオティックな盛り上がりを生み出し、「Overdose」では華やかな祝祭のムードに包まれる。なとりは「全力でかかってこい!」とフロアを繰り返し煽る。「SPEED」では疾走感あふれるステージにレーザーが乱舞する。
MCでは、かつて憧れの先輩アーティストの武道館ライブを観て音楽を志したエピソードを明かし、「俺の背中を刺したいと思うヤツがいたら、いつか武道館に立ってください」とオーディエンスに呼びかけた。
さらに「にわかには信じたいものです」から「君と電波塔の交信」と続け、カオティックな熱狂でフロアを包むと、オーディエンス全員がタオルを振り回した「IN_MY_HEAD」、爆音のなかで畳み掛けるように叫んだ「絶対零度」と、リミッターを超えるような興奮が会場を支配した。
「このライブが終われば『深海』が完成する、海の底から這い上がった自分をやっと見せられるなと思ってます」——MCでそう語ったなとり。続けて披露した「糸電話」は、ストリングスを従え、先ほどの凶暴で野性的なパフォーマンスとは打って変わった華やかな祝福のムードで会場を包んだ。
そして「気付けば自分の深層心理を表す曲になった」という「バースデイ・ソング」を轟音の中で力強く叫ぶように歌い上げ、クライマックスの瞬間を作り上げた。最後は支えてくれた友人や家族への感謝を語り、自身が初めて作った曲「金木犀」でライブを締めくくった。
アーティストとして目覚ましい成長を遂げているなとり。その無限の可能性を感じさせる、圧巻のライブだった。
TEXT BY 柴那典
■なとり コメント
「深海」というアルバムを作る過程を経て、たくさんのものを失いながら、それでもこの先に何があるのかを探すために進むことを選びました。今は誰よりも小さくて、誰よりも大きな何かを手に入れた感覚があります。あらゆる清濁を併せ呑んで、僕らの行進を続けましょう。
■【画像】ライブ写真
■【画像】ツアービジュアル
■関連リンク
なとりOFFICIAL SITE
https://natori-official.com/

