ヒップホップの生誕地である米・ニューヨークで、Creepy Nutsが大熱狂で迎えられた。
世界最大級のフェスのひとつ、カリフォルニア州で開催される『コーチェラ』に初出演し、Gobiステージでいきなりトリを務めた彼ら。
今回、『コーチェラ』出演を皮切りに、ニューヨークシティ、シカゴ、メキシコシティを巡る『NORTH AMERICA TOUR 2026』を開催。その一環として、4月13日にはニューヨークのハマースタイン・ボールルームで初の北米単独公演を行った。本稿では、その記念すべき初単独公演の模様をレポートする。
■「普段はアンコールはやらないけど、今日はやります」(R-指定)
チケットはソールドアウト。開演前から、初めてCreepy Nutsを生で観るファンの熱気がファンの熱気が会場を埋め尽くしていた。
R-指定は日本語と英語を交えながら、「You are amazing!(君たち最高)」「ニューヨーク最高!」と何度も呼びかける。観客も同じ熱量で応え、「ヨウコソ!」「セカイイチ!」「サイコウ!」と日本語の歓声が飛び交う。「日本からやってきたCreepy Nutsです。よろしくお願いします!」という挨拶にも大歓声が起き、言葉の壁を越えて“魂”で通じ合う空間が生まれていた。
世界的な人気を誇りながらもいっさい気取らない、その素のままの姿もまた、ニューヨークで確実に愛されていた。開演前から「Creepy Nuts!」の大歓声。ライブは最後まで熱量を上げ続け、本編終了後も「Creepy Nuts!」「アンコール!」「ワンモア!」のコールが鳴り止まない。
観客は誰ひとり帰ろうとせず、会場にとどまり続ける。その強い意思に応える形で、ふたりは普段は行わない異例のアンコールを実施。R-指定が「ノー・プラン!」(想定外)と語ると会場は爆笑。「普段はアンコールはやらないけど、今日はやります」と宣言すると、割れんばかりの歓声が上がる。
そして観客のリクエストに応じて、最も歓声の大きかったTVアニメ『ダンダダン』のオープニングテーマ「オトノケ」を再び披露。R-指定が去り、DJ松永が深く頭を下げると、再び大歓声が巻き起こった。
会場には様々な文化圏の観客が集まり、年齢層も10代から40代までと幅広い。来場者にきっかけを尋ねると、『ダンダダン』『マッシュル-MASHLE-』『よふかしのうた』などアニメ経由で知ったという声が多かったが、誰もが口を揃えて「音楽そのものがいい」と語る。
その言葉どおり、特定の曲だけでなく全編を通して一体感が生まれ、会場は終始熱気に包まれていた。実際、 「Bling-Bang-Bang-Born」は全世界9億回再生を超えるなど、世界的な広がりを見せている。その楽曲群がついに“生”で体験できる歓びが、この日の観客を突き動かしていた。
ライブは「ビリケン」からスタートし、「ジャンプ!」「ハンズアップ!」といったコール&レスポンスで一気に会場を掌握。フロアから3階席まで満員の観客が揺れ続ける。「よふかしのうた」ではDJ松永のスクラッチに歓声が上がり、「堕天」では「イエーイ」の大合唱。「Bling-Bang-Bang-Born」では「Who’s the best?」の掛け声からサビまで、完全なシンガロングが巻き起こった。
さらに、ラテンやアフロビートを取り入れた「Mirage」で空気を一変させ、「若くなくても遅くない。誰もが天才なんだ」とステージで語り、その言葉が深く残るなかで「かつて天才だった俺たちへ」を披露。多彩な表現で観客を引き込む。グローバルなヒップホップの文脈に接続しながらも、共通言語として機能する強度と独自のキャッチーさを両立させていた。
良質なライブに慣れたニューヨークの観客は、簡単には熱狂しないことで知られる。しかし、R-指定が「初めて来た場所なのにホームのようだ」と語ったとおり、この日は例外だった。エンパイア・ステート・ビルの目の前で、日本語ラップが街を揺らした記念碑的な一夜となった。
TEXT BY 中村明美
PHOTO BY umihayato
RETOUCHED BY Hiroya Brian
■リリース情報
2026.04.10 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Fright」
■関連リンク
Creepy Nuts OFFICIAL SITE
http://creepynuts.com/




