5月2日、川崎CLUB CITTA’にて『hide Memorial Day 2026 ~Sing along Live “Hi-Ho!”~』が開催された。
■hideのオリジナルギター4本が、数十年ぶりにステージへ
今年もこの日がやってきた。5月2日『hide Memorial Day 2026 ~Sing along Live “Hi-Ho!”~』。12月のhide Birthdayと並んで年2回の定例になっているhideファンが集うメモリアルイベントが、川崎CLUB CITTA’で行われた。過去にはフェス形式のイベントや献花式、フィルムコンサートなど多彩なスタイルで開催されてきたが、近年はhideの楽曲を彼をリスペクトする多くのアーティストがカバー演奏し、観客が一緒に歌うというこのSing along Liveが定着してきている。
hideが空に旅立ってから28回目のこの日、ステージに登場したのは、hideの盟友PATA(X JAPAN / Ra:IN)、DJ-INA、J(LUNA SEA)、松岡充(SOPHIA)、KOHSHI&KEIGO(FLOW)、w-shun(KNOCK OUT MONKEY)、西崎ゴウシ(カルメラ)with HIS HORNSという豪華なラインナップ。ホストバンドとしてすべての演奏をdefspiralが担当し、このイベントをきっかけにユニット的な活動もしている木村世治(ZEPPET STORE)、TAKA(defspiral)、CUTT(SPEED OF LIGHTS/shame)のボーカリスト3人(通称STC)が歌とトークで会場を盛り上げる。オープニングDJの桃知みなみ、MCの浅井博章も参加。チケットは早い時期にSOLD OUTしてしまったため、ニコニコ生放送の独占生中継も行われ、会場に足を運べない多くのファンもライブの様子を視聴することができた。
ライブスタートの1時間前の開場時間とともに、ステージでは桃知みなみのDJタイムが始まる。1時間かけて入場してきた観客をライブモードにウォームアップ。過去のMemorial Dayの映像を振り返ったオープニング映像が流れた後に、浅井博章がステージに登場。「今日はhideさんとみなさんが再会できるように、hideさんを愛するいろんな仲間がこのCLUB CITTA’に集まってくれました。素晴らしい1日にしたいと思います」とイベントの趣旨を伝えた後、出演者を一人ひとり紹介していく。そして、hideが愛用していたギター4本が数十年ぶり(イエローハート以外)にステージで音を出すことを発表。「今日は見るというよりも一緒に歌って踊って楽しむ1日にしたいと思います。みなさん、楽しむ準備はできていますか?」と観客をあおり、イベントがスタートした。
1曲目はオープニングにふさわしい壮大なインストナンバー「PSYCHOMMUNITY」を今日のホストバンドdefspiralのMASATO(G)、RYO(B)、和樹(Dr)が演奏。hideのソロキャリアのスタートである1stソロアルバム『HIDE YOUR FACE』のオープニング曲で、これから始まる盛大なお祭りへのワクワク感をたっぷりと予感させてくれる。軽快なリズムのドラムで繋いで、2曲目はSTCが歌う「Beauty & Stupid」。ステージ後方のスクリーンに流れるhideの映像にはすべての曲の歌詞が表示されていて、観客が一緒に歌えるように配慮されている。ドラムセットの前には、hide愛用ギター4本「FERNANDES JG hide Model(通称:JG)」「BURNY MG-X hide Model “YELLOW HEART”(通称:イエローハート)」「FERNANDES MG-X hide Model “PAINT”(通称:ペイント)」「BURNY MG-X hide Model “CHERRY SUNBURST”(通称:チェリーサンバースト)」が並んでいる。hide MUSEUM等で展示されたことはあったものの、実際に音を出すのは久しぶりのギターばかりなので、誰がどの曲でどのギターを弾くのか、期待に胸が膨らむばかりである。
「みんなで一緒に歌いましょう!」との掛け声ではじまったのは、自分のギターを持ったCUTTが歌う「In Motion」。ストレートな歌声が切ない歌詞の世界を具現化し、間奏ではMASATOとツインギターも披露した。
次の曲の準備のために暗転している間、前の方の観客からどよめきが湧き上がる。MASATOがhideのギター「ペイント」を準備しているのだ。TAKAが登場し、迫力ある「POSE」が始まる。インダストリアルな演奏と重厚感のある低音ヴォイスが共鳴しあい、力強いステージが繰り広げられる。「(hideのギターを弾くのは)過去に1回アコースティックギターを貸してもらって以来。壊さないようにします」といって「JG」を弾きながら「FLAME」を歌う木村世治。彼にとっては思い入れがありすぎるこの曲をhideが2nd Tour『PSYENCE A GO GO』で「FLAME」を演奏する時に使用していたギターを弾きながら歌うことで、気持ちが滲み出るような説得力のある歌声が会場に響き渡った。
続いて、毎回、完璧にhideを再現して観客の度肝を抜く松岡充(SOPHIA)の「ROCKET DIVE」。今回もピンクの髪、サングラス、迷彩のジャケットに身を包み、歌い方から声の出し方まで研究してのパフォーマンスは圧巻だ。「あらゆる分野でマルチに活躍するカリスマ」と浅井博章に紹介されていたが、3分間の楽曲に凝縮された渾身のステージは大きなインパクトを残した。そして、w-shun(KNOCK OUT MONKEY)の「ELECTRIC CUCUMBER」。「神戸の暴れ猿」と呼ばれるラウド/ミクスチャーバンドのヴォーカルはhideから大きな影響を受けたといい、zilchの代表曲をエネルギッシュかつ楽しそうに歌う。海外でも評価が高いミクスチャーバンドFLOWのKOHSHIとKEIGOが酒瓶を片手に登場し、「かつてhideさんはこういってました『人間は酒だ!』」と叫んだ後に「D.O.D.(DRINK OR DIE)」を熱唱。多岐にわたるジャンルのミュージシャンがhideの音楽に影響を受け、彼をリスペクトして生き生きとパフォーマンスしているのが印象的である。
そして、hideの共同プロデューサーであり、hideのイベントには欠かせないDJ-INAのDJタイム。ターンテーブルの前だけではつまらないとばかり、マイクを片手にステージを縦横無尽に歩き、観客を盛り上げる。MCで「hide with Spread Beaver」がツアーを行うことを告知し、「近年は最後最後詐欺をやってきましたけど、やれるところまでやってみようという気持ちになってきましたので、皆さんもお付き合いください」と宣言。普段は3時間越えのDJイベントをやっているINAだけに、「時間が短い!」を連発しながらも5曲をプレイし、ラストの「MISERY」では観客の大合唱で会場全体をひとつにまとめあげた。
後半は、4人のホーンセクション/西崎ゴウシ(カルメラ)with HIS HORNSが加わり、STCが歌う「BLUE SKY COMPLEX」からスタート。イントロとアウトロにキング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」を挟みこんだhideのライブと同じ構成で、ホーンが重厚なサウンドを倍増させている。同じメンバーで演奏した「ever free」は一変して爽やかな疾走感にあふれ、観客の一体感と笑顔を一気に加速させた。「次の曲はみなさんが歌ってください」とTAKAが言って、STCとホーンセクションがステージを降りる。defspiralが奏でる「HURRY GO ROUND」にhideの声がのり、お客さんの歌声と混じり合い、会場中があたたかい一体感に包まれる。
続いてhideのことを「hide兄(にい)」と慕うJ(LUNA SEA)の登場である。ベースをかき鳴らしながら勢いよくステージに出てきた彼は、マイクの前で語り始めた。「ヒロシさん(hideの実弟でHEADWAX ORGANIZATION CO.,LTD. 代表)に『hide兄とのこと話してよ』っていわれたんだけど、話は本当にたくさんあります。一緒にTATOOを彫ったり、LAで悪戯(いたずら)したりね。本当に感謝しかないですよ。いろんなことを学ばせてもらいました。そして、今日はLUNA SEAというバンドの代表としても来ています。hide兄がいなかったら今のLUNA SEAはないですよ。今日はメンバーみんなの感謝の想いをここに運んできました。RYUICHIの想い、SUGIZOの想い、INORANの想い、そして真矢くんの想いも。この想いを届かせてください!」と心から搾り出すような言葉を叫び、「ピンク スパイダー」の演奏を始めた。力強くベースを奏でながらシャウトするその姿からは、hideへの限りない感謝と尊敬と愛情の念があふれ出ていた。Jの切実な想いのこもった熱気あふれるプレイに、会場は一気に熱狂のるつぼと化した。hideへの感謝と尊敬と愛情という同じ気持ちで、ステージの上にいる人もフロアにいる人も全員が同じ言葉を歌い奏で、すさまじい一体感が生まれていた。これぞSing along Liveの真骨頂である。
会場の熱気が冷めやらぬうちに、ステージから爆音のギターサウンドが聴こえてくる。大トリを飾るのはhideの盟友であるPATAである。愛用の黒いレスポールで奏でるのはおなじみの「CELEBRATION」のイントロ。昨年は体調不良が心配されたPATAを、STCの3人がさりげなく気をつかったり盛り上げているところが微笑ましい。CUTTがマイクを差し出してそれにPATAがツッコミを入れるというコントのようなやりとりもあり、気心の知れた仲間同士という和やかな雰囲気である。黒のレスポールで「MISERY」を演奏した後、PATAは「お借りします」と「イエローハート」を手に取り、「TELL ME」とタイトルコール。銀ロールが客席に降り注ぐ中、「TELL ME」の大合唱で本編は終了した。
イベントの最後には、TAKAが出演者をステージに呼び込み、全員で「Hi-Ho」を演奏する。木村世治が「JG」、CUTTが「イエローハート」、MASATOが「チェリーサンバースト」とそれぞれがhide愛用のギターを持ってプレイ。クルーが後ろから「ペイント」をJにかけ、Jがギターを弾いてセッションに参加というめずらしいシーンも見ることもできた。PATAを囲んで手をヒラヒラさせて盛り上げるw-shun、KOHSHI、KEIGOの3人。「hideさん、降りてきてますよね」という松岡充、「hide兄、絶対に喜んでるよ!」というJの言葉に、全員が笑顔。ボーカルが違う楽曲をすべて演奏するという大仕事をやり遂げたdefspiralも充実した表情である。ステージも客席も大きな歓声と熱気に包まれ、なごやかな空気のうちにラストの写真撮影も終わり、2時間半に及ぶお祭りは幕を閉じた。
2026年はこの日を皮切りに、いろいろなイベントが予定されている。9年ぶりの夏フェス『hide presents MIX LEMONeD JELLY 2026』、hide with Spread Beaver の全国ツアー(全国4都市・6公演)、恒例の『hide Birthday Party 2026』。
これからもhideを敬愛し、hideの楽曲を愛する人たちが生み出すムーブメントは止まることはない。hideという奇跡の物語はまだまだ続いていくのである。
TEXT BY 大島暁美
PHOTO BY Katada Hitomi (LINKSOLU Inc.) / Ichinose Aki (LINKSOLU Inc.)
■ライブ情報
『hide with Spread Beaver Zepp Tour 2026 “REPSYCLE THE REPSYCLED”』
ARTIST
hide with Spread Beaver
Special Guest
PATA(X JAPAN) / 木村世治(ZEPPET STORE)
10/02(金)愛知・Zepp Nagoya
10/03(土)大阪・Zepp Osaka Bayside
10/08(木)東京・Zepp Haneda (Tokyo)
10/09(金)東京・Zepp Haneda (Tokyo)
11/05(木)福岡・Zepp Fukuoka
11/06(金)福岡・Zepp Fukuoka
■関連リンク
『hide with Spread Beaver Zepp Tour 2026 “REPSYCLE THE REPSYCLED”』特設ページ
https://www.hide-city.com/feature/specialsite_zepptour2026_SB
hide OFFICIAL SITE
http://www.hide-city.com
■【画像】『hide Memorial Day 2026 ~Sing along Live “Hi-Ho!”~』ライブ写真
●桃知みなみ
●STC
●CUTT
●TAKA
●木村世治
●松岡充
●w-shun
●FLOW(KOHSHI&KEIGO)
●DJ-INA
●STC+Horn
●defspiral
●J
●PATA+STC
●ALL CAST











































