iriが、7月3日に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて、デビュー10周年を記念するZeppツアー『iri 10th Anniversary LIVE “DoT”』の最終公演を行った。
■「このツアーを回って、みんなとの美しい思い出がたくさん思い出されて、本当にいいツアーでした」
2016年に1stアルバム『Groove it』を携え、メジャーデビューを果たして今年で10周年を迎えたiri。その大きな節目の年のキックスタートとして、1月には大阪、東京でライブ『iri 10th Anniversary LIVE Episode.0』が行われたが、今回のZeppツアーは、東京、福岡、大阪、名古屋、札幌、横浜からなる全国6会場のZeppを回り、“DoT”(”点”)を繋いできた。
その“DoT”は、iriとバンドメンバー、スタッフ、オーディエンスが一体となったエネルギーの塊そのものであり、その“DoT”を繋ぐ今回のツアーは各地に点在するファンとiriのつながりを再確認する、そんなiriの真摯な思いを具現化するものでもある。そして、ツアーを回る過程で、キーボードの村岡夏彦、ベースの村田シゲ、ドラムの上原俊亮、ギターのカンノケンタロウからなるバンドとiriのつながりはより強固なものとなり、最高のコンディションでツアー最終日を迎えた。
開演前の場内BGMが終わり、会場照明が灯ったままのステージにまずはバンドメンバーが登場。続いてiriが現れ、カジュアルなムードのなか、日常と地続きの10周年記念ライブが始まった。
オープニングナンバーは、デビュー前の2015年に会場限定販売されたEPバージョンの「ナイトグルーヴ」。ガットギターを手に、肩の力がほどよく抜けた歌とラップでオーディエンスを迎えると、シンプルで力強いグルーヴを刻む「Corner」では早くもコール&レスポンスでオーディエンスを巻き込み、続く「Sparkle」におけるバンドのタイトな一体感としなやかな躍動感は、今回のツアーの充実ぶりを体現。
集中力を保ったままのiriは、2019年の『井上陽水トリビュート』に収録されたカバー曲「東へ西へ」をクールに歌い上げ、「harunone」では変拍子を組み合わせた複雑なリズムを軽やかにラップで乗りこなしてみせた。
「ついに”DoT”ファイナル。皆さんようこそ! みんなそのままの勢いでいけますか?」。そう呼びかけると、ラテンリズムを織り込んだ「Season」から2ステップチューン「doyu」、トラップビートをバンドアレンジに落とし込んだ「fruits」と、ダンスナンバーを連発。
一気にギアを上げ、テンションを高めると、今度は一転してクールダウン。エレキギターを手にしたiriが歌ったのは口コミで異例のロングヒットを記録した代表曲「会いたいわ」と小袋成彬の手によるミニマルなバラード「Faster than me」。簡素なバンドアレンジがiriの歌の奥底に流れるエモーションを鮮明に際立たせた。
そして、ここで再び“DoT”(“点”)が現れる。今回のツアーで巡った6ヵ所の会場とこれまで発表してきた6作のアルバムをそれぞれ“DoT”(点”)として重ね合わせ、ファーストアルバム『Groove it』を取り上げた初日の東京を皮切りに、各会場で1作品にフォーカスし、ピックアップした3曲を演奏することで、点と点を結び、一本の線を生み出してきたiri。
最終日のこの日は、2023年発表の6作目のアルバム『PRIVATE』から「private」「moon」「Go Back」の3曲を披露し、オーディエンスはローファイヒップホップのリラックスしたグルーヴと共に描写される情景の美しさと再開することとなった。
「自分ひとりで振り返るとなると、ショックだったことや悲しかったことを思い返してしまうことが多いんですけど、このツアーを回って、みんなとの美しい思い出がたくさん思い出されて、本当にいいツアーでした。今日もそんな一日です。どうもありがとうございました。イヤなこともあると思うけど、みんなで音楽を共有している時間は全部忘れてハッピーな時間にしましょう」
そう語ったiriは、ツアーを通じてキャリアを振り返りながら、過去にとらわれることなく、得た明日の糧をもとに、その先へと進んでゆく。オーディエンスの歌声と一体になった「Wonderland」からシンセファンク「CUBE」、80’sポップスの華やかなをまとった「STARLIGHT」、都会的なエネルギーに満ちた「摩天楼」を経て、ライブを締め括ったのは、6月5日にリリースされたばかりの新曲「Crunchy」。
ヒップホップやネオソウルを洗練された楽曲に昇華しながら、その歌声を介して、時代の閉塞感をするりとかわしていくような軽やかさを放つと、アンコールなしで、ツアー最終日を晴れやかに駆け抜けていった。
その先に待っているのは、10月22日に神奈川・ぴあアリーナMMにて開催される『iri 10th Anniversary LIVE “Period”』だ。
「10月にあるぴあアリーナでは、自分のなかで振り返りもありつつ、次に向けてのいろんな新しいものをみんなと一緒に見たいなっていう気持ちでおりますので。そんな濃いアニバーサリーイヤーにしたいと思います」
ライブと並行して、作品制作を進めていることを明かしたiriだが、期待感がどこまでも膨らむデビュー10周年の集大成ライブは、過去、現在、未来をつなぐキャリアの大きなターニングポイントになりそうだ。
TEXT BY 小野田雄
PHOTO BY ヤオタケシ
■セットリスト
01. ナイトグルーヴ
02. Corner
03. Sparkle
04. 東へ西へ
05. harunone
06. Season
07. doyu
08. fruits
09. 会いたいわ
10. Faster than me
11. private
12. moon
13. Go back
14. 言えない
15. Wonderland
16. CUBE
17. STARLIGHT
18. 摩天楼
19. Crunchy
■ライブ情報
『iri 10th Anniversary LIVE “Period”』
10/22(木)神奈川・ぴあアリーナMM
■関連リンク
iri OFFICIAL SITE
https://www.iriofficial.com/





