香取慎吾が主演を務める、WOWOW連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』(9月6日22時より放送・配信/全4話)完成報告会に、香取慎吾、赤楚衛二、蓮佛美沙子、鈴木杏、瀬々敬久監督が登壇した。
■「先生が喜んでくれるような作品になるよう自分も頑張りました」(香取慎吾)
WOWOWにて9月6日22時より放送・配信スタートとなる連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』の完成報告会が、8月31日WOWOW放送センター(辰巳)にて開催された。
WOWOWと東野は2004年のドラマW『宿命』から始まり、本作で10作目のタッグとなり、6・7月に行われた本作の撮影間近まで、東野とスタッフが一丸となって脚本を練り上げ完成させた、渾身の作品となった。完成報告会には、WOWOW連続ドラマに初主演、そして東野圭吾作品も初主演で、 “ある事件”を機に孤独と虚しさを抱えて日々を過ごす主人公・中原道正を演じる香取慎吾、 “加害者家族”として主人公と対峙していくキーパーソン・仁科史也を演じる赤楚衛二、赤楚演じる史也の妻・仁科花恵を演じる蓮佛美沙子、 香取演じる主人公・道正の元妻・浜岡小夜子を演じる鈴木杏、そして、超大作を次々と手掛ける日本映画界の名匠・瀬々敬久監督が登壇した。
完成報告会の冒頭では、7月末に本作の原作者・東野圭吾先生が逝去されたことに触れ、キャスト陣から東野先生への想いが語られた。
WOWOWでは、2004年のドラマW「宿命」から本作まで、東野作品10作を映像化。今回の中原役のキャスティングに際し、東野先生は「香取さんが中原を演じることで、かつて中原が持っていた“陽”の部分が垣間見えるといいと思う。ぜひ演じてもらったらいいと思います」と期待を寄せていたという。それを受け、香取は「そのお話を聞いて、とてもうれしく思いました。いつの日か先生にお会いできるのかなと思っていたので、とても残念ですが、先生が喜んでくれるような作品になるよう自分も頑張りました」と語った。
そして、学生時代に多くの東野作品に触れていたという赤楚は「まさか自分が東野先生の作品に出演させていただけるとは、当時の自分からしたら信じられないくらいうれしいこと。お会いできることは叶いませんでしたが、作品に携われるのは感謝しかないです」と語り、東野作品への参加は今回が初めてという蓮佛と鈴木も「制作陣といろいろなやり取りをされたと聞いていたので、先生の想いが作品に滲んでいたらいいなと思います」(蓮佛)、「今回、演じてみて改めて先生の作品の持つ奥行きやメッセージに感動しました」(鈴木)と、想いを寄せた。
■「香取くんは、現場の雰囲気を感じながら役を作り上げていく瞬発力がすごい」(瀬々監督)
その後、完成報告会は本作についてのトークセッションへ。
衝撃的な出来事を機に人生が変わってしまった主人公の中原を演じた香取は、「台本を読んだときに、重くのしかかるものがありました」と語り、「現場でも、その重さにやられないように背筋を伸ばして立ちむかっていかなければいけなかったので、演じるうえでは、日々そのつらさに踏ん張っていた感じです。演じた中原もどんなにつらくても生きなければならない。そこが撮影現場での僕とリンクしていたように思います」と振り返った。
一方、赤楚演じる史也は、義理の父が殺人犯となったことで“加害者家族”として苦悩していくという役どころ。「史也は、とにかく真面目。それゆえに“加害者家族”という責任をすべて背負ってしまうキャラクター。罪の意識がべたっとこびりついている感じがありました」と説明しつつ、「義理の父親が殺人を犯してしまったという申し訳なさをちゃんと持ちながら、周りとちゃんと対峙していかなきゃいけない。立っているのが苦しい撮影でした」と回想。
今作が初共演となる香取と赤楚。真逆の立場で対峙する関係性とあって、「香取さんに『初めまして』と挨拶したときに『あ、今回は被害者遺族と加害者家族という役どころの線引きがちゃんとあるんだな』と感じました」と語った赤楚。
一方、香取は「そんな状況でも、初対面のときは『カッコ良い!』と思いました。赤楚くんは、かっこいい子です」と笑顔を見せ、赤楚は思わず照れ笑い。共演シーンは深刻な場面が多く、現場ではあまり話ができなかったというが、赤楚のクランクアップの日にはハグをしあったというふたり。香取からは、そのあともう少し赤楚と話そうと追いかけたものの、すでに車が走り去るところだったというエピソードも。
「赤楚くんを追いかける前に、トイレに行っちゃったんですよね。車を見送りながら『トイレ、行かなければよかった!』と思ったんですよ(笑)」と茫然とする様子をコミカルに再現し、周囲を笑わせた。
そんなふたりの芝居について、瀬々監督が「香取くんは、現場の雰囲気を感じながら役を作り上げていく瞬発力がすごい。(石原)裕次郎さんや勝新太郎さんのような、受けの芝居がスターだなと感じました赤楚くんは、本人がそこにいるような佇まいなのに、ある一瞬に沸点があって、虚構度が一気に上がるのが印象的でした」と語るひと幕もあった。
また、中原の元妻を演じた鈴木は、香取と子役時代以来の共演。香取が「何十年ぶりの共演だけど、あの頃の思い出があったから、今回の夫婦に繋がるものがあった」と語ると、鈴木も大きくうなずきつつ「隣に慎吾さんがいらっしゃると小さいときの自分に戻ったようになる。すごく頼もしかったです」と笑顔を見せた。
物語は、鈴木演じる小夜子が殺されたことで、大きく動き出す。瀬々監督によると、小夜子は“裏主人公”のような役柄とのこと。鈴木は「予期せぬところで、人格も人生も変わってしまった人。台本を読んだときにダークヒーロー的な印象を持ちました。これしか生きる道がないんだという切迫感を持って演じていたように思います」とコメントした。
そして、ピエール瀧演じる自分の父が身勝手な理由で小夜子を殺害し、加害者家族として追い詰められていく花恵を演じた蓮佛も「ほぼつらい場面ばかりでしたけど、想像していたよりも負荷が少なかったなと。赤楚くん演じる史也の存在がすごく大きかったんですよね。常に心のどこかで史也のことを核として持っていたからこそ、花恵として立つことができました」と、その胸の内を明かした。
また、現場では赤楚の天然っぷりにも助けられたそう。「『空気清浄機を間違えて2台買ってしまって、キャンセルできなくて。どうしたらいいと思います?』と、突然聞かれたりして。作品とのギャップがすごくて、それに癒されました」と蓮佛が明かすと、香取からも「かわいいなぁ」という声がかかり、赤楚は「恥ずかしすぎる…」とひと言。
赤楚さんとの和やかなひとときがあったからこそ、役に飲み込まれすぎずに「芝居に集中できた」と語った蓮佛だが、特に印象的だったシーンとして赤楚が「お父さんとの3人のシーン」を挙げると「分かる。すごい緊迫感でしたよね」と大きくうなずく姿が。「ピエール瀧さんの作り込みがすごくて。きつかったですね」と語る赤楚に、蓮佛も「職人でした。カッコ良かったです。仲のいい親子役を演じてみたくなりました」と振り返った。
■報告会の最後には、それぞれが本作の見どころを語った
その後、現場での瀬々監督について、「よく動きまわっている」という香取をはじめ、キャスト陣からも様々なエピソードが。
「モニターがない時代からやっているから、なるべく現場の空気を吸いたいとうろうろしているんですよ。もうクセですね」と瀬々監督は苦笑い。座組の雰囲気が垣間見られるひと幕もあった。
また、タイトルの「十字架」にちなみ、今プライベートで重圧に感じている「やりたいのにやれていない」ことについての質問も。「いろんな思いを背負って監督をやっていること。自分の職業が“十字架”」だという瀬々監督に続き、鈴木は「今、長野に住んでいるんですが、雨続きなこともあって大幅にスケジュールがずれてしまって。薪割りが終わっていないこと。窓から見える丸太の山が重圧になっています」と、蓮佛も「早寝早起き。お休みの日、朝活したいなと思っても寝ちゃう」と、回答。
そして、「30代になって体のことを気にするようになった」という赤楚が挙げたのは「料理」。
前日もカレーを作ったそうだが、「作っただけでお腹いっぱいになっちゃって。食べずに冷凍したんですけど、それをいつ食べるんだろうって」とコメント。香取も「2階分くらいだったら、エレベーターではなく階段を使うこと。どうしてもやれないんですよね」と健康にまつわる「十字架」を告白。「スタッフと一緒のときはエレベーターを使うほうがいいかなと思ったりするんですけど、草なぎ剛くんはひとりで階段をぴょんぴょん上がっていく。どっちがいいのかなと思ったりします(笑)」と、香取らしく笑いを交えて語った。
報告会の最後には、それぞれが本作の見どころを語った。
瀬々監督「答えがなかなか見つからないテーマに挑戦した作品。人間ドラマの一方で、ミステリーとしても成立するよう作ったつもりです」
鈴木「完成した2話までを観ましたが、回を追うごとに印象が変わっていく感じがありました。答えが明確に出し切れないものを扱っているドラマです。今の時代は、善悪を早く決めたがるような風潮がありますが、それって、あやういことだよねと撮影をしながら感じました。分からないからこそ考え続けることが大事なのかなと。それぞれの受け止め方で感じていただけたらうれしいです」
蓮佛「何をもってして償ったと言えるのか。10人いたら10通りの答えがあるでしょうし、もしかしたら答えなんてないのでは、と思ってしまうようなテーマに真っ向からむきあった作品です。フィクションではありますが、自分だったらどうするかなと、自分と対話しながら、そして一緒に観た人と『どう思った?』と会話したくなるようなドラマになっています」
赤楚「被害者遺族と加害者家族の問題、罪とどう向き合っていくのか。そして、死刑制度について。僕たち自身もお芝居をして苦しくなるシーンがたくさんありました。心身けずって作り上げたと言うと重たく聞こえるかもしれませんが、ミステリーとしても面白い作品です。あっという間に観ていただけるものになっています」
香取「ニュースでは10秒で終わる事件も、その先に人生が壊されてしまう人がたくさんいて。事件を乗り越えて前を向いて生きている人もいて。ニュースを見ているだけではわからないような深い部分がたくさん詰まった作品です。観ているときに息をするのを忘れないようにしてください。僕も観ていて息をするのを忘れてしまったんですけど、それくらい物語に入ってしまうと思います」
そして、香取が改めて「ひとりでも多くの方に観ていただけたらうれしいです」とメッセージを送り、完成報告会を締め括った。
■【画像】ドラマ『虚ろな十字架』完成報告会の様子
■【画像】ドラマ『虚ろな十字架』ポスタービジュアル
■番組情報
WOWOW 連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』
09/06(日)放送・配信スタート(全4話)
第1話無料放送:WOWOWプライム
第1話無料配信:WOWOWオンデマンド
出演:香取慎吾
赤楚衛二
蓮佛美沙子 花瀬琴音 山中崇 田中要次
宇崎竜童 杉本哲太 ピエール瀧 / 鈴木杏
原作:東野圭吾『虚ろな十字架』(光文社文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:杉原憲明
■関連リンク
ドラマ『虚ろな十字架』番組サイト
https://www.wowow.co.jp/drama/original/utsuronajujika/
新しい地図 OFFICIAL SITE
https://atarashiichizu.com/













