FANTASTICSが10月11日に福井・サンドーム福井にてライブツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2026 “SUNFLOWER”』の最終公演を行った。
■「皆さんにとって太陽が僕たちで、僕たちにとっての太陽が皆さんであるように、これからもずっと支え合って過ごしていただけるとうれしい」(中島颯太)
開演前に行われた囲み取材で、佐藤大樹は今回のツアーについて「メンバーが口々に『もっと多くの土地をこの公演で回りたい』と言うほど、とても完成度が高くて。FANTASTICSのこれまでの集大成となるツアーになったんじゃないかと思います」と自信をのぞかせていた。ツアー期間中には『BATTLE OF TOKYO ~RE:BIRTH~』や『HiGH&LOW 10th ANNIVERSARY FEVER』といった合同ライブも行われたが、八木勇征は「合同ライブがあることによって、『LDH PERFECT YEAR 2026』の勢いを感じられました。合同ライブから単独のツアーに戻ってくると、よりFANTARO(FANTASTICSのファンの呼称)の温かみを感じることができて、FANTASTICSのライブってこれだよなと再確認することもできました」と振り返る。集大成と呼べるだけの手応えと、帰ってくる場所への確信。その両方を携えて、彼らはファイナルのステージへと向かった。
小さな羽ばたきが運命を動かし、仲間と未来を呼び寄せた様を表現した『FANTASTICS LIVE TOUR 2025 “BUTTERFLY EFFECT” -FLY WITH YOU-』を2025年に開催したFANTASTICS。その軌跡が、太陽に向かってまっすぐ伸びる“ひまわり”の道へと繋がっていく姿を描いたのが、今回の『SUNFLOWER』だ。
ここに揺れるのは、それぞれ違う高さで、違う向きで、違う時間をかけて、伸びてきた花たち。「続けることを選んだ花」「誰かを照らすことを選んだ花」「踏み出すことを選んだ花」「過去を否定しなかった花」「自分の輪郭を守った花」「自分を信じ直した花」「今を生きると決めた花」「繋がりを選んだ花」「輝く永遠の花」。その花は、大きなひとつの花となる。……ここまでは前回のツアーで描かれたストーリーと重なる。しかし今回の物語には、もうひとつ欠かせない存在がいると改めて語られる。その花を照らし、照らされるFANTAROだ。
これまでのツアータイトルが順番に映し出され、最後に今回のツアータイトル『SUNFLOWER』が浮かび上がると、LEDビジョンがゆっくりと上がり、その中からFANTASTICSメンバーが姿を現す。静寂を切り裂くように〈咲き誇れ Sunflower/僕たちのSunflower〉とボーカルの歌声がまっすぐ伸びる。ツアーのテーマソング「SUNFLOWER」だ。今回はFANTASTICSにとって初めてのセンターステージ。四方をFANTAROに囲まれながら、〈真っ直ぐ高く上へ〉と迷いなく歌い、踊る。その姿は、光のほうへと顔を向けるひまわりのようだ。
八木が「SUNFLOWERファイナル 、Are You Ready?」と煽り、中島颯太も勇ましく声を上げて「FLY WITH YOU」へ。「Tumbling Dice」では八木がカメラに手をかけるようにパフォーマンスし、パフォーマーは自己紹介代わりのソロダンスを見せつける。最後の1公演にすべてを懸ける、並々ならぬ意気込みがむき出しになっていく。そして「PANORAMA JET」で猛々しい空気は一変、爽快に。センターステージから伸びる花道へと進んだメンバーは、FANTAROへとびきりの笑顔を見せていった。
センターステージを覆うLEDがビジョンに変わり、ポップなお菓子の家が浮かび上がる。花道の端にいた木村慧人が子どもに手を引かれてセンターへ進むと、LEDが開き、そこには本物のカラフルなお菓子の家が。お菓子がモチーフの仮面ライダーガヴのテレビシリーズ主題歌「Got Boost?」を、FANTASTICS KIDSと名付けられたキッズダンサーたちと届ける。手を合わせる振り付けのサビでは、八木の隣になった佐藤が、八木の手ではなく頭に手を合わせようとしたり、最後の決めポーズで木村がウインクを決めたりと、それぞれの個性がきらめく。映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』の主題歌「Candy Blaze」では、メンバーがキッズとペアで踊るなど、FANTASTICSらしい遊び心で『仮面ライダーガヴ』の世界をさらに広げていった。
ふと、花道の端に置かれた椅子に堀夏喜が腰を下ろす。手に取ったのは一冊の本。そこへやってきた子どもが、ひときわ大きなひまわりを差し出した。その花を胸に、堀はゆっくりとセンターステージへ歩き出す。LEDが開くと、堀が抱えてきたひまわりとあわせて、様々な花が揺れていた。オープニングで語られた花の物語が、目の前で形になる。
LEDで覆い、映し、そして開くたびに、ステージはがらりと姿を変える。次は何が起こるのか。どんな世界を見せてくれるのか。予想がつかないからこそワクワクする。初めてのセンターステージを自在に使いこなし、FANTASTICSは彼らにしか描けないエンタテインメントを紡いでいく。
「今日は皆さんの花を綺麗に咲かせてください。一緒に輝くために集まっています」。中島がそう語りかけ、花が揺れるステージで「Flower Song」を届けた。アウトロでは中島が「生きている限り、皆さんには僕たちがいます。そして僕たちにも皆さんがいてくれることを信じ、これからも一緒に一歩一歩夢を叶えていきませんか?」と、一つひとつの言葉を手渡すようにFANTAROとの絆を確かめていった。「Yellow Yellow」では、回転するステージでパフォーマーが踊り、ボーカルは反対向きに歩き、両者はすれ違うたびにじゃれ合う。カラフルに咲き誇る花を中心に、FANTAROの歌声が響きわたる。〈ここに君と僕がいる/それだけでいい〉〈毎日が/Rainbow Rainbow まぶしくて/嬉しい 楽しい 愛おしいくらい>という歌詞を体現するかのように、幸福感が会場を満たしていった。
今回のツアーは2026年2月に発売されたベストアルバム『Welcome to Sunshine』の収録曲を中心に構成された。このベストアルバムはメンバーがセレクトした楽曲を集めたFANTASTICS盤と、ファン投票で決定した楽曲を集めたFANTARO盤の2枚組。ここからは、FANTARO盤の楽曲を中心に進んでいく。いわば、FANTAROの“好き”が詰まったブロックだ。
中島と八木がバンドメンバーをひとりずつ紹介し、八木が最後に「ラストピース」と呼んだのは、キーボードを弾く中島。バンドと中島のファンキーな演奏に乗せた「Tell Me」では、パフォーマーがドレスや電話、扉を使いながら色気を漂わせ、間奏では瀬口黎弥がハットさばきで視線をさらう。続いて澤本夏輝がナポレオンジャケットを脱ぎ捨て、白いシャツ姿でセンターへ。指をパチンと鳴らした瞬間、ステージに紗幕が落ちる。赤い照明に染まる艶やかな空気の中で「BABY ROSE」。全員が白いシャツをまとい、裾やタイをひらりと揺らし、髪をかき上げる。その仕草の一つひとつが目を奪う。続く「Turn to You」では、今度はボーカルの二人が紗幕の内側へ。紗幕越しの歌声が、切なさと儚さをいっそう引き立てる。間奏ではパフォーマーがひとりずつしなやかに舞い、ラストのコーラスでボーカルを覆っていた紗幕が落ちると、八木のロングトーンが優しく楽曲を結んだ。
映像演出を挟み、優しいイントロが流れ出す。花道の端と端に、八木と中島が離れて立っていた。向かい合い、互いに手を伸ばしながら歌い始めたのは「いつも隣で」。2番に入ると、ふたりはゆっくり一歩ずつ距離を縮めるように花道を進み、〈もしも君がどこかで/無理に笑う時には/どうか思い出してみて〉〈一番の味方がいること〉〈目まぐるしく変わっていく/こんな世界だけど/ただひとつ 揺るがないのは/君への愛だ〉とFANTAROの顔を見ながら、丁寧に紡いでいった。
実はこのサンドーム福井は、FANTASTICSが前回の『LDH PERFECT YEAR』だった2020年に公演を行うはずだった会場。しかし、コロナ禍の影響で公演日の直前に中止が発表された。あれから6年。ようやくこの場所に立った今、八木は「僕たちのライブが、皆さんの人生の1ページの中に入っていてもらえたらうれしいなという気持ちで僕たちはライブをしているし、皆さんの前にこうやって立つことができているのも奇跡的なことだと思っています」と噛み締める。中島は今回のツアーについて「僕たちFANTASTICSの思いや、FANTAROの皆さんに届けたいメッセージが込められたツアーになっていると思います。どうしても前向きになれなかったり、このままの自分でいいのかわからなくなったりしたときに『FANTASTICSがいるから頑張ろう』と思ってもらいたくて」とツアーへの願いを語ると同時に、「FANTASTICSもツアーを回っていて、自分たちはこういうグループですよねと話し合う瞬間がたくさんありました」と、グループにとっても意味のあるツアーだったと明かす。そして「ひまわりは太陽に向かって咲く花なんですけど、皆さんにとって太陽が僕たちで、僕たちにとっての太陽が皆さんであるように、これからもずっと支え合って過ごしていただけるとうれしいです」と思いを重ねた。
「It’s all good」のアコースティックアレンジ、八木のソロ曲「GAME CHANGER」を経て、パフォーマーへバトンタッチ。世界がMPCを操り、壮大なサウンドでコーナーの幕開けを彩った。そこへ白を基調としたストリートファッションに着替えたパフォーマーがステージに姿を現し、スタイリッシュなヒップホップを全員で踊ったあと、サイケやアメコミ風、ヒーロー風など、個性豊かな映像演出も使ったソロパフォーマンスで、それぞれのカラーを刻みつけていった。
白い衣装に着替えた八木と中島が合流し、ライブは終盤へ。ふたりが「行くぞ、ファイナル」「かかってこい!」と猛々しく煽ると、炎が上がる中で「SPLASH」、ラップが炸裂する「TOP OF THE GAME」、パーティムードをさらに盛り上げる「SUPER DUPER DISCO」と熱を一気に高めていく。さらにCO2ジェットを放ったり、カメラに向かってふざけたり、FANTAROと交流したりと、ひときわ自由な姿を見せながら「Play Back- KO3 Remix」「Can’t Give You Up」「BFX」「WHAT A WONDER」と続くメドレーでラストスパート。「Overflow」のアウトロでは、中島が「僕たちと出会ってくれてありがとう」と言葉を重ねた。
本編を締めくくるのは、デビュー曲「OVER DRIVE」。ツアースタート時点の最新曲「SUNFLOWER」で幕を開け、原点で幕を閉じる。センターステージからFANTAROのもとへと駆け出していく彼らの背中は、2018年のデビューから8年が経った今も“止まれない、止まらない”と高らかに宣言しているようだった。
アンコールでは、ファイナルならではのスペシャルな展開が待っていた。新曲「Echoes」の初披露だ。佐藤が出演するドラマ『ダウト -15年目の復讐-』(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌ということで、佐藤をセンターに据えた立ち位置から、楽曲の広がりに呼応するようにボーカルとフォーメーションがスケールアップしていく。公演前の囲み取材で、中島はこの曲について「傷を負いながらも一歩前に進めるような楽曲だと思います。FANTASTICSには明るい曲やポップな曲も多いですが、そのなかで世界観は全然違う。リハーサルをしてみて、みんなの感情が同じ方向を向いているという手応えがあったので、そこも見ていただけるとうれしいです」と語っていた。その手応えを証明するように、彼らは「Echoes」の世界を描き出していった。
さらに2027年にホールツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2027 “PROMISE”』を開催することも発表。中島は「皆さんの夢を約束しにいくツアーにしたい」と意気込む。「Echoes」のリリースからはレーベルをユニバーサル ミュージックに移すことも発表されており、囲み取材で今後の野望を問われた中島は「最近メンバーも、ファンの皆さんも、FANTASTICS色みたいなものを少しずつ掴めているのではないかなと思います。とはいえ、FANTASTICSは“変幻自在”を掲げて、曲ごとに色が変わるようなグループを目指しているので、ユニバーサル ミュージックの皆さんと、一曲一曲違う色の音楽を届けられるのが楽しみです。メンバーはもうワクワクしているので、引き続き楽しみにしていただきたいです」と、新たな章への期待を口にしていた。
MCは、ツアーを走り抜けた彼らの素顔があふれる時間となった。「Echoes」をKohsuke Hattoriとともに振り付けた澤本が「最初はシンプルにするつもりだったんですけど、『ここも入れたいよね』って言っているうちに、複雑な感じになっちゃいました(笑)」と明かせば、世界は「靴下に穴が空きました。それくらい気合いが入った」と笑わせる。佐藤は公演のたびに過激になっていったという「Turn to You」でのソロについて「僕のソロが近づくたびにくすくす聞こえてきて」と回想し、同曲で佐藤の隣に立つ堀も「毎公演面白かった」と振り返った。さらにはそれぞれが「今回やっていない曲をホールツアーで披露したい」と、早くも次の“PROMISE”へと思いを馳せていた。
そしてラストは「Turn Back Time -FANTASTICS Version-」。スクリーンにはメンバーのこれまでの写真が映し出され、グループの軌跡を感じさせる。最後はピンク色のペンライトが会場を染め上げる中、FANTAROの歌声が広がり、感動的なフィナーレとなった。すべてを終え、「ずっとずっと幸せでいてね。愛してるよ」と八木が言葉を送ると、メンバーを包み込むようにLEDビジョンがゆっくりと降りてくる。そこに浮かび上がったのは、カラフルな花びらが揺れる一輪のひまわり。「9つの花が、大きなひとつの花となる」。オープニングで語られた物語が結ばれ、『FANTASTICS LIVE TOUR 2026 “SUNFLOWER”』は幕を下ろした。
このツアーを語るうえで欠かせないのが、彼らとともにステージを彩ったFANTASTICS KIDSの存在だ。八木と中島は彼らにマイクを向けて歌ってもらったり、掛け声を任せたりもしていた。かつてFANTASTICSのパフォーマーたちも、LDHの先輩たちのステージやMVに出演していた過去を持つ。メンバーそれぞれの選択を重ねてFANTASTICSとなり、そのFANTASTICSを照らし照らされる太陽としてFANTAROが加わり、前だけを向いて進んでいく。その姿を体現した今回のツアーで、FANTASTICSはLDHのカルチャーのひとつである“継承”、そして子どもたちへ夢を手渡すという形で、自分たちの後ろにも道を作り始めたのだった。
■ライブ情報
『FANTASTICS LIVE TOUR 2027 “PROMISE”』
[2027年]
02/21(日)和歌山・和歌山県民文化会館 大ホール
04/15(木)山梨・YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
05/08(土)愛媛・松山市民会館 大ホール
05/29(土)広島・広島文化学園HBGホール
06/01(火)熊本・熊本城ホール メインホール
06/04(金)静岡・アクトシティ浜松 大ホール
06/13(日)秋田・あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
06/25(金)岐阜・長良川国際会議場
07/23(金)岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ
07/25(日)鳥取・米子コンベンションセンター BiG SHiP
07/30(金)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
07/31(土)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
and more…
■リリース情報
2026.12.02 ON SALE
SINGLE『Echoes』
https://fantastics.lnk.to/echoesWE
2026.12.09 ON SALE
DVD/Blu-ray/NeSTREAM『FANTASTICS LIVE TOUR 2026 “SUNFLOWER”』
■関連リンク
FANTASTICS OFFICIAL SITE
https://www.ldh.co.jp/management/fantastics/














