flumpoolの全国ツアー『flumpool tour 2026「ここからの歌」』の一環として、flumpoolとmiwaとの初対バンライブが、10月3日、千葉・森のホール21 大ホールにて開催された。
■miwa「1曲目からタオル回ししてくれて、安心しました」
対バンライブとワンマンライブを織り交ぜた、flumpool初のハイブリッドスタイルで行われてる本ツアーは、9月に地元・大阪でスタートし、全国8都市で11公演を実施。9月19日に埼玉・狭山市市民会館でBLUE ENCOUNTと相まみえて以来、対バン形式としては2公演目となる。
定刻の17時に客電が消えると、SEに乗せてまずはサポートメンバーが登場。miwaが頭上でクラップしながら最後に姿を現すと、歓声と拍手はひときわ大きくなった。アコースティックギターを構えて「皆さん、盛り上がっていきましょう!」と呼び掛け、透みわたった歌声で「ミラクル」を披露。ステージを上手、下手へと移動しながらフレンドリーに歌い奏で、たちまち場内のムードを明るくしていく。
「今日はflumpoolさんの対バンライブに呼んでいただいて、本当にうれしく思っています。ありがとうございます」と感謝を述べたmiwaは、flumpoolから、自分たちのファンは温かくてちょっと大人しくて、ちょっと礼儀正しいファンなんだよ、と聞かされていたという。「でも、1曲目からタオル回ししてくれて、安心しました」と胸に手を当て、安堵した様子を見せた。
続いて、2026年夏にリリースした新曲「暑すぎて笑っちゃうね」をカラフルな照明のもとでキュートにパフォーマンス。「男子ー!」「女子ー!」「全、員!」とmiwaはコールし観客の声を求め、再びステージを上手、下手へと歩き回っていく。「春になったら」を歌いながらファンに絶え間なく手を振り続け、くまなく一人ひとりの顔を見ようとしていたのが忘れられない。飛び跳ねながら歌唱していたサビの途中で「皆で!」と呼び掛けて、続きを歌うように求める場面も(のちにMCで、“初めましての方に無茶振りをした”と振り返っていた)。ドラム台からのジャンプダウンを合図にバンドの音を止めるまで、miwaは身体を大きく動かしながらエネルギーを放出していた。
miwaのデビューは2010年で、flumpoolは2008年。互いのファンの「世代がかぶっていると聞きました」とmiwaは語り、「CMだったり、ドラマだったり、どこかで耳にしたことのある曲もあるかもしれないですね」とコメント。ただ、テレビ番組やイベントで挨拶したことはあっても「絡みは観たことがないですよね、皆さん?」とmiwaは問い掛ける。「なので、ブッキングしてくれたときは、とってもうれしかったんですけど、ちょっとドキドキしてました」と正直に明かした。
■miwaが、客席にflumpool山村隆太のパーソナリティを問い掛けると「変な人!」の声が(笑)
miwaにとって、今回の対バンに先立ち、TOKYO FMの番組(『THE TRAD』)で山村隆太(Vo/Gu)と共演したのが、山村と「ちゃんと話をすることができた」初の場面。人見知りだというmiwaはその際、迷いながらも「お久しぶりです」という挨拶を用意していたところ、山村から思いがけず「太陽みたいな人ですね」と言われ言葉に詰まり、上手く返せなかったという。
対バンで再会し、山村にそのことを伝えると「僕も人見知りなんですよ」と言いながら、山村が「関西人で人と会うのは好きなので…MBTI何ですか? miwaさんはIなんですか? 僕はEですよ」と自己開示してきたそうで、「え!? 社交的な人なんだ」とmiwaは驚愕。「不思議な人だな、と思って。解析の済んでいない状態で今日は来てしまいました(笑)。なので、皆さんに教えてもらいたいです、どんな人ですか?」と山村のパーソナリティを問い掛けると、「面白い」「優しい」の声に交じって「変な人!」の答えが。
「変な人? 皆も思ってるんですか!? 不思議な人だなって…。あ~、良かった。私だけじゃなかった」とユーモラスにコメント。「聞いたところによると、私の歌を評価してくださって呼んでくださったそうです。ありがとうございます!」と語り、世代が重なっている両者のファンに楽しんでもらえるよう、「プレッシャーを感じながら、セットリストを選びました」と明かした。「こんな話をしたあとに、バラードを歌ってもいいですか?(笑)」と締め括ると、ドッと笑いが起きていた。
楽曲について、2012年にリリースした曲で、2026年バージョンのMVもつくった、とmiwaはコメント。「当時学生だった皆さんも、そのときのピュアな気持ちを思い出しながら、学生時代の恋のことなんて思い出しながら聴いてもらえたら」と語り、ギターを持たずハンドマイクで歌い届けたのは「片思い」。ピアノ伴奏に乗せて伸びやかに歌うハイトーン、ロングトーンには、繊細で瑞々しい恋心が満ち満ちていた。
続いてもバラード「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」を披露。まずはピアノ伴奏のみ、やがてバンド演奏とストリングスが加わった壮大なサウンドの中で、圧巻の美声を響かせる。終盤に向かうにつれて情感は昂っていき、ライトを一身に浴びて《いつもあなたを愛している》と歌い上げた場面には鳥肌が立った。アウトロが終わるのを待ちきれないように大拍手が起き、miwaが一礼すると更に拍手は大きくなった。
再びギターを持つと、アップテンポの「リブート」「chAngE」を連打。長い髪を揺らしながらギターを奏で、激情迸るロックボーカルで圧倒していく。観客はもはや、miwaのファン、flumpoolのファンという区別なく声を上げ、タオルを掲げたり拳を突き上げたりしながら思い思いにノッていた。メンバーもグッと前へ出てmiwaと接近し、向き合ったり背中合わせになったり、華やかなロックライブのスタイルのパフォーマンスを繰り広げ、盛り上がっていった。
続いて、四つ打ちのEDM的アプローチが近未来的なサウンドスケープを描き出す「ヒカリヘ」で場内の空気が一変。この日flumpoolがセットリストに選んでいた「two of us」にどこか通じる軽やかなタッチの曲で、両者のファンにとって親和性が高い見事な選曲だと思われた。miwaの歌声は2012年のリリース当時と変わらず清らかで美しく、透明感を失わないまま強くなっているのだった。
大歓声と拍手に包まれて感謝を伝え、サポートメンバーの紹介をしたあと全員を送り出すと、ひとりきりでステージに残ったmiwa。「最後に、私の原点である弾き語りで、デビュー曲をお届けしたいと思います。『don’t cry anymore』」とタイトルコールすると、凛とした佇まいでライトに射られながら、気迫に満ちた歌声を響かせていく。
すっかり場内を魅了して弾き語りを終え、「どうもありがとうございます!」と深く礼をすると、「皆さん、このあとはいよいよお待ちかね、flumpoolの皆さんです。最後までお楽しみください!」と挨拶、両手を大きく振ってステージをあとにした。
■神宮司治(レミオロメン)、杉本雄治(ONCE、ex.WEAVER)という豪華布陣がflumpoolをサポート
約20分間の転換を経た19時20分頃、SEが鳴り響きflumpoolのライブが幕開けた。
山村隆太、阪井一生(Gu)、尼川元気(Ba)、サポートするのは神宮司治(Dr/レミオロメン)、ピアノ&ギター&コーラスには杉本雄治(ONCE、ex.WEAVER)という豪華布陣。当面の間ライブ活動を休止中のメンバー小倉誠司(Dr)の不在は当然寂しく、バンドにとって不可欠な存在であることを改めて痛感するわけだが、彼が帰ってくる場所を守るためにも、3人は予定どおりツアーを開催する道を選び取ったのだろう。
「会いたかったぜ、千葉!」と山村はシャウトし、miwaのパートで前述した四つ打ちの軽やかなナンバー「two of us」を披露。以後、BLUE ENCOUNTとの対バンとは異なるセットリストを展開していく。「two of us」は、2011年にリリースしたアルバム『Fantasia of Life Stripe』のリード曲であり、煌めくサウンドがライブ空間によく映える、多幸感たっぷりの名曲。メンバー自ら心地良さそうに音に身を委ね、ステージをのびのびと動き回りながらパフォーマンスしているのが見て取れる。山村、阪井、尼川が後ろを向き、神宮司、杉本も含め5人でひとつの円を成すように向き合い、アイコンタクトしながら呼吸を揃えていたのも印象的。マイクを向けられた観客が《two of us!》と歌う場面も、呼吸がピッタリと合っていた。
「人見知りで社交的(笑)、flumpoolです。今日は皆さんとひとつになりにきました。最後までよろしく。初めての人も自由に楽しんでください」と山村は、miwaのMCを引用しながらユーモラスに挨拶。2025年にリリースした現時点での最新オリジナルフルアルバム『Shape the water』のリード曲「Keep it up!!」、続いてインディーズ時代からの人気曲「labo」を間髪入れず畳み掛けると、観客は大いに沸き立った。《踊ろよ、千葉!》と山村は歌詞を変えて煽り、音がカットアウトするとステージは暗転。静寂に大歓声が響きわたった。「NEW DAY DREAMER」では、もっともっと! と言うように山村が手招きして声を求めて、ファンとメンバーのコーラスがひとつになり場内を満たしていく。「素晴らしい歌声をありがとう!」と山村は笑顔で叫んだ。
「miwaさん、すごいステージやったね。例えるなら、太陽みたいな(笑)」と、miwaのMCで話題となった自らの発言を引用した山村。阪井、尼川と3人でテンポ良くトークを繰り広げ、和やかなムードが広がっていく。山村は、阪井が小さい指ハートを両手でmiwaに送っていたと暴露すると、阪井は威厳を見せようとしたのか、「年上やから」(※BLUE ENCOUNTとの対バン時のネタ)とmiwaを唐突に呼び捨てにし、「高い高いしてた」と小さな子ども扱い。ひとしきりコントのようなMCで笑いを取ったあと、キラキラと輝くmiwaのライブを袖で観ていたと山村は明かし、「見惚れてばかりもいられへん。僕たちは僕たちらしく頑張りたい」と宣言。
「心の中にある晴れない気持ち」を見つめ披露したのは、暗闇にあっても、雨のあとに架かる虹のような希望を信じようとするバラード「Over the rain ~ひかりの橋~」だった。アコースティックギターを掻き鳴らし、時折マイクを握りしめて切々と歌う山村。連動して阪井のギターも昂りを見せていく。続いて、杉本のピアノから、合唱曲として親しまれた名バラード「証」へ。曲の後半、ピアノに乗せた山村の歌唱に対し、尼川のベースがそっと寄り添うように奏でられ、転調とともに神宮寺の熱いドラミングが炸裂。キャリアを通して彼らが大切にしてきた二大バラードとも言える名曲の連打に、観客はじっと佇んで聴き入っていた。
「今日初めての人、どれくらいいる?」(山村)と尋ねると客席のあちこちで手が挙がった。「穏やか、優しそう、真面目そう、みたいなイメージを持たれがちですけど、そのイメージを下ろしていいですか?」と山村。絆や愛情ではなく“負のエネルギー”を込めて、普段のflumpoolとは違うイメージの曲を、と思って書いた曲だと語り、「夜は眠れるかい?」を放った。山村はグラマラスなロックボーカリストとして歌い、身を揺らし、尼川はベースを背中に回したままシンセを演奏し、二刀流のパフォーマンスを披露。阪井は珍しく足をモニターに乗せる大胆な体勢で、ギターソロを鋭利なサウンドで掻き鳴らした。
ホールであることを忘れさせ、ライブハウスを思わせる熱狂に酔わたあと、「reboot~あきらめない詩~」ではしきりに「千葉!」とシャウトしていた山村。観客がリズムに合わせてクラップしたり、掌を突き上げたりしながら楽しんでいる様子を、明るさを増していくライトが照らし出していた。
■アンコールでは、flumpoolの名曲「君に届け」をmiwaとともにツインボーカルで披露
興奮冷めやらぬなか、MCで山村は、miwaがひとりきりで堂々と届けた「don’t cry anymore」の弾き語りに「ものすごく熱くなった」とコメント。“もう大人だから”と自制せず「大人になっても、もっと熱くなっていいんだって思った」と語り、刺激を受けた様子を露わにした。続いて披露した「STAR EXTRA」は、そのように「大人になっても、まだ途中であること」を描いた新曲。《もう一度 ここから 精一杯 歌うよ》というリリックを目でも追いながら聴いていると、現在の山村、ひいてはflumpoolというバンドの“心の現在地”が浮き彫りになってくる。
「World beats」はタオル回しとコーラスで一体感を強めながら、パワフルにパフォーマンス。「千葉、まだ行けるぜ!」という山村の叫びは、ライブの煽り文句を超えて千葉県へのエールにも聴こえてくる。ここまででも十分に熱いライブだったが、このあと、さらに胸を打つ場面が待っていた。
「本当はここでドラムが鳴って次の曲へいくはずだったんですけど、さっきのmiwaさんの弾き語り。最後ひとりでやってたね。ギター1本で。あれをリハで観て、急遽ひとりで歌うことを決めました」と語り出した山村。《逢いたくて》と「星に願いを」をひとりで歌い出すと、場内には「ウォ~!」とどよめきが起きた。背後では神宮司がそんな山村の心意気を讃え、同時に観客を煽るように両手を大きく動かしている。全員での演奏がスタートして曲が始まっていき、ファンは拳を突き出し「Oi!Oi!」と叫んだりシンガロングしたり、それぞれの形で想いを重ねていく。これまでに聴いたどの「星に願いを」よりも剥き出しで荒っぽく野性味に溢れ、不屈の精神に胸を熱くさせられるパフォーマンスだった。
アンコールではmiwaを招き入れて、まずは和気藹々とトーク。miwaは、阪井が懸命に送っていた“小さい指ハート”は「暗くて、こうやってる(両拳を交互に上げたり下げたりする)ようにしか見えなくて」と語り、意図が伝わっていなかったことが判明し、一同爆笑。山村が「こいつ、さっき呼び捨てにしてましたよ」とバラすと、「聞いてました。“こうやって持ち上げた”って言ってました(笑)」と、話題にされていたことをお見通しだったmiwa。「歌はクールだけど、トークは関西人なんだな~って」と笑っていた。
山村は「こうしてmiwaさんとステージに立てるのは光栄です」と語り、miwaも「こうして一緒にステージに立って、一緒のイベントをできるのはうれしいです」と締め括ると、最後にflumpoolの「君に届け」をツインボーカルで披露した。ふたりは主旋律とハモりを交互に担いながら歌い繋いでいく。歌い終えるとmiwaは「落ちサビで、めっちゃ高い声で歌おうとしてまして、“あ、出ない”って(笑)」と謝ったが、山村は「そんなの関係なくめちゃくちゃ良かったです」と即座に絶賛。その真っ直ぐな言葉に、miwaへのリスペクトが表れていた。miwaもこの曲を「心を込めて歌いたいと思ったので、(“君に届け”が主題歌だった映画作品の)『君に届け』を観返して来ました」と明かし、flumpoolへのリスペクトを示した。
最後はmiwaを中心にラインナップし、6人で観客に挨拶。miwaは話題の“小さい指ハート”を繰り出し、温かな笑いの中で初対バンは幕を閉じた。
弾き語りライブツアーを開催中のmiwa。10月10日からはアニバーシブライブ『竜とそばかすの姫』が開幕、初舞台に挑戦する。11月14日からは東京、横浜、大阪にて『miwa Billboard Live Tour 2026 “miwa CLASSIC VI”』も開催。さらに、2027年1月からは、2012年にリリースしたアルバムの『再現ライブツアー “guitarium”』も控えている。
『flumpool tour 2026「ここからの歌」』は残すところ4公演。次回は10月17日福岡国際会議場 メインホールでのワンマンライブとなる。また、1月21日、山村の誕生日当日に開催された、flumpoolオフィシャルファンクラブ「INTERROBANG」会員限定ライブに続いて、尼川の誕生日当日の11月27日には尼川プロデュースによる『元気モリモリアマカワールド』を開催。2027年には阪井、小倉の誕生日当日にも各メンバープロデュースによる会員限定ライブが予定されている。
TEXT BY 大前多恵
PHOTO BY 渡邉一生
■セットリスト
◇miwa
1. ミラクル
2. 暑すぎて笑っちゃうね
3. 春になったら
4. あなたがここにいて抱きしめることができるなら
5. リブート
6. chAngE
7. ヒカリへ
8. don’t cry anymore
◇flumpool
1. two of us
2. Keep it up!!
3. labo
4. NEW DAY DREAMER
5. Over the rain ?ひかりの橋?
6. 証
7. 夜は眠れるかい?
8. reboot?あきらめない詩?
9. STAR EXTRA
10. World beats
11. 星に願いを
<ENCORE>
12. 君に届け(with miwa)
■関連リンク
ツアー特設サイト
https://www.universal-music.co.jp/jp/flumpool-kokokaranouta/#tour
miwa OFFICIAL SITE
https://www.miwa-web.com/
flumpool OFFICIAL SITE
https://www.flumpool.jp/














