『murffin discs 20th Anniversary “murffin Carnival!!”』が、東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催。マカロニえんぴつ、sumika、SUPER BEAVERらが熱狂のステージを繰り広げた。
■4つのステージに、合計20組のアーティストが出演
東京・渋谷に位置するライブハウスであるshibuya eggman。今年で設立45周年を迎えた同ライブハウスは、音の鳴る場所を提供するのみならず、2006年1月に発足したインディーズレーベル・murffin discsの発信を通じ、ライブハウスで発見したアーティストを次々とリスナーへ届けてきた。そんなmurffin discsが設立20周年を祝し、10月18日に東京・国立代々木競技場 第一体育館にて主催イベント『murffin Carnival!!』を開催した。
東京と大阪でのポップアップショップの展開や、20周年を記念した映画『はじまりのさよなら』の発表、所属アーティストの楽曲を収めたサンプラーの配布など、アニバーサリーイヤーを盛り上げるべく様々な施策を展開してきたmurffin discsであるが、やはり彼らの原点はライブハウスであり、現場。murffin discsにとって過去最大規模となった本イベントでは、FRY STAGE、SCRAMBLE STAGE、BOIL STAGE、POACH STAGEと銘打たれた4ステージに、合計20組のアーティストが集結した。
■マカロニえんぴつ「すげぇ臭いことを言うと、全部の瞬間が運命」
FRY STAGEのトップバッターを飾ったのは、2016年にmurffin discs内で立ち上がったレーベル・TALTOに所属するマカロニえんぴつだ。所属当初は東京カランコロンとSAKANAMONの背中を見つめるレーベルの弟分だった彼らだが、はっとり(Vo,Gu)が「TALTOを背負ってきてるんで」と話したように、今となってはTALTOの看板を堂々と担うひと組である。
ひと癖もふた癖もある華やかなメロディを、確かなスキルでポップスとして束ね上げていく手腕はTALTOに所属するバンドの緩やかな共通項であるが、マカロニえんぴつの5人も1曲目に演奏した「いつか何もない世界で」から、多種多様な音色を散りばめていく。四分音符で鳴らされるエレキベースが牽引した「グッドラック・マイラバー」にしろ、花火のサウンドエフェクトを組み込んだ「星が泳ぐ」にしろ、随所に設置された仕掛けが発動するたびに、オーディエンスも両腕を掲げ応答。この光景には、はっとりも「音楽へ食らいつく皆さんの姿を見て、このやり方で間違っていなかったかもなと思いました」と称賛を送った。
一方、スカイブルーのレーザーが舞った「悲しみはバスに乗って」のこぶしやがなりを加えたパワフルな歌声を筆頭に、カラフルという形容に留まらないエネルギーを湛えていることこそ、マカロニえんぴつがライブバンドたる所以。「すげぇ臭いことを言うと、全部の瞬間が運命だと思ってます」と最後を彩った最新曲「運命さがし」の最中、一心不乱に一音一音を鳴らすメンバーの姿は、決して気負うことなく、愚直に今を生きるマカロニえんぴつを剥き出しにしていった。
■sumika「murffin discsのことは、いつか本にしたいんです」
「先輩も後輩も関係なく、一等賞をとりにやってきました」という幕開けの合図と同時に「運命」を放ち、《”1”唱えて チャームのように》の歌い出しでナンバーワンを示唆する1本指をあちこちから出現させたsumika。片岡健太(Vo,Gu)が「契約書を探したけどなかった」と笑いながら明かしていたとおり、彼らとmurffin discsの関係は、2014年11月にレーベル[NOiD]から発表した2ndミニアルバム『I co Y』から数えて、12年に及ぶ。
「murffin discsのことは、いつか本にしたいんです」と語るほどのストーリーもあってか、「愛を込めて」と捧げられた「Lovers」では小川貴之(Key,Cho)が「あなたのおかげで今がある!」と咆哮し、片岡も「過去イチのヤツ、やるんだろ!」「今日は今日しかない。だから全部出しきる!」と気迫の籠った台詞を重ねながら、「ふっかつのじゅもん」や「「伝言歌」」を連投していった。
「俺たちは3年前にメンバーを亡くしました。そこから、今みたいに笑えるようになって、音楽が楽しいと心の底から思えるようになったのは、murffin discsのおかげです」と感謝を告げると、片岡がおもむろに歌い出す。エンディング曲は「Starting Over」だ。《俺たちで 今ゆこうか》と歌詞を変え、熱唱を先導したsumikaは、MCで口にした「murffin discsに依存するのではなく、フラットに付き合っていきたい」という理想の関係性を、その逞しいステージで実現しようとしていた。
■SUPER BEAVER「若手バンドの客を含め、全バンドの客を取りにきました」
FRY STAGEを締めくくったSUPER BEAVERは、「俺らでしかできない、馬鹿デカい音楽を作りましょう」と「美しい日」をオープナーに選択。真紅の映像に極太の歌詞が投影された2曲目の「燦然」や、「手加減しなくて良いですよ?」の激励に会場中の合唱とクラップが注がれた4曲目の「クライマックス」、「汗水垂らすバンドが好きなんで、楽しかったです」と1日を振り返ったうえで、そんな泥臭いロックバンドとして自身も音楽を鳴らし抜くことを表明した6曲目の「生きがい」をはじめ、メジャー再契約を果たした2020年6月10日以降に世へ放たれた楽曲を中心とするセットリストが展開された。
[NOiD]の発足10周年を記念した2023年のイベントにて、[NOiD]時代のSUPER BEAVERとの対バンをセルフで繰り広げていたことを考えれば、2013年から2020年6月までにリリースした[NOiD]時代の楽曲を集約することも可能だっただろう。しかし、彼らはそのルートを選ぶことなく、ドーム公演を経て逞しくなったSUPER BEAVER像を提示したのである。
「いろんな先輩の客を喰って、俺たちはここまで来たんだよ。だからこそ、今日はいろんなバンドに喰ってかかってきてほしいと思ったんだよね」と不敵に告げたうえで、「若手バンドの客を含め、全バンドの客を取りにきました」と宣言したとおり、SUPER BEAVERはどこまでもチャレンジャーであり、音楽を共に鳴らす仲間を今日も待ち望んでいたようだった。
TEXT BY 横堀つばさ
PHOTO BY 日吉”JP”純平 ※ライブ写真(メイン写真:SUPER BEAVER)
【画像】会場の様子
■関連リンク
murffin discs 公式サイト
https://murffindiscs.com










